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※夜這い8
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「はあ、イく……っ」
獣の唸りのような囁きが耳朶を叩いたかと思うと、熱の塊が腹の底をぐっと押し上げ、その状態でびくりと震えた。最奥で怒張が跳ねて、狭まった内壁ごと揺れ動かされる。
「い、ぁ、あう、やあっああ~~~っ」
ベアトリーチェは大きく喉をそらし、下肢を震わせた。
ガクガクと膝が痙攣して、背筋が弓なりに反り上半身が浮かび上がる。レオンハルトのものを受け入れている場所が激しくうねって止まらない。
息も絶え絶えなのに何かに取りつかれ操られているようで、意思だけではどうにもならなかった。強い波が打ち寄せすべてを攫われていくような感じが身を包み、一瞬意識が遠のく。
目を閉じて胸を大きく喘がせながら呼吸を整えていると、急に胎内からずるりと熱が抜け落ちていった。とろりと太ももにぬるい液体がこぼれ落ちる。
空洞になったはずの場所は長大な彼のものの形に拡がってしまったのか、まだ入っているかのような感覚があった。
「大丈夫か」
「は……っ」
返事をしようとしたけれど、声の代わりに空咳が出てむせてしまう。早く答えなければと焦っていると、背中を撫でる手のひらの存在に気がついた。何度か撫でつけられるうちに、咳は次第に落ち着いていった
涙の絡んだまつ毛をしばたたかせると、ぼやけた視界に薄氷色の瞳が映る。きらきらと濡れたような光を放つ双眸はまるで宝石のようだった。
――きれい。
策略づくでベッドを共にした相手に対してそんなことを思うなんて、どうかしている。
他のことを考えたくないからどうでもいいことに注目して気を紛らわせているだけかもしれない。
とにかく疲れきっていて、うまく頭が働かなかった。
喉が渇いているし足の間がどろどろとして気持ち悪いけれど、身体を起こすことすら億劫で寝台に横たわったまま目を閉じる。
寝台が軽く軋みながら揺れた。レオンハルトが移動したのかもしれないが、ベアトリーチェはまだ動き出せそうにない。
何も言われないのをいいことに横になっていると、急に首の後ろを支えられ、身体をわずかに起こされる。
「……た方がいい」
低い声が何事かを囁いている気がしたが、聞き逃してしまった。目を開けようとして瞼を震わせるけれど、身体はもう限界で一刻も早く休みたいと訴えていた。
――ごめんなさい。少しだけ休ませて。
倦怠感にあらがえずまつ毛を伏せると、突然柔らかいもので唇を覆われる。
「ん、……く」
すぐに冷たい液体が口内に流れ込んできた。酷使した喉に染み入るような清涼感が心地よい。
ほっと人心地ついて、ベアトリーチェは今度こそ眠りの縁に落ちていった。
獣の唸りのような囁きが耳朶を叩いたかと思うと、熱の塊が腹の底をぐっと押し上げ、その状態でびくりと震えた。最奥で怒張が跳ねて、狭まった内壁ごと揺れ動かされる。
「い、ぁ、あう、やあっああ~~~っ」
ベアトリーチェは大きく喉をそらし、下肢を震わせた。
ガクガクと膝が痙攣して、背筋が弓なりに反り上半身が浮かび上がる。レオンハルトのものを受け入れている場所が激しくうねって止まらない。
息も絶え絶えなのに何かに取りつかれ操られているようで、意思だけではどうにもならなかった。強い波が打ち寄せすべてを攫われていくような感じが身を包み、一瞬意識が遠のく。
目を閉じて胸を大きく喘がせながら呼吸を整えていると、急に胎内からずるりと熱が抜け落ちていった。とろりと太ももにぬるい液体がこぼれ落ちる。
空洞になったはずの場所は長大な彼のものの形に拡がってしまったのか、まだ入っているかのような感覚があった。
「大丈夫か」
「は……っ」
返事をしようとしたけれど、声の代わりに空咳が出てむせてしまう。早く答えなければと焦っていると、背中を撫でる手のひらの存在に気がついた。何度か撫でつけられるうちに、咳は次第に落ち着いていった
涙の絡んだまつ毛をしばたたかせると、ぼやけた視界に薄氷色の瞳が映る。きらきらと濡れたような光を放つ双眸はまるで宝石のようだった。
――きれい。
策略づくでベッドを共にした相手に対してそんなことを思うなんて、どうかしている。
他のことを考えたくないからどうでもいいことに注目して気を紛らわせているだけかもしれない。
とにかく疲れきっていて、うまく頭が働かなかった。
喉が渇いているし足の間がどろどろとして気持ち悪いけれど、身体を起こすことすら億劫で寝台に横たわったまま目を閉じる。
寝台が軽く軋みながら揺れた。レオンハルトが移動したのかもしれないが、ベアトリーチェはまだ動き出せそうにない。
何も言われないのをいいことに横になっていると、急に首の後ろを支えられ、身体をわずかに起こされる。
「……た方がいい」
低い声が何事かを囁いている気がしたが、聞き逃してしまった。目を開けようとして瞼を震わせるけれど、身体はもう限界で一刻も早く休みたいと訴えていた。
――ごめんなさい。少しだけ休ませて。
倦怠感にあらがえずまつ毛を伏せると、突然柔らかいもので唇を覆われる。
「ん、……く」
すぐに冷たい液体が口内に流れ込んできた。酷使した喉に染み入るような清涼感が心地よい。
ほっと人心地ついて、ベアトリーチェは今度こそ眠りの縁に落ちていった。
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