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※夜這い5

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「お互い楽しみたいだろう」
一夜限りの後腐れがない関係だからこそ、快楽を追い求めようというのだろう。
ベアトリーチェにとっては、楽しむなんて考えたくもないことだった。
国民への償いになればそれだけでいい。これは罰でもある。つらく苦しい体験であればあるほど意味があるとさえ思えた。
そんなベアトリーチェの想いもつゆ知らず、レオンハルトは指先でベアトリーチェの秘所をくすぐるようになぞった。
「ふ、う……っ」
下へ上へ、固い指先に撫でられて、こらえきれずに息をこぼす。きつく閉じた瞼の裏に、白い光がちかちかと瞬いた。
触れられた箇所から微弱な快感が生まれ、肌の感覚が鋭くなっていくようだ。
胸の先が切なく疼くことに気づき、居たたまれない気持ちになる。視線を向けると、普段はひっそりと慎ましやかなはずの先端が、今はつんと主張していた。
レオンハルトも薄いネグリジェの布地の奥で息づく蕾の存在に気づいたようだ。遊んでいた片手が伸びてきて、無骨な手のひらでまろやかな起伏を揉みしだかれる。シルク一枚を挟んで敏感になった乳頭と彼の手がこすれ合うと、びくっと強く身体が揺れた。
同時に足の付け根を探られる。潤んだその場所に侵入しようとする指を感じ、今度こそ痛みを覚悟した。
「ぅ……っ」
中を押しひろげられる時の何とも言えない感覚に肌を粟立てはしたが、予測していたような苦痛ではないが、かと言って快楽とも言えない。
――これなら耐えられる。
違和感と向き合いながら、されるがままになっていたベアトリーチェだが、長くて節高い彼の指がある一点を押し回したと同時に冷静さを失った。
「んああっ」
ひときわ高く啼いたベアトリーチェを見て、レオンハルトは口の端をつり上げた。
「貴女が弱いのはここか」
おもちゃの仕掛けに気づいた子どものように、彼はその場所に何度も指で触れた。そのたびに抑えきれない嬌声がこぼれ落ちてしまう。
いやいやと首を振りながら、行き場のない手でレオンハルトのシャツを握りしめる。けれど彼はそんな抵抗などものともせず、ベアトリーチェの弱い場所を暴いた。
中に埋められた指が増やされ、抽挿される間、ベアトリーチェはただ早く終わらせてほしいと願っていた。そしてようやく指が抜かれる。
と、レオンハルトの手がネグリジェの胸元に伸ばされる。リボンを解かれ、胸元で合わさった生地が緩んだところを彼が手早く左右に開く。あっという間に素肌を暴かれ、ベアトリーチェはとっさに腕で胸を覆い身体を縮めた。
その次に、レオンハルトがシャツを脱ぎ捨てる。筋肉の陰影がくっきりと浮かび上がった彼の裸身は刺激が強く、ベアトリーチェはあたふたと視線をそらした。
衣擦れの音が止まったかと思うと、ぎしりと寝台が揺れた。おそるおそるレオンハルトの様子をうかがえば、彼はベアトリーチェの肩の横に手をついて覆いかぶさってきた。
間もなく、レオンハルトの腰が足の間にあてがわれた。先ほどまで散々弄ばれた場所に硬いものを突き付けられて、その熱さにぎょっとして視線を向ける。
「え?」
彼の足の間に揺れる長くて太い物体を目の当たりにして、ベアトリーチェは驚きに目を見張った。
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