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第四章 幸せな日々
プレゼント選び②
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服をプレゼントするのは一緒にデートに来たときにしようと考えた僕は、別の売り場へと移動した。
「靴下か……」
これは、どうなんだろう。
あって困らない気はするけれど、彼氏からのプレゼント感が無い気がする。
それに、初めてのプレゼントだから、できるだけ長く使ってもらえるものがいい。
靴下とか、そのうち穴開いちゃうし。
そうなったら、記念品だから捨てにくいと思うし、穴の開いた靴下とか大事に取っておかれてもなあ。
という訳で靴下も無し。同様の理由でストッキングもダメ。
その隣は……下着売り場だった。
即却下。サイズ知らないし。
落胆しながらも、店内を徘徊。
すると。
「髪留め……」
有りなような気はする。
ただ……単価が安い。
せっかく頑張ってバイトをしたのだから、もう少し値の張るものをあげたいとも思う。もっと高い物……。
髪留め……高級っと。
思い付きをスマホで検索。すると……。
「うわっ! 二万っ!」
とんでも価格が目に飛び込んできた。
思わずスマホに釘付けになって画面をスクロールする。
「二万、二万、……一万、一万……十万!? あ、八千、五千、千二百円……」
ピンキリだった。
何にでも高級品ってあるんだなあ。
高級髪留めとか無くしそうで怖い。
中学の頃とか、よく校内にヘアピン落ちてたし。
いや、初めてのプレゼントで二万の髪留めとか送られたら引いちゃうよな。っていうか万超えたら明希は困っちゃうと思う。
プレゼントは徐々にランクアップというか、大人になってから迎える記念日なんかに奮発するべきだろう。
今月のバイト代は今後のデートで使えばいいわけだし、今回のプレゼントは一万円は超えないようにしよう。なるべく。
とりあえず、髪留めは候補にしておくとして(普通の値段のやつ)。
隣に置いてあるマフラーや手袋もなかなかいいじゃないか。
こういうのはなんかカップルのプレゼントっぽい。いや、これは彼女から彼氏に送るものか? 手編みのやつとか……。
まあいいか。とりあえず、これも候補。
しかし、店内を回ってみて、プレゼントの傾向がようやく浮かび上がってきた。
身に着ける物、あるいはまあまあの頻度で使う物。かつ、なるべく消耗の遅い……それでいて、女の子らしい物。ただし、サイズがわからないものは除く。
となると……。
「ネックレスやチョーカーみたいなアクセサリー……それから手鏡や櫛なんかも良いかもしれない」
候補はどんどん浮かんでくる。
これならきっと良いプレゼントが見つかる……などと、この時点では思っていた。
だが。
日が暮れるまで駅近くの店をめぐってから家に帰ってきた僕は、袋一杯の手荷物を持っていた。
「……買いすぎたな」
玄関の前で一人呟く。
候補はいっぱい浮かんだのだが絞り切れず。
悩み過ぎて正常な判断ができなくなった僕は、あれもこれもと買い込んでしまったのだった。
一つひとつはそんなに大きなサイズではなく、値段も学生らしい手ごろな価格の物を選んだが、数と共に量や値段も膨らんでいった。
いつもはこんなに買い物下手じゃないんだけれどなあ……。
ため息をつきながら玄関を開ける。
すると……。
「あ……」
玄関を開けた先で、妹とばったり遭遇した。
「靴下か……」
これは、どうなんだろう。
あって困らない気はするけれど、彼氏からのプレゼント感が無い気がする。
それに、初めてのプレゼントだから、できるだけ長く使ってもらえるものがいい。
靴下とか、そのうち穴開いちゃうし。
そうなったら、記念品だから捨てにくいと思うし、穴の開いた靴下とか大事に取っておかれてもなあ。
という訳で靴下も無し。同様の理由でストッキングもダメ。
その隣は……下着売り場だった。
即却下。サイズ知らないし。
落胆しながらも、店内を徘徊。
すると。
「髪留め……」
有りなような気はする。
ただ……単価が安い。
せっかく頑張ってバイトをしたのだから、もう少し値の張るものをあげたいとも思う。もっと高い物……。
髪留め……高級っと。
思い付きをスマホで検索。すると……。
「うわっ! 二万っ!」
とんでも価格が目に飛び込んできた。
思わずスマホに釘付けになって画面をスクロールする。
「二万、二万、……一万、一万……十万!? あ、八千、五千、千二百円……」
ピンキリだった。
何にでも高級品ってあるんだなあ。
高級髪留めとか無くしそうで怖い。
中学の頃とか、よく校内にヘアピン落ちてたし。
いや、初めてのプレゼントで二万の髪留めとか送られたら引いちゃうよな。っていうか万超えたら明希は困っちゃうと思う。
プレゼントは徐々にランクアップというか、大人になってから迎える記念日なんかに奮発するべきだろう。
今月のバイト代は今後のデートで使えばいいわけだし、今回のプレゼントは一万円は超えないようにしよう。なるべく。
とりあえず、髪留めは候補にしておくとして(普通の値段のやつ)。
隣に置いてあるマフラーや手袋もなかなかいいじゃないか。
こういうのはなんかカップルのプレゼントっぽい。いや、これは彼女から彼氏に送るものか? 手編みのやつとか……。
まあいいか。とりあえず、これも候補。
しかし、店内を回ってみて、プレゼントの傾向がようやく浮かび上がってきた。
身に着ける物、あるいはまあまあの頻度で使う物。かつ、なるべく消耗の遅い……それでいて、女の子らしい物。ただし、サイズがわからないものは除く。
となると……。
「ネックレスやチョーカーみたいなアクセサリー……それから手鏡や櫛なんかも良いかもしれない」
候補はどんどん浮かんでくる。
これならきっと良いプレゼントが見つかる……などと、この時点では思っていた。
だが。
日が暮れるまで駅近くの店をめぐってから家に帰ってきた僕は、袋一杯の手荷物を持っていた。
「……買いすぎたな」
玄関の前で一人呟く。
候補はいっぱい浮かんだのだが絞り切れず。
悩み過ぎて正常な判断ができなくなった僕は、あれもこれもと買い込んでしまったのだった。
一つひとつはそんなに大きなサイズではなく、値段も学生らしい手ごろな価格の物を選んだが、数と共に量や値段も膨らんでいった。
いつもはこんなに買い物下手じゃないんだけれどなあ……。
ため息をつきながら玄関を開ける。
すると……。
「あ……」
玄関を開けた先で、妹とばったり遭遇した。
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