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特訓①
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留守番をしている間、僕は筋トレをすることにした。クエストに連れて行ってもらえなかったのが悔しくて、かなり熱の籠ったものになった。
「成長促進の加護を貰ったとはいえ、すぐには効果出ないか……」
内心すこし期待していたのだが、疲労感以外に変化はなかった。
「……、もうひと頑張りするか」
♢
スポーツにおいて下半身の強化は欠かせないのだから、戦闘においても重要だろうと考え、外でランニングをすることにした。
着ているのは昨日買ってきた黒の戦闘服。学生服、戦闘服、パジャマという三択の結果、この格好になった。異世界に来て、バリバリ戦うつもりで選んだ戦闘服だったが、地味なランニングをする格好としては不適切。正直いって恥ずかしい。住宅地を走っているのだけれど、昼間で働きに出ているのか、人とすれ違わないのが幸いだ。
そんなことを思いながら、少しぼこぼこした土の道を、淡々と走っていく。
「おや、マサト君じゃないか」
しばらく走ったところで、聞き覚えのある、ボーイッシュな女性の声で名前を呼ばれた。
その声に反応し走っていた道の脇の路地を見ると、そこには、昨日町を案内してくれた茶色いショートヘアの女性、リコさんがいた。
今日は黒を基調としたロングドレスを着ているリコさん。そのドレスのふわりと広がるスカートの裾がキュッとしまったくびれをより強調し、大人の魅力を醸し出している。
「こんにちは、リコさん」
そう言って僕が会釈すると、リコさんも、こんにちはと微笑み返してくれた。
「どうしたんだい、こんなところで?」
リコさんが、小首を傾げて尋ねてくる。
「いやあ、ちょっと特訓を」
特訓とか口にするの恥ずかしいな。言って少し後悔する。
「特訓?」
クエストに同行したいとティナに頼んだが断られてしまったことと、それが悔しくて特訓を始めたことをリコさんに話した。
「それなら、あたしが稽古をつけてあげよう!」
僕の話を聞いたリコさんがポンっと手を叩いてそう提案した。
「いいんですか?」
「いいとも。ではさっそく、ついてきたまえ」
「成長促進の加護を貰ったとはいえ、すぐには効果出ないか……」
内心すこし期待していたのだが、疲労感以外に変化はなかった。
「……、もうひと頑張りするか」
♢
スポーツにおいて下半身の強化は欠かせないのだから、戦闘においても重要だろうと考え、外でランニングをすることにした。
着ているのは昨日買ってきた黒の戦闘服。学生服、戦闘服、パジャマという三択の結果、この格好になった。異世界に来て、バリバリ戦うつもりで選んだ戦闘服だったが、地味なランニングをする格好としては不適切。正直いって恥ずかしい。住宅地を走っているのだけれど、昼間で働きに出ているのか、人とすれ違わないのが幸いだ。
そんなことを思いながら、少しぼこぼこした土の道を、淡々と走っていく。
「おや、マサト君じゃないか」
しばらく走ったところで、聞き覚えのある、ボーイッシュな女性の声で名前を呼ばれた。
その声に反応し走っていた道の脇の路地を見ると、そこには、昨日町を案内してくれた茶色いショートヘアの女性、リコさんがいた。
今日は黒を基調としたロングドレスを着ているリコさん。そのドレスのふわりと広がるスカートの裾がキュッとしまったくびれをより強調し、大人の魅力を醸し出している。
「こんにちは、リコさん」
そう言って僕が会釈すると、リコさんも、こんにちはと微笑み返してくれた。
「どうしたんだい、こんなところで?」
リコさんが、小首を傾げて尋ねてくる。
「いやあ、ちょっと特訓を」
特訓とか口にするの恥ずかしいな。言って少し後悔する。
「特訓?」
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「それなら、あたしが稽古をつけてあげよう!」
僕の話を聞いたリコさんがポンっと手を叩いてそう提案した。
「いいんですか?」
「いいとも。ではさっそく、ついてきたまえ」
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