上 下
63 / 90

33話:凛さんと図書館で 前編

しおりを挟む
今日は日曜日、僕は今図書館に向かっているんだ。明日は定期テストだからね。定期テストの前日は毎回図書館で勉強をする。
家の自分の部屋で一人で勉強するより、図書館で勉強したほうがはかどるんだよね。
なんでだろう??


そんな事を思いながら図書館に着いた。
ここの市の図書館は結構広いのに人が少ないから静かでいいんだよね。

僕は毎回一番奥の机で勉強をするからいつも通り奥の席に向った。一番奥の机は一番木の匂いを感じるからお気に入りなんだ。木の匂いってなんか落ち着くんだよ…


「……ん?」


よく見るといつも僕が座っている席に誰か座っているな…う~ん…しょうがないから他の席で勉強しようかな…

………ん、いやなんかあの人の後ろ姿見たことある気が…


じっと後ろ姿を見ていたから席に座っている人は視線に気付いたのだろう…勉強していたのかャープペンシルを動かしていた手を止めてこちらを振り返ってきた。


「あっ!るい君じゃん!」

「っ…凛さんっ!」

急に後ろを振り向いたからびっくりしたけど凛さんか…ここに居るってことは凛さんも定期テストの勉強をしているのかな…? 


「私は今定期テストの勉強をしていたんでけど、るい君も定期テストの勉強をしに来たの?」

「うん、そうだよ!家より図書館で勉強をしたほうが勉強がはかどるんだよね。だから定期テストの前日は毎回図書館のここの席で勉強をしているんだ。木の匂いで落ち着くんだよね」

「分かる…!だから私もここの席で勉強をしていたんだよ!…そうだっ!一緒に勉強をしない?私分からない問題があるんだよね…るい君って確か順位高くて頭が良かったから。迷惑かもしれないけど…」

凛さんはそう言って不安そうな瞳をしながら上目遣いで僕を見上げてきた。
凛さんがモテる理由がよく分かるよ…これは男なら一発で即恋に落ちるね…
……でもなんか僕はドキッとはしなかったな…
単純に凛さんが好みのタイプではなかったからなのかな…?

「いや、全然迷惑じゃないよ。教えることによって僕もより理解を深められるからね!どこの問題ができないの?」

「ありがとうございますっ!!えーっと…ここの問題がどこの公式を使えばいいか分からなくて…」

「そこならこうやって……」



―――――――――――


「赤蛇さんの昨日の配信観ました??あのスナイパーライフルの9連ヘッドショットキル凄すぎたよね!」


「うん!あれには鳥肌が立ったよ…赤蛇さんはいつもスナイパーライフルが上手いけど昨日は特に神がかってたね…」

今は勉強をしながらエターナルのVtuberの話題で盛り上がっていた。やっぱり凛と話すと面白いなぁ。


「はい、あ…えーっと………その…昨日の配信といえばアザーちゃんとな、菜乃葉…ちゃんの配信み、観ましたかっ…??」


「え…??う、うん…観たよ…」

本当は観たんじゃなくてその配信に出てたんだけどね…!やっぱり凛さんはこのコラボの話題は出すと思ってたから心の準備はしてたけどやっぱり、いざ出されると緊張が凄い…
僕がアザーとバレることは流石にないと思うけど、一応気をつけなきゃ…


「アザーちゃんのピアノ凄かったよね!まさかあんなに上手だとは思わなかったよ!!音色が綺麗すぎた!」


「う…うん、確かにそうだったね…それより菜乃葉ちゃんのバイオリンも凄かったよね。聴いてて繊細なのに迫力が凄くてもうびっくりはしたよ…やっぱり僕、菜乃葉ちゃんとコラボして良かったって思ったね…もう一生菜乃葉ちゃんのこと推すよ…ピアノ褒めてくれて嬉しすぎたよ…」


「い、一生…!?そ、その…ありがとうございます…って、なんかるい君その言い方だと自分がコラボしたみたいな…」


「んぇっ…!?いやいや、違うよ!?アザーちゃんに感情移入しすぎてただけだから…!!」

やばいやばい…ついうっかり口がすべったよ…
なんか意味不明な言い訳だったけど流石にバレなかったよね。
うん…というか僕がアザーって分かるわけないか


「そう…そんなにアザーちゃんの事が好きなんだ!私もアザーちゃんが推しだからめちゃめちゃ嬉しい!」


「り、凛さんは…最近アザーちゃんの配信観てるんだもんね…?」


「うん!もうエターナルの中でも最推しだよ!白犬ちゃんや黒猫ちゃんもいいんだけどね!アザーちゃんは本当に可愛すぎる!」


………凛さんそれ本人に言ってるんだけどね…!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました

不知火
BL
温かい家族に包まれた1人の男の子のお話 爵位などを使った設定がありますが、わたしの知識不足で実際とは異なった表現を使用している場合がございます。ご了承ください。追々、しっかり事実に沿った設定に変更していきたいと思います。

僕がサポーターになった理由

弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する 生きている人全員に何らかの力がある 「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから) でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった だけど、僕には支えがあった そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す 僕は弱い 弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい だから、頑張ろうと思う…… って、えっ?何でこんな事になる訳???? ちょっと、どういう事っ! 嘘だろうっ! 幕開けは高校生入学か幼き頃か それとも前世か 僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ
BL
『魅惑のプリンセス』というタイトルの乙女ゲームに転生した俺。転生したのはいいけど、悪役令嬢の双子の兄だった。

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い

papporopueeee
BL
契約社員として働いている川崎 翠(かわさき あきら)。 派遣先の上司からミドリと呼ばれている彼は、ある日オカマバーへと連れていかれる。 そこで出会ったのは可憐な容姿を持つ少年ツキ。 無垢な少女然としたツキに惹かれるミドリであったが、 女性との性経験の無いままにツキに入れ込んでいいものか苦悩する。 一方、ツキは性欲の赴くままにアキラへとアプローチをかけるのだった。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

処理中です...