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43. デートのようです③
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カフェに入った私達は、個室の席に案内された。
外にはいつの間にか行列が出来ていたけれど、アドルフ様は予約してくれていたみたいで、並ばずに入れている。
……というよりも、貴族にはあまり知られていないみたい。
「アドルフ様、このお店はどこで知られたのですか?」
「自分で探した」
「え……? そこまでしてくださったのですか?」
どうして知っているのか気になったから問いかけたのだけど、予想外の答えが返ってきて困惑してしまう。
ヴィオラや侍女から聞いたという答えを予想していたのに……。
「婚約者の好みに合わせて調査をするのは当たり前のことだろう?」
「ここまでしてくださる方は少ないと聞きますわ」
「そうなのか。皆、こうしていると思っていたよ」
言葉を交わしながら、メニューを裏返す私。
このお店のメニューの数は少ないみたいで、頑張れば今日だけで全種類食べられそうね。
でも、そんなことをしてしまったら、夕食を食べきれなくなってしまう。それに、余計なお肉が付いてしまって、大変な思いをする事にもなってしまうわ。
だから、今日は1つだけ食べることに決めた。
残りのメニューは、またアドルフ様と来た時に楽しめば良いのよね。
ここに来るのが今回だけなら、頑張って全種類食べるけれど、ここは王都の中。気が向けばいつだって来ることが出来る。
「サーシャ、決まったかな?」
「ええ。これにしますわ」
「分かった」
そう口にしてから、私が指差したメニューを2つ注文するアドルフ様。
もしかして、同じものを食べようとしていたのかしら?
それとも、私に合わせてくれたの……?
気になるけれど、この質問はやめた方が良いわよね……。
「今月の末に王宮パーティーがあることは知っているか?」
「ええ。パーティーで何かありますの?」
「その時のエスコート役だが、俺に任せてもらえないだろうか?」
「私は大丈夫ですわ。でも、エスコートになると、その……密着することも多くなるので、アドルフ様が耐えられるか心配です」
アドルフ様にエスコートされること自体は歓迎なのだけど、彼にはまだエスコートされたことが無いから、大丈夫なのか心配になってしまう。
そういえば、前回の人生でもエスコートされたことは無かったような気がするわ……。
「……。
多分大丈夫だ」
「今の間は……」
「気にしないでくれ。しっかりエスコート出来る。
後で証明するよ」
かなり心配になってしまったところで、注文していたパフェが運ばれてきた。
それからは、明るい話題をお互いに出して、パフェを楽しむことになった。
「すごく美味しいですわ。また来たいです」
「気に入ってもらえて良かった。もちろん、また一緒に来よう」
「ありがとうございます」
お互いに笑顔を浮かべる私達。
このパフェの甘さは少し控えめだけれど、そのお陰であと3つくらいは食べられそうな気がする。
本当に美味しいから、つい勢いが付いてしまった。
「美味しそうに食べるのだな」
「えっと……はしたないですよね」
「むしろ好ましいと思っているよ。
美味しいものは美味しそうに食べるべきだろう。
女性はよく、細々としか食べないが、あれでは不満に思われていると錯覚してしまう」
不味いと思ったけれど、どうやらアドルフ様には好意的に映っていたらしい。
私のお父様も国王陛下も、美味しいものは美味しそうに食べる人だから、あまり気にしていなかったのよね……。
そんな言い訳をしたところで、失態は失態だから反省しなくちゃ。
「そんな考え方もありますのね」
「むしろ、俺のような考え方をする人は多いと思う。
場面次第では、淑やかな食べ方も必要だが、二人きりの時は楽しそうにしてもらった方が嬉しい。
可愛い顔も見られるからな」
「むぐっ……!?」
突然の発言に驚いて、むせる私。
可愛いって、いきなり言われても困るのよ……。
「大丈夫か!? とりあえず、お茶を飲め」
すぐに反応したアドルフ様が空になっていたティーカップにお茶を注いでくれた。
それを受け取って、飲み込みながら癒しの力を使ったから、咳は出さずに済んだ。
「ありがとうございます。助かりました」
「焦らなくていい。好みのペースで食べてくれ」
さっきまで私の気持ちに敏感だったのに、どうして今は落ち込んでいるのかしら?
余計に恥ずかしいわ。
外にはいつの間にか行列が出来ていたけれど、アドルフ様は予約してくれていたみたいで、並ばずに入れている。
……というよりも、貴族にはあまり知られていないみたい。
「アドルフ様、このお店はどこで知られたのですか?」
「自分で探した」
「え……? そこまでしてくださったのですか?」
どうして知っているのか気になったから問いかけたのだけど、予想外の答えが返ってきて困惑してしまう。
ヴィオラや侍女から聞いたという答えを予想していたのに……。
「婚約者の好みに合わせて調査をするのは当たり前のことだろう?」
「ここまでしてくださる方は少ないと聞きますわ」
「そうなのか。皆、こうしていると思っていたよ」
言葉を交わしながら、メニューを裏返す私。
このお店のメニューの数は少ないみたいで、頑張れば今日だけで全種類食べられそうね。
でも、そんなことをしてしまったら、夕食を食べきれなくなってしまう。それに、余計なお肉が付いてしまって、大変な思いをする事にもなってしまうわ。
だから、今日は1つだけ食べることに決めた。
残りのメニューは、またアドルフ様と来た時に楽しめば良いのよね。
ここに来るのが今回だけなら、頑張って全種類食べるけれど、ここは王都の中。気が向けばいつだって来ることが出来る。
「サーシャ、決まったかな?」
「ええ。これにしますわ」
「分かった」
そう口にしてから、私が指差したメニューを2つ注文するアドルフ様。
もしかして、同じものを食べようとしていたのかしら?
それとも、私に合わせてくれたの……?
気になるけれど、この質問はやめた方が良いわよね……。
「今月の末に王宮パーティーがあることは知っているか?」
「ええ。パーティーで何かありますの?」
「その時のエスコート役だが、俺に任せてもらえないだろうか?」
「私は大丈夫ですわ。でも、エスコートになると、その……密着することも多くなるので、アドルフ様が耐えられるか心配です」
アドルフ様にエスコートされること自体は歓迎なのだけど、彼にはまだエスコートされたことが無いから、大丈夫なのか心配になってしまう。
そういえば、前回の人生でもエスコートされたことは無かったような気がするわ……。
「……。
多分大丈夫だ」
「今の間は……」
「気にしないでくれ。しっかりエスコート出来る。
後で証明するよ」
かなり心配になってしまったところで、注文していたパフェが運ばれてきた。
それからは、明るい話題をお互いに出して、パフェを楽しむことになった。
「すごく美味しいですわ。また来たいです」
「気に入ってもらえて良かった。もちろん、また一緒に来よう」
「ありがとうございます」
お互いに笑顔を浮かべる私達。
このパフェの甘さは少し控えめだけれど、そのお陰であと3つくらいは食べられそうな気がする。
本当に美味しいから、つい勢いが付いてしまった。
「美味しそうに食べるのだな」
「えっと……はしたないですよね」
「むしろ好ましいと思っているよ。
美味しいものは美味しそうに食べるべきだろう。
女性はよく、細々としか食べないが、あれでは不満に思われていると錯覚してしまう」
不味いと思ったけれど、どうやらアドルフ様には好意的に映っていたらしい。
私のお父様も国王陛下も、美味しいものは美味しそうに食べる人だから、あまり気にしていなかったのよね……。
そんな言い訳をしたところで、失態は失態だから反省しなくちゃ。
「そんな考え方もありますのね」
「むしろ、俺のような考え方をする人は多いと思う。
場面次第では、淑やかな食べ方も必要だが、二人きりの時は楽しそうにしてもらった方が嬉しい。
可愛い顔も見られるからな」
「むぐっ……!?」
突然の発言に驚いて、むせる私。
可愛いって、いきなり言われても困るのよ……。
「大丈夫か!? とりあえず、お茶を飲め」
すぐに反応したアドルフ様が空になっていたティーカップにお茶を注いでくれた。
それを受け取って、飲み込みながら癒しの力を使ったから、咳は出さずに済んだ。
「ありがとうございます。助かりました」
「焦らなくていい。好みのペースで食べてくれ」
さっきまで私の気持ちに敏感だったのに、どうして今は落ち込んでいるのかしら?
余計に恥ずかしいわ。
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