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第1章
67. 外れそうな目論見
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裁判を終えて無事にエイブラム邸に戻った私は、着替えを済ませてからクラウスとお茶をすることになった。
お茶と言っても、中身はただの雑談なのだけど……話が少しでも長くなりそうだと必ずお茶が出てくるから、自然とお茶会のような形になってしまう。
「裁判、お疲れ様。何度も往復していたけど、大丈夫だった?」
「危ないところだったけれど、何とか堪え切れたわ」
「そうだったのか……。隣で見ていても、辛そうには見えなかったから感心していたんだけど、やっぱりシエルはすごいな」
あの重たい衣装のまま、席と裁判長の前を往復するのは、何かの拷問かと思うほど大変だった。
けれど法廷は公の場だから、私はずっと仮面を貼り付け続けていたのよね。
クラウスには見透かされていると思っていたけれど、彼の目も欺けていたみたいで、少しだけ自信を取り戻せた気がする。
「ありがとう。クラウスの目も欺けられるなら、まだ社交界に立てそうね」
「まだ、というか……この先もずっと立とうと思えば立てると思う。
最初に会った時は酷かったけど、今は切り替えも上手になっているからね」
「そうだったの……?」
自分の事なのに全く自覚が無かったから、戸惑ってしまう。
家を出る前には出来ていた事が出来なくなっている気がしていたけれど、クラウスの目には切り替えが上手になったように見えていたらしい。
「ああ。人目を気にしなくて良いところでも、仮面を貼り付けていたから。
ずっと気を張っていると心が疲れ切ってしまうから心配だったけど……少しずつ素を出してくれるようになったから、何も言わないでおいた。
今何か言ったら、気にしてしまうと思ったからね」
クラウスは私のことをよく見ているみたいで、そんな説明をしてくれる。
けれども、私は彼のことをよく見られていないから、ちょっとだけ悔しい気持ちが湧いてきてしまった。
クラウスは私に色々なことをしてくれているのに、私は何も出来ていない。
急ぐ必要は無いと思うけれど、何かしらのお返しをしたいわ。
「図星だから答えに困ってしまうわ……。
いつもありがとう」
「俺もシエルには色々なものを貰っているから、お互い様だね。
こちらこそ、いつもありがとう」
お互いに作り物ではない笑顔を浮かべていて、心地良い空気に包まれている感じがする。
けれど、こういう時に限って邪魔が入るもので、どこからともなく低い笛の音が聞こえて来た。
この音は冒険者になる時に聞いたことがある。
何か災厄を起こすような魔物が近付いてきている時や、大きな事件が起きた時に鳴らされるものだ。
これを聞いた冒険者は直ぐにギルドに駆け付けないといけないから、私もクラウスも間髪入れずに立ち上がった。
「招集がかかったから、ギルドに行く。お茶を残してしまって申し訳ない」
「ほとんど口を付けていないから申し訳ないわ……。
お菓子は戻って来てから食べるから、残しておいてもらえると嬉しいわ」
「お気になさらないでください。
お気をつけて行ってらっしゃいませ」
侍女に断りを入れてから、大急ぎで屋敷を出る私達。
一体何が起きているのかはギルドに行かないと分からないから、移動している間も恐怖心が芽生えてしまう。
「空が赤い……。
炎龍かもしれないな」
「冗談……では無いわよね。急ぎましょう」
「ああ。走れるか?」
「ええ、もちろん」
裁判で疲れているけれど、身体強化の魔法を使えば疲れも感じなくなる。
だから、クラウスと同じくらいの速さで走ることだって出来る。
ちなみに、炎龍というのは災厄を引き起こすことで知られている魔物。
龍種は全てSランクになるから、炎龍もSランクの魔物という事になるのだけど、他の龍とは違って厄介な点がある。
炎龍は炎を吐くのだけど、それによって森や街を燃やすから、逃げ場が無くなってしまうのよね。
周りが何もないような場所なら逃げられるけれど、ここ帝都のように海と森に囲まれている場所だと、逃げ場が無くなってしまう。
それに、なんとか倒せたとしても炎は残り続けるから、特に危険な魔物として伝記にも載っている。
炎龍の攻撃に当たっても大抵は即死にならなくて済むことだけが救いではあるけれど、それ以外が絶望的すぎるわ……。
「炎龍は俺の生まれた国で討伐した記録が残っている。
他の龍種と同じように、翼を斬り落としてからひたすら攻撃を浴びせれば倒せる。ただ、多少の被害は無視しないと倒せない」
「分かったわ」
走りながら説明してもらえたから、頷く私。
それから間もなくギルドに着いたのだけど、そこは既に大勢の冒険者が詰めかけていた。
その中には皇帝陛下の姿も見える。
いくら冒険者ギルドの権威が強くても、国の長が姿を見せることは基本的にないから、今回は国の存続に関わる事態だと分かってしまう。
けれど、皇帝陛下の近くにスカーレット公爵様の姿を見つけた時は、目を見開かずには居られなかった。
「陛下、私なら炎龍を倒せます。しかし、何も無しに命を賭ける訳にはいきません。
無事に倒せた暁には、娘を皇太子殿下の妃にすると約束してください」
「無謀だ。止めておけ」
「無謀ではありません。私にはそれだけの力があります」
「そうか。良いだろう。
だが、一つだけ忠告しておく。逃げるような真似をしたら、即刻処刑する」
どうやらスカーレット公爵様は炎龍を倒したという功績を手にして、今の危機的状況を脱しようと考えているらしい。
でも、炎龍は聖女様でも倒せていない魔物だから、どんなに頑張っても公爵様一人の功績にはならないから、今約束していた「娘を妃に」というのも、果たされることは無いと思う。
ヴィオラ様は既に勘当された身だから、巻き込まれないというのが唯一の救いかしら?
「スカーレット公爵は馬鹿なのか?」
「あの提案で大丈夫だと思っているみたいだから、馬鹿に違いないわ」
私もクラウスも、憐みの視線を向けずには居られなかった。
お茶と言っても、中身はただの雑談なのだけど……話が少しでも長くなりそうだと必ずお茶が出てくるから、自然とお茶会のような形になってしまう。
「裁判、お疲れ様。何度も往復していたけど、大丈夫だった?」
「危ないところだったけれど、何とか堪え切れたわ」
「そうだったのか……。隣で見ていても、辛そうには見えなかったから感心していたんだけど、やっぱりシエルはすごいな」
あの重たい衣装のまま、席と裁判長の前を往復するのは、何かの拷問かと思うほど大変だった。
けれど法廷は公の場だから、私はずっと仮面を貼り付け続けていたのよね。
クラウスには見透かされていると思っていたけれど、彼の目も欺けていたみたいで、少しだけ自信を取り戻せた気がする。
「ありがとう。クラウスの目も欺けられるなら、まだ社交界に立てそうね」
「まだ、というか……この先もずっと立とうと思えば立てると思う。
最初に会った時は酷かったけど、今は切り替えも上手になっているからね」
「そうだったの……?」
自分の事なのに全く自覚が無かったから、戸惑ってしまう。
家を出る前には出来ていた事が出来なくなっている気がしていたけれど、クラウスの目には切り替えが上手になったように見えていたらしい。
「ああ。人目を気にしなくて良いところでも、仮面を貼り付けていたから。
ずっと気を張っていると心が疲れ切ってしまうから心配だったけど……少しずつ素を出してくれるようになったから、何も言わないでおいた。
今何か言ったら、気にしてしまうと思ったからね」
クラウスは私のことをよく見ているみたいで、そんな説明をしてくれる。
けれども、私は彼のことをよく見られていないから、ちょっとだけ悔しい気持ちが湧いてきてしまった。
クラウスは私に色々なことをしてくれているのに、私は何も出来ていない。
急ぐ必要は無いと思うけれど、何かしらのお返しをしたいわ。
「図星だから答えに困ってしまうわ……。
いつもありがとう」
「俺もシエルには色々なものを貰っているから、お互い様だね。
こちらこそ、いつもありがとう」
お互いに作り物ではない笑顔を浮かべていて、心地良い空気に包まれている感じがする。
けれど、こういう時に限って邪魔が入るもので、どこからともなく低い笛の音が聞こえて来た。
この音は冒険者になる時に聞いたことがある。
何か災厄を起こすような魔物が近付いてきている時や、大きな事件が起きた時に鳴らされるものだ。
これを聞いた冒険者は直ぐにギルドに駆け付けないといけないから、私もクラウスも間髪入れずに立ち上がった。
「招集がかかったから、ギルドに行く。お茶を残してしまって申し訳ない」
「ほとんど口を付けていないから申し訳ないわ……。
お菓子は戻って来てから食べるから、残しておいてもらえると嬉しいわ」
「お気になさらないでください。
お気をつけて行ってらっしゃいませ」
侍女に断りを入れてから、大急ぎで屋敷を出る私達。
一体何が起きているのかはギルドに行かないと分からないから、移動している間も恐怖心が芽生えてしまう。
「空が赤い……。
炎龍かもしれないな」
「冗談……では無いわよね。急ぎましょう」
「ああ。走れるか?」
「ええ、もちろん」
裁判で疲れているけれど、身体強化の魔法を使えば疲れも感じなくなる。
だから、クラウスと同じくらいの速さで走ることだって出来る。
ちなみに、炎龍というのは災厄を引き起こすことで知られている魔物。
龍種は全てSランクになるから、炎龍もSランクの魔物という事になるのだけど、他の龍とは違って厄介な点がある。
炎龍は炎を吐くのだけど、それによって森や街を燃やすから、逃げ場が無くなってしまうのよね。
周りが何もないような場所なら逃げられるけれど、ここ帝都のように海と森に囲まれている場所だと、逃げ場が無くなってしまう。
それに、なんとか倒せたとしても炎は残り続けるから、特に危険な魔物として伝記にも載っている。
炎龍の攻撃に当たっても大抵は即死にならなくて済むことだけが救いではあるけれど、それ以外が絶望的すぎるわ……。
「炎龍は俺の生まれた国で討伐した記録が残っている。
他の龍種と同じように、翼を斬り落としてからひたすら攻撃を浴びせれば倒せる。ただ、多少の被害は無視しないと倒せない」
「分かったわ」
走りながら説明してもらえたから、頷く私。
それから間もなくギルドに着いたのだけど、そこは既に大勢の冒険者が詰めかけていた。
その中には皇帝陛下の姿も見える。
いくら冒険者ギルドの権威が強くても、国の長が姿を見せることは基本的にないから、今回は国の存続に関わる事態だと分かってしまう。
けれど、皇帝陛下の近くにスカーレット公爵様の姿を見つけた時は、目を見開かずには居られなかった。
「陛下、私なら炎龍を倒せます。しかし、何も無しに命を賭ける訳にはいきません。
無事に倒せた暁には、娘を皇太子殿下の妃にすると約束してください」
「無謀だ。止めておけ」
「無謀ではありません。私にはそれだけの力があります」
「そうか。良いだろう。
だが、一つだけ忠告しておく。逃げるような真似をしたら、即刻処刑する」
どうやらスカーレット公爵様は炎龍を倒したという功績を手にして、今の危機的状況を脱しようと考えているらしい。
でも、炎龍は聖女様でも倒せていない魔物だから、どんなに頑張っても公爵様一人の功績にはならないから、今約束していた「娘を妃に」というのも、果たされることは無いと思う。
ヴィオラ様は既に勘当された身だから、巻き込まれないというのが唯一の救いかしら?
「スカーレット公爵は馬鹿なのか?」
「あの提案で大丈夫だと思っているみたいだから、馬鹿に違いないわ」
私もクラウスも、憐みの視線を向けずには居られなかった。
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