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決意
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翌朝、ヘリオスは子供達に別れを告げ本部へと戻った。
マック司令官の所へ「ヘリオスただいま戻りました」と報告に行くと、マック司令官が「調度良いところに帰って来た、直ぐにミーティング行けるか?」と聞いた。
ヘリオスが「はい」と答えると、マック司令官はボタンを押し「カミール、ティア、アレスの3人はミーティングルームに集まってくれ。カミール済まないが、途中でシドにも声を掛けてくれ」と言った。
ミーティングルームに集まると、マック司令官が「今日は、回収した青龍、黒龍、その兵士の調査結果を君達にも知らせたかったからだ」と言った。
マック司令官が「シド、報告を頼む」と言うと、シドが「まず青龍の報告から、回収した青龍からは兵士の姿は見つからず、中からは人間の脳だけしか見つからなかった」
「その脳は恐ろしい事に、感情を制御する大脳新皮質の機能を妨げ、感情を司る扁桃核や大脳辺緑系の機能を向上させる機械まで埋め込まれていた」
「黒龍の調査では、憎しみで兵士の持つ能力を増幅することが解っている」
「その兵士だが洗脳が解け、最近になって話しが出来る様になった。兵士の話しでは、元々は火星の地底にある国、ニヴルヘイムに住んでいたらしい、アニムス連邦の要請で火星の開拓に借り出されたのだが、身体検査を受けてからの記憶が無いそうだ」
「アニムス連邦では、洗脳や人体実験が頻繁に行なわれていると考えて良いだろう。以上が、現在までの調査結果なんだが……」と報告した。アレスは「酷い事しやがる」とつぶやいた。
マック司令官は「調査結果を聞いての通り、敵は手段を選ばない。黒龍の兵士の話しでは、能力のある者達は、軒並み開拓に借り出されたと言う。その兵士は、我々プロビデンスに仲間を救って欲しいと言っているそうだ」
「本部の考えとしては、今後も襲撃してくる敵の兵士達は、本来の敵ではないであろう」
「敵の開発も進み勢力を増している、あの青龍が大群で攻めてきた場所、我々は応戦出来るのか。敵がこれ以上勢力を上げる前に敵地に乗り込み、敵を叩きたい」
「しかし敵の規模も勢力も未知数な上、敵地での戦闘となるとリスクが高い。本部の中でも、もっと敵を調査してから踏み切るべきだと言う意見もある」
「君達には最前線で戦ってもらう事になる、したがってもっともリスクが高い君達の意見も聞いておきたい」と言った。
それを聞いたティアは「もし敵地で玄武が敗れた場合、トリニティを敵に渡してしまう可能性もありますよね?」と聞く。
するとマック司令官が「我が軍に君達以上能力者はいない、どちらにしても君達を失えば、地球を守る術は無い」
「無論、君達だけを行かせるつもりは無い、こうなった場合に備え我が軍は艦隊を用意している。プロビデンスの全勢力を上げて、地球の存亡を掛けた戦いになるだろう」と答えた。
マック司令官の話しを聞き終えるとヘリオスが「後でお願いに伺おうと思っていたのですが……」口を開いた。
ヘリオスは「昨日、孤児院で敵に接触しました、暗殺が目的でした」と言った。アレスが「トリニティを使う前にって事か、ホント汚ね~ 手を使いやがる」と言うと、ティアが「返り討ちにしてやったんでしょうね?!」と言った。
ヘリオスは「彼女は本来の敵では無く、黒龍の兵士同様、元々火星にあった国の人でした。妹や子供達を人質にとられ暗殺を強要されていました」と言った。アレスは「なんて汚い奴らなんだ!」と言った。ティアは「何であんたにそんな事解るのよ?!」と言った。
ヘリオスは「襲われて接触した時に子供達が拐われるビジョンが、俺に殺される覚悟で来た事を感じたんだ。それから孤児院に戻り寝てしまった俺は夢を見た、恐らくあれは前世の記憶なんだと思う」と言った。
そしてヘリオスは「いま地球を襲って来ているのは俺達の先祖に地球を追われた人類…… マック、貴方なら知っているのでは?」とマック司令官に向かって言った。
マック司令官は「歴史上伏せらて来たが…… ヘリオスが言った通りそれが事実だ。だからプロビデンスは、甘んじて報復を受けるだけに留め、反撃には転じて来なかった、しかし他の惑星を巻き込んでしまったと解った以上、放って置く訳にはいかない」と言った。
ヘリオスは「やはりそうですか…… 俺と暗殺に来た彼女は、その件に深く関わっていた……」と夢で見た前世での出来事を話した。
するとアレスは「それでヘリオス君は、その暗殺者に惚れてしまったと」と言うと、ヘリオスは「ちゃかさないで下さいよ、前世では一方的に好意を抱いていただけで……」
「でも子供達を助けたい、その為に1人で敵地に乗り込む許しが頂けたらと……」と言った。すると今度はティアが「純愛よね~ 、そうゆ~ の嫌いじゃないわよ」と言うと、ヘリオスは「だからぁ~」と言った。
ティアは「どうせあたしも脳腫瘍で何時まで生きられるか解んないし、あんたに付き合うわよ」と言った。アレスは机を叩き「何でそんな大事なこと黙ってたんだ!」と言った。
ティアは「あんたに言ったからって、どうなるもんでも無いでしょ」と言ってからヘリオスを見ると「驚かないとこ見ると、やっぱりあんた知ってたわね」と言った。
ヘリオスが「シドと話してるのを聞いて……」と言うとシドは下を向いて頭をかいた。ティアは「やたら張り切って前線に出たがるし、おかしいと思ったのよ」と言った。
するとマック司令官が「悪いのか? そんな報告は……」と言った。シドは更にばつが悪そうに「すまん……」と言った。
ティアは「シドは手術を勧めてくれたけど玄武に乗れなくなるくらいなら、あたしは手術は受けない、だからシドには口止めしたの。もし生きて帰ってこれたなら手術受けるわ、だからシドのこと攻めないで」と言って笑った。
アレスが「じゃ~俺も生きて帰れたら彼女でも作るかぁ~、なんならティア、彼女にしてやっても良いぞ」と言うと、ティアは「お断りよ!」と言った。
アレスは「そうだよな、ティアはマレスが良いんだよな」とニタニタしながらティアの顔を覗き込んだ。
ヘリオスが「そうだったの?」と言うと、ティアは顔を真っ赤にして「バカ言ってんじゃないわよ!」とホッペを膨らました。
アレスは「違った? マレスは間違いなくティアが好きだと思うけど」と言うと、ティアは恥ずかしそうに「バカ……」と小さな声で言った。
アレスは「ティアにも待ってる人がいるんだから、絶対行きて帰ろうな」と言った。
マック司令官は「これよりプロビデンス防衛軍は、火星先住民の救出及びアニムス壊滅作戦の実行に移る、火星への出撃は5日後のヒトハチマルマルを予定、それまで各自出撃準備を頼む。尚、戦いを前に会って置きたい人、やって置きたい事などあると思う、したがって明日からの3日間は全員休暇とする。心残りなどない様、有意義に休暇を過ごしてくれ、俺からは以上だ」と言った。
最後にマックは「おっと言い忘れるとこだった」とティアを見ると、「マレスに会って来い」と言った。「も~ なんなの! マックまで……」と言ったティアは、何処か嬉しそうに見えた。
マック司令官の所へ「ヘリオスただいま戻りました」と報告に行くと、マック司令官が「調度良いところに帰って来た、直ぐにミーティング行けるか?」と聞いた。
ヘリオスが「はい」と答えると、マック司令官はボタンを押し「カミール、ティア、アレスの3人はミーティングルームに集まってくれ。カミール済まないが、途中でシドにも声を掛けてくれ」と言った。
ミーティングルームに集まると、マック司令官が「今日は、回収した青龍、黒龍、その兵士の調査結果を君達にも知らせたかったからだ」と言った。
マック司令官が「シド、報告を頼む」と言うと、シドが「まず青龍の報告から、回収した青龍からは兵士の姿は見つからず、中からは人間の脳だけしか見つからなかった」
「その脳は恐ろしい事に、感情を制御する大脳新皮質の機能を妨げ、感情を司る扁桃核や大脳辺緑系の機能を向上させる機械まで埋め込まれていた」
「黒龍の調査では、憎しみで兵士の持つ能力を増幅することが解っている」
「その兵士だが洗脳が解け、最近になって話しが出来る様になった。兵士の話しでは、元々は火星の地底にある国、ニヴルヘイムに住んでいたらしい、アニムス連邦の要請で火星の開拓に借り出されたのだが、身体検査を受けてからの記憶が無いそうだ」
「アニムス連邦では、洗脳や人体実験が頻繁に行なわれていると考えて良いだろう。以上が、現在までの調査結果なんだが……」と報告した。アレスは「酷い事しやがる」とつぶやいた。
マック司令官は「調査結果を聞いての通り、敵は手段を選ばない。黒龍の兵士の話しでは、能力のある者達は、軒並み開拓に借り出されたと言う。その兵士は、我々プロビデンスに仲間を救って欲しいと言っているそうだ」
「本部の考えとしては、今後も襲撃してくる敵の兵士達は、本来の敵ではないであろう」
「敵の開発も進み勢力を増している、あの青龍が大群で攻めてきた場所、我々は応戦出来るのか。敵がこれ以上勢力を上げる前に敵地に乗り込み、敵を叩きたい」
「しかし敵の規模も勢力も未知数な上、敵地での戦闘となるとリスクが高い。本部の中でも、もっと敵を調査してから踏み切るべきだと言う意見もある」
「君達には最前線で戦ってもらう事になる、したがってもっともリスクが高い君達の意見も聞いておきたい」と言った。
それを聞いたティアは「もし敵地で玄武が敗れた場合、トリニティを敵に渡してしまう可能性もありますよね?」と聞く。
するとマック司令官が「我が軍に君達以上能力者はいない、どちらにしても君達を失えば、地球を守る術は無い」
「無論、君達だけを行かせるつもりは無い、こうなった場合に備え我が軍は艦隊を用意している。プロビデンスの全勢力を上げて、地球の存亡を掛けた戦いになるだろう」と答えた。
マック司令官の話しを聞き終えるとヘリオスが「後でお願いに伺おうと思っていたのですが……」口を開いた。
ヘリオスは「昨日、孤児院で敵に接触しました、暗殺が目的でした」と言った。アレスが「トリニティを使う前にって事か、ホント汚ね~ 手を使いやがる」と言うと、ティアが「返り討ちにしてやったんでしょうね?!」と言った。
ヘリオスは「彼女は本来の敵では無く、黒龍の兵士同様、元々火星にあった国の人でした。妹や子供達を人質にとられ暗殺を強要されていました」と言った。アレスは「なんて汚い奴らなんだ!」と言った。ティアは「何であんたにそんな事解るのよ?!」と言った。
ヘリオスは「襲われて接触した時に子供達が拐われるビジョンが、俺に殺される覚悟で来た事を感じたんだ。それから孤児院に戻り寝てしまった俺は夢を見た、恐らくあれは前世の記憶なんだと思う」と言った。
そしてヘリオスは「いま地球を襲って来ているのは俺達の先祖に地球を追われた人類…… マック、貴方なら知っているのでは?」とマック司令官に向かって言った。
マック司令官は「歴史上伏せらて来たが…… ヘリオスが言った通りそれが事実だ。だからプロビデンスは、甘んじて報復を受けるだけに留め、反撃には転じて来なかった、しかし他の惑星を巻き込んでしまったと解った以上、放って置く訳にはいかない」と言った。
ヘリオスは「やはりそうですか…… 俺と暗殺に来た彼女は、その件に深く関わっていた……」と夢で見た前世での出来事を話した。
するとアレスは「それでヘリオス君は、その暗殺者に惚れてしまったと」と言うと、ヘリオスは「ちゃかさないで下さいよ、前世では一方的に好意を抱いていただけで……」
「でも子供達を助けたい、その為に1人で敵地に乗り込む許しが頂けたらと……」と言った。すると今度はティアが「純愛よね~ 、そうゆ~ の嫌いじゃないわよ」と言うと、ヘリオスは「だからぁ~」と言った。
ティアは「どうせあたしも脳腫瘍で何時まで生きられるか解んないし、あんたに付き合うわよ」と言った。アレスは机を叩き「何でそんな大事なこと黙ってたんだ!」と言った。
ティアは「あんたに言ったからって、どうなるもんでも無いでしょ」と言ってからヘリオスを見ると「驚かないとこ見ると、やっぱりあんた知ってたわね」と言った。
ヘリオスが「シドと話してるのを聞いて……」と言うとシドは下を向いて頭をかいた。ティアは「やたら張り切って前線に出たがるし、おかしいと思ったのよ」と言った。
するとマック司令官が「悪いのか? そんな報告は……」と言った。シドは更にばつが悪そうに「すまん……」と言った。
ティアは「シドは手術を勧めてくれたけど玄武に乗れなくなるくらいなら、あたしは手術は受けない、だからシドには口止めしたの。もし生きて帰ってこれたなら手術受けるわ、だからシドのこと攻めないで」と言って笑った。
アレスが「じゃ~俺も生きて帰れたら彼女でも作るかぁ~、なんならティア、彼女にしてやっても良いぞ」と言うと、ティアは「お断りよ!」と言った。
アレスは「そうだよな、ティアはマレスが良いんだよな」とニタニタしながらティアの顔を覗き込んだ。
ヘリオスが「そうだったの?」と言うと、ティアは顔を真っ赤にして「バカ言ってんじゃないわよ!」とホッペを膨らました。
アレスは「違った? マレスは間違いなくティアが好きだと思うけど」と言うと、ティアは恥ずかしそうに「バカ……」と小さな声で言った。
アレスは「ティアにも待ってる人がいるんだから、絶対行きて帰ろうな」と言った。
マック司令官は「これよりプロビデンス防衛軍は、火星先住民の救出及びアニムス壊滅作戦の実行に移る、火星への出撃は5日後のヒトハチマルマルを予定、それまで各自出撃準備を頼む。尚、戦いを前に会って置きたい人、やって置きたい事などあると思う、したがって明日からの3日間は全員休暇とする。心残りなどない様、有意義に休暇を過ごしてくれ、俺からは以上だ」と言った。
最後にマックは「おっと言い忘れるとこだった」とティアを見ると、「マレスに会って来い」と言った。「も~ なんなの! マックまで……」と言ったティアは、何処か嬉しそうに見えた。
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