飢餓

乞食

1.

少年の両親は莫大な借金を抱えていた。
そして、自殺することを決意した。
だが、その時まだ幼かった少年は医者に助けられた。
だが、両親の借金とともに医者への治療料を払わなければならなくなった。
少年は家を失い、家族を失った。
泥棒をし、誰からの信用も得られなくなり、どの店に入っても何も買えず、追い出される。


ガタンｯ！

僕は大きな音を立ててゴミ箱をひっくり返す。
大したものは入っていないようだ
…お、肉！生焼けだけど…食べられるならいっか。
僕は肉をかじった。
おいしいけどお腹を壊しそうだ。
ま、死ななきゃいい。

「おいゴラァ！」

ん！？借金取り！
僕は肉を口に詰め込み走っていく。
追いつかれたら…金が…なくなっちゃう…買えるかどうかは怪しいところだけど。
…………逃げ切ったかな？
よし。

「逃げ切れたとでも思ったか？」

あ…なんで。
先回りしていたようで、僕の前から借金取りは現れた。

「今日はいくら持ってんだぁ？」

「え、あ、持ってません…ｯ」

「まぁたそんなこと言って…本当は持ってるくせに」

金がなくなっちゃったらまた…また盗まなきゃ…明日のご飯が…

「おさえろ」

僕の周りに借金取りが集まり、僕を固定する。
あぇ…やめて！やだ！
僕は暴れた。

「なーんだあるじゃねーか…ま、利子の一割も払えないがな！」