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馬鹿な事を試みる
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やって来ました種子島!
何故青森から鹿児島の端っこまで来たのかって? それは鉄砲伝来の島だもの。鉄砲と言えばバヨネッタさん。だからやって来ました! そんな訳ない。ヤバい。状況が切迫し過ぎて違う事を考えないと自我を保てない。
ここに来た本当の目的は、種子島宇宙センターに用があったからだ。ロケットを飛ばします。H-ⅡAロケットで、人工衛星を飛ばします。
人工衛星にはバヨネッタさん提供の人工坩堝が組み込まれ、それを使ってオルさんと日本の研究所との共同研究によって、テスト段階まで到達した、魔法スキル遠隔照射システム(仮)を起動させるのです。この人工衛星は地球を囲うように散らばるGPS衛星を経由して、俺の『聖結界』を地球を覆うように展開します。これによってアンゲルスタの『狂乱』による世界同時テロを防ぎます。流石に地球規模なので効果は減衰すると言われましたけど。
「無茶過ぎる」
「ここまで来て、何を縮こまっているのよ」
俺がH-ⅡAロケットを前にして体育座りをしていると、バヨネッタさんが呆れたように声を掛けてきた。
「いやあ、規模がとんでもない事になってきたなあ。と思いまして」
「そうね。この塔のような物が、世界の果てに行くよりも遠い場所に行くのよね?」
そう口にしながら、バヨネッタさんはロケットを見上げていた。今日の種子島は雲一つない晴天だ。
「そうですね。静止軌道は地上から約36000キロ先ですから、ここから地球の裏側に行くよりも遠いですねえ」
「裏側ねえ? 未だにこの世界が丸いと言うのが信じられないわ」
言いながら足を踏み締めるバヨネッタさん。そう言うものかな? などと俺たちが益体のない会話をしている間にも、ロケットの打ち上げ準備は着々と進行していた。
「バヨネッタ様、人工坩堝のご提供ありがとうございました」
オルさんが研究所の研究員たちを引き連れやって来た。
「あなたがバヨネッタさんですね! 人工坩堝のご提供ありがとうございます! いやあ、あれは凄い代物ですねえ! レベル一の私が使っても、とんでもないエネルギーが励起されているのが分かりましたよ!」
と一人の女性研究者が元気いっぱいにバヨネッタさんに近付き、強引にバヨネッタさんと握手した。女性研究者は大人と言うには背が小さく、大きな眼鏡をしている。
「立花橘湖くんだ。僕と魔法やスキルの研究をしている研究所の主任研究員だよ」
とオルさんが彼女の紹介をしてくれた。
「どうもどうも! いやあ、人工坩堝凄いよね! 我が研究所にも貰えないかなあ? 増やせるんだよね? ね? 一つで良いんだよ?」
凄いなこの人、ぐいぐい来る。バヨネッタさんがちょっと引いているとか珍しい。バヨネッタさんが今回提供したのは、バヨネッタさんのスキル『二倍化』によって増やされた人工坩堝だ。
「い、嫌よ」
「何故!? 増やせるんだよね!?」
断ったバヨネッタさんに、それでも立花研究員は食い下がる。
「増やせはするけれど、限定的なのよ。だいたい一年もすれば壊れるわ」
そうなのか。それでも相当持つんだな。
「なら一年後にまた!」
「あなたにそこまでしなくちゃいけない理由がないわ」
まあ、確かにね。ここまでばっさり断られたと言うのに、立花研究員は頭を掻きむしってどうにか人工坩堝を手に入れようと思考を巡らせていた。凄い貪欲な人だ。
「まあまあ、立花くんもそれくらいにして。もうロケットの打ち上げが始まるよ」
「くうっ! 良案が思い浮かばない自分が憎い!」
そう言いながら更に頭を掻きむしる立花研究員を、オルさんは腕を掴んで引きずってバスへと連れて行く。なんと言うか、研究所でどんなやり取りがなされているのか目に浮かぶようだ。
バスに乗り込んだ俺たちは、ロケット発射場を逃げるように離れていく。
「バヨネッタさんのスキルって、『二倍化』だったんですね」
初めて知った。
「つまらないスキルでしょう」
「つまらない、ですか?」
「『倍化』系統のスキルの中でも一番低い位のスキルなのよ」
へえ、そうなのか。でも二倍にするって単純に凄いけどな。
「使いどころが難しいのよ。魔力以外の様々なものを二倍に出来るけれど、魔力を半分使うの」
「半分は中々の代償ですね。それってどの状態でも、ですか?」
「ええ。魔力が完全充填状態だろうと、残り僅かの状態だろうと、等しく半分の魔力を消費するの」
それは確かに難しいな。バヨネッタさんの銃砲は俺のと違って基本的に魔力弾だからなあ。半分魔力を持っていかれるのは、使いどころが難しいと言うのも頷ける。
「だから今まで使わずにいたんですね」
「使っているわよ。ハルアキが気付いていなかっただけで」
さいですか。まあ、言われてみれば、バヨネッタさんって物量で面制圧するイメージあるもんなあ。俺が気付いていなかっただけかあ。
「『倍化』系スキルって、だいたいそんな感じなんですか?」
「そうね。『三倍化』なら魔力は三分の一に、『十倍化』なら魔力が十分の一になるわ」
それは使いどころが難しい系統だ。
「『複製』や『粗製乱造』も結構魔力使うんですかね?」
「どうかしら? どちらもレアスキルだから、どの程度魔力を使うのかは知らないわね。まあ、消費量が多いであろう予測はつくけど」
ですよねえ。これで魔力消費が少なかったら、レアスキルと言うより、チートスキルだもんなあ。
ロケットの丘展望所。ロケット発射場から2.9キロのこの場所は、本来であればロケット発射時には立入禁止区域となる。でも今回は非公式のロケット発射だ。折角なのでここで特別に人工衛星の打ち上げを見学させて貰った。ドキドキしながら発射場を眺めていると、無線から声が聞こえてくる。
『発射十秒前です。…………5、4、3、2、1、発射』
発射場から打ち上がっていくH-ⅡAロケット。轟音が身体を貫き、地面ごと身体を強烈に振動させ、ロケットの噴射口から巻き起こる爆発があまりにも眩しく、目元に手をかざす。遅れてやってくる風を受けながら、昇っていくロケットを見上げる。種子島の東端にある発射場から、ロケットは轟音と眩光をお供に連れて、東の空へと高く高く昇っていった。その大迫力に圧倒される。
「さて、ロケットとやらは打ち上がったけれど、これで終わりじゃないのよね」
「そうですね。これからバスで増田宇宙通信所に向かいます。そこから電波に魔力を通して人工衛星へ発信し、それを各GPS衛星へと伝播させ、俺の『聖結界』を地球を覆うように展開させますから」
はあ。やっぱりこう考えると、とんでもない事態になってきているよなあ。空を見上げれば、もう既にH-ⅡAロケットの姿は影も形もなくなって、ロケット雲だけが取り残されていた。
何故青森から鹿児島の端っこまで来たのかって? それは鉄砲伝来の島だもの。鉄砲と言えばバヨネッタさん。だからやって来ました! そんな訳ない。ヤバい。状況が切迫し過ぎて違う事を考えないと自我を保てない。
ここに来た本当の目的は、種子島宇宙センターに用があったからだ。ロケットを飛ばします。H-ⅡAロケットで、人工衛星を飛ばします。
人工衛星にはバヨネッタさん提供の人工坩堝が組み込まれ、それを使ってオルさんと日本の研究所との共同研究によって、テスト段階まで到達した、魔法スキル遠隔照射システム(仮)を起動させるのです。この人工衛星は地球を囲うように散らばるGPS衛星を経由して、俺の『聖結界』を地球を覆うように展開します。これによってアンゲルスタの『狂乱』による世界同時テロを防ぎます。流石に地球規模なので効果は減衰すると言われましたけど。
「無茶過ぎる」
「ここまで来て、何を縮こまっているのよ」
俺がH-ⅡAロケットを前にして体育座りをしていると、バヨネッタさんが呆れたように声を掛けてきた。
「いやあ、規模がとんでもない事になってきたなあ。と思いまして」
「そうね。この塔のような物が、世界の果てに行くよりも遠い場所に行くのよね?」
そう口にしながら、バヨネッタさんはロケットを見上げていた。今日の種子島は雲一つない晴天だ。
「そうですね。静止軌道は地上から約36000キロ先ですから、ここから地球の裏側に行くよりも遠いですねえ」
「裏側ねえ? 未だにこの世界が丸いと言うのが信じられないわ」
言いながら足を踏み締めるバヨネッタさん。そう言うものかな? などと俺たちが益体のない会話をしている間にも、ロケットの打ち上げ準備は着々と進行していた。
「バヨネッタ様、人工坩堝のご提供ありがとうございました」
オルさんが研究所の研究員たちを引き連れやって来た。
「あなたがバヨネッタさんですね! 人工坩堝のご提供ありがとうございます! いやあ、あれは凄い代物ですねえ! レベル一の私が使っても、とんでもないエネルギーが励起されているのが分かりましたよ!」
と一人の女性研究者が元気いっぱいにバヨネッタさんに近付き、強引にバヨネッタさんと握手した。女性研究者は大人と言うには背が小さく、大きな眼鏡をしている。
「立花橘湖くんだ。僕と魔法やスキルの研究をしている研究所の主任研究員だよ」
とオルさんが彼女の紹介をしてくれた。
「どうもどうも! いやあ、人工坩堝凄いよね! 我が研究所にも貰えないかなあ? 増やせるんだよね? ね? 一つで良いんだよ?」
凄いなこの人、ぐいぐい来る。バヨネッタさんがちょっと引いているとか珍しい。バヨネッタさんが今回提供したのは、バヨネッタさんのスキル『二倍化』によって増やされた人工坩堝だ。
「い、嫌よ」
「何故!? 増やせるんだよね!?」
断ったバヨネッタさんに、それでも立花研究員は食い下がる。
「増やせはするけれど、限定的なのよ。だいたい一年もすれば壊れるわ」
そうなのか。それでも相当持つんだな。
「なら一年後にまた!」
「あなたにそこまでしなくちゃいけない理由がないわ」
まあ、確かにね。ここまでばっさり断られたと言うのに、立花研究員は頭を掻きむしってどうにか人工坩堝を手に入れようと思考を巡らせていた。凄い貪欲な人だ。
「まあまあ、立花くんもそれくらいにして。もうロケットの打ち上げが始まるよ」
「くうっ! 良案が思い浮かばない自分が憎い!」
そう言いながら更に頭を掻きむしる立花研究員を、オルさんは腕を掴んで引きずってバスへと連れて行く。なんと言うか、研究所でどんなやり取りがなされているのか目に浮かぶようだ。
バスに乗り込んだ俺たちは、ロケット発射場を逃げるように離れていく。
「バヨネッタさんのスキルって、『二倍化』だったんですね」
初めて知った。
「つまらないスキルでしょう」
「つまらない、ですか?」
「『倍化』系統のスキルの中でも一番低い位のスキルなのよ」
へえ、そうなのか。でも二倍にするって単純に凄いけどな。
「使いどころが難しいのよ。魔力以外の様々なものを二倍に出来るけれど、魔力を半分使うの」
「半分は中々の代償ですね。それってどの状態でも、ですか?」
「ええ。魔力が完全充填状態だろうと、残り僅かの状態だろうと、等しく半分の魔力を消費するの」
それは確かに難しいな。バヨネッタさんの銃砲は俺のと違って基本的に魔力弾だからなあ。半分魔力を持っていかれるのは、使いどころが難しいと言うのも頷ける。
「だから今まで使わずにいたんですね」
「使っているわよ。ハルアキが気付いていなかっただけで」
さいですか。まあ、言われてみれば、バヨネッタさんって物量で面制圧するイメージあるもんなあ。俺が気付いていなかっただけかあ。
「『倍化』系スキルって、だいたいそんな感じなんですか?」
「そうね。『三倍化』なら魔力は三分の一に、『十倍化』なら魔力が十分の一になるわ」
それは使いどころが難しい系統だ。
「『複製』や『粗製乱造』も結構魔力使うんですかね?」
「どうかしら? どちらもレアスキルだから、どの程度魔力を使うのかは知らないわね。まあ、消費量が多いであろう予測はつくけど」
ですよねえ。これで魔力消費が少なかったら、レアスキルと言うより、チートスキルだもんなあ。
ロケットの丘展望所。ロケット発射場から2.9キロのこの場所は、本来であればロケット発射時には立入禁止区域となる。でも今回は非公式のロケット発射だ。折角なのでここで特別に人工衛星の打ち上げを見学させて貰った。ドキドキしながら発射場を眺めていると、無線から声が聞こえてくる。
『発射十秒前です。…………5、4、3、2、1、発射』
発射場から打ち上がっていくH-ⅡAロケット。轟音が身体を貫き、地面ごと身体を強烈に振動させ、ロケットの噴射口から巻き起こる爆発があまりにも眩しく、目元に手をかざす。遅れてやってくる風を受けながら、昇っていくロケットを見上げる。種子島の東端にある発射場から、ロケットは轟音と眩光をお供に連れて、東の空へと高く高く昇っていった。その大迫力に圧倒される。
「さて、ロケットとやらは打ち上がったけれど、これで終わりじゃないのよね」
「そうですね。これからバスで増田宇宙通信所に向かいます。そこから電波に魔力を通して人工衛星へ発信し、それを各GPS衛星へと伝播させ、俺の『聖結界』を地球を覆うように展開させますから」
はあ。やっぱりこう考えると、とんでもない事態になってきているよなあ。空を見上げれば、もう既にH-ⅡAロケットの姿は影も形もなくなって、ロケット雲だけが取り残されていた。
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