224 / 638
ヤマタノオロチ退治(後編)
しおりを挟む
と言う訳で、再度やってきました地下八十階層のボス部屋。部屋の奥ではヤマタノオロチが鎮座ましましておられます。それに対して『宝物庫』から、酒飲みの黄金を取り出すバヨネッタさん。
「…………ちょっと小さいですかね?」
取り出された黄金の酒杯は、酒杯なだけあってちょっと大きめのワイングラスくらいのサイズである。これでこの部屋を酒で満たすのは、中々に骨が折れそうだ。
俺の不安など気にする事もなく、バヨネッタさんはトゥインクルステッキから降りると、皆から数歩前に出て酒杯を逆さにすると、魔力でもって中空に固定させた。
ザーーーーッ
そこからこぼれ出るのは黄金色の液体だ。匂いからしてビヨの酒であると推測される。いや、この匂いは嗅いだ事がある。エルルランドで三公から頂いたあのお酒の匂いだ。
どう言う事なのか? とバヨネッタさんを見遣ると、バヨネッタさんはさも当然のように答えてくれた。
「この酒飲みの黄金の機能の一つに、一番最近注いだ酒を魔力で再現する。と言うものがあるのよ」
へえ、そんな機能もあるのか。まあ、そうだよな。なんかイマイチのお酒を大量に生み出されるよりは、美味しいお酒の方が皆に喜ばれるもんなあ。納得である。
しかし酒がボス部屋に溜まる気配はない。流石に酒杯からでは、こぼれ出る酒の量に限界があるのは仕方ないか。
「この調子では、この部屋を酒で満たすよりも、ヤマタノオロチが飲み尽くす方が早いわね」
俺の後ろで事態を見守っていたラズゥさんが、誰に言うでもなく口にしていた。それは皆が思っていた事なのだろう。誰もそれを諌めたりしない。
「ふん。分かっていないわね。そんなだからあなたは二流の聖女なのよ」
「誰が二流の聖女ですかッ」
顔を真っ赤にして反論するラズゥさんを無視して、バヨネッタさんは九機のナイトアマリリスを黄金の酒杯の周りに浮かべた。
何をするのか? と思っていると、九機のナイトアマリリスと酒飲みの黄金が、まるで宙に浮かぶ魔法陣のように光によって結合される。そしてそれと同時に酒杯からこぼれ出る酒量が目に見えて増大した。バヨネッタさんは、ナイトアマリリスの人工坩堝を使って酒量を増大させたのだ。
みるみるうちに黄金色の酒によって満たされていくボス部屋の床。そしてそれはすぐにヤマタノオロチの下まで到達し、
「ヤマタノオロチがお酒を飲み始めたわ」
とサブさんの声。見れば確かにヤマタノオロチは、自分の足下の酒を舌を使ってチロチロと飲み始めた。ヤマタノオロチの酒好きはどうやら本当だったらしく、見るからに上機嫌である。
「このまま飲ませていけば良いんですよね?」
振り返ってラズゥさんに尋ねるが、彼女の眉間にはシワが寄せられている。
「ええ。そうなのですが……、やはりそう上手くはいかなそうです」
上手くいかない? ラズゥさんの指摘を受けてもう一度ヤマタノオロチを見遣ると、その飲み方が凄い事になっていた。
ヤマタノオロチは完全にその八つの頭を床にめり込むかのようにこすりつけ、バヨネッタさんが生み出す酒を、まるで吸い込むようにどんどん飲んでいく。その吸い込む量は凄まじく、バヨネッタさんが生み出す酒量と拮抗していた。
「凄いなヤマタノオロチ」
思わず誰かからそんな声が漏れる。確かに凄いのだが、このままではバヨネッタさんが生み出したお酒が、全て飲み尽くされてしまう。
「バヨネッタさん代わります! 交代で、なんならリットーさんやシンヤたちの力を借りてお酒を生み出し続けましょう。このままじゃあ、バヨネッタさんの魔力が先に尽きてしまいますよ」
が、バヨネッタさんは首を横に振るう。確かに大量に魔力を使っているのできつそうだが、バヨネッタさんの顔にはまだ余裕が窺えた。
「ハルアキ、私の限界をあなたが決めないで頂戴。私の限界を決めるのは、私よ」
バヨネッタさんがそう口にした瞬間、酒飲みの黄金から生み出される酒量が更に増大した。その量はナイトアマリリスを使って増大させた酒量の数倍、いや、十数倍はある。
酒はヤマタノオロチが吸い込む量を遥かに超えてボス部屋に流れ込み、どんどんとその水位を上げていく。足下が浸るくらいだった酒量は、いつの間にか膝まで浸かり、あっという間に腰まで酒で満たされてしまった。
「見ろ!」
背の小さいゴウマオさんが、胸下まで来ている酒に抗うように突き出した指の先では、ヤマタノオロチが酔っ払っていた。
完全に酔っ払ったヤマタノオロチは、上機嫌で踊るように八つ首をブンブン振るわせ、あの巨体で千鳥足となってたたらを踏むと、盛大にコケた。なんか凄いものを見たな。などと感心している場合じゃないか。
「今ならヤマタノオロチを倒せるって事ですよね?」
俺が振り返ると、既に勇者パーティは各々武器を構えていた。
「ええ、そうです。あの状態のヤマタノオロチは、魔法やスキルが上手く使用出来ないと、報告が上がっています。つまり『超回復』も『増殖』も上手く機能しない。バヨネッタさん、もう十分です。その魔道具を解除してください」
ラズゥさんが酒飲みの黄金を解除するように促す。まあ、このままじゃ腰まできている酒に阻まれて、シンヤたち勇者パーティも十全に戦う事は出来ないか。
言われて酒飲みの黄金へ魔力を注入するのを止めたバヨネッタさんだったが、
「やり過ぎです」
ボス部屋を満たした酒がすぐに引く訳もなく、俺たちはいまだ酒に埋もれたままだった。
「問題ないわ」
「何が問題ないんですか」
バヨネッタさんをキッと睨むラズゥさんだったが、バヨネッタさんはどこ吹く風だ。
「もう私が倒すから」
などと口にしたバヨネッタさんの言葉に、ハッと上空を見上げると、バヨネッタさんのトゥインクルステッキが、唸りを上げて人工坩堝を超高速回転させていた。うわあ。いつからあそこで魔力を注ぎ込まれていたんだろう? そしてトゥインクルステッキも、俺が思う何倍も魔力を溜め込んでいるように見える。俺がそう思った次の瞬間。
ズドゴオオオオオッッ!!!!
部屋全体が震える程の轟音とともに、トゥインクルステッキから放たれた熱光線は、ヤマタノオロチの尾の付け根に見事に命中し、これを蒸発させた。ヤマタノオロチは悲鳴さえ上げる事なく、これによって落命したのだった。
「…………ちょっと小さいですかね?」
取り出された黄金の酒杯は、酒杯なだけあってちょっと大きめのワイングラスくらいのサイズである。これでこの部屋を酒で満たすのは、中々に骨が折れそうだ。
俺の不安など気にする事もなく、バヨネッタさんはトゥインクルステッキから降りると、皆から数歩前に出て酒杯を逆さにすると、魔力でもって中空に固定させた。
ザーーーーッ
そこからこぼれ出るのは黄金色の液体だ。匂いからしてビヨの酒であると推測される。いや、この匂いは嗅いだ事がある。エルルランドで三公から頂いたあのお酒の匂いだ。
どう言う事なのか? とバヨネッタさんを見遣ると、バヨネッタさんはさも当然のように答えてくれた。
「この酒飲みの黄金の機能の一つに、一番最近注いだ酒を魔力で再現する。と言うものがあるのよ」
へえ、そんな機能もあるのか。まあ、そうだよな。なんかイマイチのお酒を大量に生み出されるよりは、美味しいお酒の方が皆に喜ばれるもんなあ。納得である。
しかし酒がボス部屋に溜まる気配はない。流石に酒杯からでは、こぼれ出る酒の量に限界があるのは仕方ないか。
「この調子では、この部屋を酒で満たすよりも、ヤマタノオロチが飲み尽くす方が早いわね」
俺の後ろで事態を見守っていたラズゥさんが、誰に言うでもなく口にしていた。それは皆が思っていた事なのだろう。誰もそれを諌めたりしない。
「ふん。分かっていないわね。そんなだからあなたは二流の聖女なのよ」
「誰が二流の聖女ですかッ」
顔を真っ赤にして反論するラズゥさんを無視して、バヨネッタさんは九機のナイトアマリリスを黄金の酒杯の周りに浮かべた。
何をするのか? と思っていると、九機のナイトアマリリスと酒飲みの黄金が、まるで宙に浮かぶ魔法陣のように光によって結合される。そしてそれと同時に酒杯からこぼれ出る酒量が目に見えて増大した。バヨネッタさんは、ナイトアマリリスの人工坩堝を使って酒量を増大させたのだ。
みるみるうちに黄金色の酒によって満たされていくボス部屋の床。そしてそれはすぐにヤマタノオロチの下まで到達し、
「ヤマタノオロチがお酒を飲み始めたわ」
とサブさんの声。見れば確かにヤマタノオロチは、自分の足下の酒を舌を使ってチロチロと飲み始めた。ヤマタノオロチの酒好きはどうやら本当だったらしく、見るからに上機嫌である。
「このまま飲ませていけば良いんですよね?」
振り返ってラズゥさんに尋ねるが、彼女の眉間にはシワが寄せられている。
「ええ。そうなのですが……、やはりそう上手くはいかなそうです」
上手くいかない? ラズゥさんの指摘を受けてもう一度ヤマタノオロチを見遣ると、その飲み方が凄い事になっていた。
ヤマタノオロチは完全にその八つの頭を床にめり込むかのようにこすりつけ、バヨネッタさんが生み出す酒を、まるで吸い込むようにどんどん飲んでいく。その吸い込む量は凄まじく、バヨネッタさんが生み出す酒量と拮抗していた。
「凄いなヤマタノオロチ」
思わず誰かからそんな声が漏れる。確かに凄いのだが、このままではバヨネッタさんが生み出したお酒が、全て飲み尽くされてしまう。
「バヨネッタさん代わります! 交代で、なんならリットーさんやシンヤたちの力を借りてお酒を生み出し続けましょう。このままじゃあ、バヨネッタさんの魔力が先に尽きてしまいますよ」
が、バヨネッタさんは首を横に振るう。確かに大量に魔力を使っているのできつそうだが、バヨネッタさんの顔にはまだ余裕が窺えた。
「ハルアキ、私の限界をあなたが決めないで頂戴。私の限界を決めるのは、私よ」
バヨネッタさんがそう口にした瞬間、酒飲みの黄金から生み出される酒量が更に増大した。その量はナイトアマリリスを使って増大させた酒量の数倍、いや、十数倍はある。
酒はヤマタノオロチが吸い込む量を遥かに超えてボス部屋に流れ込み、どんどんとその水位を上げていく。足下が浸るくらいだった酒量は、いつの間にか膝まで浸かり、あっという間に腰まで酒で満たされてしまった。
「見ろ!」
背の小さいゴウマオさんが、胸下まで来ている酒に抗うように突き出した指の先では、ヤマタノオロチが酔っ払っていた。
完全に酔っ払ったヤマタノオロチは、上機嫌で踊るように八つ首をブンブン振るわせ、あの巨体で千鳥足となってたたらを踏むと、盛大にコケた。なんか凄いものを見たな。などと感心している場合じゃないか。
「今ならヤマタノオロチを倒せるって事ですよね?」
俺が振り返ると、既に勇者パーティは各々武器を構えていた。
「ええ、そうです。あの状態のヤマタノオロチは、魔法やスキルが上手く使用出来ないと、報告が上がっています。つまり『超回復』も『増殖』も上手く機能しない。バヨネッタさん、もう十分です。その魔道具を解除してください」
ラズゥさんが酒飲みの黄金を解除するように促す。まあ、このままじゃ腰まできている酒に阻まれて、シンヤたち勇者パーティも十全に戦う事は出来ないか。
言われて酒飲みの黄金へ魔力を注入するのを止めたバヨネッタさんだったが、
「やり過ぎです」
ボス部屋を満たした酒がすぐに引く訳もなく、俺たちはいまだ酒に埋もれたままだった。
「問題ないわ」
「何が問題ないんですか」
バヨネッタさんをキッと睨むラズゥさんだったが、バヨネッタさんはどこ吹く風だ。
「もう私が倒すから」
などと口にしたバヨネッタさんの言葉に、ハッと上空を見上げると、バヨネッタさんのトゥインクルステッキが、唸りを上げて人工坩堝を超高速回転させていた。うわあ。いつからあそこで魔力を注ぎ込まれていたんだろう? そしてトゥインクルステッキも、俺が思う何倍も魔力を溜め込んでいるように見える。俺がそう思った次の瞬間。
ズドゴオオオオオッッ!!!!
部屋全体が震える程の轟音とともに、トゥインクルステッキから放たれた熱光線は、ヤマタノオロチの尾の付け根に見事に命中し、これを蒸発させた。ヤマタノオロチは悲鳴さえ上げる事なく、これによって落命したのだった。
2
お気に入りに追加
322
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
最強魔術師、ルカの誤算~追放された元パーティーで全く合わなかった剣士職、別人と組んだら最強コンビな件~
蒼乃ロゼ
ファンタジー
魔法学校を主席で卒業したルカ。高名な魔術師である師の勧めもあり、のんびり冒険者をしながら魔法の研究を行おうとしていた。
自身の容姿も相まって、人付き合いは苦手。
魔術師ながらソロで旅するが、依頼の都合で組んだパーティーのリーダーが最悪だった。
段取りも悪く、的確な指示も出せないうえに傲慢。
難癖をつけられ追放されたはいいが、リーダーが剣士職であったため、二度と剣士とは組むまいと思うルカ。
そんな願いも空しく、偶然謎のチャラい赤髪の剣士と組むことになった。
一人でもやれるってところを見せれば、勝手に離れていくだろう。
そう思っていたが────。
「あれー、俺たち最強コンビじゃね?」
「うるさい黙れ」
「またまたぁ、照れなくて良いから、ルカちゃん♪」
「(こんなふざけた奴と、有り得ない程息が合うなんて、絶対認めない!!!!)」
違った境遇で孤独を感じていた二人の偶然の出会い。
魔法においては最強なのに、何故か自分と思っている通りに事が進まないルカの様々な(嬉しい)誤算を経て友情を育む。
そんなお話。
====
※BLではないですが、メンズ多めの異世界友情冒険譚です。
※表紙はでん様に素敵なルカ&ヴァルハイトを描いて頂きました。
※小説家になろうでも公開中
バイクごと異世界に転移したので美人店主と宅配弁当屋はじめました
福山陽士
ファンタジー
弁当屋でバイトをしていた大鳳正義《おおほうまさよし》は、突然宅配バイクごと異世界に転移してしまった。
現代日本とは何もかも違う世界に途方に暮れていた、その時。
「君、どうしたの?」
親切な女性、カルディナに助けてもらう。
カルディナは立地が悪すぎて今にも潰れそうになっている、定食屋の店主だった。
正義は助けてもらったお礼に「宅配をすればどう?」と提案。
カルディナの親友、魔法使いのララーベリントと共に店の再建に励むこととなったのだった。
『温かい料理を運ぶ』という概念がない世界で、みんなに美味しい料理を届けていく話。
※のんびり進行です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる