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とりあえず、ポトツキー伯爵夫人の行方は気になるわ。
私はフランツに会うため、執務室をゾフィー皇太后と共に訪れることにした。
「扉を開けてちょうだい」
私がそう言うと
「誰もお通ししないように言われてまして」
そう侍従が私に答える。
「わかりましたわ」
私は侍従を扇でぶん殴り倒すと、扉を強引に開けた。
「シシィ!!」
私が入るとフランツが私を見つめて声を上げた。
「フランツ……」
フランツの側にいたのは美しく優しげな貴婦人、
おそらくポトツキー伯爵夫人だろう。
「お義母様、事件解決ですわ、私の読み通りです」
「あなたの読みはともかく、フランツ!! 新婚早々になんですか」
ゾフィー皇太后は鬼婆のように怒り狂いそうなのがよくわかる。
熱気が伝わってくるのよね。
大丈夫かしら?血圧とか心配になってしまうわ。
「シシィ、誤解だ」
「いや、私は別に何も思ってないからいいのよ、ただ、ポトツキー伯爵夫人が行方不明になり、ポーランドに向かっていないなら、知り合いで一番頼りになる人、つまりフランツの元に行くだろうと考えただけよ」
「シシィは僕を信じてくれるんだね?」
「信じるも何もないわ、別にポトツキー伯爵夫人とラブラブしたいならスキャンダルにならない範囲でどうぞ、昔の恋が燃え上がるなんて良くあることよ」
「シシィ、誤解だ、盛大な誤解だ」
「フランツ!なんですか、シシィは頑張って皇后らしく振る舞っているのにあなたは不倫をするなんて!! スキャンダルになったらどうするんです? 退位することにも今の状態では成りかねないのですよ、世論はエリザベートの見方なんですからあなたが悪く思われるのです」
ゾフィー皇太后はオペラ座の舞台で演じるようなでかい声で怒鳴るので私は片耳を扇で塞いだ。
「皆さま、落ちつきましょう、フランツが何をどうしようかは大した問題じゃありません、美女に弱いだけなので仕方ないでしょう、問題はポトツキー伯爵夫人が失踪して、フランツに助けを求めにきた理由です」
私は話を仕切り直すとポトツキー伯爵夫人の方を向いた。
なるほど、黒髪に優しげな目元、少し垂れ目気味ね。
肌も白く美しい、私には負けるけど。
「あの…… 私…… 」
「パッと見たところによると、アダム・ヨゼフ・ポトツキーに何かあったのでしょうね、あなたの服は皇帝に会うには略式すぎるし、色仕掛けにしては色気のない服、つまり普段着のままいらしたのね、ご自慢の髪も少し乱れてらっしゃるわ、急いでいらしたのね、ただ、旦那様が捜索を出されてるとなると考えられるのは旦那様から逃げ出したい何があったから、なのかしら?」
「皇后陛下……なぜおわかりになるのですか?」
私は呆気に取られているポトツキー伯爵夫人を
見つめてこう言った。
「いつの時代も良くある話だからよ」
私はフランツに会うため、執務室をゾフィー皇太后と共に訪れることにした。
「扉を開けてちょうだい」
私がそう言うと
「誰もお通ししないように言われてまして」
そう侍従が私に答える。
「わかりましたわ」
私は侍従を扇でぶん殴り倒すと、扉を強引に開けた。
「シシィ!!」
私が入るとフランツが私を見つめて声を上げた。
「フランツ……」
フランツの側にいたのは美しく優しげな貴婦人、
おそらくポトツキー伯爵夫人だろう。
「お義母様、事件解決ですわ、私の読み通りです」
「あなたの読みはともかく、フランツ!! 新婚早々になんですか」
ゾフィー皇太后は鬼婆のように怒り狂いそうなのがよくわかる。
熱気が伝わってくるのよね。
大丈夫かしら?血圧とか心配になってしまうわ。
「シシィ、誤解だ」
「いや、私は別に何も思ってないからいいのよ、ただ、ポトツキー伯爵夫人が行方不明になり、ポーランドに向かっていないなら、知り合いで一番頼りになる人、つまりフランツの元に行くだろうと考えただけよ」
「シシィは僕を信じてくれるんだね?」
「信じるも何もないわ、別にポトツキー伯爵夫人とラブラブしたいならスキャンダルにならない範囲でどうぞ、昔の恋が燃え上がるなんて良くあることよ」
「シシィ、誤解だ、盛大な誤解だ」
「フランツ!なんですか、シシィは頑張って皇后らしく振る舞っているのにあなたは不倫をするなんて!! スキャンダルになったらどうするんです? 退位することにも今の状態では成りかねないのですよ、世論はエリザベートの見方なんですからあなたが悪く思われるのです」
ゾフィー皇太后はオペラ座の舞台で演じるようなでかい声で怒鳴るので私は片耳を扇で塞いだ。
「皆さま、落ちつきましょう、フランツが何をどうしようかは大した問題じゃありません、美女に弱いだけなので仕方ないでしょう、問題はポトツキー伯爵夫人が失踪して、フランツに助けを求めにきた理由です」
私は話を仕切り直すとポトツキー伯爵夫人の方を向いた。
なるほど、黒髪に優しげな目元、少し垂れ目気味ね。
肌も白く美しい、私には負けるけど。
「あの…… 私…… 」
「パッと見たところによると、アダム・ヨゼフ・ポトツキーに何かあったのでしょうね、あなたの服は皇帝に会うには略式すぎるし、色仕掛けにしては色気のない服、つまり普段着のままいらしたのね、ご自慢の髪も少し乱れてらっしゃるわ、急いでいらしたのね、ただ、旦那様が捜索を出されてるとなると考えられるのは旦那様から逃げ出したい何があったから、なのかしら?」
「皇后陛下……なぜおわかりになるのですか?」
私は呆気に取られているポトツキー伯爵夫人を
見つめてこう言った。
「いつの時代も良くある話だからよ」
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