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「フランツ、それでルドヴィカ自慢の娘さん達をどう思ってるの?」
ゾフィー皇太后が部屋中に聞こえるような声で話しだした。
「新鮮なアーモンドのようだ」
何よその例え、わかりにくいわ。
「それで?」
「もし承諾がいただけるなら結婚を申し込みたいと思っています」
皇帝の発言にみんな静まり返ってしまった。
お墓の中だってもう少し音があるんじゃないかしらと思うくらい静かなの、一種のホラーよ。
「まぁ!誰なのかしら?」
ゾフィー皇太后が静けさを断ち切って質問をする。
「それは」
ぷぅ~~~
誰よ!!このタイミング?
ゲップよりはマシとされますが誰が屁をこいたのよ
すかしにしなさいよ、すかしっぺに!!
この酷い音のせいでまた、あたりは静寂に包まれることになった。
結局、その後も結婚の話は出ることなくみんなモヤモヤした表情を浮かべながら晩餐会は終わった。
帰りの馬車でルドヴィカお母さんはイライラしてても良さそうなのに穏やかな顔でなんだか嫌な胸騒ぎがした。
「ママ、なんかあったの?」
「なんかって?」
「普通ならイライラするでしょ?娘が求婚されるかもって時に中断されてそのままなんだもの」
「まあね、でもオナラしたの私だし、怒れないわ」
「ママが!!信じられないわ」
「仕方ないでしょ、でちゃったんだから」
「やだわ、もう」
「ゾフィーから話しを聞いてるから今更聞かなくてもって言うのもあるけどね」
ん?今、爆弾発言しなかった?
「何ですって?」
「だからゾフィーから皇帝が誰と結婚したいか聞いてるからわざわざ晩餐の席で聞かなくてもって思ったってはなしてるの」
ルドヴィカお母さんが笑顔になって話し出したので私は合点がいった。
「ネネー、おめでとう皇后になるのね」
「シシィ違うのよ」
ルドヴィカお母さんとへレーネが首を振る
「え?」
「シシィがオーストリア皇后になるのよ」
何ですって……。
「お断りします」
「皇帝の命令は絶対!」
「ママ、ネネー、私が宮廷に入るなんて無理よ」
私がそう言うと
「皇帝もだけどゾフィーも賛成してることなのよ」
「あの鬼婆が?」
「シシィ!!なんてこと言うの、ゾフィーは厳しいかも知れないけど、そんな悪い人じゃないわ、色々と大変な苦労があったからこそ少しキツく見えるけど優しい人なのよ」
「だとしてもなんで私なの?扱いにくいわよ私」
「なんでも、美しさに聡明さも兼ね備えていて、皇后にふさわしいとかなんとか難しいこと言ってたわよ」
「断ってちょうだいとても私には無理よ、姉さんの方がどう考えても向いてるわ」
「とにかく、皇帝があなたに求婚するわけだから光栄に思わなくちゃ」
私がルドヴィカお母さんと口論をしていると突然へレーネが
「シシィ、私もシシィが皇后になるべきだと思うわ」
「ネネーまで、やめてよ、考えてもみてちょうだいネネーの嫁入り準備ならなんの問題もなくドレスも用意出来てるけど私になったら一から作らなきゃいけないし時間もお金も無駄になるのよ?経済的にもよくないし、そもそも勉強や常識を知らない私が皇后なんて無理」
「シシィは私より地頭がいいのよ、ちょっとおてんばだけど私ね、皇帝陛下が最初からずっとシシィを見てたのに気づいたの、自分では認めないでしょうけどシシィは誰よりも可愛いし綺麗なのよ」
「ネネー……」
「でも美しいだけじゃなく頭がいいのも私は知ってるわ、大丈夫、シシィなら」
へレーネそう言うけどさ、結婚したら死亡フラグ立つんだよ……。
「二人とも、とにかく私の娘のどっちかが皇后になるんだから良かったわ、今夜は良く寝れそうよ」
「私は寝れないわよ……」
呑気な母親を持つと苦労するわ。
ゾフィー皇太后が部屋中に聞こえるような声で話しだした。
「新鮮なアーモンドのようだ」
何よその例え、わかりにくいわ。
「それで?」
「もし承諾がいただけるなら結婚を申し込みたいと思っています」
皇帝の発言にみんな静まり返ってしまった。
お墓の中だってもう少し音があるんじゃないかしらと思うくらい静かなの、一種のホラーよ。
「まぁ!誰なのかしら?」
ゾフィー皇太后が静けさを断ち切って質問をする。
「それは」
ぷぅ~~~
誰よ!!このタイミング?
ゲップよりはマシとされますが誰が屁をこいたのよ
すかしにしなさいよ、すかしっぺに!!
この酷い音のせいでまた、あたりは静寂に包まれることになった。
結局、その後も結婚の話は出ることなくみんなモヤモヤした表情を浮かべながら晩餐会は終わった。
帰りの馬車でルドヴィカお母さんはイライラしてても良さそうなのに穏やかな顔でなんだか嫌な胸騒ぎがした。
「ママ、なんかあったの?」
「なんかって?」
「普通ならイライラするでしょ?娘が求婚されるかもって時に中断されてそのままなんだもの」
「まあね、でもオナラしたの私だし、怒れないわ」
「ママが!!信じられないわ」
「仕方ないでしょ、でちゃったんだから」
「やだわ、もう」
「ゾフィーから話しを聞いてるから今更聞かなくてもって言うのもあるけどね」
ん?今、爆弾発言しなかった?
「何ですって?」
「だからゾフィーから皇帝が誰と結婚したいか聞いてるからわざわざ晩餐の席で聞かなくてもって思ったってはなしてるの」
ルドヴィカお母さんが笑顔になって話し出したので私は合点がいった。
「ネネー、おめでとう皇后になるのね」
「シシィ違うのよ」
ルドヴィカお母さんとへレーネが首を振る
「え?」
「シシィがオーストリア皇后になるのよ」
何ですって……。
「お断りします」
「皇帝の命令は絶対!」
「ママ、ネネー、私が宮廷に入るなんて無理よ」
私がそう言うと
「皇帝もだけどゾフィーも賛成してることなのよ」
「あの鬼婆が?」
「シシィ!!なんてこと言うの、ゾフィーは厳しいかも知れないけど、そんな悪い人じゃないわ、色々と大変な苦労があったからこそ少しキツく見えるけど優しい人なのよ」
「だとしてもなんで私なの?扱いにくいわよ私」
「なんでも、美しさに聡明さも兼ね備えていて、皇后にふさわしいとかなんとか難しいこと言ってたわよ」
「断ってちょうだいとても私には無理よ、姉さんの方がどう考えても向いてるわ」
「とにかく、皇帝があなたに求婚するわけだから光栄に思わなくちゃ」
私がルドヴィカお母さんと口論をしていると突然へレーネが
「シシィ、私もシシィが皇后になるべきだと思うわ」
「ネネーまで、やめてよ、考えてもみてちょうだいネネーの嫁入り準備ならなんの問題もなくドレスも用意出来てるけど私になったら一から作らなきゃいけないし時間もお金も無駄になるのよ?経済的にもよくないし、そもそも勉強や常識を知らない私が皇后なんて無理」
「シシィは私より地頭がいいのよ、ちょっとおてんばだけど私ね、皇帝陛下が最初からずっとシシィを見てたのに気づいたの、自分では認めないでしょうけどシシィは誰よりも可愛いし綺麗なのよ」
「ネネー……」
「でも美しいだけじゃなく頭がいいのも私は知ってるわ、大丈夫、シシィなら」
へレーネそう言うけどさ、結婚したら死亡フラグ立つんだよ……。
「二人とも、とにかく私の娘のどっちかが皇后になるんだから良かったわ、今夜は良く寝れそうよ」
「私は寝れないわよ……」
呑気な母親を持つと苦労するわ。
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