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65、マスター
しおりを挟む近所の女の子がランドセルを買うという話に、時の流れを感じて遠い目をしてしまったウサギです。
最近のランドセル選びは早いのですね。
近所に住んでいる犬助の1歳上の女の子なんですが、数ヶ月前からランドセルのカタログを取り寄せて選び始めていたらしいです。
自分の頃が小学校に入学するどのくらい前から用意開始していたから覚えていないので、当時と比較は出来ないのですけれど…………。
それでも、入学する一年以上前から探し始めるものなんだなぁと驚きました。
今の御時世、ランドセルの色は赤や黒だけではなくて、茶色、青、緑、紫等など、本当にカラフルですね。
デザインも色々ありますし、本当に目移りして大変ですね。
でも、6年間使用するものですからしっかりと選びたい親の気持ちもわかります。
ただ…………中には十万円ほどするランドセルをテレビで見たことが有りますけれど、そんなランドセルを背負って歩く小学一年生って微妙に恐ろしいです。
庶民の私の金銭感覚では、そんな高価なものを放り投げたり、チャンバラごっこの盾にされたりしたら、泣いて悲鳴を上げそうだなぁと想像してしまいました。
我が家の金銭感覚に見合った物を購入したいと遠い目をしてしまった私です。
朝の準備をしている時の一幕なんですが、保育園へと行く前にご飯を食べて、パジャマからお着替えをします。
我が家では朝一番にクマ太郎が洗濯物を畳むので、リビングにある程度子供服を置きっぱなしにしています。
そのため、犬助には自分で置いてある服の中から好きなのを着るか、タンスから持ってくるように声を掛けます。
そしていつものように自分で服を選んで、着替えて満面の笑顔で一言。
「マスター!」
たぶん、日曜日の朝九時から子供番組を見ない方にはチンプンカンプンな言葉だと思います。
マスター、それは先月まで放送されていたドンブラザーズという戦隊モノでマスターと呼ばれる登場人物のことです。
喫茶店のマスターでもあり、ドンブラザーズの管理人でもあるマスターは謎の男です。
そんな謎の男マスターの衣装は喫茶店らしく白いシャツに黒いスラックス、黒い腰巻き型のエプロンです。
その衣装が印象的だったのでしょう。
白っぽいトレーナーに、濃いグレーの長ズボンを着て、マスターの衣装を着たつもりの犬助。
ドヤ顔でポーズを決めるその姿はとても微笑ましくて、可愛くて、格好良いマスターだと思います。
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