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48、恨みとは理不尽なものです
しおりを挟む朝一番にマダガスカル?ペンギンズ?を見た犬助がペンギンに会いたい!と叫び、変な顔になってしまったウサギです。
ペンギンは可愛いですね。
とても可愛らしい生き物なので、子どもが会いたくなる気持ちはすごくよくわかります。
よく分かるし可愛らしいとは思いますが、私達が会いに行ける距離にある彼らが住んでいる場所の入場料は全く可愛らしくありません。
あの可愛くない料金設定では我が家は気軽にレッツゴー!イエーイ!!とはなりません。
しっかりと予算会議をクマ太郎と開催してからのレッツゴーなので、当日朝のレッツゴーは残念ながら有り得ません。
根気強く犬助と向かい合い、今日のところは諦めてもらおうと考えている私です。
…………しばらく泣かれたり、ジタバタされるのは覚悟の上だったりします。
最近のテレビのニュースだったり、たまたま通った道に旗を持って立っている人を見かけ、数年前の選挙を思い出しました。
当時はまだ犬助が生まれたばかりで、今以上に慣れない育児に奮闘していました。
まだまだ1歳にもなっていなかった赤ちゃんの犬助。
朝も、昼も、夜も、真夜中も、時間なんて関係なくギャンギャンと泣く犬助。
2~3時間おきの授乳に、頻回なオムツ交換。
そして、なぜ泣いているのか分からない不機嫌ギャンギャン泣き。
当時はクマ太郎もまだまだ新米パパさんで、お互いにオロオロしてばっかりでした。
……まあ、そんな状態が続くとどうなるかなど、世の中のママさん、パパさん、子育て経験者の皆様はご想像できるかと思います。
ご想像通り、早々に万年寝不足となりました。
そんな寝不足でフラフラする毎日が続いたとある日の午後。
その日もいつも通りに犬助の夜泣きで苦労して、着替える余裕もなくパジャマ姿の私。
朝からオムツに授乳にと、あやし続けてやっとの思いで眠ってくれた犬助。
犬助が眠ってくれて、布団の上に目覚めることなく寝かせることが出来た瞬間に、私はヘナヘナと座り込みました。
やっと仮眠ができる……、と身体の力を抜いたその瞬間。
「名無しの権兵衛!名無しの権兵衛をよろしくお願いします!!」
…………その時……確かに私の世界は音を立てて時間が止まりました。
「うぅ……ふえぇぇ……」
犬助のか細い鳴き声を合図に私の世界は時間を取り戻しました。
その後は押して図るべしです。
お昼寝を邪魔されて不機嫌MAXのギャン泣き犬助。
怒りを通り越して無の境地の私。
体力ゲージは黄色を通り越して、真っ赤っ赤。
唯一の救いは、クマ太郎が仕事から帰宅した時に家が散らかっていても、ご飯が出来ていなくても、嫌味も不機嫌な態度もとらない人だったことです。
不機嫌になるどころか、私の心配をしてくれる人だったことが、育児で疲れ切った私にはすごく助かりました。
ちなみに、クマ太郎へと選挙カーの甲高い大きな声で犬助が不機嫌MAX、俺達の戦いは始まったばかりだぜっ!という状態にしたことを愚痴りました。
そして、私は無の境地に達した時に、絶対に、何があっても、犬助を起こした選挙カーの持ち主には投票しないと心に誓いました。
子どもを起こしたくらいで理不尽だと思う人はいるかもしれませんが、産後の恨みは一生物だと言いますし。
まあ、たかが子育て中の主婦一人の恨み言なんて、大したものではないと思う今日此の頃です。
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