37 / 39
37.ダミアンの乱心
しおりを挟む
「ど、どういたしましょうか、クラウディア様…。旦那様も奥様も外出なさってますが…」
「……。」
追い返してしまってもいいような気がしたけれど、曲がりなりにも夫婦だったのだ。最後くらいきちんと顔を合わせて挨拶するべきかもしれない。そう思った私はジョアンナに言った。
「居間にお通しして。話をするわ」
何度か深呼吸をして、私は静かに居間に入った。すると険しい表情でこちらを振り向いたダミアン様が勢いよく立ち上がる。
「クラウディア!!」
「…ごきげんよう、ダミアン様」
「ごきげんようじゃない!!何故だお前!…何故こんなことを……!……いや、……違うな、…………すまない、クラウディア。分かっている。俺が悪かったんだ。ちゃんと反省した。これからはもっとお前に構ってやるから。…………な?もういいだろう。戻ってこい、クラウディア」
凄い剣幕で食ってかかろうとしてきたダミアン様は、無理矢理自分を抑えつつ、といったかんじで私に対して初めて謝罪の言葉を口にした。
「まさかお前がここまでするとはな……。ふ、ふは、……驚かされたよ。父にまで告げ口してしまうとは……。あの日記はちょっと陰険すぎてさすがに許しがたいが…………まぁいい。それほどお前の俺への執着が強いのならば、もうこちらが折れてやるしかあるまい。分かったよ、クラウディア。今後は屋敷に女を呼ぶのも止めてやるから。お前のいう、何だ、あれ…………仲睦まじい夫婦。そう。それだ。こちらが譲歩して、それらしい家庭を作るように…」
「もう結構ですわ、ダミアン様」
「…………………………。へ?」
髪をかきあげながら格好つけて、あくまでも上から目線で交渉しようとするダミアン様の言葉を遮って、私は毅然と言い放った。もうこれで最後なのだから、きちんと伝えておかなくては。
「自由に生きたいあなたの愛を期待するのはもうやめました。どうぞお好きな方とお好きに過ごしてください。私はもうあなたから離れて別の人生を歩みますわ。私自身が、そう決めたのです」
真正面から見つめてはっきりとそう言った私を、ダミアン様は凍り付いたまま見つめ返してくる。次第に口角がプルプルと震えだしたかと思うと、彼は突然大声を上げた。
「馬鹿を言うな!!決めたのです、じゃない!!お前が戻ってこなかったら、お、俺は……ウィルコックス伯爵家を追い出されるんだよ!!お前のせいで父が屋敷に来て言ったんだ!!3日以内に出て行けと!!どうしてくれる?!しょうもない意地を張らずにさっさと戻ってこい馬鹿!!」
「きゃあっ!!は……離してくださいダミアン様!」
「うるさいっ!来いっ!!」
乱心したダミアン様はツカツカと歩み寄ってきたかと思うと私の腕を乱暴に掴み、そのまま力ずくで私を連れ去ろうとする。よほど追い詰められているのか、目が血走って尋常ではない雰囲気が漂っている。このままでは……本当に連れて行かれてしまいそうだ。
「なっ、何をなさっているのですか!!乱暴はお止めください!!」
騒ぎを聞きつけたジョアンナや他の侍女たちが慌てて止めに入ろうとしてくれるが、男の本気の力には敵うはずもない。
「うるさい!!この……裏切り者の侍女たちが!!邪魔をするな!!蹴り飛ばすぞ!!」
「っ!!ダ、ダミアン様……っ!お止めください……っ!」
侍女たちを蹴り飛ばされてはたまらないと無我夢中でダミアン様に逆らっていると、ふと私を引っ張っていた彼の力が緩んだ。
「…………っ?!ア、……」
(アーネスト様……っ!)
見ると冷たい目をしたアーネスト様がダミアン様の胸ぐらを掴んでいた。
「ぐ…………っ!」
「…彼女に乱暴することは絶対に許さないぞ、ダミアン・ウィルコックス。ちなみにこれは正当防衛だ」
淡々とそう言うと、アーネスト様はそのままダミアン様を思いきり床に投げ飛ばした。
「ごふっ!」
転がったダミアン様は居間の壁にゴンッ!と勢いよく頭を打ちつけた。
「ア、アーネスト様……っ!どうして、ここに……?」
「君のご両親と私たちの婚姻に関しての打ち合わせをしていたんだよ。私の両親と共にね。それで屋敷までお送りしたんだ。……無事かい?クラウディア」
「は、はい……。ありがとうございます」
「……可哀相に。手首に痣が…」
「……っ、」
ダミアン様に掴まれていた腕が少し赤くなっており、そんなわずかな痣をアーネスト様は優しく撫でてくれる。
「……っ!こっ……婚姻?婚姻と言ったな今!!ほら見ろ!貴様……やっぱり下心があったんじゃないか!!俺とクラウディアの仲を引き裂いて、自分が後釜に座る気満々だったんだろう!嫌らしい男だ……!お、お前は……卑劣で……薄汚い男だ!!」
後頭部を押さえながらヨロヨロと上体を起こしたダミアン様がアーネスト様を見上げ、睨みつけながら叫んだ。鼻血が出ている。
アーネスト様を侮辱するような口ぶりに、私は思わずカッとなった。
「アーネスト様を愚弄するのは止めてください!彼のどこが卑劣だと言うの?!ただ私の心を慰め、大切にしてくださっただけですわ!優しくて、紳士的で、素敵で……、だから私はアーネスト様を好きになったのよ!!あなたなんかとは大違いよ!一緒にしないで!!…………はぁ、……はぁ……。…………。………………ハッ」
ふと我に返った途端、顔から火が噴き出しそうなほどの恥ずかしさが襲ってきた。
わ……私ったら…………、はしたなくも大声で……感情剥き出しにして……叫んでしまった…………。
(……しかも、ものすごく大胆なことを言ってしまったような…………)
愕然とした顔で口をあんぐりと開け私を見上げているダミアン様から目を逸らし、おそるおそる後ろを振り返る。
居間の入り口に立っていた両親もまた、口をあんぐりと開け私を見ていた。侍女たちは目をキラキラと輝かせて胸の前で指を組んで私を見つめている。
(……き…………消えたい…………)
「クラウディア」
羞恥のあまり気を失いそうな私を支えるように抱き、アーネスト様が私の熱い頬に手を当てた。
「……ありがとう。この世に私ほどの果報者はいない。幸せだよ」
「………………っ!」
アーネスト様のその微笑みに、私の体はますます熱を帯びもう倒れてしまいそうだった。
「ダミアン・ウィルコックス伯爵令息」
たった今私に向けた優しい笑みとは打って変わった冷たい瞳でダミアン様を見下ろすと、私の腰を抱いたままアーネスト様は言い放った。
「私が王国騎士団の騎士だということを忘れたか。これ以上この屋敷で騒ぎを起こすつもりならば、このまま連行するぞ」
「…………く…………っ!」
ダミアン様はギシッ…と歯ぎしりすると、私を見つめ突如眉を下げ情けない顔をした。
「ク、クラウディア……、頼むから、助けてくれよ……!お前に見捨てられたら、お、俺が、どうなるか分かってるのか……?!勘当されてしまったら、もう俺は……俺は、生きていけないんだぞ…………う゛ぅぅ……」
「…………。」
急遽泣き落とし作戦に変更したらしい。たしかに、アーネスト様に簡単に投げ飛ばされて尻もちをついたまま鼻血を垂らして私に懇願する姿は、あまりにも情けなく憐れではあるけれど。
私はアーネスト様にきゅ、と抱きつくと、彼を見下ろしてきっぱりと言った。
「自由を謳ってこれまで私をないがしろにしてきて、私の気持ちをここまで変えてしまったのはあなたですわ。もう私があなたの元へ戻ることはありません。お帰りになって」
もうどうにもならないことをついに悟ったのだろう。私を見上げるダミアン様の顔は絶望の色に染まったのだった。
「……。」
追い返してしまってもいいような気がしたけれど、曲がりなりにも夫婦だったのだ。最後くらいきちんと顔を合わせて挨拶するべきかもしれない。そう思った私はジョアンナに言った。
「居間にお通しして。話をするわ」
何度か深呼吸をして、私は静かに居間に入った。すると険しい表情でこちらを振り向いたダミアン様が勢いよく立ち上がる。
「クラウディア!!」
「…ごきげんよう、ダミアン様」
「ごきげんようじゃない!!何故だお前!…何故こんなことを……!……いや、……違うな、…………すまない、クラウディア。分かっている。俺が悪かったんだ。ちゃんと反省した。これからはもっとお前に構ってやるから。…………な?もういいだろう。戻ってこい、クラウディア」
凄い剣幕で食ってかかろうとしてきたダミアン様は、無理矢理自分を抑えつつ、といったかんじで私に対して初めて謝罪の言葉を口にした。
「まさかお前がここまでするとはな……。ふ、ふは、……驚かされたよ。父にまで告げ口してしまうとは……。あの日記はちょっと陰険すぎてさすがに許しがたいが…………まぁいい。それほどお前の俺への執着が強いのならば、もうこちらが折れてやるしかあるまい。分かったよ、クラウディア。今後は屋敷に女を呼ぶのも止めてやるから。お前のいう、何だ、あれ…………仲睦まじい夫婦。そう。それだ。こちらが譲歩して、それらしい家庭を作るように…」
「もう結構ですわ、ダミアン様」
「…………………………。へ?」
髪をかきあげながら格好つけて、あくまでも上から目線で交渉しようとするダミアン様の言葉を遮って、私は毅然と言い放った。もうこれで最後なのだから、きちんと伝えておかなくては。
「自由に生きたいあなたの愛を期待するのはもうやめました。どうぞお好きな方とお好きに過ごしてください。私はもうあなたから離れて別の人生を歩みますわ。私自身が、そう決めたのです」
真正面から見つめてはっきりとそう言った私を、ダミアン様は凍り付いたまま見つめ返してくる。次第に口角がプルプルと震えだしたかと思うと、彼は突然大声を上げた。
「馬鹿を言うな!!決めたのです、じゃない!!お前が戻ってこなかったら、お、俺は……ウィルコックス伯爵家を追い出されるんだよ!!お前のせいで父が屋敷に来て言ったんだ!!3日以内に出て行けと!!どうしてくれる?!しょうもない意地を張らずにさっさと戻ってこい馬鹿!!」
「きゃあっ!!は……離してくださいダミアン様!」
「うるさいっ!来いっ!!」
乱心したダミアン様はツカツカと歩み寄ってきたかと思うと私の腕を乱暴に掴み、そのまま力ずくで私を連れ去ろうとする。よほど追い詰められているのか、目が血走って尋常ではない雰囲気が漂っている。このままでは……本当に連れて行かれてしまいそうだ。
「なっ、何をなさっているのですか!!乱暴はお止めください!!」
騒ぎを聞きつけたジョアンナや他の侍女たちが慌てて止めに入ろうとしてくれるが、男の本気の力には敵うはずもない。
「うるさい!!この……裏切り者の侍女たちが!!邪魔をするな!!蹴り飛ばすぞ!!」
「っ!!ダ、ダミアン様……っ!お止めください……っ!」
侍女たちを蹴り飛ばされてはたまらないと無我夢中でダミアン様に逆らっていると、ふと私を引っ張っていた彼の力が緩んだ。
「…………っ?!ア、……」
(アーネスト様……っ!)
見ると冷たい目をしたアーネスト様がダミアン様の胸ぐらを掴んでいた。
「ぐ…………っ!」
「…彼女に乱暴することは絶対に許さないぞ、ダミアン・ウィルコックス。ちなみにこれは正当防衛だ」
淡々とそう言うと、アーネスト様はそのままダミアン様を思いきり床に投げ飛ばした。
「ごふっ!」
転がったダミアン様は居間の壁にゴンッ!と勢いよく頭を打ちつけた。
「ア、アーネスト様……っ!どうして、ここに……?」
「君のご両親と私たちの婚姻に関しての打ち合わせをしていたんだよ。私の両親と共にね。それで屋敷までお送りしたんだ。……無事かい?クラウディア」
「は、はい……。ありがとうございます」
「……可哀相に。手首に痣が…」
「……っ、」
ダミアン様に掴まれていた腕が少し赤くなっており、そんなわずかな痣をアーネスト様は優しく撫でてくれる。
「……っ!こっ……婚姻?婚姻と言ったな今!!ほら見ろ!貴様……やっぱり下心があったんじゃないか!!俺とクラウディアの仲を引き裂いて、自分が後釜に座る気満々だったんだろう!嫌らしい男だ……!お、お前は……卑劣で……薄汚い男だ!!」
後頭部を押さえながらヨロヨロと上体を起こしたダミアン様がアーネスト様を見上げ、睨みつけながら叫んだ。鼻血が出ている。
アーネスト様を侮辱するような口ぶりに、私は思わずカッとなった。
「アーネスト様を愚弄するのは止めてください!彼のどこが卑劣だと言うの?!ただ私の心を慰め、大切にしてくださっただけですわ!優しくて、紳士的で、素敵で……、だから私はアーネスト様を好きになったのよ!!あなたなんかとは大違いよ!一緒にしないで!!…………はぁ、……はぁ……。…………。………………ハッ」
ふと我に返った途端、顔から火が噴き出しそうなほどの恥ずかしさが襲ってきた。
わ……私ったら…………、はしたなくも大声で……感情剥き出しにして……叫んでしまった…………。
(……しかも、ものすごく大胆なことを言ってしまったような…………)
愕然とした顔で口をあんぐりと開け私を見上げているダミアン様から目を逸らし、おそるおそる後ろを振り返る。
居間の入り口に立っていた両親もまた、口をあんぐりと開け私を見ていた。侍女たちは目をキラキラと輝かせて胸の前で指を組んで私を見つめている。
(……き…………消えたい…………)
「クラウディア」
羞恥のあまり気を失いそうな私を支えるように抱き、アーネスト様が私の熱い頬に手を当てた。
「……ありがとう。この世に私ほどの果報者はいない。幸せだよ」
「………………っ!」
アーネスト様のその微笑みに、私の体はますます熱を帯びもう倒れてしまいそうだった。
「ダミアン・ウィルコックス伯爵令息」
たった今私に向けた優しい笑みとは打って変わった冷たい瞳でダミアン様を見下ろすと、私の腰を抱いたままアーネスト様は言い放った。
「私が王国騎士団の騎士だということを忘れたか。これ以上この屋敷で騒ぎを起こすつもりならば、このまま連行するぞ」
「…………く…………っ!」
ダミアン様はギシッ…と歯ぎしりすると、私を見つめ突如眉を下げ情けない顔をした。
「ク、クラウディア……、頼むから、助けてくれよ……!お前に見捨てられたら、お、俺が、どうなるか分かってるのか……?!勘当されてしまったら、もう俺は……俺は、生きていけないんだぞ…………う゛ぅぅ……」
「…………。」
急遽泣き落とし作戦に変更したらしい。たしかに、アーネスト様に簡単に投げ飛ばされて尻もちをついたまま鼻血を垂らして私に懇願する姿は、あまりにも情けなく憐れではあるけれど。
私はアーネスト様にきゅ、と抱きつくと、彼を見下ろしてきっぱりと言った。
「自由を謳ってこれまで私をないがしろにしてきて、私の気持ちをここまで変えてしまったのはあなたですわ。もう私があなたの元へ戻ることはありません。お帰りになって」
もうどうにもならないことをついに悟ったのだろう。私を見上げるダミアン様の顔は絶望の色に染まったのだった。
170
お気に入りに追加
2,983
あなたにおすすめの小説
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。
夢風 月
恋愛
カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。
顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。
我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。
そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。
「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」
そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。
「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」
「……好きだからだ」
「……はい?」
いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。
※タグをよくご確認ください※
嫌われ者の側妃はのんびり暮らしたい
風見ゆうみ
恋愛
「オレのタイプじゃないんだよ。地味過ぎて顔も見たくない。だから、お前は側妃だ」
顔だけは良い皇帝陛下は、自らが正妃にしたいと希望した私を側妃にして別宮に送り、正妃は私の妹にすると言う。
裏表のあるの妹のお世話はもううんざり!
側妃は私以外にもいるし、面倒なことは任せて、私はのんびり自由に暮らすわ!
そう思っていたのに、別宮には皇帝陛下の腹違いの弟や、他の側妃とのトラブルはあるし、それだけでなく皇帝陛下は私を妹の毒見役に指定してきて――
それって側妃がやることじゃないでしょう!?
※のんびり暮らしたかった側妃がなんだかんだあって、のんびりできなかったけれど幸せにはなるお話です。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
【完結】4人の令嬢とその婚約者達
cc.
恋愛
仲の良い4人の令嬢には、それぞれ幼い頃から決められた婚約者がいた。
優れた才能を持つ婚約者達は、騎士団に入り活躍をみせると、その評判は瞬く間に広まっていく。
年に、数回だけ行われる婚約者との交流も活躍すればする程、回数は減り気がつけばもう数年以上もお互い顔を合わせていなかった。
そんな中、4人の令嬢が街にお忍びで遊びに来たある日…
有名な娼館の前で話している男女数組を見かける。
真昼間から、騎士団の制服で娼館に来ているなんて…
呆れていると、そのうちの1人…
いや、もう1人…
あれ、あと2人も…
まさかの、自分たちの婚約者であった。
貴方達が、好き勝手するならば、私達も自由に生きたい!
そう決意した4人の令嬢の、我慢をやめたお話である。
*20話完結予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる