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25. 王女の出生
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「あ、あの……、アリューシャ様」
「ん?なぁに?」
赤く輝く瞳で私を見上げる王女殿下の表情は、いつもと何も変わらない。
「……その、……先ほどセレオン王太子殿下のお部屋を出て歩いている時にすれ違った、あの方々は……」
「……ああ。あの人たちはジュディ・オルブライト公爵令嬢と、ダイアナ・ウィリス侯爵令嬢よ。お二人ともお兄様の婚約者候補の人たちなの」
「……さようでございますか」
やはりどちらも高貴な身分のご令嬢だった。しかもセレオン殿下のご婚約者候補。
そんな教養ある方たちが、なぜあんな態度を……?
私の表情を見たアリューシャ王女が、その快活さに似つかわしくない諦めたような笑みを漏らす。
「……あのね、ミラベルさん。お兄様か誰かから聞いているかもしれないけれど、私ね、国王陛下の“庶子”なのよ」
「……。……えっ……?」
庶子……?
予想外のその単語に、私は思わずアリューシャ王女の顔を見つめた。アリューシャ王女は少し気まずそうな、まるでちょっとしたいたずらや隠し事がバレてしまったと言わんばかりの表情で、ポツリポツリと話しだす。
「私のお母様はね、王宮勤めの使用人だったそうなの。で、どういうわけか国王陛下との間に私ができちゃったみたい。高位貴族の娘じゃなかったお母様は私を静かに育てるために、国王陛下にも黙って王宮を出たの。だけど私が4歳の時に、お母様は病気で死んじゃって……。その時に王宮からお迎えの人たちが来て、私はここに引き取られたってわけ。なぜだか国王陛下は私とお母様の居場所や生活を、ずっと見守っていたらしいのよ。一応自分の娘だから気にはなっていたのかしらね。……まぁそんなわけで、私はここの皆から歓迎されているわけじゃないのよ。どこの誰とも分からない女性との間に、国王が間違って作っちゃった子。卑しい身分の子って、そう思われてるわけ」
「……アリューシャ、さま……」
「国王にはすでに王妃様との間にお兄様や、嫁いでいった王女様たちもいるしね。だから、ここでは私は異質な存在。さっきのお兄様の婚約者候補のお二人みたいな態度の人は、結構いるのよ。気にしないで」
「……そんな……」
「だからね、私あなたと出会ったあの時、本当に嬉しくて……!私の身分とか出自とか何も知らないのに、そんなこと関係なく私を助けてくれたでしょ?それに……ふふ……、頭も撫でてくれた。普通に話してくれて、優しくしてくれて。まるで本当にお母様の代わりみたいで……。もちろんここにも、優しく接してくれる侍女たちはいるわ。だけどほら、やっぱり遠慮や距離はあるじゃない?だからあなたがここで私の教育係として働いてくれることになって、本当に本当に嬉しいの!……引き受けてくれてありがとう、ミラベルさん。私、頑張るわね。あなたとずっと長く一緒にいられるように」
「……アリューシャ様……っ」
健気な彼女の言葉を聞いているうちに堪えきれず、涙がはらはらと頬を伝った。そういうことだったのか。これまで覚えていた違和感に、納得がいった。お兄様以外には普通に話してくれる人がいないと言っていたこと。アリューシャ王女に対する周囲の人々の態度が、何となく素っ気なかったこと。さっきの令嬢たちの態度。
わずか4歳で、たった二人きりで暮らしていた大切なお母様を失って。それからすぐに王宮に連れて来られて、不慣れな環境の中で生きてこられたのだ。お父上である国王陛下は当然日々お忙しいだろうし、同じく兄上のセレオン殿下もずっとアリューシャ王女のそばにいられるはずがない。他に優しくしてくれる大人は周りにほとんどいなくて……。そんな中で過ごす毎日は、どれほど心細かったことだろう。
(それなのに……こんなに明るくて、天真爛漫で、優しさも愛らしさも失っておられない……。ひねくれることもなく、こんなに真っ直ぐなお人柄に育って……なんて強い方なんだろう)
私がハセルタイン伯爵家で義父母や夫から虐げられていた同じ頃、この方もまた王宮の中で、傷付きながら寂しさに耐えていたんだ。それも私よりも、ずっと前から……。
出会った時の彼女の様子を思い出す。お菓子屋の店主と揉めていくところに割って入った時の、アリューシャ王女の縋り付くような瞳。頭を撫でてあげた時、嬉しそうに頬を染めた顔。私が慌てて立ち去ろうとした時の、必死に引き留めようとしていた姿。
セレオン殿下のお部屋で再会した時に私に飛びついてきた、あの幸せそうな笑顔。
「ミ、ミラベルさん……?そんなに泣かないでよ……。ごめんなさいね、変な話しちゃって。私なら大丈夫よ。もうすっかり慣れて……、……ひゃっ!!」
気付けば私は、頭一つ分小さな彼女の体を思い切り抱きしめていた。涙がとめどなく溢れる。
出自が何だというのだろう。王妃様から生まれていないから。母親の身分が低いから。たったそれだけの理由で、こんなに愛らしい人をどうしてよってたかってないがしろにするのだろう。
そんなこと、私が絶対に許さない。
この子は私が守るんだから!!
「アリューシャ様っ!!」
「ほえっ?!は、はいっ」
抱きしめていた彼女の両肩をガシッと掴み少し離すと、私は正面からその赤い瞳を見つめて言った。
「見返してやりましょう!そんなくだらない、人の表面しか見ていないような連中に、アリューシャ様を貶める資格はありませんわ!私があなたを育てます!誰にも文句を言わせない立派な王女様になって、堂々と言ってやるんです!無礼な態度は許さないわよって!」
「……ミラベルさん……」
「頑張りましょうアリューシャ様!!」
ついさっきまであんなにも消極的だった私の頭の中は、すでに闘志に燃えていた。冗談じゃない。この子に対してあんな失礼な態度は二度と許さないわよ。この子を傷付けるような真似、誰にもさせないんだから!!
まるで自分がアリューシャ王女の母親にでもなったような気分だった。アリューシャ王女は面食らった顔で、突然気合いを入れた私のことを見ていたけれど、
「……ふふ。……ええ!頑張るわ。ありがとう、ミラベルさん」
そう言って、少し照れくさそうに笑った。
ムキになって涙を流す私よりも、はるかに大人びて見えた。
「ん?なぁに?」
赤く輝く瞳で私を見上げる王女殿下の表情は、いつもと何も変わらない。
「……その、……先ほどセレオン王太子殿下のお部屋を出て歩いている時にすれ違った、あの方々は……」
「……ああ。あの人たちはジュディ・オルブライト公爵令嬢と、ダイアナ・ウィリス侯爵令嬢よ。お二人ともお兄様の婚約者候補の人たちなの」
「……さようでございますか」
やはりどちらも高貴な身分のご令嬢だった。しかもセレオン殿下のご婚約者候補。
そんな教養ある方たちが、なぜあんな態度を……?
私の表情を見たアリューシャ王女が、その快活さに似つかわしくない諦めたような笑みを漏らす。
「……あのね、ミラベルさん。お兄様か誰かから聞いているかもしれないけれど、私ね、国王陛下の“庶子”なのよ」
「……。……えっ……?」
庶子……?
予想外のその単語に、私は思わずアリューシャ王女の顔を見つめた。アリューシャ王女は少し気まずそうな、まるでちょっとしたいたずらや隠し事がバレてしまったと言わんばかりの表情で、ポツリポツリと話しだす。
「私のお母様はね、王宮勤めの使用人だったそうなの。で、どういうわけか国王陛下との間に私ができちゃったみたい。高位貴族の娘じゃなかったお母様は私を静かに育てるために、国王陛下にも黙って王宮を出たの。だけど私が4歳の時に、お母様は病気で死んじゃって……。その時に王宮からお迎えの人たちが来て、私はここに引き取られたってわけ。なぜだか国王陛下は私とお母様の居場所や生活を、ずっと見守っていたらしいのよ。一応自分の娘だから気にはなっていたのかしらね。……まぁそんなわけで、私はここの皆から歓迎されているわけじゃないのよ。どこの誰とも分からない女性との間に、国王が間違って作っちゃった子。卑しい身分の子って、そう思われてるわけ」
「……アリューシャ、さま……」
「国王にはすでに王妃様との間にお兄様や、嫁いでいった王女様たちもいるしね。だから、ここでは私は異質な存在。さっきのお兄様の婚約者候補のお二人みたいな態度の人は、結構いるのよ。気にしないで」
「……そんな……」
「だからね、私あなたと出会ったあの時、本当に嬉しくて……!私の身分とか出自とか何も知らないのに、そんなこと関係なく私を助けてくれたでしょ?それに……ふふ……、頭も撫でてくれた。普通に話してくれて、優しくしてくれて。まるで本当にお母様の代わりみたいで……。もちろんここにも、優しく接してくれる侍女たちはいるわ。だけどほら、やっぱり遠慮や距離はあるじゃない?だからあなたがここで私の教育係として働いてくれることになって、本当に本当に嬉しいの!……引き受けてくれてありがとう、ミラベルさん。私、頑張るわね。あなたとずっと長く一緒にいられるように」
「……アリューシャ様……っ」
健気な彼女の言葉を聞いているうちに堪えきれず、涙がはらはらと頬を伝った。そういうことだったのか。これまで覚えていた違和感に、納得がいった。お兄様以外には普通に話してくれる人がいないと言っていたこと。アリューシャ王女に対する周囲の人々の態度が、何となく素っ気なかったこと。さっきの令嬢たちの態度。
わずか4歳で、たった二人きりで暮らしていた大切なお母様を失って。それからすぐに王宮に連れて来られて、不慣れな環境の中で生きてこられたのだ。お父上である国王陛下は当然日々お忙しいだろうし、同じく兄上のセレオン殿下もずっとアリューシャ王女のそばにいられるはずがない。他に優しくしてくれる大人は周りにほとんどいなくて……。そんな中で過ごす毎日は、どれほど心細かったことだろう。
(それなのに……こんなに明るくて、天真爛漫で、優しさも愛らしさも失っておられない……。ひねくれることもなく、こんなに真っ直ぐなお人柄に育って……なんて強い方なんだろう)
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セレオン殿下のお部屋で再会した時に私に飛びついてきた、あの幸せそうな笑顔。
「ミ、ミラベルさん……?そんなに泣かないでよ……。ごめんなさいね、変な話しちゃって。私なら大丈夫よ。もうすっかり慣れて……、……ひゃっ!!」
気付けば私は、頭一つ分小さな彼女の体を思い切り抱きしめていた。涙がとめどなく溢れる。
出自が何だというのだろう。王妃様から生まれていないから。母親の身分が低いから。たったそれだけの理由で、こんなに愛らしい人をどうしてよってたかってないがしろにするのだろう。
そんなこと、私が絶対に許さない。
この子は私が守るんだから!!
「アリューシャ様っ!!」
「ほえっ?!は、はいっ」
抱きしめていた彼女の両肩をガシッと掴み少し離すと、私は正面からその赤い瞳を見つめて言った。
「見返してやりましょう!そんなくだらない、人の表面しか見ていないような連中に、アリューシャ様を貶める資格はありませんわ!私があなたを育てます!誰にも文句を言わせない立派な王女様になって、堂々と言ってやるんです!無礼な態度は許さないわよって!」
「……ミラベルさん……」
「頑張りましょうアリューシャ様!!」
ついさっきまであんなにも消極的だった私の頭の中は、すでに闘志に燃えていた。冗談じゃない。この子に対してあんな失礼な態度は二度と許さないわよ。この子を傷付けるような真似、誰にもさせないんだから!!
まるで自分がアリューシャ王女の母親にでもなったような気分だった。アリューシャ王女は面食らった顔で、突然気合いを入れた私のことを見ていたけれど、
「……ふふ。……ええ!頑張るわ。ありがとう、ミラベルさん」
そう言って、少し照れくさそうに笑った。
ムキになって涙を流す私よりも、はるかに大人びて見えた。
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