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70. その後……
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「そんな気がしてたのよずっと! だって旦那様のミシェルさんを見つめる時の目やあの表情……。 今まで一度も見たことがないほど優しかったもの。途中でふと、そのことに気付いて……。“でもあの旦那様に限ってまさかね”っていう気持ちと、“ううんやっぱりきっと”っていう気持ちが、私の中でせめぎ合ってたわ! まぁでも、あのお茶会の日にはさすがにはっきり分かったけどね、ふふ。……おめでとう、ミシェルさん」
数週間後。再び開いた焼き菓子を囲んでの夜着パーティーの席で打ち明けた私に、アマンダさんは目を輝かせてそうお祝いの言葉をくれた。もう使用人契約を終了した私は、あれからしばらくバタバタしていて、アマンダさんとこうしてゆっくり話すのも久しぶりだった。ここは私が大量のお菓子を持ってひそかに訪れたアマンダさんの部屋だ。
「あ、ありがとうございます、アマンダさん……。なんだかずっと、夢を見ているみたいで……」
「でしょうね。まさかあの難攻不落の旦那様をメロメロにしちゃうなんて。あなたすごいわねミシェルさん! でも……そっかぁ。ミシェルさん、ハリントン公爵夫人になるのよねぇ。これからはこんなに気安く“ミシェルさん”なんて呼んでちゃダメよね。ちゃんと“奥様”とお呼びするようにしなくちゃ」
真剣な顔でそんなことを言うアマンダさんに、私は慌てて否定する。
「ま! まだ今すぐ結婚というわけではないですし……! それにこれからも、私たちは変わらず……」
「あら、変わらずってわけにはいかないわよ。このハスティーナ王国の筆頭公爵家の奥方になるんですもの。威厳は大事よ。使用人たちからミシェルさーん、なんて呼ばれていたんじゃ対外的にも心証が良くないわ」
「な、なるほど……」
そういうものなのか。私はまだまだ勉強しないといけないことだらけだ。旦那様に恥をかかせるわけにはいかない。ただでさえ、旦那様に釣り合うような立派な家柄の出身でもなく、社交界のことも何も分かっていない世間知らずなのだから。
私があの素敵な方の妻になることを受け入れてくれない人たちだって、きっとたくさんいる。
「それで? これから先のことはどうなっているの? 正式な婚約はいつ?」
アマンダさんはクッキーを一枚手に取ると、それを口元に持っていきながら前のめりに尋ねてくる。
「えっと、婚約はもう近日中に書面を交わすことになるみたいです。結婚するにあたって、旦那様は私の父方の実家……フランドル男爵家について調べてくれていたそうなのですが、すでに存在していないと……」
「存在していない?」
「はい。フランドル男爵領はこのハリントン公爵領より南側にあったごく小さな領地だったそうなのですが、元々とても貧しかったようで。旦那様が人を使っていろいろ調べてくださったところによると、息子の一人が後を継いだ後すぐに、お家取り潰しになっていたようです。廃爵され、元領主やその家族の行方ももう分からないのだとか」
「そう……。その方元領主が、あなたのお父様のご兄弟ということになるのよね?」
「はい、おそらく」
領地経営に失敗し、何らかの犯罪行為を犯したのだろうか。そして廃爵された後、妻や幼い子ども諸共どこかへ行ってしまったらしい。
旦那様から調査を依頼された人が、父の身内の行方が分からないかと近隣を当たるうちに、フランドル男爵領の元領民の女性に話を聞くことができたという。
『領主様はお優しくて人が良かったのですけどねぇ。経営者としての才能はなかったのだと思いますよ。生まれたばかりの可愛い男の子もいたんですけどね。オレンジ色の髪をした綺麗な赤ちゃんでしたよ。無事に生きていて、元気にしてるといいのだけど……』
旦那様からその話を聞いた時、ふと、私の近くに唯一いるオレンジ色の髪の男性のことが頭をよぎった。
福祉施設の充実したこのハリントン公爵領の南にある、貧しかった男爵領。
領地経営に失敗し爵位を剥奪され、赤ん坊を連れて逃げるように土地を去った領主一家。
もしも彼らが生きていくことが、あるいはその赤ん坊を養っていくことが困難になり、このハリントン公爵領の充実した福祉を頼って赤ん坊を託したのなら……
(……まさかね。そんな偶然)
あるはずないか。そんなことを夢想し思いを馳せていた私は、アマンダさんの言葉で我に返った。
「じゃあもうあなたのお父様の方を身内を辿るのは難しいのね。残念だけど。でも元々お父様はその男爵家から勘当されていたのよね」
「あ、はい。ですのでまぁ、身内が見つかったとしても今更……って話だったとは思います」
「そう……。……で、あの人たちはどうなの?」
「あの人たち?」
「ほら! お茶会で騒いでたあの意地の悪い……ミシェルさんがいたお屋敷の」
その言葉で、あ、エヴェリー伯爵家のことを言っているのか、と気付いた。
「エヴェリー伯爵夫妻は、あれから何度も旦那様に謝罪の手紙を寄越しているそうです。その内容が、今思えばこちらにも落ち度はあったと思う、ミシェルに謝罪をさせてほしい、とか……」
「こちらにも!? この期に及んでそんな手紙を寄越してるの? 呆れちゃうわね」
「はい……。旦那様の怒りを買ったことがとにかく恐ろしいようで、訪問を願い出る手紙の他に詫びの品を何度も送りつけてきたりと、旦那様もうんざりしているようでした。品物は全部そのまま突き返したそうですが」
「そりゃそうよね。王国の重鎮の奥方になる女性をいびり倒していたわけだもの。生きた心地がしていないんじゃない? これからどうなるのかしらね、その一家は」
「それが……」
その言葉に、私は先日の旦那様の厳しい表情を思い出した。
数週間後。再び開いた焼き菓子を囲んでの夜着パーティーの席で打ち明けた私に、アマンダさんは目を輝かせてそうお祝いの言葉をくれた。もう使用人契約を終了した私は、あれからしばらくバタバタしていて、アマンダさんとこうしてゆっくり話すのも久しぶりだった。ここは私が大量のお菓子を持ってひそかに訪れたアマンダさんの部屋だ。
「あ、ありがとうございます、アマンダさん……。なんだかずっと、夢を見ているみたいで……」
「でしょうね。まさかあの難攻不落の旦那様をメロメロにしちゃうなんて。あなたすごいわねミシェルさん! でも……そっかぁ。ミシェルさん、ハリントン公爵夫人になるのよねぇ。これからはこんなに気安く“ミシェルさん”なんて呼んでちゃダメよね。ちゃんと“奥様”とお呼びするようにしなくちゃ」
真剣な顔でそんなことを言うアマンダさんに、私は慌てて否定する。
「ま! まだ今すぐ結婚というわけではないですし……! それにこれからも、私たちは変わらず……」
「あら、変わらずってわけにはいかないわよ。このハスティーナ王国の筆頭公爵家の奥方になるんですもの。威厳は大事よ。使用人たちからミシェルさーん、なんて呼ばれていたんじゃ対外的にも心証が良くないわ」
「な、なるほど……」
そういうものなのか。私はまだまだ勉強しないといけないことだらけだ。旦那様に恥をかかせるわけにはいかない。ただでさえ、旦那様に釣り合うような立派な家柄の出身でもなく、社交界のことも何も分かっていない世間知らずなのだから。
私があの素敵な方の妻になることを受け入れてくれない人たちだって、きっとたくさんいる。
「それで? これから先のことはどうなっているの? 正式な婚約はいつ?」
アマンダさんはクッキーを一枚手に取ると、それを口元に持っていきながら前のめりに尋ねてくる。
「えっと、婚約はもう近日中に書面を交わすことになるみたいです。結婚するにあたって、旦那様は私の父方の実家……フランドル男爵家について調べてくれていたそうなのですが、すでに存在していないと……」
「存在していない?」
「はい。フランドル男爵領はこのハリントン公爵領より南側にあったごく小さな領地だったそうなのですが、元々とても貧しかったようで。旦那様が人を使っていろいろ調べてくださったところによると、息子の一人が後を継いだ後すぐに、お家取り潰しになっていたようです。廃爵され、元領主やその家族の行方ももう分からないのだとか」
「そう……。その方元領主が、あなたのお父様のご兄弟ということになるのよね?」
「はい、おそらく」
領地経営に失敗し、何らかの犯罪行為を犯したのだろうか。そして廃爵された後、妻や幼い子ども諸共どこかへ行ってしまったらしい。
旦那様から調査を依頼された人が、父の身内の行方が分からないかと近隣を当たるうちに、フランドル男爵領の元領民の女性に話を聞くことができたという。
『領主様はお優しくて人が良かったのですけどねぇ。経営者としての才能はなかったのだと思いますよ。生まれたばかりの可愛い男の子もいたんですけどね。オレンジ色の髪をした綺麗な赤ちゃんでしたよ。無事に生きていて、元気にしてるといいのだけど……』
旦那様からその話を聞いた時、ふと、私の近くに唯一いるオレンジ色の髪の男性のことが頭をよぎった。
福祉施設の充実したこのハリントン公爵領の南にある、貧しかった男爵領。
領地経営に失敗し爵位を剥奪され、赤ん坊を連れて逃げるように土地を去った領主一家。
もしも彼らが生きていくことが、あるいはその赤ん坊を養っていくことが困難になり、このハリントン公爵領の充実した福祉を頼って赤ん坊を託したのなら……
(……まさかね。そんな偶然)
あるはずないか。そんなことを夢想し思いを馳せていた私は、アマンダさんの言葉で我に返った。
「じゃあもうあなたのお父様の方を身内を辿るのは難しいのね。残念だけど。でも元々お父様はその男爵家から勘当されていたのよね」
「あ、はい。ですのでまぁ、身内が見つかったとしても今更……って話だったとは思います」
「そう……。……で、あの人たちはどうなの?」
「あの人たち?」
「ほら! お茶会で騒いでたあの意地の悪い……ミシェルさんがいたお屋敷の」
その言葉で、あ、エヴェリー伯爵家のことを言っているのか、と気付いた。
「エヴェリー伯爵夫妻は、あれから何度も旦那様に謝罪の手紙を寄越しているそうです。その内容が、今思えばこちらにも落ち度はあったと思う、ミシェルに謝罪をさせてほしい、とか……」
「こちらにも!? この期に及んでそんな手紙を寄越してるの? 呆れちゃうわね」
「はい……。旦那様の怒りを買ったことがとにかく恐ろしいようで、訪問を願い出る手紙の他に詫びの品を何度も送りつけてきたりと、旦那様もうんざりしているようでした。品物は全部そのまま突き返したそうですが」
「そりゃそうよね。王国の重鎮の奥方になる女性をいびり倒していたわけだもの。生きた心地がしていないんじゃない? これからどうなるのかしらね、その一家は」
「それが……」
その言葉に、私は先日の旦那様の厳しい表情を思い出した。
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