11 / 11
✽第一幕 妖狐転生✽
11話 魔力とは奥が深いものじゃな
しおりを挟む
花梨の両手に乗っておる魔石を見比べる。
「ふむ。左てのマナをこめたほうが、右ての魔りょくをこめたものにくらべて、透きとおってきらきらしておるように思う」
「その通りです。透き通っているのは、純度の高い証で、輝きは魔力の強さの証なのですわ」
「じゅん度がたかいほど、とうめいになるのは分かるが、魔りょくがつよいほうがかがやくとはどういうことじゃ?」
純度というのはそのまま魔力に不純物がないから濁らないということじゃろうが……。
「魔力が一人ひとり違うというのはさっき話しましたね。一人ひとり違うというのは、魔力量だけではなく魔力波と呼ばれる魔力の波長や魔質と呼ばれる魔力の純度もそうです。
魔力の波長は、一卵性の兄弟でもない限り、絶対と言っていいほど同じものがありません。そうですね……音楽のように思ってくだされば分かりやすいですわ。音を小さくしたり大きくしたり、伸ばしたり短くしたり、同じ音を続けたり変えたり……。好きなように音楽を作れと言われたら、似たような音になっても全てが全く同じものは出来ないと思います。それと同じですわ。
音に不協和音があるように、波長にも合わないものがあるのです。魔力の受け渡しの際体調が悪くなったりするのは、このせいです。親と魔力の受け渡しができるのは、子供が親の魔力の波長の一部を引き継いでいるからだと言われていますわ」
花梨は話しながら、また新たに何か板のようなものを出す。
「これは魔力板と言います。魔力量や魔力波、魔質、あとは属性を調べることができますわ」
「む、ぞくせい?」
「はい。属性は、火、水、風、土の四大属性と、それに光、闇を加えた六属性が基本属性と呼ばれています。その他にも基本属性から派生した氷属性や花属性、毒属性と言った派生属性、複数の属性を掛け合わせてできる複合属性があります」
「どうやってしらべるのじゃ?」
「この板に前足を置くと、板が勝手に魔力を読み取り調べてくれます」
おお、それは凄いのぅ。妾はまだ魔力が扱えんからな、助かるのじゃ。
早速ペタリと前足をのせる。すると、板は軽くピカリと光り、前足から何かが吸われるような感覚に陥る。多分、この吸われているのが魔力なのじゃろう。
その奇妙な感覚に力が入らず思わず倒れそうになるが、何とか踏ん張る。しばらくすると、光が弱まり、吸われる感覚も無くなった。
「もう離していただいて大丈夫ですわ」
花梨に言われて前足を戻すと、花梨はまた何かを取り出した。
「花梨、それはなんじゃ?」
「ピファニ紙と言うピファナニアと呼ばれる植物から作られる紙ですわ。魔力伝導がいいため、魔法陣を書くのに使ったり、魔道具に使われたりします。他にも色々な方法がありますが、今回はこのピファニ紙を使って魔力板が姫様の魔力から読み取った魔力情報を移してきいきます」
花梨はピファニ紙の束から1枚ペラリと取って、魔力板へと載せる。そしてその上に違う魔力板を置いてピファニ紙を挟み込むようにすると、まだ淡く光っていた魔力板が数回脈動し、完全に光が消えた。何とも綺麗な光景じゃ。
「終わったようですわね」
花梨が魔力板を退けると、さっきの光のように淡く青く光っているピファニ紙があった。和紙のようなその紙が光っているのはとても美しかった。
「さて、では結果を見ていきましょう」
「ふむ。左てのマナをこめたほうが、右ての魔りょくをこめたものにくらべて、透きとおってきらきらしておるように思う」
「その通りです。透き通っているのは、純度の高い証で、輝きは魔力の強さの証なのですわ」
「じゅん度がたかいほど、とうめいになるのは分かるが、魔りょくがつよいほうがかがやくとはどういうことじゃ?」
純度というのはそのまま魔力に不純物がないから濁らないということじゃろうが……。
「魔力が一人ひとり違うというのはさっき話しましたね。一人ひとり違うというのは、魔力量だけではなく魔力波と呼ばれる魔力の波長や魔質と呼ばれる魔力の純度もそうです。
魔力の波長は、一卵性の兄弟でもない限り、絶対と言っていいほど同じものがありません。そうですね……音楽のように思ってくだされば分かりやすいですわ。音を小さくしたり大きくしたり、伸ばしたり短くしたり、同じ音を続けたり変えたり……。好きなように音楽を作れと言われたら、似たような音になっても全てが全く同じものは出来ないと思います。それと同じですわ。
音に不協和音があるように、波長にも合わないものがあるのです。魔力の受け渡しの際体調が悪くなったりするのは、このせいです。親と魔力の受け渡しができるのは、子供が親の魔力の波長の一部を引き継いでいるからだと言われていますわ」
花梨は話しながら、また新たに何か板のようなものを出す。
「これは魔力板と言います。魔力量や魔力波、魔質、あとは属性を調べることができますわ」
「む、ぞくせい?」
「はい。属性は、火、水、風、土の四大属性と、それに光、闇を加えた六属性が基本属性と呼ばれています。その他にも基本属性から派生した氷属性や花属性、毒属性と言った派生属性、複数の属性を掛け合わせてできる複合属性があります」
「どうやってしらべるのじゃ?」
「この板に前足を置くと、板が勝手に魔力を読み取り調べてくれます」
おお、それは凄いのぅ。妾はまだ魔力が扱えんからな、助かるのじゃ。
早速ペタリと前足をのせる。すると、板は軽くピカリと光り、前足から何かが吸われるような感覚に陥る。多分、この吸われているのが魔力なのじゃろう。
その奇妙な感覚に力が入らず思わず倒れそうになるが、何とか踏ん張る。しばらくすると、光が弱まり、吸われる感覚も無くなった。
「もう離していただいて大丈夫ですわ」
花梨に言われて前足を戻すと、花梨はまた何かを取り出した。
「花梨、それはなんじゃ?」
「ピファニ紙と言うピファナニアと呼ばれる植物から作られる紙ですわ。魔力伝導がいいため、魔法陣を書くのに使ったり、魔道具に使われたりします。他にも色々な方法がありますが、今回はこのピファニ紙を使って魔力板が姫様の魔力から読み取った魔力情報を移してきいきます」
花梨はピファニ紙の束から1枚ペラリと取って、魔力板へと載せる。そしてその上に違う魔力板を置いてピファニ紙を挟み込むようにすると、まだ淡く光っていた魔力板が数回脈動し、完全に光が消えた。何とも綺麗な光景じゃ。
「終わったようですわね」
花梨が魔力板を退けると、さっきの光のように淡く青く光っているピファニ紙があった。和紙のようなその紙が光っているのはとても美しかった。
「さて、では結果を見ていきましょう」
0
お気に入りに追加
8
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
子育て失敗の尻拭いは婚約者の務めではございません。
章槻雅希
ファンタジー
学院の卒業パーティで王太子は婚約者を断罪し、婚約破棄した。
真実の愛に目覚めた王太子が愛しい平民の少女を守るために断行した愚行。
破棄された令嬢は何も反論せずに退場する。彼女は疲れ切っていた。
そして一週間後、令嬢は国王に呼び出される。
けれど、その時すでにこの王国には終焉が訪れていた。
タグに「ざまぁ」を入れてはいますが、これざまぁというには重いかな……。
小説家になろう様にも投稿。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
お姉さまは酷いずるいと言い続け、王子様に引き取られた自称・妹なんて知らない
あとさん♪
ファンタジー
わたくしが卒業する年に妹(自称)が学園に編入して来ました。
久しぶりの再会、と思いきや、行き成りわたくしに暴言をぶつけ、泣きながら走り去るという暴挙。
いつの間にかわたくしの名誉は地に落ちていたわ。
ずるいずるい、謝罪を要求する、姉妹格差がどーたらこーたら。
わたくし一人が我慢すればいいかと、思っていたら、今度は自称・婚約者が現れて婚約破棄宣言?
もううんざり! 早く本当の立ち位置を理解させないと、あの子に騙される被害者は増える一方!
そんな時、王子殿下が彼女を引き取りたいと言いだして────
※この話は小説家になろうにも同時掲載しています。
※設定は相変わらずゆるんゆるん。
※シャティエル王国シリーズ4作目!
※過去の拙作
『相互理解は難しい(略)』の29年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の27年後、
『王女殿下のモラトリアム』の17年後の話になります。
上記と主人公が違います。未読でも話は分かるとは思いますが、知っているとなお面白いかと。
※『俺の心を掴んだ姫は笑わない~見ていいのは俺だけだから!~』シリーズ5作目、オリヴァーくんが主役です! こちらもよろしくお願いします<(_ _)>
※ちょくちょく修正します。誤字撲滅!
※全9話
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる