6 / 11
✽第一幕 妖狐転生✽
6話 喧嘩するほど仲がいいと言うものじゃ
しおりを挟む
父上様達に喋れることを披露した妾だったが、それから毎日呼ばせようとやってくるのが面倒じゃ。姉上様が来てやっと帰ったと思ったら、兄上様が来て帰って、一息つけると思ったら父上様が来て、帰ったと思ったら、また兄上様が来て……の繰り返しじゃ。まぁ、4回目くらいで毎回母上様が来て止めて下さるのじゃがな。
妾が喋れるようになったことで、より溺愛し、過保護になってしまった父上様たちは、なんと、妾に護衛と侍女をつけると言い出した。で、今日はその顔合わせらしい。
護衛と侍女は、普通3歳になったらつける風習なのだがのぅ……。
顔合わせまでの時間は暇じゃから、お布団の上でゴロゴロとする。もちろん、あの可愛らしい狐姿じゃ。
「水葱、入るぞ」
む、どうやら来たようじゃの。ぴょこっと起き上がり、廊下側の障子を見る。
「あ?寝てたのか?まぁ、お前の護衛と侍女になる奴を連れてきたぞ。」
父上様はそう言って、後ろの男子2人と女子1人を見た。
「紹介する。お前の侍女になる朝顔と、護衛の曙升麻、山査子だ。」
「はじめまして。本日から水葱様付きの侍女となりました結璃朝顔と申します。これから精一杯頑張らせて頂きますので、よろしくお願いします。」
ふわふわの赤い髪の女性が、スッと頭を下げる。目はきれいな赤紫じゃ。キリッとしてて美人じゃのぅ。
「栖楽曙升麻です!!“曙升麻”だと長いし、ショウマって呼んで~。あ、しょーちゃんでもオッケー!!」
か、軽いのぅ……。見た目も茶髪の長髪を後ろで適当に括ってて、チャラいしな。まぁ、親バカの父上様が選んだからには、相当な力を持っとるはずじゃが……本当か?
「おいしょう、失礼だぞ!!申し訳ありません、後できっちりと言っておきますので……。私は憧瑪山査子言います。しょう――曙升麻とは幼馴染なんです。こいつが何かしたら遠慮なく私に申し付けてくれれば、しっかりと叱っておきますので。」
こいつはまともそうじゃな。髪は新緑色のストレートで、目は深緑だ。ショウマのお守りがいてくれるのは正直ありがたい。妾では上手く扱うまで時間がかかりそうじゃからな。
「それじゃあ、俺は仕事に戻るぞ。まだ山のように残ってるからな。」
そう言って、父上様が去っていった。すると、ショウマが山査子に突っかかっていった。
「ちょっと、サンちゃん。それじゃあまるで俺のお守りみたいじゃん!!」
「俺はもとからそのつもりだが。あと、サンちゃん言うな。」
「ヒドイ!!俺、子供じゃないんだけど!?」
「むしろ、子供の方が聞き分けが良くて助かる。お前の場合、色々な抜け道をキッチリと作ってからやるからな。余計質が悪い。」
「うわーん、サンちゃんがいじめる~!!」
「誰もいじめとらんわ!!嘘泣きしても無駄だからな。それと、サンちゃん言うな。」
「む~……サンちゃんサンちゃんサンちゃんサンちゃん!!」
「だからサンちゃん言うなと言ってるだろうが!!」
「え~、なんでぇ~?サンちゃんカワイイじゃん!!」
「可愛くなんかないわ!!それに、サンちゃんってどう考えても女だろうが!!」
「あ、バレた?」
「バレるに決まってるだろう!!」
ショウマと山査子が喧嘩を始める。
これから騒がしくなりそうじゃのぅ。
妾が喋れるようになったことで、より溺愛し、過保護になってしまった父上様たちは、なんと、妾に護衛と侍女をつけると言い出した。で、今日はその顔合わせらしい。
護衛と侍女は、普通3歳になったらつける風習なのだがのぅ……。
顔合わせまでの時間は暇じゃから、お布団の上でゴロゴロとする。もちろん、あの可愛らしい狐姿じゃ。
「水葱、入るぞ」
む、どうやら来たようじゃの。ぴょこっと起き上がり、廊下側の障子を見る。
「あ?寝てたのか?まぁ、お前の護衛と侍女になる奴を連れてきたぞ。」
父上様はそう言って、後ろの男子2人と女子1人を見た。
「紹介する。お前の侍女になる朝顔と、護衛の曙升麻、山査子だ。」
「はじめまして。本日から水葱様付きの侍女となりました結璃朝顔と申します。これから精一杯頑張らせて頂きますので、よろしくお願いします。」
ふわふわの赤い髪の女性が、スッと頭を下げる。目はきれいな赤紫じゃ。キリッとしてて美人じゃのぅ。
「栖楽曙升麻です!!“曙升麻”だと長いし、ショウマって呼んで~。あ、しょーちゃんでもオッケー!!」
か、軽いのぅ……。見た目も茶髪の長髪を後ろで適当に括ってて、チャラいしな。まぁ、親バカの父上様が選んだからには、相当な力を持っとるはずじゃが……本当か?
「おいしょう、失礼だぞ!!申し訳ありません、後できっちりと言っておきますので……。私は憧瑪山査子言います。しょう――曙升麻とは幼馴染なんです。こいつが何かしたら遠慮なく私に申し付けてくれれば、しっかりと叱っておきますので。」
こいつはまともそうじゃな。髪は新緑色のストレートで、目は深緑だ。ショウマのお守りがいてくれるのは正直ありがたい。妾では上手く扱うまで時間がかかりそうじゃからな。
「それじゃあ、俺は仕事に戻るぞ。まだ山のように残ってるからな。」
そう言って、父上様が去っていった。すると、ショウマが山査子に突っかかっていった。
「ちょっと、サンちゃん。それじゃあまるで俺のお守りみたいじゃん!!」
「俺はもとからそのつもりだが。あと、サンちゃん言うな。」
「ヒドイ!!俺、子供じゃないんだけど!?」
「むしろ、子供の方が聞き分けが良くて助かる。お前の場合、色々な抜け道をキッチリと作ってからやるからな。余計質が悪い。」
「うわーん、サンちゃんがいじめる~!!」
「誰もいじめとらんわ!!嘘泣きしても無駄だからな。それと、サンちゃん言うな。」
「む~……サンちゃんサンちゃんサンちゃんサンちゃん!!」
「だからサンちゃん言うなと言ってるだろうが!!」
「え~、なんでぇ~?サンちゃんカワイイじゃん!!」
「可愛くなんかないわ!!それに、サンちゃんってどう考えても女だろうが!!」
「あ、バレた?」
「バレるに決まってるだろう!!」
ショウマと山査子が喧嘩を始める。
これから騒がしくなりそうじゃのぅ。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!
マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です
病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。
ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。
「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」
異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。
「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」
―――異世界と健康への不安が募りつつ
憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか?
魔法に魔物、お貴族様。
夢と現実の狭間のような日々の中で、
転生者サラが自身の夢を叶えるために
新ニコルとして我が道をつきすすむ!
『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』
※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。
※非現実色強めな内容です。
※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる