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16.魔法実習スタート
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初めて魔法実習の為に校庭に集められた1年生たちは何だか落ち着かない様子で騒がしい。いつもならオットー先生が一言言えば静かになるのに珍しいなあと思っていると、先生の背後からひょっこり女性が現れた。童顔かつ背丈がオットー先生の肩口にも達してないので子どもっぽく見えるが制服じゃないので多分彼女も先生なんだろう…でも手に持っている顔サイズの石には何の意味があるのだろうか?
その先生はその石を頭の上に持ち上げ
「はい注目~」
と可愛らしい声でいい、そのまま表情一つ変えず激しい音を立てて石を素手で握り潰した。バラバラと飛び散る破片…あまりの事に静まり返る学生たち…
「初めてまして~私はノラと言います。出来る魔法は身体強化で~す。言う事聞かないとこうなりますよ~」
多分俺の担当の先生だ…逆らわないでおこうと心に決めた(皆もそう思っただろう)
「じゃあまず魔力の量を確認しま~す。これ手に持ってね~」とノラ先生は手のひら大の白い紙を配り始めた。何だこれ?とこっそりルドルフに聞くと
「Nペーパーだ。手に持って魔力をそこに集めると当人の魔力の量が色の濃淡でわかる物だよ…授業でやっただろう?」ちょっと呆れられてしまった。だって必要ないと思ってたんだよ。Nペーパー?ノラのNかな?だとしたら結構有名な先生なのかも…
ルドルフを含む周りの学生たちは手慣れた様子でその紙に魔力を注ぎ始めた。へぇルドルフの紙濃紺に変わった。ひょっとして量が多い?あっちの奴のは薄いピンク…色も濃さも皆バラバラで面白いなぁと思っていると後ろから
「…君が身体強化の子?」
と声をかけられた。ノラ先生だ。びっくりした。
「って言われてここに来ましたが多分違うと思います。だってこれ色が全く付かないですよ」と俺は真っ白のままの紙を先生に見せた。
「あぁ、身体強化の魔力は外に出ないから~口開けて~」
何の躊躇もなく口に紙を入れられた。美味しくない…
「ムグムグ(これどうすれば?)」
「そのままでこれを壊してみて」
渡されたのはさっき先生が握り潰したのとほぼ同サイズの石。何処から取り出したのかは不明だが遠慮なく…
グジャ
それを見た先生は俺の口から紙を乱暴に取り出した。痛え、もうちょっと丁寧にやっても良くないか?そんな俺には構わず、ニンマリとノラ先生は俺の口から出した紙を見せてくれた。
「うわっ!」
隣で興味津々で覗き込んでたルドルフから声が上がった。俺も驚いた。何と紙が『真っ黒』になっていたのだ。
「この色!身体強化の魔力の特徴なんだよ~。さすが原初の魔法!真っ黒だ~」と喜びのあまり先生はクルクルと踊り始めた。
「久しぶりに来た~10年ぶり~」ひとしきりクルクル踊った後先生は俺の両肩をガッチリ掴み
「色々教えてあげよう!」
目がいっちゃってる…やばい人だ。ルドルフですら少し引き気味になり小さな声で「頑張れ」と言い俺から離れて行った。他の学生たちは『可愛らしい先生とマンツーマン羨ましい』って顔で見ているが全く羨ましくないぞ!ここにいるのはやばい先生だ!ルドルフ待って置いてかないでー!
俺の心の悲鳴は誰にも届かずノラ先生とのマンツーマン実習が開始された。で何を?
「今日は身体強化の魔法で何が出来るかを簡単に説明します~」
先生が言うにはこの魔法はまだまだ研究中で未知の事が多いが身体内部の事なら結構できる事があるらしい。
まずは基本
「君が言ってた馬鹿力ね。あれは筋肉強化なので足に使えば加速、高いジャンプが可能。この辺は学園を卒業して村に帰ったとしても使えるでしょ?」
…俺の事詳しく調べましたね?
「そりゃ~久しぶりのお仲間だもん」
テヘッみたいな顔したけど騙されないぞ…でも足に使えるのは知らなかった。
中級では
「身体の保護っていうのかな~外からのダメージを減らせる。全身の筋肉&皮膚の強化ね。これも使えたら嬉しいでしょ?」
それはめっちゃ嬉しい。身体をガードできるなら怪我も減らせるし。
上級
「これはまだサンプルが集まってないので『絶対出来ます』とは言えないんだけど、自分の怪我や病気の治癒を早める事。まあ皆が3日かかるのが半日で済むとかのレベルなんだけど~」
元々が丈夫なんで恩恵は少ないかも知れないけど
「先生!他の人のは治せないんですか?」
「さっきも言ったけど身体強化の魔法は身体内部に留まるのでそれは無理です。大昔のエルフなら治癒魔法とか使えたみたいですがね~。今はそれすらもないですね」
治癒魔法ないのか…じゃこの上級のも出来た方がいいながんばろう。
「あとこれは最上級というか『出来た人がいたらしい』と言われてる事で『五感の強化』があります。視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚を強化して皆が見えない物を見る事が出来たりって感じですね~。とりあえず君には5年生になるまでに中級まではマスターして欲しいと思ってます。魔力の量は申し分ないのでいけるはず」
確かに最上級のはできる気がしないなうん。
「そして実習でこれから大事になるのは~」
なるのは?前のめりで聞き耳をたてる
「身体を鍛える事です!」
俺はズッコケそうになった。身体強化の魔法なのに?
ブーブー文句をいうと
「ちょっと考えみて、ひ弱な筋肉を強化して無理矢理使ったら壊れるでしょ?それを防ぐ為にもある程度は鍛えておく必要があるの!わかったら返事はハイ!」
「はい…」正論過ぎて言い返せなかった。
実習時間の終わりに『次までにやっておく事』のリストをもらったが…それはどっからどう見ても『ただの筋トレ』の内容だった。ルドルフにそれを見せると
「身体強化って筋肉をつけるという意味?」
と不思議がられた。次回はもう少し魔法っぽい事をやるといいなぁ。
その先生はその石を頭の上に持ち上げ
「はい注目~」
と可愛らしい声でいい、そのまま表情一つ変えず激しい音を立てて石を素手で握り潰した。バラバラと飛び散る破片…あまりの事に静まり返る学生たち…
「初めてまして~私はノラと言います。出来る魔法は身体強化で~す。言う事聞かないとこうなりますよ~」
多分俺の担当の先生だ…逆らわないでおこうと心に決めた(皆もそう思っただろう)
「じゃあまず魔力の量を確認しま~す。これ手に持ってね~」とノラ先生は手のひら大の白い紙を配り始めた。何だこれ?とこっそりルドルフに聞くと
「Nペーパーだ。手に持って魔力をそこに集めると当人の魔力の量が色の濃淡でわかる物だよ…授業でやっただろう?」ちょっと呆れられてしまった。だって必要ないと思ってたんだよ。Nペーパー?ノラのNかな?だとしたら結構有名な先生なのかも…
ルドルフを含む周りの学生たちは手慣れた様子でその紙に魔力を注ぎ始めた。へぇルドルフの紙濃紺に変わった。ひょっとして量が多い?あっちの奴のは薄いピンク…色も濃さも皆バラバラで面白いなぁと思っていると後ろから
「…君が身体強化の子?」
と声をかけられた。ノラ先生だ。びっくりした。
「って言われてここに来ましたが多分違うと思います。だってこれ色が全く付かないですよ」と俺は真っ白のままの紙を先生に見せた。
「あぁ、身体強化の魔力は外に出ないから~口開けて~」
何の躊躇もなく口に紙を入れられた。美味しくない…
「ムグムグ(これどうすれば?)」
「そのままでこれを壊してみて」
渡されたのはさっき先生が握り潰したのとほぼ同サイズの石。何処から取り出したのかは不明だが遠慮なく…
グジャ
それを見た先生は俺の口から紙を乱暴に取り出した。痛え、もうちょっと丁寧にやっても良くないか?そんな俺には構わず、ニンマリとノラ先生は俺の口から出した紙を見せてくれた。
「うわっ!」
隣で興味津々で覗き込んでたルドルフから声が上がった。俺も驚いた。何と紙が『真っ黒』になっていたのだ。
「この色!身体強化の魔力の特徴なんだよ~。さすが原初の魔法!真っ黒だ~」と喜びのあまり先生はクルクルと踊り始めた。
「久しぶりに来た~10年ぶり~」ひとしきりクルクル踊った後先生は俺の両肩をガッチリ掴み
「色々教えてあげよう!」
目がいっちゃってる…やばい人だ。ルドルフですら少し引き気味になり小さな声で「頑張れ」と言い俺から離れて行った。他の学生たちは『可愛らしい先生とマンツーマン羨ましい』って顔で見ているが全く羨ましくないぞ!ここにいるのはやばい先生だ!ルドルフ待って置いてかないでー!
俺の心の悲鳴は誰にも届かずノラ先生とのマンツーマン実習が開始された。で何を?
「今日は身体強化の魔法で何が出来るかを簡単に説明します~」
先生が言うにはこの魔法はまだまだ研究中で未知の事が多いが身体内部の事なら結構できる事があるらしい。
まずは基本
「君が言ってた馬鹿力ね。あれは筋肉強化なので足に使えば加速、高いジャンプが可能。この辺は学園を卒業して村に帰ったとしても使えるでしょ?」
…俺の事詳しく調べましたね?
「そりゃ~久しぶりのお仲間だもん」
テヘッみたいな顔したけど騙されないぞ…でも足に使えるのは知らなかった。
中級では
「身体の保護っていうのかな~外からのダメージを減らせる。全身の筋肉&皮膚の強化ね。これも使えたら嬉しいでしょ?」
それはめっちゃ嬉しい。身体をガードできるなら怪我も減らせるし。
上級
「これはまだサンプルが集まってないので『絶対出来ます』とは言えないんだけど、自分の怪我や病気の治癒を早める事。まあ皆が3日かかるのが半日で済むとかのレベルなんだけど~」
元々が丈夫なんで恩恵は少ないかも知れないけど
「先生!他の人のは治せないんですか?」
「さっきも言ったけど身体強化の魔法は身体内部に留まるのでそれは無理です。大昔のエルフなら治癒魔法とか使えたみたいですがね~。今はそれすらもないですね」
治癒魔法ないのか…じゃこの上級のも出来た方がいいながんばろう。
「あとこれは最上級というか『出来た人がいたらしい』と言われてる事で『五感の強化』があります。視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚を強化して皆が見えない物を見る事が出来たりって感じですね~。とりあえず君には5年生になるまでに中級まではマスターして欲しいと思ってます。魔力の量は申し分ないのでいけるはず」
確かに最上級のはできる気がしないなうん。
「そして実習でこれから大事になるのは~」
なるのは?前のめりで聞き耳をたてる
「身体を鍛える事です!」
俺はズッコケそうになった。身体強化の魔法なのに?
ブーブー文句をいうと
「ちょっと考えみて、ひ弱な筋肉を強化して無理矢理使ったら壊れるでしょ?それを防ぐ為にもある程度は鍛えておく必要があるの!わかったら返事はハイ!」
「はい…」正論過ぎて言い返せなかった。
実習時間の終わりに『次までにやっておく事』のリストをもらったが…それはどっからどう見ても『ただの筋トレ』の内容だった。ルドルフにそれを見せると
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