9 / 42
9 視察
しおりを挟む
翌日。朝の会食を済ませ、そのまま使節団とわたし、ジェシカ、ウィリアムを含む数名の者でまずは城の造りを見て回る。
使節団から城についてウィリアムがいろいろ質問されている。
城の防備については鋸壁や狭間窓、見張り台、門衛棟などの詳しい説明ができていたが、城の造りそのものについては言葉につまっている様子だった。
ここはわたしが代わりに説明に入る。
使節団のひとりが城壁を触りながら聞いてきた。
「城壁の石積みはよい仕事をされていますな。優秀な設計士や職人がおられるのでしょう」
わたしはここに来て日が浅いが、計画書を作成する時に城の造りについての資料にも目を通していた。
「はい。建築よりすでに六十年経っておりますので当時を知っている者は少ないですが、その知識や技術は後進の者にしっかりと伝えられています」
「ほう、これで六十年も経っているとは。まだ数年しか経っていないように見えますね」
「補修を定期的に行っていますので。また良質な石の産地が近くにあるのも幸いしてます」
「なるほど。風化や劣化に強いというわけですね。オークニーは海が近いので海風で傷みやすいのですよ」
「石材は水分、塩、熱に弱く、変色やひび割れを起こします。ですがそれも石質によってだいぶ変わります」
「ふむ、これは貴国との交易で石材もその一覧に加えたほうが良さそうですね」
「ぜひご検討をおすすめします」
交易の話になるとまでは予想していなかったが、うまくいったようだ。
ウィリアムが小声で助かりました、と礼を言ってきた。
「いえ、それよりも次は兵の演習の視察です。この説明はあなたでなければ出来ません」
「はっ、お任せください」
ウィリアムは気を取り直し、先頭へ立って兵のいる広場へと案内する。
広場に近づくにつれ、指揮官の号令や兵のかけ声が聞こえてくる。
広場についてからはウィリアムが使節団に兵の動きや陣形について説明していく。
ここはわたしは専門外なのでウィリアムに任せておけばいい。
使節団のメンバーと並んで、見学しながら説明を聞いた。
「今、行っているのは騎兵の調練ですね。指揮官の指示通りに突撃、散開、整列といった動きを繰り返しています」
「見事なものだ。ここにいるのは戦に参加していない予備兵なのでしょう。それでも士気は高いし、整然とした動きだ」
オークニーの使節団は口々にダラムの兵の動きを褒めた。
わたしも祖国のシェトランドの兵と比べて、その規模や装備にはやはり到底敵うものではないと再認識した。
ダラムの騎兵は強固なプレートアーマーに身を包んでいるが、シェトランドではまだ鎖帷子にサーコートをまとったものが主流だった。
あんなものを揃えるだけでも相当な資金が必要だろう。
この国の軍を恐れてわたしを差し出したのも無理はない。
むしろわたしひとりの犠牲で戦が回避できたのだから良かったと思うべきだ。
「次は歩兵も加わり、部隊を二つに分けての演習を行います」
ウィリアムの説明通りに兵は東西に分かれていく。
その動きも無駄がなく、指揮官の指示も的確だった。
太鼓が打ち鳴らされ、二つの部隊が喚声とともにぶつかり合う。
その熱気と気迫に空気が振動し、ここまで伝わるほどだ。
「す、すごい迫力ですな。まるで実戦を見ているようだ」
「まさに。この大陸で無双を誇る騎士団というのも頷ける」
使節団は息をのみ、食い入るように演習を見ている。
「武器は木製のものですが、たしかに実戦さながらの訓練です。その激しさに負傷者や死者が出ることもありますが、それだけの事をしなければ精強な軍は作れないでしょう」
ウィリアムは誇らしげに語った。
やがてぶつかり合った兵たちが引き、また元の位置に戻る。
「いや、いいものを見せてもらった。あれほどの騎兵がオークニーにもいれば」
使節団代表のエドワーズ卿が感心したように何度もうなずく。
「次は弓兵の訓練場所に移ります。どうぞこちらへ」
ウィリアムと使節団が弓射の訓練場へと向かう途中でわたしはそこから離れ、城門へ。
もうここはウィリアムだけに任せておけば大丈夫だ。
わたしは昼の会食と、午後からの視察の準備が出来ているか確認しないといけない。
昼食をとる会場。
召使いたちがせわしなく動き回り、テーブルに食器を並べたり、飾り付けや清掃に余念が無い。
厨房でも料理人たちが汗だくになりながら調理をしていた。こちらも忙しそうではあるが、順調に見える。
会場から移動し、城門前へ。
第五区荘園への馬車。そして護衛の兵はすでに待機していた。
家令を呼び出し、現在の荘園の様子も聞いてみるが問題はなさそう。
これも計画書通りに進みそうだった。
しばらくして使節団一行が会場まで案内されてくる。わたしは再度合流して共に昼食をとる。
その際にわたしは使節団代表のエドワーズ卿に弓兵の調練の様子を聞いてみた。
「弓兵の練度も相当なものでした。命中率、飛距離、連射速度。あれは海戦でもかなり有効でしょう。我が国はクロスボウが主流なのですが、ロングボウの習熟も侮れませんね」
たしかにクロスボウなら射程や貫通力に優れ、そこまで訓練が必要ではない。
だが熟練のロングボウ使いはクロスボウに匹敵する威力の矢を放つことができ、特に連射は比べ物にならないほど。
こうした個々の兵の強さもダラムを強国としている要因なのだろう。
昼の会食が終わり、午後からは荘園の視察。
今日の予定はこれで終了する。
騎士ウィリアムは護衛の兵と共にわたしたちを送迎するところまでが任務だ。
出発前にわたしは使節団のメンバーにあらかじめ説明しておく。
「次は我が国の農耕や畜産を見て頂きます。出兵にて家畜の大半が出払ってしまいましたが、現地では詳しく説明できる者がいますので」
使節団は三輛の馬車に別れて乗り込む。
わたしはウィリアムが御者を務める王妃専用の馬車にジェシカと共に乗り込んだ。
「次は荘園でフィンが案内するのね。予定通りにいきそう?」
まわりに使節団がいて気軽に声をかけられなかったからか、馬車の中では嬉しそうに話しかけてくるジェシカ。
わたしも緊張を解いて、ええ、とうなずいた。
「フィンもすでにあちらで待っているはずです。彼に任せておけば大丈夫でしょう」
馬車の中で談笑している間に荘園へ到着。
馬車を降りると、さっそくフィンが駆け寄ってきて挨拶と自己紹介をはじめる。
その小太りの愛嬌ある容姿と懸命さに、使節団一行から自然と好意的な笑いが起きた。
フィンはきょとんとしつつも、使節団を案内しながら農地について説明していく。
「オークニーでも採用されていると思いますが、ダラムでは三圃式農業を行っています。農地を冬穀、夏穀、休耕地に分けてローテーションを組んで耕作しているのです」
「ふむ。具体的にはどのような作物を?」
「冬穀では秋蒔きの小麦、ライ麦。夏穀では春蒔きの大麦、燕麦、豆などですね」
「やはり連作障害を防ぐためですね」
「はい。繰り返し同じ作物を作ると、農地の地力低下を招きます。それを防ぐのが目的ですね。休耕地に家畜を放牧して排泄物を肥料とすることで土地の回復を助けます」
「この辺りは日当たりも悪く、耕作地もそれほど広くないように見えますが」
「この第五区荘園はまだ開拓途中ということもありますが、これからの工夫次第ではさらなる収穫を増やすことが出来るとわたしは予測しております。独自にですが、短い日照時間や雨が少なくてもそれに強い品種を選別して組み合わせる事も行っています。さらには家畜の排泄物以外の肥料の作成も考えていまして」
「おお、それをぜひご教授願えないでしょうか。我が国でも活用していきたい」
「ぜひぜひ。寒冷地でもよく育つ種子も分けてもらえるよう、お願いもしておきますよ」
なにやら勝手に話を進めているが、ここでの使節団の反応も上々だ。
頼もしく思いながら、わたしも荘園の農地を見渡した。
農地の一画では農夫が冬の飼料用の干し草を刈っているのが見えた。
来月になれば本格的な冬麦の収穫や脱穀で大忙しになるだろう。
フィンは農夫らを指差しながら荘園の管理について説明していく。
「彼ら農奴の仕事ぶりを監督したり、地代を徴収したり、会計記録をつけたりするのが主にわたしの役目です。他には種子の管理や設備の修復、家令様への報告など。やることは山ほどあります」
「ひとりでこの荘園を管理するのは大変でしょう。農奴の中には反抗的な者もいるのではないですか? ここには兵が配備されてないようですが、反乱などの対抗策はあるのですか?」
「うーん。彼らとの信頼関係でここは成り立っていますからね。もちろんトラブルがないわけではありません。上との交渉、調停、揉め事の裁判なんかでとにかく彼らの話をよく聞く事です。彼らがいないと耕作も収穫も出来ないのですから」
フィンの何気ない言葉に、使節団は感心したように唸った。
「なるほど、力で隷属させるだけが生産性を上げる方法ではないと。たしかにそれは一理ある」
オークニーでは海賊行為によって得た捕虜を奴隷として働かせ、それを主な労働力としているのでここでの農奴の扱いが奇異に見えたのかもしれない。
この視察がきっかけで、オークニーで奴隷として働いている人々の待遇が少しでも向上すれば良いのだけど、などと考えてしまう。
第五区荘園を一回りし、視察は無事に終了した。
城に帰ってからは休憩を挟み、日が暮れればお決まりの夜の会食。
それが終わって自室に戻り、やっと解放された気分になる。
だけど明日に備えてわたしにはやる事がある。ドレス姿のまま机に向かった。
使節団から城についてウィリアムがいろいろ質問されている。
城の防備については鋸壁や狭間窓、見張り台、門衛棟などの詳しい説明ができていたが、城の造りそのものについては言葉につまっている様子だった。
ここはわたしが代わりに説明に入る。
使節団のひとりが城壁を触りながら聞いてきた。
「城壁の石積みはよい仕事をされていますな。優秀な設計士や職人がおられるのでしょう」
わたしはここに来て日が浅いが、計画書を作成する時に城の造りについての資料にも目を通していた。
「はい。建築よりすでに六十年経っておりますので当時を知っている者は少ないですが、その知識や技術は後進の者にしっかりと伝えられています」
「ほう、これで六十年も経っているとは。まだ数年しか経っていないように見えますね」
「補修を定期的に行っていますので。また良質な石の産地が近くにあるのも幸いしてます」
「なるほど。風化や劣化に強いというわけですね。オークニーは海が近いので海風で傷みやすいのですよ」
「石材は水分、塩、熱に弱く、変色やひび割れを起こします。ですがそれも石質によってだいぶ変わります」
「ふむ、これは貴国との交易で石材もその一覧に加えたほうが良さそうですね」
「ぜひご検討をおすすめします」
交易の話になるとまでは予想していなかったが、うまくいったようだ。
ウィリアムが小声で助かりました、と礼を言ってきた。
「いえ、それよりも次は兵の演習の視察です。この説明はあなたでなければ出来ません」
「はっ、お任せください」
ウィリアムは気を取り直し、先頭へ立って兵のいる広場へと案内する。
広場に近づくにつれ、指揮官の号令や兵のかけ声が聞こえてくる。
広場についてからはウィリアムが使節団に兵の動きや陣形について説明していく。
ここはわたしは専門外なのでウィリアムに任せておけばいい。
使節団のメンバーと並んで、見学しながら説明を聞いた。
「今、行っているのは騎兵の調練ですね。指揮官の指示通りに突撃、散開、整列といった動きを繰り返しています」
「見事なものだ。ここにいるのは戦に参加していない予備兵なのでしょう。それでも士気は高いし、整然とした動きだ」
オークニーの使節団は口々にダラムの兵の動きを褒めた。
わたしも祖国のシェトランドの兵と比べて、その規模や装備にはやはり到底敵うものではないと再認識した。
ダラムの騎兵は強固なプレートアーマーに身を包んでいるが、シェトランドではまだ鎖帷子にサーコートをまとったものが主流だった。
あんなものを揃えるだけでも相当な資金が必要だろう。
この国の軍を恐れてわたしを差し出したのも無理はない。
むしろわたしひとりの犠牲で戦が回避できたのだから良かったと思うべきだ。
「次は歩兵も加わり、部隊を二つに分けての演習を行います」
ウィリアムの説明通りに兵は東西に分かれていく。
その動きも無駄がなく、指揮官の指示も的確だった。
太鼓が打ち鳴らされ、二つの部隊が喚声とともにぶつかり合う。
その熱気と気迫に空気が振動し、ここまで伝わるほどだ。
「す、すごい迫力ですな。まるで実戦を見ているようだ」
「まさに。この大陸で無双を誇る騎士団というのも頷ける」
使節団は息をのみ、食い入るように演習を見ている。
「武器は木製のものですが、たしかに実戦さながらの訓練です。その激しさに負傷者や死者が出ることもありますが、それだけの事をしなければ精強な軍は作れないでしょう」
ウィリアムは誇らしげに語った。
やがてぶつかり合った兵たちが引き、また元の位置に戻る。
「いや、いいものを見せてもらった。あれほどの騎兵がオークニーにもいれば」
使節団代表のエドワーズ卿が感心したように何度もうなずく。
「次は弓兵の訓練場所に移ります。どうぞこちらへ」
ウィリアムと使節団が弓射の訓練場へと向かう途中でわたしはそこから離れ、城門へ。
もうここはウィリアムだけに任せておけば大丈夫だ。
わたしは昼の会食と、午後からの視察の準備が出来ているか確認しないといけない。
昼食をとる会場。
召使いたちがせわしなく動き回り、テーブルに食器を並べたり、飾り付けや清掃に余念が無い。
厨房でも料理人たちが汗だくになりながら調理をしていた。こちらも忙しそうではあるが、順調に見える。
会場から移動し、城門前へ。
第五区荘園への馬車。そして護衛の兵はすでに待機していた。
家令を呼び出し、現在の荘園の様子も聞いてみるが問題はなさそう。
これも計画書通りに進みそうだった。
しばらくして使節団一行が会場まで案内されてくる。わたしは再度合流して共に昼食をとる。
その際にわたしは使節団代表のエドワーズ卿に弓兵の調練の様子を聞いてみた。
「弓兵の練度も相当なものでした。命中率、飛距離、連射速度。あれは海戦でもかなり有効でしょう。我が国はクロスボウが主流なのですが、ロングボウの習熟も侮れませんね」
たしかにクロスボウなら射程や貫通力に優れ、そこまで訓練が必要ではない。
だが熟練のロングボウ使いはクロスボウに匹敵する威力の矢を放つことができ、特に連射は比べ物にならないほど。
こうした個々の兵の強さもダラムを強国としている要因なのだろう。
昼の会食が終わり、午後からは荘園の視察。
今日の予定はこれで終了する。
騎士ウィリアムは護衛の兵と共にわたしたちを送迎するところまでが任務だ。
出発前にわたしは使節団のメンバーにあらかじめ説明しておく。
「次は我が国の農耕や畜産を見て頂きます。出兵にて家畜の大半が出払ってしまいましたが、現地では詳しく説明できる者がいますので」
使節団は三輛の馬車に別れて乗り込む。
わたしはウィリアムが御者を務める王妃専用の馬車にジェシカと共に乗り込んだ。
「次は荘園でフィンが案内するのね。予定通りにいきそう?」
まわりに使節団がいて気軽に声をかけられなかったからか、馬車の中では嬉しそうに話しかけてくるジェシカ。
わたしも緊張を解いて、ええ、とうなずいた。
「フィンもすでにあちらで待っているはずです。彼に任せておけば大丈夫でしょう」
馬車の中で談笑している間に荘園へ到着。
馬車を降りると、さっそくフィンが駆け寄ってきて挨拶と自己紹介をはじめる。
その小太りの愛嬌ある容姿と懸命さに、使節団一行から自然と好意的な笑いが起きた。
フィンはきょとんとしつつも、使節団を案内しながら農地について説明していく。
「オークニーでも採用されていると思いますが、ダラムでは三圃式農業を行っています。農地を冬穀、夏穀、休耕地に分けてローテーションを組んで耕作しているのです」
「ふむ。具体的にはどのような作物を?」
「冬穀では秋蒔きの小麦、ライ麦。夏穀では春蒔きの大麦、燕麦、豆などですね」
「やはり連作障害を防ぐためですね」
「はい。繰り返し同じ作物を作ると、農地の地力低下を招きます。それを防ぐのが目的ですね。休耕地に家畜を放牧して排泄物を肥料とすることで土地の回復を助けます」
「この辺りは日当たりも悪く、耕作地もそれほど広くないように見えますが」
「この第五区荘園はまだ開拓途中ということもありますが、これからの工夫次第ではさらなる収穫を増やすことが出来るとわたしは予測しております。独自にですが、短い日照時間や雨が少なくてもそれに強い品種を選別して組み合わせる事も行っています。さらには家畜の排泄物以外の肥料の作成も考えていまして」
「おお、それをぜひご教授願えないでしょうか。我が国でも活用していきたい」
「ぜひぜひ。寒冷地でもよく育つ種子も分けてもらえるよう、お願いもしておきますよ」
なにやら勝手に話を進めているが、ここでの使節団の反応も上々だ。
頼もしく思いながら、わたしも荘園の農地を見渡した。
農地の一画では農夫が冬の飼料用の干し草を刈っているのが見えた。
来月になれば本格的な冬麦の収穫や脱穀で大忙しになるだろう。
フィンは農夫らを指差しながら荘園の管理について説明していく。
「彼ら農奴の仕事ぶりを監督したり、地代を徴収したり、会計記録をつけたりするのが主にわたしの役目です。他には種子の管理や設備の修復、家令様への報告など。やることは山ほどあります」
「ひとりでこの荘園を管理するのは大変でしょう。農奴の中には反抗的な者もいるのではないですか? ここには兵が配備されてないようですが、反乱などの対抗策はあるのですか?」
「うーん。彼らとの信頼関係でここは成り立っていますからね。もちろんトラブルがないわけではありません。上との交渉、調停、揉め事の裁判なんかでとにかく彼らの話をよく聞く事です。彼らがいないと耕作も収穫も出来ないのですから」
フィンの何気ない言葉に、使節団は感心したように唸った。
「なるほど、力で隷属させるだけが生産性を上げる方法ではないと。たしかにそれは一理ある」
オークニーでは海賊行為によって得た捕虜を奴隷として働かせ、それを主な労働力としているのでここでの農奴の扱いが奇異に見えたのかもしれない。
この視察がきっかけで、オークニーで奴隷として働いている人々の待遇が少しでも向上すれば良いのだけど、などと考えてしまう。
第五区荘園を一回りし、視察は無事に終了した。
城に帰ってからは休憩を挟み、日が暮れればお決まりの夜の会食。
それが終わって自室に戻り、やっと解放された気分になる。
だけど明日に備えてわたしにはやる事がある。ドレス姿のまま机に向かった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
僕は生まれて初めて君の為に泣く
tera
恋愛
そこは、産声が精霊に生まれたことを認められた証で、それによって魔力と呼ばれす不思議な加護を全ての人が等しく受ける世界。
生まれた時から泣いたことがなく、魔力を持たない主人公。
そして、魔力の才能を持ち、泣かない主人公に変わってよく泣く癖を持つ幼馴染。
幼馴染は、宮廷魔術師を目指し、都市部の魔術学校の特待生候補。
主人公は、魔力を持たないが故に就ける仕事も限られているハンデ持ち。
二人の人生は交わることがない。
違いをよく理解している主人公は、旅立つ幼馴染に「今まで側にいてくれてありがとう」という意味を込めてプレゼントを渡すことにした。
彼女が都市部へ旅立つ当日、主人公はプレゼントを無事に渡すのだが……
夫に離縁が切り出せません
えんどう
恋愛
初めて会った時から無口で無愛想な上に、夫婦となってからもまともな会話は無く身体を重ねてもそれは変わらない。挙げ句の果てに外に女までいるらしい。
妊娠した日にお腹の子供が産まれたら離縁して好きなことをしようと思っていたのだが──。
氷の微笑 ~フレア・クロスオーバーの復讐~
(笑)
恋愛
貴族の娘フレア・クロスオーバーは、冷たくも毅然とした姿で義務を果たしてきたが、夫であるアレク王子から裏切られ、彼の愛人との屈辱的な状況に直面する。自身の誇りを守り抜くため、フレアは静かに反撃を決意する。そして、冷酷な運命に立ち向かいながらも、新たな未来を切り拓いていく彼女の姿が描かれる、復讐と解放の物語。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
【R-18】金曜日は、 貴女を私の淫らな ペットにします
indi子/金色魚々子
恋愛
【昼】上司と部下→【金曜の夜】ご主人様×ペット の調教ラブ
木下はる、25歳。
男運ゼロ
仕事運ゼロ
そして金運ゼロの三重苦
彼氏に貢ぎ続け貯金もすっかりなくなったはるは、生活が立ちいかなくなり……つてを頼って、会社に内緒でガールズバーでアルバイトを始める。
しかし、それが上司である副島課長にばれてしまって……! 口止め?それはもちろん……
ご主人様こと副島課長による甘々調教ライフ、はじまります。
---
表紙画像:シルエットAC
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる