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メンバーそれぞれのレッスン続く
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ハシビロコウのシャウトは、狼のアシェルのボイストレーニングや、カラオケで声出し練習を繰り返す様子を遠くから、あくびをしながら、見つめていた。
それ以外は特に動くこともなく、ボーと明後日の方向を見ていたり、時々、目をつぶって仮眠をしたりしていた。
その姿をアシェルは見るたびに、
イライラと腹が立つが、
逆に大きな声で発生していた。
寝ているのなら、
起こしてやるっという勢いが出た。
声出しもシャウトのおかげで
大きな声を出すことができていた。
隣の防音室では、
カメのオリヴァがドラムをたたいていた。
練習熱心ということもあって、
ある程度プロ並みの演奏を
こなしていた。
さすがはコツコツと石橋をたたくように
進むのんびりなカメだけある。
集中力は半端ない。
オリヴァは、
スティックを回して何度も繰り返し、
演奏している。
さらにその隣の部屋の防音室では、
うさぎのリアムは、
念願のキーボードが弾けて、
楽しそうにボスから渡されていた
楽譜を弾いていた。
とてもご機嫌だった。
昔からピアノを習っていたこともあって、
弾くのは朝飯前だった。
そのさらに隣の部屋の防音室では、
フルートを熱心に何度も吹いている
クレアがいた。
半強制的に妖精の世界では、フルートを
弾けるようにならないといけないため、
幼少期から、フルートを預けられていた。
楽譜を見れば、すぐに1曲は吹けていた。
吹いている間は、すごく楽しんでいた。
後ろから、ルークがステップを踏んで
演奏をしているのを見て喜んでいた。
「クレアさん、さっきの良かったですよ。
フルートは昔からやっていたんですか?」
「昔、イヤイヤながら、
母にフルートをしごかれていましたが、
こうやって演奏すると案外楽しいもん
ですね。
フルート教えられて良かったって
思いました。
ルークさん、ありがとうございます。」
「イヤイヤやっていたんですか。
大変でしたね。
でも、綺麗な音色で聴き心地よかったです。
本当に。」
目をつぶって思い出すルーク。
クレアはもう一度演奏した。
聞き惚れるルークを見て
さらに嬉しくなり、笑顔がこぼれていた。
「ルーク、ちょっといいか?」
ボスがクレアの部屋に入って、
手招きしていた。
廊下に出て、話を聞く。
「何ですか?」
「あのさ、クレアがキーボードじゃなくて、
フルートってことなんだけど、
ベースはどうするんだ?
アシェルは、歌いながら、
ギター弾けるから大丈夫って言ってたけど、
ベースギターもいた方がいいじゃない
のか?」
「あー、そうですか。
ベースいなくちゃだめですか?」
「来月出場するライブに
ベースギターって書いてただろ?
追加するのは全然平気だけど、
減らすって…。
もし、可能なら、メンバー増やしたら?」
ボスはスマホに入っているライブ
申し込み用紙を見せた。
事前申し込みは、
ボーカル・ギター・キーボード
・ドラム・ベースギターとなっている。
「メンバー…。
今からですか?
スカウトして、レッスンしてって
プロじゃないと
ライブ当日までメンバーの
足並み揃いませんよ?!
あ、そうだ。
ボスがベースギターすれば
いいじゃないですか。」
ルークは手のひらをたたいて、
ひらめいた。
本音はスカウトしに行く気力がなかった。
「え!?俺が?」
「今回だけでもいいですし。
だって、少し音楽かじってますよね?」
「かじるも何も、
アマチュアバンドはやってたよ。
確かに俺は
ベースギターだったけどな…。」
「そしたら、話は早いじゃないですか。」
「俺が、若いやつらの中に入るの?
俺だけ歳じゃねえか。
浮くよ?かなり浮くよ?
いいの?」
「特殊メイクでもします?」
「いや、それはちょっと。」
ルークは、腕を組んで考えた。
「ウマのかぶりものします?
ライオンだけど、ウマって…。」
ルークは口を塞いで、笑いをおさえたが
止まらなかった。
ボスはだんだん腹が立ってきた。
「あのさ、ふざけてる?」
「…くくく。
いえ、本気ですよ。
でも、ライオンがウマ…。
ウケますね。」
「笑いが取れるなら、
動画再生数あがるだろうな。
けど、俺はかぶらないよ。
かぶるくらいなら素で出るよ。」
「本当ですか?!
それはよかった。」
「ルークは何もしないとは言わせないよ?」
「え?!私もですか。」
「道連れだよね。」
「はぁ…。わかりましたよ。
何するか分かりませんけど…。」
「俺もベースの練習しないといけないのか。
ほこりかぶってるかもなぁ。
マイギター。
でも、久しぶりだし、
やっちゃるか。」
なんだかんだでやる気を出すボス。
ルークは何をするかまだわからなかった。
それぞれメンバーはライブに向けて
何度も練習を重ねた。
だんだんと誰かに聞かせてもいいくらいの
力が出てきていた。
トンビが空を高く高く飛び立っていく。
見上げた空はとても青が澄んでいて
綺麗だった。
それ以外は特に動くこともなく、ボーと明後日の方向を見ていたり、時々、目をつぶって仮眠をしたりしていた。
その姿をアシェルは見るたびに、
イライラと腹が立つが、
逆に大きな声で発生していた。
寝ているのなら、
起こしてやるっという勢いが出た。
声出しもシャウトのおかげで
大きな声を出すことができていた。
隣の防音室では、
カメのオリヴァがドラムをたたいていた。
練習熱心ということもあって、
ある程度プロ並みの演奏を
こなしていた。
さすがはコツコツと石橋をたたくように
進むのんびりなカメだけある。
集中力は半端ない。
オリヴァは、
スティックを回して何度も繰り返し、
演奏している。
さらにその隣の部屋の防音室では、
うさぎのリアムは、
念願のキーボードが弾けて、
楽しそうにボスから渡されていた
楽譜を弾いていた。
とてもご機嫌だった。
昔からピアノを習っていたこともあって、
弾くのは朝飯前だった。
そのさらに隣の部屋の防音室では、
フルートを熱心に何度も吹いている
クレアがいた。
半強制的に妖精の世界では、フルートを
弾けるようにならないといけないため、
幼少期から、フルートを預けられていた。
楽譜を見れば、すぐに1曲は吹けていた。
吹いている間は、すごく楽しんでいた。
後ろから、ルークがステップを踏んで
演奏をしているのを見て喜んでいた。
「クレアさん、さっきの良かったですよ。
フルートは昔からやっていたんですか?」
「昔、イヤイヤながら、
母にフルートをしごかれていましたが、
こうやって演奏すると案外楽しいもん
ですね。
フルート教えられて良かったって
思いました。
ルークさん、ありがとうございます。」
「イヤイヤやっていたんですか。
大変でしたね。
でも、綺麗な音色で聴き心地よかったです。
本当に。」
目をつぶって思い出すルーク。
クレアはもう一度演奏した。
聞き惚れるルークを見て
さらに嬉しくなり、笑顔がこぼれていた。
「ルーク、ちょっといいか?」
ボスがクレアの部屋に入って、
手招きしていた。
廊下に出て、話を聞く。
「何ですか?」
「あのさ、クレアがキーボードじゃなくて、
フルートってことなんだけど、
ベースはどうするんだ?
アシェルは、歌いながら、
ギター弾けるから大丈夫って言ってたけど、
ベースギターもいた方がいいじゃない
のか?」
「あー、そうですか。
ベースいなくちゃだめですか?」
「来月出場するライブに
ベースギターって書いてただろ?
追加するのは全然平気だけど、
減らすって…。
もし、可能なら、メンバー増やしたら?」
ボスはスマホに入っているライブ
申し込み用紙を見せた。
事前申し込みは、
ボーカル・ギター・キーボード
・ドラム・ベースギターとなっている。
「メンバー…。
今からですか?
スカウトして、レッスンしてって
プロじゃないと
ライブ当日までメンバーの
足並み揃いませんよ?!
あ、そうだ。
ボスがベースギターすれば
いいじゃないですか。」
ルークは手のひらをたたいて、
ひらめいた。
本音はスカウトしに行く気力がなかった。
「え!?俺が?」
「今回だけでもいいですし。
だって、少し音楽かじってますよね?」
「かじるも何も、
アマチュアバンドはやってたよ。
確かに俺は
ベースギターだったけどな…。」
「そしたら、話は早いじゃないですか。」
「俺が、若いやつらの中に入るの?
俺だけ歳じゃねえか。
浮くよ?かなり浮くよ?
いいの?」
「特殊メイクでもします?」
「いや、それはちょっと。」
ルークは、腕を組んで考えた。
「ウマのかぶりものします?
ライオンだけど、ウマって…。」
ルークは口を塞いで、笑いをおさえたが
止まらなかった。
ボスはだんだん腹が立ってきた。
「あのさ、ふざけてる?」
「…くくく。
いえ、本気ですよ。
でも、ライオンがウマ…。
ウケますね。」
「笑いが取れるなら、
動画再生数あがるだろうな。
けど、俺はかぶらないよ。
かぶるくらいなら素で出るよ。」
「本当ですか?!
それはよかった。」
「ルークは何もしないとは言わせないよ?」
「え?!私もですか。」
「道連れだよね。」
「はぁ…。わかりましたよ。
何するか分かりませんけど…。」
「俺もベースの練習しないといけないのか。
ほこりかぶってるかもなぁ。
マイギター。
でも、久しぶりだし、
やっちゃるか。」
なんだかんだでやる気を出すボス。
ルークは何をするかまだわからなかった。
それぞれメンバーはライブに向けて
何度も練習を重ねた。
だんだんと誰かに聞かせてもいいくらいの
力が出てきていた。
トンビが空を高く高く飛び立っていく。
見上げた空はとても青が澄んでいて
綺麗だった。
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