【R18】侯爵令嬢は騎士の夫と離れたくない

野地マルテ

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※ あまあま蜜着お泊まり回

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「やった……! 55キロ!」

 体重計に乗ったリオノーラから、歓喜の声が上がる。
 デブ専の気がある夫アレスの妨害さしいれはありつつも、なんとかリオノーラは節制ダイエットを成功させた。
 身長155センチ55キロなら、ぎりぎり普通体型と言えるだろう。

「おめでとう。さっそく明日、ドレスの採寸に行こうか」

 リオノーラが痩せたら、ドレスをプレゼントする──そう約束していたアレスは、早くも採寸の予約を入れてくれたらしい。

「ありがとうございます! 長かった……! もう痩せられないかと思いましたよ」

 アレスの祝福の言葉に、リオノーラは安心したような笑顔を見せる。
 ──三十代の節制は思っていた以上に大変だった。二十代の頃とは比較にならないほど痩せにくくなっていた。もうお菓子の爆喰いはやめよう。
 リオノーラはそう心に決めたのであった。

 ◆

 その晩、リオノーラはなんだかんだあって、末の息子エミリオと共にアレスの部屋に泊まっていた。

(ドレスの採寸が楽しみだなんて……! 何年ぶりかしら)

 寝室のベッドに寝転がりながら、リオノーラはどんなドレスを作ろうかと想像する。二十代前半の頃に着ていた、胸元にフリルがついたスクエアネックのドレスもいいが、今流行しているデザインのものも捨てがたい。
 リオノーラがうきうきしながら、あれやこれや考えていると、寝室の扉がそっと開いた。

「……まだ寝ていなかったのか」
「明日が楽しみすぎて眠れなくて……。一緒に眠りますか?」

 アレスだった。エミリオを寝かしつけてきてくれたのだろう。リオノーラは軽い気持ちで、ベッドの隣りをぽんぽんと叩いた。

「ああ」
「今、どんなドレスがいいかな~なんて考えてい……て」

 肩をいきなりがしりと掴まれた、リオノーラの笑顔が固まる。
 見ると、アレスに顔を寄せられていた。

「ちょっ、ちょ、旦那様⁉︎」
「何で抵抗するんだ。おやすみのキスぐらいいいじゃないか」

 アレスはおやすみのキスぐらいというが、キスだけで終わったことはリオノーラの記憶の限りでは、ない。
 キスを受けるということは、限界まで抱きつぶされることと同義なのだ。
 リオノーラはアレスの胸板をぎゅうぎゅうと押して抵抗する。

「明日はドレスの採寸をするんですから、一回だけですよ!」
「最近は君の運動に付き合っていて、何もできなかったじゃないか。……三回だ」
「さ、三回……⁉︎」

 抱かれるのはけして嫌ではないが、現役軍属者の夜の運動に付き合うのは正直骨が折れる。二十代の頃はなんとか耐えられたが、仕事と家事育児に追われている三十代半ばの身では愛があってもつらい。
 おまけに相手はこっちの身体を知り尽くしている。
 快楽に喘ぐのも疲れるのだ。

「喘がされるのはちょっと……」
「本気では攻めない。気軽に寝転んでいろ」
「ハイ……」

 

「ん、んぅっ……」

(気軽に寝込んでいろと言われても……)

 唇を重ねられて、口内に舌を捩じ込まれると否が応でも胸は早鐘を打つ。
 アレスはかっこいい。三十代の後半に差し掛かっても若い頃のままの体型を保っている上、年々頼もしい大人の男性になっている。
 騎士服を着て外套を纏う姿を目にするだけでも、うっとりするのに。
 こんな風に優しく、でも大胆に触れられたら胸の高鳴りがおさまらなくなってしまう。

 口内を舐めあげられながら、胸元を弄られている。薄い夜着の上から、乳房をやんわり握り込まれたかと思ったら、今度はピンと立った乳頭を指の腹で軽く押しつぶされる。
 それだけで、リオノーラは涙目になる。もう脚の間の、その奥が疼くのだ。
 リオノーラはアレスの胸元の夜着をぎゅっと握りしめる。

「旦那様、もう駄目です……」
「もう?」

 さすがに自分でも快感に弱すぎるとリオノーラは思うが、耐えられないのだから仕方がない。

「旦那様が格好良すぎるので、愛撫に耐えられないです」
「……慣れてくれ、いい加減」
「……旦那様が日々格好良さを更新するので無理ですね」

 結婚して十年以上になるが、二人はまるで新婚夫婦のような会話をする。恥ずかしくて、とても人には聞かせられない内容だ。

 リオノーラは自分の夜着のボタンをぽちぽちと外して脱ぐと、それをベッドの脇に置く。下も脱いだ。すでに脚の間は湿り気を帯びていて、太ももを動かすとぬちりと滑りけのある水音がした。

 アレスも、ため息をつきながら着ていたものを脱いでいる。

「……そんなに早いとこっちが勃たないぞ」
「……もう充分勃っていると思いますが」
「途中で中折れしたら嫌だ」
「じゃあ、私が舐めますね」

 アレスの脚の間にあるものは、リオノーラの目から見れば充分に吃立していたが、彼曰くこれでは不十分なのだと言う。仕方がないので、リオノーラが舐めて扱いて刺激することになった。
 アレスは足を開いて座る。……心なしか、嬉しそうに見える。

 リオノーラは赤黒い肉棒を少し強めに握りしめると、口を閉じて口内に唾液を溜める。充分に唾液が溜まったところで、口を少しだけ開けてとろりと泡立ったそれを丸い先に垂らした。
 ほどほどに肉棒を湿らせたところで、輪の形にした手を上下に動かす。手で肉棒を刺激しながら、丸い先を口に含む。精を吐き出すところに舌を這わせると苦いような独特な味がしたが、リオノーラはこの味が嫌いじゃない。
 肉棒を握っていない方の手で、今度は肉棒の下についた袋を力を入れないように揉む。それまで微動だにしなかったアレスが腰をびくりと浮かせた。

(もう充分硬いと思うけど……)

 じゅるじゅると音を立てながら、喉奥まで咥え込む。喉奥で肉棒の先を刺激するため、頭を上下に振った。
 口淫の邪魔にならないようにと、アレスが顔に落ちた髪を耳に掛けてくれている。

(……まだするのかしら?)

 肉棒を握りしめる手の力を強め、さらに素早く上下に扱きながらリオノーラはぼんやり思う。いつもなら「待った」が掛かるのだが、それがない。
 頭の上から、切迫詰まるような吐息が聞こえたと思ったら、とうとう口の中に吐き出されてしまった。
 ねばつく体液をごくりと呑み干し、赤黒い肉棒に絡みついたそれも丁寧に舐めとる。
 リオノーラは自分の口端についたものを指先で拭いながら、アレスを見つめる。

「……旦那様」
「上手いなと思って、感心していたらつい……」
「しょうがないですねえ。今夜はご奉仕してあげますよ」

 節制にはがっつり付き合わせてしまった。
 礼に、こっちが攻め手になってアレスを気持ちよくさせるのもアリだろう。

 アレスが仰向けで寝そべった上にリオノーラは跨る。痩せた今だからこそ、できる行為だ。
 半勃ちになった肉棒を、濡れた陰唇で包む。なぜか昔から、興奮している伴侶の姿を見るとこちらまで興奮する。

(腹筋、割れてる……すごいわ)

 無駄なものが一切見られない、アレスの身体に手を這わせる。リオノーラはうっとりしながら、割れた腹筋に指先をなぞらせていると、下から声が聞こえた。

「……良い眺めだ」
「あら、良かったです」

 まだまだリオノーラの身体は無駄が多かったが、彼女を上に乗せたアレスは嬉しそうにしている。アレスはリオノーラの身体に両手を伸ばすと、むっちりした太ももや乳房に触れる。
 触られていると腰を動かしづらいのだが、特に注意はしない。好きにさせておく。
 腰を前後に動かして肉棒を擦って刺激する。肉棒を挟んだ陰唇越しに硬さが伝わってくる。結合部からぐちゅぐちゅとみだらな水音がした。

 ふと、この状態でも射精をさせたいとリオノーラは考えた。──逞しい腹筋に白く濁った体液が飛び散る様を見てみたい。
 腰を小刻みに振り、竿の部分を刺激しながら、脚の間から飛び出た丸い先に指先を這わせる。丸い先を捏ねるように手指を動かすと、びゅっと熱い液体が指にかかった。

(……しまったわ)

 リオノーラは自分の手のひらを見つめる。
 アレスの腹筋に飛び散らせたかったものは、残念ながら自分の手にかかってしまった。中指と人差し指を広げると、糸を引いた。
 口の中に出されたものよりも、ややさらさらになった白濁を、また丁寧に舐めとった。

「……なんで舐めるんだ」
「もったいないじゃないですか」

 昔から、アレスが出したものは極力呑みこむようにしている。理由は上手く説明できない。「もったいないから」と答えたが、そうしたいからそうしているとしか言えなかった。

「……悪い気はしないが、無理はするな」


 アレスが起きあがろうとしたので、リオノーラは彼の身体から下りる。
 定期的に身体を動かしていたおかげか、腰を振ってもあまり疲れていない。体力がついたのだろう。
 リオノーラは大きな枕を背に寝そべると、腕を伸ばした。

「旦那様、来てください」
「……今夜はすっかり君の手練手管にやられてしまった」
「悦んでいただけたようで、何よりですわ」

 困ったように笑うアレスに、リオノーラは得意げな笑みを向ける。夜の行為は、自分が攻め手に回るほうが不思議と充実感がある。相手を悦ばせているという実感がしっかりあるからか。

 
「……何で濡れてるんだ」

 リオノーラの膝を持ちあげ、陰部に指を埋めたアレスは、呆れたような声を洩らす。

「……んんっ、旦那様が気持ちよくなってると、私も気持ちよくなれるんです」
「不思議だな」
「あっ、あっ」

 膀胱の裏あたりを、指の腹で擦られると腰が浮く。膣内の水嵩が増し、尻たぶまで体液が滴る。

「俺も君が悦くなっている姿を見ると、興奮するんだ」

 指が引き抜かれ、寂しさを感じる前に別の熱をあてがわれる。先程まで舐めしゃぶっていたものが、隘路に埋められた。
 下腹が心地よい圧迫感で支配される。

「うぅっ、うっ」

 すぐに抽送がはじまった。アレスはすでに二回も精を吐き出しているはずなのに、どこか腰の動きに余裕がない。陰核に響くほど強く穿たれている。

「旦那様、まって……」
「待たない」

 顔の横に腕をつき、さらに強く腰を打ちつけられる。
 膣内が小刻みに震える。何度も締め付けているはずなのに、アレスが精を吐き出す気配がない。

(これは……)

 二回吐精しているせいで、持ちがよくなってしまったのかもしれない。しまったと思うが、もう遅い。
 長く繋がっていると、それだけ足腰にくる。
 股関節が痛い状態でドレスの採寸なんてごめんだ。

(でもここでやめたいなんて言ったら、機嫌が悪くなっちゃうかも……)

 言えばやめてくれるだろうが、ムッとされるのは面倒だ。

「……懸命な判断だ」
「……何も言っておりませんが?」
「交合をここでやめたいと思っているだろう? 残念ながら、やめるつもりは毛頭ないが」
「……そうですか」

 リオノーラが顔をぷいと横向かせると、今度は腰を両手で掴まれた。
 膣壁に肉棒を押し当てられ、中で円を描くように動かれる。これには悲鳴を上げずにはいられなかった。

「ひゃぁっ」
「気持ちがいいか? 奉仕の礼に今夜はいくらでも悦くしてやるからな」

 今度は身体をぐりんと裏返される。
 四つん這いになったリオノーラは無意識に逃れようとしたのだろう。腕を前に出したが、無駄だった。
 腰をぐっと引き寄せられ、後ろから剛直を埋められてしまう。

「いっ、あぁっ」

 肌を打ちつけあう、乾いた音が耳につく。
 以前よりも少しだけ細くなった太ももに、透明な体液が伝う。

「ひっ、もうだめっ……!」

 びくびくとリオノーラは下半身を震わせ、膣を窄めるが、もちろんアレスには効いていない。むしろ肉棒はより硬くなっている。
 
「脂肪が薄くなったからか、感度がよくなっているな」
「あっああっ、またくる……!」

 膨らみが少なくなった腹を撫でられながら穿たれると、また快感の波が襲ってきた。

 ◆

「明日……ぜったい足腰が立ちませんよ……」
「安心しろ。ドレスの採寸は午後からだし、明日は朝からエミリオを遊びに連れ出してやる。何か食べたいものはあるか? 買ってきてやろう」
「揚げパン……」
「揚げパンな」
「ダブルクリーム入り……」
「また太るぞ」

 満身創痍でベッドに転がるリオノーラ。彼女の青い瞳からはハイライトが消え失せていた。
 そんなリオノーラを後ろから抱きしめながら、アレスが上機嫌だったのは言うまでもない。

 <完>

 ハートも嬉しいですが、できたらエールをください!
 次話で最終回の予定です。
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