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訳の分からない電話の内容

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「もしもし、伊藤ですけど」
僕は深夜、黒電話をとった。
「きみか。気味のほんというの名前は、津田沼直美だ。髪が長い男の娘で、女性アイドルとして働いている。いまの気味の身体は事故で、こん睡状態で、このままだと脳死する。今すぐログオフするには、この世界の妹を殺さなければいけない」
「何言っているのですか。警察に言いますよ」
「今の君は本当の君ではない。この世界は現実世界ではないから」
「ふざけるな!二度と悪戯電話するな」
僕は回転式のダイヤルの黒電話機を思いきり受話器を叩きつけた。
鳴り響く音。

妹の律子は、東大受験のために徹夜で勉強をしている。
「お兄ちゃん、うるさいわ」
「ごめん」
「どうしたの」
「いつも訳の分からない事を言う悪戯電話が来るのだよ。『ログオフするには妹を殺せと』」
「怖いわ」
「で、受験はどうなの」
「都立じゃどうにもならないし」
「家が貧しいし。親も離婚して」
「団地住まいだし」

僕は明日、警察に相談しようと思う。毎晩、黒電話に訳の分からない電話がくるから。


つづく
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