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2章 森の中の生活
2-9.きっかけ(5)
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あっという間に日が経った。足の傷口を縫った糸をはずすと、そこはすっかり繋がっていた。「跡もそのうち消えるよ」とルークは薬の入った壺を片手に笑った。
元通り歩けるようになったので、家事ができるようになり、一番近いブルーノの家に顔を出すようになった。リーシャに教えてもらい、水汲みの場所や、畑仕事のやり方を教わる。屋敷の中の仕事しかしたことがなかったので、屋外作業は最初は慣れなかった。
「私は、農家だったから、平気だけど」
リーシャはクロエの手を見て言った。
「貴方は所作が綺麗だものね。どこかお金持ちの家にいたの?」
「辺境伯のお屋敷で働いてた」と答えると、リーシャは目を丸くした。
しかし、数日教わるうちに、だんだんと里での暮らしに慣れて言った。
それと同時に、リーシャやブルーノが会うと、クロエの首筋に目を向けることに気付いた。番の証をまだかと見ているのだと思った。
(『いいわ』と言ったつもりだったけれど)
ルークはそういう素振りは全く見せなかった。
「――クロエはいくつ?」
食卓を囲んでいた時に、急にリーシャに聞かれてクロエははっとした。日にちの感覚がなかったが、よく考えればここにいる間にいつの間にか、自分が16になっていたことに気がついた。
「――16です」
「そうなのね。私がここに来たのも16の時よ」
ねえ、とリーシャはブルーノに微笑んだ。
「ルーク、怪我も良くなったみたいだし、もういいんじゃないか」
彼は甥の肩を小突いた。
「ああ」と曖昧に笑うルークを見て、クロエは視線を落とす。
『もういいんじゃないか』は番というものに関わることだと感じた。
ある日、クロエ朝早く目が覚めた。部屋を見回すと、ルークは布団もかけずに、怪我をしていたときと同じように床の隅に布を広げてその上でそのまま寝ている。
立ち上がると寝息を立てる狼に近づき、背中を撫でた。
「こっちに来てもいいのに」
何気なく言葉が漏れた。
それから上着を羽織ると、水を一杯飲んで、桶を持って水を汲みにまだ薄暗い外に出た。
ルークは背中を撫でる手の感触でうっすらと目を開けた。
「……」
(さっきのは、どういう意味だ?)
――寝台の方を使ってもいいということだろうか。
床で寝ているのは、自分が寝ると寝場所が狭いだろうと思ったからだ。
彼女の気持ちがわからないのは、番の証をつける行為を行っていないからだろうか。
自分は、クロエがこの家にいることに居心地の良さを感じている。
それは確かな気持ちだった。叔父の家に行かなくても、食卓を囲む相手がいるのは暖かい気持ちになったし、彼女の笑顔は居心地が良かった。ただ、番の証をつけるようなそんな衝動的な気持ちは湧かなかった。
(噛みつくなんて、獣みたいじゃないか)
自分の番に噛み跡を残す。その跡は不思議と消えずに痣になって残る。それがこの里では当たり前のことなので、もちろん知っていたが、クロエの首に牙を立てるというのは想像したくなかった。
い、と口をめくり自分の牙に触れる。それは尖っていて、彼女の細い首に噛みついたら、大変なことになりそうだった。
(そもそも、何で噛みつくんだろ)
首を傾げる。
(そのうち、噛みつきたくなるもんかな)
きっと時期がくれば、自然とそういう気持ちになるものなのだろうか。
そのときずきん、と股間のあたりに痛みを感じた。
(そういえば、しばらく、してないな)
ルークはため息をついて立ち上がると、家の横にある納屋に入った。棚から壺をとると、そこに入った乾燥したピンク色の花びらを手でいくらか掴み、壺の中に入った陶器の小皿に置いてそれに火をつける。花びらは黒く焦げて、うっすらと煙をあげ、そこから甘い香りが狭い室内に広がった。燃える花びらに鼻に近づけ、吸い込むと体中の毛が逆立つようなぞわりとした感触が全身に広がり、それと共に体内が熱くなるのを感じた。
(この匂いは、クロエを見つけた時に感じた匂いと一緒だ)
ルークはのぼせたようにぼーっとする頭で考えた。夜香花と呼ばれるそのピンク色の花の香は、番同士が感じる匂いに似ていると言われていた。それは脳の奥を刺激し、情欲を掻き立てる匂いだった。
ルークはズボンを下げると、自分の陰茎を握った。番のいない、一定年齢に達した男は、定期的に花の香りで獣欲を刺激し、射精を行わないとならない。番を見つけて一人前と見なされる森の中では、この行為は未熟な証であったので、20歳を過ぎ、周りの同年代の者が番を見つけるにつれ、まだひとりでそれを行っていることに、ルークは微かに羞恥心を抱いていた。
はぁ、息を吐き、手を動かす。花の匂いが鼻腔を抜けて、頭の中に立ちこめる。それは、普段の穏やかな気持ちをどろどろと溶かしていき、奥底の感情が剥き出しにされるような気分がした。クロエが家にきてから、しばらくこの行為を行っていなかったので、匂いの効き目がいつもより強い気がした。あるいは、狭い納屋で匂いが強く籠るせいだろうか。
息遣いが荒くなり、頭痛と共に意識が高揚感で包まれる。手を動かすとそこがどくんと脈打った。
桶に水を汲んで戻ってきたクロエは、どこかから漂ってくる煙の匂いに気がついた。
桶を置いて辺りを見回す小屋の横の納屋から、細く煙が出ている。火事かと思って焦って扉を開ける。
「あ……」
ルークは焦点の合わない目で扉を開けたクロエを見上げた。
「ルーク……?」
自然と身体が動いた。彼女に伸し掛かり身体を地面に押し付けると首筋に噛みついた。
「っ」
クロエは痛みを感じ首を押さえた。手に血がつく。
どくん、と心臓が鳴った。
(番の、証)
自分の上に覆いかぶさ、狼の背に腕を回すと、背中を撫でた。
視線を下げると、銀色の毛に覆われた下半身が見えた。それは人間ではなく狼のものだったが、その毛の間にそそり立つ彼の分身器官は肉の色をしていていて、マクシムのものよりも大分大きいが、同じ形をしていた。しかし、禍々しさは全く感じられず、むしろ親しみを感じ、クロエは自分がそれを自然なものとして受け入れていることを感じた。
(だって、私は、ルークが好きだもの)
狼の姿だろうが、何だろうが彼ならいいと思った。そこに手を伸ばして、柔らかく握った。
ルークは身体をびくっと震わせると、唸った。
(俺は、何をしている)
頭をぶんぶんと振ると、クロエの手をそこからはずし、ふらふらと立ち上がった。呆然とするクロエを持ち上げて立たせる。それから自分の露わになった下肢に気がつき、納屋に駆け込んで、扉を閉めて呻いた。頭を何度か壁に打ち付ける。
「悪かった」
ズボンを履く。さっきの自分は獣のようだったと情けなくて泣きたい気持ちになった。
10歳になったころに、一番年の近い親族の男――ブルーノから夜香花の使い方と、射精の方法を教わった。それは、番と出会った時に、交わるための準備で、定期的に行わなければいけないものだと。そして、必ず一人でやらなければいけないもので、特に絶対に女を近づけてはいけない。獣の野蛮な感性を引き戻すものだから。
外の人間と鉢合わす度に『化け物』だの『獣が』など叫ばれることを思い出す。その度に『どちらが獣だ』と思った。森の中で出会う外の人間は、お互いに争い、獣のように集団で交尾を行っていたりするのに。それに比べれば、自分たち森の民は、お互いに争うこともなく、番だけを愛して、番との関係に支えられた調和した社会で、穏やかに暮らしている。獣の姿をしていても、彼らよりよほど理知的だと思う。
ふと人の姿になろうとして、身体が変化できないことに気付いた。
――この匂いのせいだ。
ため息をつく。『野蛮な感性』を引き戻すというのはこういうことだろう。
いつも、この匂いを嗅ぐとしばらくの間、人の姿がとれなくなる。
燃えた夜香花の灰を壺の中に入れ、蓋をした。扉によりかかりうなだれると、外に向かって語りかけた。
「――その、これからは、このままにしておいてくれると助かる」
「――ごめんなさい」
クロエは閉まったままの納屋の扉を見つめた。何故彼がそこに閉じこもってしまったのかの理解ができなかった。もっと、マキシムがやったように、服を脱がせて、手を入れて、触って、――それを挿れてくれて、良かったのに。彼なら。
それを伝えたくて、口を動かした。
「ねえ、ルーク、私は、いいのよ」
何か、悪い部分があっただろうかと考えて、声が震えた。
「いいって――」
クロエは声を振り絞った。恥ずかしさで頭に血が上る。
「だから、しても。だって、私たちは、一緒に住んでいるし――番、なんでしょう」
ルークは納屋の中でしゃがみ込んだ。足の間のそれは、すっかり萎んでいる。
「そうだな」
彼女を番としてこの里に置いておくなら、それは考えなければいけない。
番なら、愛情の形として、当然みんな交わるのだから。
それよりも、外から聞こえてくる震え声が頭に絡みついた。
どんな表情をしているだろうか。こんな声をさせたいわけじゃない。
「きちんとした、やり方があるから、俺たちの」
頭を抱えながら、だからちょっと待っていてくれ、と納屋の中から外に向かって呼び掛けた。
元通り歩けるようになったので、家事ができるようになり、一番近いブルーノの家に顔を出すようになった。リーシャに教えてもらい、水汲みの場所や、畑仕事のやり方を教わる。屋敷の中の仕事しかしたことがなかったので、屋外作業は最初は慣れなかった。
「私は、農家だったから、平気だけど」
リーシャはクロエの手を見て言った。
「貴方は所作が綺麗だものね。どこかお金持ちの家にいたの?」
「辺境伯のお屋敷で働いてた」と答えると、リーシャは目を丸くした。
しかし、数日教わるうちに、だんだんと里での暮らしに慣れて言った。
それと同時に、リーシャやブルーノが会うと、クロエの首筋に目を向けることに気付いた。番の証をまだかと見ているのだと思った。
(『いいわ』と言ったつもりだったけれど)
ルークはそういう素振りは全く見せなかった。
「――クロエはいくつ?」
食卓を囲んでいた時に、急にリーシャに聞かれてクロエははっとした。日にちの感覚がなかったが、よく考えればここにいる間にいつの間にか、自分が16になっていたことに気がついた。
「――16です」
「そうなのね。私がここに来たのも16の時よ」
ねえ、とリーシャはブルーノに微笑んだ。
「ルーク、怪我も良くなったみたいだし、もういいんじゃないか」
彼は甥の肩を小突いた。
「ああ」と曖昧に笑うルークを見て、クロエは視線を落とす。
『もういいんじゃないか』は番というものに関わることだと感じた。
ある日、クロエ朝早く目が覚めた。部屋を見回すと、ルークは布団もかけずに、怪我をしていたときと同じように床の隅に布を広げてその上でそのまま寝ている。
立ち上がると寝息を立てる狼に近づき、背中を撫でた。
「こっちに来てもいいのに」
何気なく言葉が漏れた。
それから上着を羽織ると、水を一杯飲んで、桶を持って水を汲みにまだ薄暗い外に出た。
ルークは背中を撫でる手の感触でうっすらと目を開けた。
「……」
(さっきのは、どういう意味だ?)
――寝台の方を使ってもいいということだろうか。
床で寝ているのは、自分が寝ると寝場所が狭いだろうと思ったからだ。
彼女の気持ちがわからないのは、番の証をつける行為を行っていないからだろうか。
自分は、クロエがこの家にいることに居心地の良さを感じている。
それは確かな気持ちだった。叔父の家に行かなくても、食卓を囲む相手がいるのは暖かい気持ちになったし、彼女の笑顔は居心地が良かった。ただ、番の証をつけるようなそんな衝動的な気持ちは湧かなかった。
(噛みつくなんて、獣みたいじゃないか)
自分の番に噛み跡を残す。その跡は不思議と消えずに痣になって残る。それがこの里では当たり前のことなので、もちろん知っていたが、クロエの首に牙を立てるというのは想像したくなかった。
い、と口をめくり自分の牙に触れる。それは尖っていて、彼女の細い首に噛みついたら、大変なことになりそうだった。
(そもそも、何で噛みつくんだろ)
首を傾げる。
(そのうち、噛みつきたくなるもんかな)
きっと時期がくれば、自然とそういう気持ちになるものなのだろうか。
そのときずきん、と股間のあたりに痛みを感じた。
(そういえば、しばらく、してないな)
ルークはため息をついて立ち上がると、家の横にある納屋に入った。棚から壺をとると、そこに入った乾燥したピンク色の花びらを手でいくらか掴み、壺の中に入った陶器の小皿に置いてそれに火をつける。花びらは黒く焦げて、うっすらと煙をあげ、そこから甘い香りが狭い室内に広がった。燃える花びらに鼻に近づけ、吸い込むと体中の毛が逆立つようなぞわりとした感触が全身に広がり、それと共に体内が熱くなるのを感じた。
(この匂いは、クロエを見つけた時に感じた匂いと一緒だ)
ルークはのぼせたようにぼーっとする頭で考えた。夜香花と呼ばれるそのピンク色の花の香は、番同士が感じる匂いに似ていると言われていた。それは脳の奥を刺激し、情欲を掻き立てる匂いだった。
ルークはズボンを下げると、自分の陰茎を握った。番のいない、一定年齢に達した男は、定期的に花の香りで獣欲を刺激し、射精を行わないとならない。番を見つけて一人前と見なされる森の中では、この行為は未熟な証であったので、20歳を過ぎ、周りの同年代の者が番を見つけるにつれ、まだひとりでそれを行っていることに、ルークは微かに羞恥心を抱いていた。
はぁ、息を吐き、手を動かす。花の匂いが鼻腔を抜けて、頭の中に立ちこめる。それは、普段の穏やかな気持ちをどろどろと溶かしていき、奥底の感情が剥き出しにされるような気分がした。クロエが家にきてから、しばらくこの行為を行っていなかったので、匂いの効き目がいつもより強い気がした。あるいは、狭い納屋で匂いが強く籠るせいだろうか。
息遣いが荒くなり、頭痛と共に意識が高揚感で包まれる。手を動かすとそこがどくんと脈打った。
桶に水を汲んで戻ってきたクロエは、どこかから漂ってくる煙の匂いに気がついた。
桶を置いて辺りを見回す小屋の横の納屋から、細く煙が出ている。火事かと思って焦って扉を開ける。
「あ……」
ルークは焦点の合わない目で扉を開けたクロエを見上げた。
「ルーク……?」
自然と身体が動いた。彼女に伸し掛かり身体を地面に押し付けると首筋に噛みついた。
「っ」
クロエは痛みを感じ首を押さえた。手に血がつく。
どくん、と心臓が鳴った。
(番の、証)
自分の上に覆いかぶさ、狼の背に腕を回すと、背中を撫でた。
視線を下げると、銀色の毛に覆われた下半身が見えた。それは人間ではなく狼のものだったが、その毛の間にそそり立つ彼の分身器官は肉の色をしていていて、マクシムのものよりも大分大きいが、同じ形をしていた。しかし、禍々しさは全く感じられず、むしろ親しみを感じ、クロエは自分がそれを自然なものとして受け入れていることを感じた。
(だって、私は、ルークが好きだもの)
狼の姿だろうが、何だろうが彼ならいいと思った。そこに手を伸ばして、柔らかく握った。
ルークは身体をびくっと震わせると、唸った。
(俺は、何をしている)
頭をぶんぶんと振ると、クロエの手をそこからはずし、ふらふらと立ち上がった。呆然とするクロエを持ち上げて立たせる。それから自分の露わになった下肢に気がつき、納屋に駆け込んで、扉を閉めて呻いた。頭を何度か壁に打ち付ける。
「悪かった」
ズボンを履く。さっきの自分は獣のようだったと情けなくて泣きたい気持ちになった。
10歳になったころに、一番年の近い親族の男――ブルーノから夜香花の使い方と、射精の方法を教わった。それは、番と出会った時に、交わるための準備で、定期的に行わなければいけないものだと。そして、必ず一人でやらなければいけないもので、特に絶対に女を近づけてはいけない。獣の野蛮な感性を引き戻すものだから。
外の人間と鉢合わす度に『化け物』だの『獣が』など叫ばれることを思い出す。その度に『どちらが獣だ』と思った。森の中で出会う外の人間は、お互いに争い、獣のように集団で交尾を行っていたりするのに。それに比べれば、自分たち森の民は、お互いに争うこともなく、番だけを愛して、番との関係に支えられた調和した社会で、穏やかに暮らしている。獣の姿をしていても、彼らよりよほど理知的だと思う。
ふと人の姿になろうとして、身体が変化できないことに気付いた。
――この匂いのせいだ。
ため息をつく。『野蛮な感性』を引き戻すというのはこういうことだろう。
いつも、この匂いを嗅ぐとしばらくの間、人の姿がとれなくなる。
燃えた夜香花の灰を壺の中に入れ、蓋をした。扉によりかかりうなだれると、外に向かって語りかけた。
「――その、これからは、このままにしておいてくれると助かる」
「――ごめんなさい」
クロエは閉まったままの納屋の扉を見つめた。何故彼がそこに閉じこもってしまったのかの理解ができなかった。もっと、マキシムがやったように、服を脱がせて、手を入れて、触って、――それを挿れてくれて、良かったのに。彼なら。
それを伝えたくて、口を動かした。
「ねえ、ルーク、私は、いいのよ」
何か、悪い部分があっただろうかと考えて、声が震えた。
「いいって――」
クロエは声を振り絞った。恥ずかしさで頭に血が上る。
「だから、しても。だって、私たちは、一緒に住んでいるし――番、なんでしょう」
ルークは納屋の中でしゃがみ込んだ。足の間のそれは、すっかり萎んでいる。
「そうだな」
彼女を番としてこの里に置いておくなら、それは考えなければいけない。
番なら、愛情の形として、当然みんな交わるのだから。
それよりも、外から聞こえてくる震え声が頭に絡みついた。
どんな表情をしているだろうか。こんな声をさせたいわけじゃない。
「きちんとした、やり方があるから、俺たちの」
頭を抱えながら、だからちょっと待っていてくれ、と納屋の中から外に向かって呼び掛けた。
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