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1夜 初体験は白馬の王子様と
1-4.初体験は白馬の王子様と(4)
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フレッドは満足そうににっこりと笑うと、ちゅっとキスをして、背中に回した右手でコルセットの紐を緩め始めた。左手は、ズロースの中に入り込んでくる。そして、私の中に。
「あぁっ」
快感に身をのけぞらせると、窓から月が見えた。
「あっ、っ、んっ、あ」
フレッドの胸の中でもがくように身をよじった。彼の汗ばんだ白いシャツと、金髪の襟足と、古めいた木目の天井と、雲一つない夜空に浮かぶ満月と。景色がぐるぐると回転する。
「は、あぁっ」
コルセットがはがされる。胸元の押さえを失って、私は夜の冷たい空気を一気に肺に吸い込んだ。フレッドは何度目かわからないキスをすると、私の身体をベッドに横たえた。
背中にパリッとした糊をきかせたシーツ感触と柔らかな綿の弾力を感じる。
「きれいだよ」
フレッドが私を見ていた。青い目が月夜に輝く。
不意に胸元に窓から吹き込む夜風の冷たさを感じて、私は上半身に何も着ていないことに気づいた。思わず胸を両手で隠す。
「とてもきれいだよ、ソフィー」
フレッドはシャツを脱ぐと、私の腕を右手は右手で、左手は左手で掴んで広げさせた。
顔が胸元にうずもれる。金色の柔らかな髪が私の顎にふわふわと触れる。
彼の舌が胸を吸ったり、舐めたりする度に身体から力が抜けていった。
そうすると、フレッドは私の腕から手を離した。
再び、指が私の中に入ってくる。同時に、胸を吸われて、私は今までで一番大きな声を出して、身体をびくんと震わせた。
「気持ちいい?」
フレッドは私の横に横たわると、髪を撫でながら顔をのぞきこんできた。
声にならなくて、こくりとうなづくと、またにっこりと笑った。
「ひとつになろう、ソフィー」
彼は身を起こすと、ベルトを外した。ぱさっと、彼の茶色いズボンがベッドの下に投げられる音を聞く。その手がゆっくりと、私のズロースを脱がせる。
全身に夜の冷たさと、湖から漂ってくる湿った空気を感じた。
月夜が彼の裸を照らす。
12歳のころの男の子の面影はもうない。一緒なのは髪の色と目の色だけ。
しっかりした胸板にの下にはうっすらと筋肉の陰影が浮かんでいる。
私は彼の胸からお腹の隆起に指をはわせた。私のものとは違う、今までに触ったことがない、男性のしっかりとした骨の硬さ。
「下も触って」
フレッド私の右手を彼の足の付け根に導いた。つるりとした肌を通りぬけて、さわさわと髪の毛より硬い毛の感覚。そして、何か熱い塊に触れる。
びくっと離そうとした私の手を上から一回り大きなフレッドの手が包んだ。
私の手の平の上にフレッドの手が重なり、それを包む。
フレッドはそのままゆっくりと、さするように私の手を動かした。
「――っ、気持ちいいよ、ソフィー」
熱い吐息が顔にかかる。彼は紅潮した頬を私の頬に寄せて、耳たぶを吸った。
両膝を押され、足が開かれる。そこが外に向かって開かれて、お腹の中に冷たい空気が入ってくる。
フレッドは指で絡まった髪の毛を解くように、優しく私を撫で、その手を、そのまま下におろしていく。胸、おへそ、そして。ぴちゃぴちゃという、自分から発される水音に私は声を全身の毛が逆立つような快感を感じる。
硬くて、熱いものがその水音の中に沈んでいく。微かな痛みに、私は唇を噛んだ。フレッドが腰をぐっと押した。私の中が彼で満たされる。
「痛くない?」
私は少し考えて、首を振った。フレッドは微笑むと私の頭の下に枕を差し込む。少し頭を後ろに下げると、ベッドの後ろの開けっ放しになった広い窓から、一面の星空とまん丸の月が見えた。
「星を見ているといいよ」
自分の根本に、フレッドの足の付け根が触れているのを感じる。それがゆっくりと離れて、また近づいてくる。体の中で何かがゆっくりとうごめく。
視線を夜空に向けると、星がぐるぐると回って、そのまま降り注いでくるような気がした。
持ち上げた手をフレッドの手が掴む。指と指を絡ませて、フレッドは動きを速めた。
ギシギシとベッドが軋む。その度に私は、自分のものと思えない甘い声を夜空に吸わせた。
彼が腰を引くたび、自分の中がそれを離すまいと吸い付いてひきとめるのを感じる。
気がつくと、自分も彼に合わせて腰を動かしていることに気づいた。
フレッドが絡めていた指をはずし、私の膝を持って上体を起こした。
汗ばんだ額を手の甲で拭って、微笑む。一瞬、その青い目が赤く光った気がした。
――もういいや、だって――
私は、考えることをやめて、ただ体を駆け巡る、未知の快感を感じるだけの物体になった。
周りの風景が形を失っていく。体の輪郭も溶けていく。フレッドの姿が歪んでいく。
残ったのは、フレッドを体の中から離すまいと彼に吸いつく、その感覚だけだった。
身体の中で何かがはじけた。ぶるぶると震えるそれを上へ上へと吸い上げる。
そこに私の思考はなく、自然に、当然のように身体がそう反応していた。
「あぁぁぁっ」
私は大きな声で暗闇に叫んだ。
暗闇の中で、長い指の、冷たい大きな手の平が髪をなでるのを感じる。
耳元で、フレッドのような、別の人のような、低い男の声が囁いた。
「おやすみ、ソフィー。またね」
「あぁっ」
快感に身をのけぞらせると、窓から月が見えた。
「あっ、っ、んっ、あ」
フレッドの胸の中でもがくように身をよじった。彼の汗ばんだ白いシャツと、金髪の襟足と、古めいた木目の天井と、雲一つない夜空に浮かぶ満月と。景色がぐるぐると回転する。
「は、あぁっ」
コルセットがはがされる。胸元の押さえを失って、私は夜の冷たい空気を一気に肺に吸い込んだ。フレッドは何度目かわからないキスをすると、私の身体をベッドに横たえた。
背中にパリッとした糊をきかせたシーツ感触と柔らかな綿の弾力を感じる。
「きれいだよ」
フレッドが私を見ていた。青い目が月夜に輝く。
不意に胸元に窓から吹き込む夜風の冷たさを感じて、私は上半身に何も着ていないことに気づいた。思わず胸を両手で隠す。
「とてもきれいだよ、ソフィー」
フレッドはシャツを脱ぐと、私の腕を右手は右手で、左手は左手で掴んで広げさせた。
顔が胸元にうずもれる。金色の柔らかな髪が私の顎にふわふわと触れる。
彼の舌が胸を吸ったり、舐めたりする度に身体から力が抜けていった。
そうすると、フレッドは私の腕から手を離した。
再び、指が私の中に入ってくる。同時に、胸を吸われて、私は今までで一番大きな声を出して、身体をびくんと震わせた。
「気持ちいい?」
フレッドは私の横に横たわると、髪を撫でながら顔をのぞきこんできた。
声にならなくて、こくりとうなづくと、またにっこりと笑った。
「ひとつになろう、ソフィー」
彼は身を起こすと、ベルトを外した。ぱさっと、彼の茶色いズボンがベッドの下に投げられる音を聞く。その手がゆっくりと、私のズロースを脱がせる。
全身に夜の冷たさと、湖から漂ってくる湿った空気を感じた。
月夜が彼の裸を照らす。
12歳のころの男の子の面影はもうない。一緒なのは髪の色と目の色だけ。
しっかりした胸板にの下にはうっすらと筋肉の陰影が浮かんでいる。
私は彼の胸からお腹の隆起に指をはわせた。私のものとは違う、今までに触ったことがない、男性のしっかりとした骨の硬さ。
「下も触って」
フレッド私の右手を彼の足の付け根に導いた。つるりとした肌を通りぬけて、さわさわと髪の毛より硬い毛の感覚。そして、何か熱い塊に触れる。
びくっと離そうとした私の手を上から一回り大きなフレッドの手が包んだ。
私の手の平の上にフレッドの手が重なり、それを包む。
フレッドはそのままゆっくりと、さするように私の手を動かした。
「――っ、気持ちいいよ、ソフィー」
熱い吐息が顔にかかる。彼は紅潮した頬を私の頬に寄せて、耳たぶを吸った。
両膝を押され、足が開かれる。そこが外に向かって開かれて、お腹の中に冷たい空気が入ってくる。
フレッドは指で絡まった髪の毛を解くように、優しく私を撫で、その手を、そのまま下におろしていく。胸、おへそ、そして。ぴちゃぴちゃという、自分から発される水音に私は声を全身の毛が逆立つような快感を感じる。
硬くて、熱いものがその水音の中に沈んでいく。微かな痛みに、私は唇を噛んだ。フレッドが腰をぐっと押した。私の中が彼で満たされる。
「痛くない?」
私は少し考えて、首を振った。フレッドは微笑むと私の頭の下に枕を差し込む。少し頭を後ろに下げると、ベッドの後ろの開けっ放しになった広い窓から、一面の星空とまん丸の月が見えた。
「星を見ているといいよ」
自分の根本に、フレッドの足の付け根が触れているのを感じる。それがゆっくりと離れて、また近づいてくる。体の中で何かがゆっくりとうごめく。
視線を夜空に向けると、星がぐるぐると回って、そのまま降り注いでくるような気がした。
持ち上げた手をフレッドの手が掴む。指と指を絡ませて、フレッドは動きを速めた。
ギシギシとベッドが軋む。その度に私は、自分のものと思えない甘い声を夜空に吸わせた。
彼が腰を引くたび、自分の中がそれを離すまいと吸い付いてひきとめるのを感じる。
気がつくと、自分も彼に合わせて腰を動かしていることに気づいた。
フレッドが絡めていた指をはずし、私の膝を持って上体を起こした。
汗ばんだ額を手の甲で拭って、微笑む。一瞬、その青い目が赤く光った気がした。
――もういいや、だって――
私は、考えることをやめて、ただ体を駆け巡る、未知の快感を感じるだけの物体になった。
周りの風景が形を失っていく。体の輪郭も溶けていく。フレッドの姿が歪んでいく。
残ったのは、フレッドを体の中から離すまいと彼に吸いつく、その感覚だけだった。
身体の中で何かがはじけた。ぶるぶると震えるそれを上へ上へと吸い上げる。
そこに私の思考はなく、自然に、当然のように身体がそう反応していた。
「あぁぁぁっ」
私は大きな声で暗闇に叫んだ。
暗闇の中で、長い指の、冷たい大きな手の平が髪をなでるのを感じる。
耳元で、フレッドのような、別の人のような、低い男の声が囁いた。
「おやすみ、ソフィー。またね」
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