29 / 89
第二章「騎士ロレンツ誕生」
29.他の女の子にやっちゃダメだよ
しおりを挟む
ここ最近、いや正確に言えば『剣遊会』でロレンツがアンナ陣営に参戦し王城に暮らし始めた頃より、アンナ姫に対する周りの印象が変わっていた。
――よく笑う
『氷姫』との別名を持つアンナ。
王城でリリーなど一部の人間を除き、冷たく感情のない声で話す彼女にはそんな別名が付けられていた。それは父親である国王が不明になってから更に拍車をかけていた。
「姫様、おはようございます!」
「おはよう」
王城でかわされるアンナとの挨拶。
以前だったら無口で目を合わせることもしなかった彼女が、誰とでも気さくに挨拶をするようになっていた。
そしてそれは決まって『護衛職』であるその銀髪の男が後ろについている時。アンナは無意識のうちに『守られている』と言う安心感から心に余裕ができていた。
「姫様、今日もお美しいですわね!!」
「まあ、それはありがとう!」
そんなお世辞にも笑顔で答える。そして決まって後ろにいるロレンツに尋ねる。
「ねえ、聞いた? 私、お美しいんですって!!」
「ああ、そうか……」
(むかっ!!)
毎度のことだが全く興味がない素振りのロレンツ。
先日のミンファのことを尋ねてものらりくらりと適当にかわされてしまう。自分のことが好きなはずなのに『好き』とは言わないし、『護衛職』就任に必要な爵位も一向に受け取らない。
「ふんっ!!!」
苛立つアンナはプイッと前を向いて歩き出す。ロレンツが言う。
「おい、嬢ちゃん」
「な、なによ……」
ちょっとだけ期待したアンナが振り向く。
「そんなに怒ってるとその美しい顔が台無しだぜ」
(むかーーーーーーっ!!!!)
『氷姫』を卒業しつつあるアンナ姫。
その感情豊かな大声が城内の廊下に響き渡った。
「ミセル様、ミセル様? 如何なされたんでしょうか?」
(え?)
ミセルはアンナの元婚約者であるカイトの声で我に返った。
王城中庭にある花に囲まれたガゼボ。細かな装飾の入ったテーブルや椅子に向かい合って座るふたりは、午後のティータイムを楽しんでいた。ミセルが慌てて答える。
「あ、いや、何でもございませんわ」
そう言って笑顔で紅茶を口にする。
(なんて美しい……)
華やかな赤のドレス。ふんわりと風になびく赤髪。そのすべてがカイトの心を虜にした。
一方のミセルは全く別のことを考えていた。
(ミンファからの報告。とりあえずロレロレとのデートは上手くいったようですわ)
ミセルは自身もこっそり見に行ったふたりのお出掛けを思い出す。
(このまま彼女がロレロレを落とせばいいんでしょうが、なんでしょう。この苛立ちは……)
ミセルは何故かふつふつと湧き上がる苛立ちに戸惑いながら、目の前の頼りない男が何か話しているのに気付く。
「ミセル様、明日が楽しみでございます」
「明日?」
何のことを言っているのか分からないミセルが尋ね返す。カイトが言う。
「ええ、明日ですよ。お茶会、僕と一緒にご参加頂く……」
(あっ)
すっかり忘れていた。
明日のお茶会、ミセルは以前カイトと話をして一緒に参加すると約束したような気がする。兄のエルグと一緒に参加予定だったミセルが考える。
(お兄様は輝石の交渉で今はいらっしゃらない。とは言えこんな男と一緒に参加するなんて考えられないわ。まあ同伴はキャロルでいいかしら……)
もう用無しの男に割く時間はない。ミセルはこの後得意の作り笑顔でカイトに対応し、すぐにその場を立ち去った。
そして迎えたお茶会当日。
定期的に貴族の間で開催されるお茶会だが、今回はちょうど庭園に咲く花々が見ごろを迎え甘い香りと優雅な景観が楽しめる会となっている。
アンナもそんなお茶会に参加するために、自室で鏡台の前に座り何度も化粧をしていた。
イライラ、イライラ……
上手く化粧が乗らない。
その理由はもちろん部屋に一緒にいる男。きちんと護衛は努めるのだが、ミンファのことをはっきり教えてくれないなど苛立ちの原因となっている。
(イライラして上手く化粧ができないわ!!)
アンナは鏡台の鏡に映った部屋のテーブルでコーヒーを飲むロレンツを睨みつける。
「ねえ」
「……」
無言。返事はない。
「ねえってばあ!!」
ようやく呼ばれたことに気付いたロレンツが顔を上げて答える。
「ん? 俺を呼んでいるのか?」
(むかーーーーっ!!!!)
「あなたしかいないでしょ!!! どうしてそれが分からないの!? 馬鹿なの、馬鹿なんでしょ!!!」
アンナはイラつきで口から火を吐くような声でロレンツに言う。
「はあ……」
ロレンツはやれやれと言った顔で立ち上がると、ゆっくりとアンナの方へと歩き出す。
「な、なによ……」
ちょっと言い過ぎたかなと思ったアンナが急に弱気になる。そして目の前までやって来たロレンツを見て小さな声で言う。
「私は別に本気で、そんな……」
ロレンツは黙って隣にあった椅子をアンナの横に並べそこに座る。
「え?」
そして並ぶように椅子に置かれた椅子に座り、彼女の頭をそっと掴んで自分の膝の上に乗せた。ロレンツに膝枕されたアンナが驚いて言う。
「ちょ、ちょっと、一体何して……」
そう言うアンナの頭をロレンツが無言で撫で始めた。
(えっ……)
大きな手。ごつごつとした男の大きな手。
それが怒りで燃えていたアンナの頭をすっと撫でるたびに、その火がゆっくりと消えて行く。
「ね、ねえ……」
恥ずかしさと嬉しさが混在した不思議な気分。
撫でられる度に体を心地良い電流が走り抜ける。ロレンツが言う。
「嬢ちゃん、ちょっとカッカし過ぎだ。少し落ち着いた方がいい」
そう言いながらもロレンツの大きくてごつごつした手で優しく撫でられるアンナ。
(だ、誰のせいで、こんなに、イライラして……、いると思ってるのよ……)
そう思いながらも段々と心が穏やかになって行くアンナ。自分は知っている。こうやって誰かに頭を撫でられるのが好きだってことを。
しばらくの沈黙。
ロレンツはゆっくりと優しくアンナの頭を撫で続ける。
「ねえ」
アンナが小さな声で尋ねる。
「何だ?」
ロレンツが答える。
「他の女の子にやっちゃダメだよ」
アンナはじんわりと心地良く頭と体が痺れる快感に浸りながら言う。ロレンツが答える。
「それは無理だ。もうやってる」
「はあ!?」
頭だけ動かしアンナがロレンツを見上げる。自分のことを『綺麗』だとか『可愛い』だとか、『一生傍にいる』とか言っておきながら一体どういうつもりなのか。再び怒りの炎が点火したアンナが言う。
「し、信じられない!? あなたそれでよく……」
「イコだ。イコの頭を撫でている」
「え?」
ロレンツの娘同然の少女イコ。撫でられて当然の存在だ。アンナが顔を赤くして答える。
「あ、ああ、そうね。ごめんなさい……」
アンナは安堵感から体の力が抜け、再びロレンツの硬い太腿に頭を乗せる。
「ねえ」
「今度は何だ?」
アンナはロレンツの硬い手を感じながら言う。
「いつもありがと。守ってくれて」
「ああ……」
ロレンツは少し照れ隠ししながらまたその美しい金色の髪を撫でた。
――よく笑う
『氷姫』との別名を持つアンナ。
王城でリリーなど一部の人間を除き、冷たく感情のない声で話す彼女にはそんな別名が付けられていた。それは父親である国王が不明になってから更に拍車をかけていた。
「姫様、おはようございます!」
「おはよう」
王城でかわされるアンナとの挨拶。
以前だったら無口で目を合わせることもしなかった彼女が、誰とでも気さくに挨拶をするようになっていた。
そしてそれは決まって『護衛職』であるその銀髪の男が後ろについている時。アンナは無意識のうちに『守られている』と言う安心感から心に余裕ができていた。
「姫様、今日もお美しいですわね!!」
「まあ、それはありがとう!」
そんなお世辞にも笑顔で答える。そして決まって後ろにいるロレンツに尋ねる。
「ねえ、聞いた? 私、お美しいんですって!!」
「ああ、そうか……」
(むかっ!!)
毎度のことだが全く興味がない素振りのロレンツ。
先日のミンファのことを尋ねてものらりくらりと適当にかわされてしまう。自分のことが好きなはずなのに『好き』とは言わないし、『護衛職』就任に必要な爵位も一向に受け取らない。
「ふんっ!!!」
苛立つアンナはプイッと前を向いて歩き出す。ロレンツが言う。
「おい、嬢ちゃん」
「な、なによ……」
ちょっとだけ期待したアンナが振り向く。
「そんなに怒ってるとその美しい顔が台無しだぜ」
(むかーーーーーーっ!!!!)
『氷姫』を卒業しつつあるアンナ姫。
その感情豊かな大声が城内の廊下に響き渡った。
「ミセル様、ミセル様? 如何なされたんでしょうか?」
(え?)
ミセルはアンナの元婚約者であるカイトの声で我に返った。
王城中庭にある花に囲まれたガゼボ。細かな装飾の入ったテーブルや椅子に向かい合って座るふたりは、午後のティータイムを楽しんでいた。ミセルが慌てて答える。
「あ、いや、何でもございませんわ」
そう言って笑顔で紅茶を口にする。
(なんて美しい……)
華やかな赤のドレス。ふんわりと風になびく赤髪。そのすべてがカイトの心を虜にした。
一方のミセルは全く別のことを考えていた。
(ミンファからの報告。とりあえずロレロレとのデートは上手くいったようですわ)
ミセルは自身もこっそり見に行ったふたりのお出掛けを思い出す。
(このまま彼女がロレロレを落とせばいいんでしょうが、なんでしょう。この苛立ちは……)
ミセルは何故かふつふつと湧き上がる苛立ちに戸惑いながら、目の前の頼りない男が何か話しているのに気付く。
「ミセル様、明日が楽しみでございます」
「明日?」
何のことを言っているのか分からないミセルが尋ね返す。カイトが言う。
「ええ、明日ですよ。お茶会、僕と一緒にご参加頂く……」
(あっ)
すっかり忘れていた。
明日のお茶会、ミセルは以前カイトと話をして一緒に参加すると約束したような気がする。兄のエルグと一緒に参加予定だったミセルが考える。
(お兄様は輝石の交渉で今はいらっしゃらない。とは言えこんな男と一緒に参加するなんて考えられないわ。まあ同伴はキャロルでいいかしら……)
もう用無しの男に割く時間はない。ミセルはこの後得意の作り笑顔でカイトに対応し、すぐにその場を立ち去った。
そして迎えたお茶会当日。
定期的に貴族の間で開催されるお茶会だが、今回はちょうど庭園に咲く花々が見ごろを迎え甘い香りと優雅な景観が楽しめる会となっている。
アンナもそんなお茶会に参加するために、自室で鏡台の前に座り何度も化粧をしていた。
イライラ、イライラ……
上手く化粧が乗らない。
その理由はもちろん部屋に一緒にいる男。きちんと護衛は努めるのだが、ミンファのことをはっきり教えてくれないなど苛立ちの原因となっている。
(イライラして上手く化粧ができないわ!!)
アンナは鏡台の鏡に映った部屋のテーブルでコーヒーを飲むロレンツを睨みつける。
「ねえ」
「……」
無言。返事はない。
「ねえってばあ!!」
ようやく呼ばれたことに気付いたロレンツが顔を上げて答える。
「ん? 俺を呼んでいるのか?」
(むかーーーーっ!!!!)
「あなたしかいないでしょ!!! どうしてそれが分からないの!? 馬鹿なの、馬鹿なんでしょ!!!」
アンナはイラつきで口から火を吐くような声でロレンツに言う。
「はあ……」
ロレンツはやれやれと言った顔で立ち上がると、ゆっくりとアンナの方へと歩き出す。
「な、なによ……」
ちょっと言い過ぎたかなと思ったアンナが急に弱気になる。そして目の前までやって来たロレンツを見て小さな声で言う。
「私は別に本気で、そんな……」
ロレンツは黙って隣にあった椅子をアンナの横に並べそこに座る。
「え?」
そして並ぶように椅子に置かれた椅子に座り、彼女の頭をそっと掴んで自分の膝の上に乗せた。ロレンツに膝枕されたアンナが驚いて言う。
「ちょ、ちょっと、一体何して……」
そう言うアンナの頭をロレンツが無言で撫で始めた。
(えっ……)
大きな手。ごつごつとした男の大きな手。
それが怒りで燃えていたアンナの頭をすっと撫でるたびに、その火がゆっくりと消えて行く。
「ね、ねえ……」
恥ずかしさと嬉しさが混在した不思議な気分。
撫でられる度に体を心地良い電流が走り抜ける。ロレンツが言う。
「嬢ちゃん、ちょっとカッカし過ぎだ。少し落ち着いた方がいい」
そう言いながらもロレンツの大きくてごつごつした手で優しく撫でられるアンナ。
(だ、誰のせいで、こんなに、イライラして……、いると思ってるのよ……)
そう思いながらも段々と心が穏やかになって行くアンナ。自分は知っている。こうやって誰かに頭を撫でられるのが好きだってことを。
しばらくの沈黙。
ロレンツはゆっくりと優しくアンナの頭を撫で続ける。
「ねえ」
アンナが小さな声で尋ねる。
「何だ?」
ロレンツが答える。
「他の女の子にやっちゃダメだよ」
アンナはじんわりと心地良く頭と体が痺れる快感に浸りながら言う。ロレンツが答える。
「それは無理だ。もうやってる」
「はあ!?」
頭だけ動かしアンナがロレンツを見上げる。自分のことを『綺麗』だとか『可愛い』だとか、『一生傍にいる』とか言っておきながら一体どういうつもりなのか。再び怒りの炎が点火したアンナが言う。
「し、信じられない!? あなたそれでよく……」
「イコだ。イコの頭を撫でている」
「え?」
ロレンツの娘同然の少女イコ。撫でられて当然の存在だ。アンナが顔を赤くして答える。
「あ、ああ、そうね。ごめんなさい……」
アンナは安堵感から体の力が抜け、再びロレンツの硬い太腿に頭を乗せる。
「ねえ」
「今度は何だ?」
アンナはロレンツの硬い手を感じながら言う。
「いつもありがと。守ってくれて」
「ああ……」
ロレンツは少し照れ隠ししながらまたその美しい金色の髪を撫でた。
1
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
おっす、わしロマ爺。ぴっちぴちの新米教皇~もう辞めさせとくれっ!?~
月白ヤトヒコ
ファンタジー
教皇ロマンシス。歴代教皇の中でも八十九歳という最高齢で就任。
前任の教皇が急逝後、教皇選定の儀にて有力候補二名が不慮の死を遂げ、混乱に陥った教会で年功序列の精神に従い、選出された教皇。
元からの候補ではなく、支持者もおらず、穏健派であることと健康であることから選ばれた。故に、就任直後はぽっと出教皇や漁夫の利教皇と揶揄されることもあった。
しかし、教皇就任後に教会内でも声を上げることなく、密やかにその資格を有していた聖者や聖女を見抜き、要職へと抜擢。
教皇ロマンシスの時代は歴代の教皇のどの時代よりも数多くの聖者、聖女の聖人が在籍し、世の安寧に尽力したと言われ、豊作の時代とされている。
また、教皇ロマンシスの口癖は「わしよりも教皇の座に相応しいものがおる」と、非常に謙虚な人柄であった。口の悪い子供に「徘徊老人」などと言われても、「よいよい、元気な子じゃのぅ」と笑って済ませるなど、穏やかな好々爺であったとも言われている。
その実態は……「わしゃ、さっさと隠居して子供達と戯れたいんじゃ~っ!?」という、ロマ爺の日常。
短編『わし、八十九歳。ぴっちぴちの新米教皇。もう辞めたい……』を連載してみました。不定期更新。
辺境に住む元Cランク冒険者である俺の義理の娘達は、剣聖、大魔導師、聖女という特別な称号を持っているのに何歳になっても甘えてくる
マーラッシュ
ファンタジー
俺はユクト29歳元Cランクの冒険者だ。
魔物によって滅ぼされた村から拾い育てた娘達は15歳になり女神様から剣聖、大魔導師、聖女という特別な称号を頂いたが⋯⋯しかしどこを間違えたのか皆父親の俺を溺愛するようになり好きあらばスキンシップを取ってくる。
どうしてこうなった?
朝食時三女トアの場合
「今日もパパの為に愛情を込めてご飯を作ったから⋯⋯ダメダメ自分で食べないで。トアが食べさせてあげるね⋯⋯あ~ん」
浴室にて次女ミリアの場合
「今日もお仕事お疲れ様。 別に娘なんだから一緒にお風呂に入るのおかしくないよね? ボクがパパの背中を流してあげるよ」
就寝時ベットにて長女セレナの場合
「パパ⋯⋯今日一緒に寝てもいい? 嫌だなんて言わないですよね⋯⋯パパと寝るのは娘の特権ですから。これからもよろしくお願いします」
何故こうなってしまったのか!?
これは15歳のユクトが3人の乳幼児を拾い育て、大きくなっても娘達から甘えられ、戸惑いながらも暮らしていく物語です。
☆第15回ファンタジー小説大賞に参加しています!【投票する】から応援いただけると更新の励みになります。
*他サイトにも掲載しています。
お疲れエルフの家出からはじまる癒されライフ
アキナヌカ
ファンタジー
僕はクアリタ・グランフォレという250歳ほどの若いエルフだ、僕の養い子であるハーフエルフのソアンが150歳になって成人したら、彼女は突然私と一緒に家出しようと言ってきた!!さぁ、これはお疲れエルフの家出からはじまる癒されライフ??かもしれない。
村で仕事に埋もれて疲れ切ったエルフが、養い子のハーフエルフの誘いにのって思い切って家出するお話です。家出をする彼の前には一体、何が待ち受けているのでしょうか。
いろいろと疲れた貴方に、いっぱい休んで癒されることは、決して悪いことではないはずなのです
この作品はカクヨム、小説家になろう、pixiv、エブリスタにも投稿しています。
不定期投稿ですが、なるべく毎日投稿を目指しています。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
はじめまして、期間限定のお飾り妻です
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【あの……お仕事の延長ってありますか?】
貧しい男爵家のイレーネ・シエラは唯一の肉親である祖父を亡くし、住む場所も失う寸前だった。そこで住み込みの仕事を探していたときに、好条件の求人広告を見つける。けれど、はイレーネは知らなかった。この求人、実はルシアンの執事が募集していた契約結婚の求人であることを。そして一方、結婚相手となるルシアンはその事実を一切知らされてはいなかった。呑気なイレーネと、気難しいルシアンとの期間限定の契約結婚が始まるのだが……?
*他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる