嘘つきな俺たち

眠りん

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一話 再会

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一話 再会

 齢十七にしてようやく高校に入れた。もう過去の事は忘れて、自分を隠して高校生活をやり過ごせばいい。

 そう思って入学式を迎えた。クラス別に並べられたパイプ椅子に座って、長い式をボーッと過ごした。
 何も考えずにボーッとするのは得意だ。嘘をつく為にあれこれ思考を巡らせなくていいのは楽だからな。

 特にクラスメイトになる奴らの顔も見なかった。友達が出来れば友達の演技をするのもダルいしな。友達が出来なきゃその方がいい。


 ──と、思っていたんだが。
 入学式が終わり、全員教室へと向かった。指定されている席につくと、最悪な事に隣の席にクソ野郎、怜治がいた。

 驚愕なんてものじゃない。
 どうして? いや、俺の事は知らない筈。
 息が止まる思いで怜治を見ていると、怜治はすぐに俺に気付いた。

「初めまして! 俺は橋村! 君は?」

 清々しいまでの明るい笑顔に、俺は吐き気がした。ぶん殴りてぇ気持ちを押さえてニッコリと笑ってみせる。

「俺は関原だよ」

「えっ! 関原……!?」

「なんだよ。俺の名前がなんだっていうんだ?」

 そりゃ、テメェがクソみたいな告白した直後に罵倒した女と同じ苗字だもんな? 驚くのも無理ないよな?

「い、いや……知り合いと同じ苗字だなって。関原って中々聞かないし」

「そうか? 俺の父親の地元は関原って多かったみたいよ?」

 お義父さんの地元ってどこだったっけ? まぁいいや、関原なんて苗字が多い地域がどこかにあっても変じゃないだろう。多分。

 にしても、コイツ能天気にヘラヘラと……。ぶん殴りたいが、我慢だ。

「そ、そうなんだ。あのさ、俺ここら辺に住んでないから、駅付近とか分からないんだよな。
 帰りとか寄り道しねぇ?」

「ごめん。今日用事があってさ」

「そうなんだ……」

「うん、だからまた今度な」

「分かった」

 ……──まぁ、今度なんてないけど。


 午前中で学校が終わって、すぐに家に帰った。特に用事なんてあるわけない。お義父さんも帰るの夜遅いし。

 お義父さんの寝室に入った。
 今までは母さんと寝ていたであろう、ダブルベッドだ。

 制服を全部脱ぎ捨てて、下着姿になって、そのベッドの上に寝転んだ。スマホも明るい画面のまま俺の横に置いておく。
 いつも見てるお義父さんの景色を見る度、昔は母さんがいたのに、もういないから一人で寝てるんだよなぁと思う。可哀想。

 手を下着の中に伸ばした。もう既にギンギンに硬くなってる俺のチンコは、触ると熱い。
 お義父さんの匂いに凄く興奮してる。

 緩く握って上下に擦る。目を閉じると良い気分だ、妄想が捗る。
 向かいにお義父さんがいて、俺のチンコ握ってくれてて、俺がなかなかイカないように擦ってくれてる……。

 イキそうになったら、手を止めて乳首を弄る。

「はぁ……この身体はお義父さんのものです。もっと触って……」

 お義父さんは優しい笑顔で……。
 そのタイミングでスマホの点灯したままの画面の再生ボタンを押した。

『凄いな、潤は。俺の自慢の息子だ』

『潤。テストで一番だったんだって? さすがだな』

『潤。ちょっと失敗しちゃったな、けどカッコよかったぞ』

『やったな!! 俺は潤なら出来るって信じてたぞ』

 過去に録音して、連続で流れるように編集した音声が流れると、もう我慢は出来ない。

「ハァハァ、お義父さん……お義父さん、イキたい、イキたいよぉ」

『いいぞ、潤!』

 幸せな気持ちで射精出来た。
 お義父さんに認められて、受け入れられている気分でするオナニーは、もうどんな快楽も意味をなさない。そう思えるくらい。

「やっぱりお義父さんが……好き」

 眠気が襲ってきた。そのまま眠るのが、この世で一番幸せな事なんじゃないかと思ってる。
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