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三章
十五話
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フリードはアグリルの過去を聞いた。何故潜入中、あんなにフリードを気にかけ、優しく接してくれたのか、理由を知った。
だからこそ余計に今決断を下す事は出来ない。
「申し訳ない。アグリル卿、今は決めかねる。決定次第連絡する。
もし拒否しても恨むなよ」
「はい! 考えてくださるだけで嬉しいです!」
アグリルは良い笑顔で頷いた。
そして少し談笑した後、アグリルを門まで見送った。既に馬車が待機している。
「馬車を用意した。乗って帰るといい」
「フリード様、俺なんかにそこまでしていただけるなんて、嬉しすぎて今日は眠れなくなりそうです」
大袈裟なリアクションに、フリードは思わず笑みを漏らす。
「それは言い過ぎだろ? 本当、昔からおかしな人だ」
すると、アグリルは心底嬉しそうに微笑んだ。
「初めてですね」
「何がだ?」
「俺に笑顔を向けてくれたのですよ」
「変な事聞いてもいいか?」
「はい、なんでしょう?」
フリードは躊躇いながらも少し言いにくそうに問う。
「俺、変な笑顔じゃない?」
「全然変じゃないですよ。
以前隊長に向けてた媚びを売るみたいじゃない、ふつーの笑顔だと思いますけど」
救われた気がした。フリードにとって笑顔は練習して身につけるものだった。任務で必要だから、無意味に笑顔は作らない。
そのせいか、美しいが作り物のようだと言われ、困惑していた。
どうしたら自然な笑顔が身に付けられるのかと、毎日鏡を見て笑顔を作っては「これではなさそうだ」と、どんな笑顔なら良いのか分からなくなってきていた。
ウェルディスのお陰だ。毎日愛を与えてくれて、幸せを実感させてくれる。笑顔になるきっかけを毎日与えてくれた。
今日アグリルに教えてもらわなければ、笑顔が何かを理解出来なかった。
ウェルディスだけでなく、離宮で働く使用人や、ルディネス、イグナートに向けていた、今浮かべているこの顔こそが、自分の本当の笑顔だったのだ。
(笑顔でいる事はこんなにも嬉しいと思える事だったんだな……)
「それは良かった」
元仲間であり第一隊のエース。
フリードに片思いをしているというだけで面倒な相手ではあるが。護衛の件は真面目に考えようと思えたのだった。
その翌日の夕方、フリードは久しぶりに皇城の敷地から出て、一般市民に紛れ込むように町へと繰り出した。
向かう先は薬屋だ。
薬屋の扉には「閉店」の看板が出ているが、構わず中に入り、二階へと上がっていく。既に上からは騒がしい声が聞こえている。
賑やかな場は少し苦手だ。だが、ボスの命令である為仕方なくやってきたのだ。
螺旋階段を上がりきると、二十名近い人数が集まっていた。
見知った顔が殆どで、ボス、リュート、裏警察の者達、一度しか会っていないアンナとナターニエルだ。
見た事のない人物は三人だけだ。恐らくサマエルのメンバーと──。
フリードの到着に気付いたボスが「おう!」と手を挙げた。
「遅い到着だな、離宮の愛人様はお気楽な事だ」
「はぁ、遅れてすみません」
いつもの嫌味は聞き慣れた、スルーに限る。ボスの近くにいた、見た事のない少年がフリードの顔を見ると明るい笑顔になった。
「フリードさん! お久しぶりです!」
「もしかしてルディか?」
「はい!」
以前も綺麗な外見をしていたが、また違った美しさに変わっている。
美の方向性が変わったと言った方が早いか。以前まで残っていた幼さはなく、目にキレがある。
普通に会っただけではルディネスと気付けない程の変貌を遂げていた。
声質を変化する技術を身に付けたのか、声だけではルディネスと判断出来なかったが、ボスの近くにいてくれたお陰ですぐに誰か気付けた。
「元気だったか?」
「はい。フリードさんのお陰ですよ。両親を救って下さってありがとうございました」
「いや、俺は何も。任務を受けてなかったら何もしていなかったし、礼ならボスに……」
「ボスには何度もお礼しました。実際動いて、助けてくださったのはフリードさんや、裏警察の方々……と、リュートさんですから」
ルディネスが「裏警察の方々」まで言った時に、背後からリュートが思いっきりルディネスを睨んでいた。その圧にすぐに気付いたようだ。
リュートはうんうんと頷き満足したらしい。
フリードが到着する前に何か話したのだろう。ルディネスは困惑した様子で苦笑いしていた。
「リュートに何か言われたか?」
フリードはリュートと知り合ってから間もなく、排除されそうになった事がある。
そういう点においては、まだ信用出来ない。
変な事を言われたら文句を言おうと思い、ルディネスに聞いてみる。
「えっ? いえ、ただ、今回の事件は俺っちもフリードに命令されて調査したんだから、俺っちにも感謝するッスと言われたくらいで」
「もし意地悪な事言われたら俺に言えよ」
「あはは、もうフリードさんに守られてばっかの俺じゃないですよ」
ルディネスもキュプレ家で、裏組織で渡っていく為の訓練を受けているらしい。そのせいか以前会った時よりも男らしくなっていた。
その姿が見れただけでここに来た甲斐があったというものだ。
しばらくしてボスがパンパンと手を叩いた。
ルディネスとフリードをボスの隣に立たせ、他のメンバーに三人を囲むように立たせた。
「まだ一人来てねぇが始める。新しく裏警察に入ったルディネスだ。裏警察はサマエルの直属の組織だからな、サマエルのメンバーもルディネスを歓迎するように!
ほら、ルディ挨拶しろ」
ボスに背中を押されたルディネスが、少し顔を赤くしながら挨拶をした。
「は、初めまして。ルディネスです。若輩者ですが、一生懸命頑張ります! よろしくお願い致します!」
話す内に力が入っていき、段々と声が大きくなったが、やる気は伝わったようだ。全員が歓迎する気持ちで拍手をしていた。
「さて、次はサマエルに入ったフリードだ。皇帝陛下の愛人様だが、サマエルでは身分なんぞ関係ない、それはフリードも分かっているから、仲間として受け入れてくれ。
フリードも挨拶しろ」
「俺の事はフリードと呼んでくれ。陛下の愛人などと言われぬよう、仕事を全うしたいと思う。よろしく頼む」
ボスについでと言われたが、サマエルや裏警察のメンバーは全員、ルディネスの時と同様大きな拍手で迎えてくれた。
挨拶もそこそこに歓迎会が始まると思った時だった。薬屋のドアが開く音がした。
その音が聞こえている者は僅かのようで、フリードはリュートと顔を見合せた。
螺旋階段を登る音の後に、その人物が顔を出した。
最初に彼に声を掛けたのはボスだ。結構な大声で叱るようにだ。
「おっまえなぁ! おっせぇんだよ! 何様のつもりだよ? ったく最近の新人は、誰よりも早く来るって事を知らねぇんだ」
「いや、ボスが新人達に遅い時間で知らせてるからじゃないっスか。理不尽にも程があるっス」
リュートがボソリと呟くと、「お前は黙ってろ!」と怒号が飛んだ。
「えっと、すみません、遅くなりました」
彼は恐縮した様子でボスに謝罪をする。そして、ようやくボスが彼を自分の隣に立たせた。
フリードがルディネスを見ると、彼は目を見開き、口を少し開けた状態で硬直していた。
「こいつがもう一人裏警察に入る新人、イグナートだ! 最近父親の爵位をもらってアーロス公爵なんで呼ばれているがな」
そう、やってきたのはイグナートだ。平民と同じような姿で現れても、赤い髪は目立ち、立ち居振る舞いも、平民とは違う堂々としたものだ。
この中でボスの次に存在感がある。
アーロス公爵の名は、前ルブロスティン公爵が複数持っていた爵位の内の一つだ。
次男であるイグナートは二つ目の爵位を受け継いだらしい。
「この中じゃフリードと同じ皇族にあたるが、サマエルではそんなもん関係ねぇ。同じ仲間として扱うように。イグ、挨拶しろ!」
「はいっ! 皇族である事は忘れてイグナートと呼んでください。
俺には目的があってここに加入させてもらいましたが、仕事はきっちりこなしたいと思います。よろしくお願い致します!」
堂々とした態度で挨拶をするが、全員がポカンとしており、拍手をするのを忘れている様子だ。
リュートが率先して拍手をすると、全員ハッとして大きな拍手をした。
ルディネスはその拍手喝采の中でも呆然とイグナートを見つめていた。
だからこそ余計に今決断を下す事は出来ない。
「申し訳ない。アグリル卿、今は決めかねる。決定次第連絡する。
もし拒否しても恨むなよ」
「はい! 考えてくださるだけで嬉しいです!」
アグリルは良い笑顔で頷いた。
そして少し談笑した後、アグリルを門まで見送った。既に馬車が待機している。
「馬車を用意した。乗って帰るといい」
「フリード様、俺なんかにそこまでしていただけるなんて、嬉しすぎて今日は眠れなくなりそうです」
大袈裟なリアクションに、フリードは思わず笑みを漏らす。
「それは言い過ぎだろ? 本当、昔からおかしな人だ」
すると、アグリルは心底嬉しそうに微笑んだ。
「初めてですね」
「何がだ?」
「俺に笑顔を向けてくれたのですよ」
「変な事聞いてもいいか?」
「はい、なんでしょう?」
フリードは躊躇いながらも少し言いにくそうに問う。
「俺、変な笑顔じゃない?」
「全然変じゃないですよ。
以前隊長に向けてた媚びを売るみたいじゃない、ふつーの笑顔だと思いますけど」
救われた気がした。フリードにとって笑顔は練習して身につけるものだった。任務で必要だから、無意味に笑顔は作らない。
そのせいか、美しいが作り物のようだと言われ、困惑していた。
どうしたら自然な笑顔が身に付けられるのかと、毎日鏡を見て笑顔を作っては「これではなさそうだ」と、どんな笑顔なら良いのか分からなくなってきていた。
ウェルディスのお陰だ。毎日愛を与えてくれて、幸せを実感させてくれる。笑顔になるきっかけを毎日与えてくれた。
今日アグリルに教えてもらわなければ、笑顔が何かを理解出来なかった。
ウェルディスだけでなく、離宮で働く使用人や、ルディネス、イグナートに向けていた、今浮かべているこの顔こそが、自分の本当の笑顔だったのだ。
(笑顔でいる事はこんなにも嬉しいと思える事だったんだな……)
「それは良かった」
元仲間であり第一隊のエース。
フリードに片思いをしているというだけで面倒な相手ではあるが。護衛の件は真面目に考えようと思えたのだった。
その翌日の夕方、フリードは久しぶりに皇城の敷地から出て、一般市民に紛れ込むように町へと繰り出した。
向かう先は薬屋だ。
薬屋の扉には「閉店」の看板が出ているが、構わず中に入り、二階へと上がっていく。既に上からは騒がしい声が聞こえている。
賑やかな場は少し苦手だ。だが、ボスの命令である為仕方なくやってきたのだ。
螺旋階段を上がりきると、二十名近い人数が集まっていた。
見知った顔が殆どで、ボス、リュート、裏警察の者達、一度しか会っていないアンナとナターニエルだ。
見た事のない人物は三人だけだ。恐らくサマエルのメンバーと──。
フリードの到着に気付いたボスが「おう!」と手を挙げた。
「遅い到着だな、離宮の愛人様はお気楽な事だ」
「はぁ、遅れてすみません」
いつもの嫌味は聞き慣れた、スルーに限る。ボスの近くにいた、見た事のない少年がフリードの顔を見ると明るい笑顔になった。
「フリードさん! お久しぶりです!」
「もしかしてルディか?」
「はい!」
以前も綺麗な外見をしていたが、また違った美しさに変わっている。
美の方向性が変わったと言った方が早いか。以前まで残っていた幼さはなく、目にキレがある。
普通に会っただけではルディネスと気付けない程の変貌を遂げていた。
声質を変化する技術を身に付けたのか、声だけではルディネスと判断出来なかったが、ボスの近くにいてくれたお陰ですぐに誰か気付けた。
「元気だったか?」
「はい。フリードさんのお陰ですよ。両親を救って下さってありがとうございました」
「いや、俺は何も。任務を受けてなかったら何もしていなかったし、礼ならボスに……」
「ボスには何度もお礼しました。実際動いて、助けてくださったのはフリードさんや、裏警察の方々……と、リュートさんですから」
ルディネスが「裏警察の方々」まで言った時に、背後からリュートが思いっきりルディネスを睨んでいた。その圧にすぐに気付いたようだ。
リュートはうんうんと頷き満足したらしい。
フリードが到着する前に何か話したのだろう。ルディネスは困惑した様子で苦笑いしていた。
「リュートに何か言われたか?」
フリードはリュートと知り合ってから間もなく、排除されそうになった事がある。
そういう点においては、まだ信用出来ない。
変な事を言われたら文句を言おうと思い、ルディネスに聞いてみる。
「えっ? いえ、ただ、今回の事件は俺っちもフリードに命令されて調査したんだから、俺っちにも感謝するッスと言われたくらいで」
「もし意地悪な事言われたら俺に言えよ」
「あはは、もうフリードさんに守られてばっかの俺じゃないですよ」
ルディネスもキュプレ家で、裏組織で渡っていく為の訓練を受けているらしい。そのせいか以前会った時よりも男らしくなっていた。
その姿が見れただけでここに来た甲斐があったというものだ。
しばらくしてボスがパンパンと手を叩いた。
ルディネスとフリードをボスの隣に立たせ、他のメンバーに三人を囲むように立たせた。
「まだ一人来てねぇが始める。新しく裏警察に入ったルディネスだ。裏警察はサマエルの直属の組織だからな、サマエルのメンバーもルディネスを歓迎するように!
ほら、ルディ挨拶しろ」
ボスに背中を押されたルディネスが、少し顔を赤くしながら挨拶をした。
「は、初めまして。ルディネスです。若輩者ですが、一生懸命頑張ります! よろしくお願い致します!」
話す内に力が入っていき、段々と声が大きくなったが、やる気は伝わったようだ。全員が歓迎する気持ちで拍手をしていた。
「さて、次はサマエルに入ったフリードだ。皇帝陛下の愛人様だが、サマエルでは身分なんぞ関係ない、それはフリードも分かっているから、仲間として受け入れてくれ。
フリードも挨拶しろ」
「俺の事はフリードと呼んでくれ。陛下の愛人などと言われぬよう、仕事を全うしたいと思う。よろしく頼む」
ボスについでと言われたが、サマエルや裏警察のメンバーは全員、ルディネスの時と同様大きな拍手で迎えてくれた。
挨拶もそこそこに歓迎会が始まると思った時だった。薬屋のドアが開く音がした。
その音が聞こえている者は僅かのようで、フリードはリュートと顔を見合せた。
螺旋階段を登る音の後に、その人物が顔を出した。
最初に彼に声を掛けたのはボスだ。結構な大声で叱るようにだ。
「おっまえなぁ! おっせぇんだよ! 何様のつもりだよ? ったく最近の新人は、誰よりも早く来るって事を知らねぇんだ」
「いや、ボスが新人達に遅い時間で知らせてるからじゃないっスか。理不尽にも程があるっス」
リュートがボソリと呟くと、「お前は黙ってろ!」と怒号が飛んだ。
「えっと、すみません、遅くなりました」
彼は恐縮した様子でボスに謝罪をする。そして、ようやくボスが彼を自分の隣に立たせた。
フリードがルディネスを見ると、彼は目を見開き、口を少し開けた状態で硬直していた。
「こいつがもう一人裏警察に入る新人、イグナートだ! 最近父親の爵位をもらってアーロス公爵なんで呼ばれているがな」
そう、やってきたのはイグナートだ。平民と同じような姿で現れても、赤い髪は目立ち、立ち居振る舞いも、平民とは違う堂々としたものだ。
この中でボスの次に存在感がある。
アーロス公爵の名は、前ルブロスティン公爵が複数持っていた爵位の内の一つだ。
次男であるイグナートは二つ目の爵位を受け継いだらしい。
「この中じゃフリードと同じ皇族にあたるが、サマエルではそんなもん関係ねぇ。同じ仲間として扱うように。イグ、挨拶しろ!」
「はいっ! 皇族である事は忘れてイグナートと呼んでください。
俺には目的があってここに加入させてもらいましたが、仕事はきっちりこなしたいと思います。よろしくお願い致します!」
堂々とした態度で挨拶をするが、全員がポカンとしており、拍手をするのを忘れている様子だ。
リュートが率先して拍手をすると、全員ハッとして大きな拍手をした。
ルディネスはその拍手喝采の中でも呆然とイグナートを見つめていた。
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