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あと少しで ④

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 そこから、先の行動は早かった。

 アダマゼインに伝言を託し入口を警備してたピーターと共に、エンジュとユーディアの所へ行ってもらう。

 そして、今まで集めてきたジャスキル石をまとめて、巨大な受け皿とした。

 名付け後の加護のついた石は、別に取っておく。
 これは、最後に残った濃度の高い負のエネルギーを中和させるためだ。

 何故、魔物から採った石なのに聖なる加護がと思ってたが、きっと創造神からのこういう時のためのアイテムだったのだろう。
 要求される難易度が高い。
 創造神は、少し人間に期待し過ぎのようだ。

 最後に、魔法陣を念入りに構築し、万が一失敗しても時間稼ぎが出来るように、もともとあった結界に重ねていく。

「うん。こんなものかな」

 グランは小さく呟くと、それに気づいたフォンシルが側に来る。

「上も、この感じたとそろそろ終わりのようだ」

 やはり、感じ取っていたらしい。
 負のエネルギーが小さくなっている。

「行きましょう!」

 かけながら上の階にあがると、あと少しで倒せそうな手のひらサイズの黒いモヤが見えた。
 アルフたちが、小さくしたらしい。

「グラン、最後を頼む」
「はい。引き継ぎます」

 お礼を言いながら手のひらを上にあげる。
 そして、森の入口で採った鳥の魔石を浮かび上がらせた。
 この魔物の石が、一番、馴染みがあり力の調節がしやすい。

「吸収」

 魔石を壊さないようにコントロールして、モヤを吸い込む。
 すると壊すことなく、小さい塊がポトンと落ちた。

 大切にそれを拾うと、グランはみんなの顔を急いで見て嬉しそうに笑った。

「これは、皆さん、すごいですよ!今までで最高のジャスキル石です」

 緊張感のないその笑顔に、あきれつつ笑い返した。

 ここでの用事が終わったので、すぐに封印の間に戻ると、そこにはユーディアとエンジュがいた。
 グランは驚いて少し大声をだしてしまう

「えっ石だけじゃなく、二人とも来たの?危険なのに、もう」

 不満そうな顔でアダマゼインとピーターを見るが、知らないよ、という顔をしている。

「どうしても2人が来るって言うから」

「そうだよ。何か私達にも出来ることがあるかもしれないって。……だから!」
「うん。グランのためなら頑張るよ」
 そう言って駆け寄ったユーディアとエンジュに挟まれて抱きしめられる。
 柔らかいから痛くはないが、何かサンドイッチの具になった気がする。

「二人とも、ありがとうございます。その石を後で使うから、それまで結界の中にいて下さい!」

 上の階で作った頑丈なクリアボックスに結界をかけて2人を中にいれる。
 これで中の状況は把握しつつ、本人たちの安全は守られるだろう。

「まず表面のところを、どんどん削ってきます!」

 勢いよく、大きなジャスキル石の塊を掲げた。





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