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空気の読みすぎ Ⅲ
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「ゴホッ!!……ペッペッ!……なんか、少し飲んじゃったけど、大丈夫だろうかっ!」
ガーゼルが口からスライムを吐き出しながら、激しく肩を上下させている。
「口を、ゆすいだ方が良い」
フォンシルが優しくも、指先からチョロチョロと水魔法を出して顔に向かって流している。
まだ、さきほどのガーゼルの発言を許していないグランはその姿を黙って見ているだけだ。
グランの持つ清廉潔白で前向きな加護は、この怒りには作動しなかったようである。
「……ところで、ガーゼルはアルフのいるところへは行った事あるんですか?」
だが、必要な情報だけは手に入れておかないと。
「もちろんですよ。ほら、ご飯を持っていくこともありますし。さすがに最下層の方の魔物は固くて肉が美味しくないですから」
このダンジョンの魔物を食べてるのか。
森と比べ、何となくまずそうで抵抗があるが。
「最下層って何階くらいですか?」
「100階です。すごいですよね。まあ、創造神からしたら、大した事ないかもしれませんけど」
「もしかして、魔物は下につれて強くなるパターンとか?」
「まぁ、そうですね」
終わった。
まだ一階で、この大惨事なのに。
さきほど水魔法を出したついでだと言いながら、物陰でセルフシャワーを浴び、服を浄化魔法で綺麗にしたフォンシルが戻ってきていた。
入れ違いに、汚れたガーゼルが物陰に行く。
「……そうか。じゃあ、少なくとも10日間はかかりそうだな」
フォンシルが、顎に指先をあて眉をひそめながら考え込む。
「では、食料などを買って戻ってきますか?」
「いや、グラン。アダマゼインは先に行っているのだろう?保存食と魔物食で何とかしよう」
うーん。
嫌だけど仕方ない。
あきらめて、出発するしかないか。
そう2人でいろんな可能性を考えつつ、ついに諦めて立ち上がると、自分の体と服を浄化させて戻ってきていたガーゼルにも意見を求めた。
やはり、有識者にも相談しなければ。
「過酷かもしれないけど、このまま進むで良いですか?それしか方法がないみたいで」
すると、ガーゼルは手のひらを上に向け魔法鍵を浮かび上がらせる。
「アルフが作った近道がありますけど、使いますか?」
「………え?」
近道があるのか。
なのに、何でもっと早く言わないのか。
「使います。早く教えて下さい。そういうのを待ってた!」
「会議中のようでしたので……」
「ケンカ?ケンカしたいの?やる?」
ついつい、グランは敬語も忘れて腕を掴む。
積もりに積もった怒りが、爆発しそうだ。
「うぅ、そんな、怒らなくても。ジャスキル石をたくさん集めていたようだったので、あえてかと……」
……ジャスキル石?
ゆっくりと、ガーゼルから手を離す。
それは、少し、いや、かなり魅力的だ。
「このダンジョンに名付けられてない石を持った魔物は、どれくらいいますか?」
「まぁ、上層部はアルフがたいてい手に入れてたようですが、最下層の方のは期待が持てるかと」
……そうか。
「じゃあ近道で一気に90層くらい下り、あとは戦闘をしながら下がりましょう。いかがですか?フォンシル様」
フォンシルは、グランの提案に急いだほうが良いのではないかと思いつつも、少し考えてからうなずく。
「……アダマゼインの話を聞いた限り、その石に何か秘密がある気もする。集めておいた方が良いかもしれないな」
その返事に、グランの目がキラキラと輝く。
「ありがとうございます。きっと、1日いただければ全て集められるかと」
よし。
一瞬だけ両親の事も、この世界の事も、すべてを忘れるくらい興奮してしまった。
ガーゼルが口からスライムを吐き出しながら、激しく肩を上下させている。
「口を、ゆすいだ方が良い」
フォンシルが優しくも、指先からチョロチョロと水魔法を出して顔に向かって流している。
まだ、さきほどのガーゼルの発言を許していないグランはその姿を黙って見ているだけだ。
グランの持つ清廉潔白で前向きな加護は、この怒りには作動しなかったようである。
「……ところで、ガーゼルはアルフのいるところへは行った事あるんですか?」
だが、必要な情報だけは手に入れておかないと。
「もちろんですよ。ほら、ご飯を持っていくこともありますし。さすがに最下層の方の魔物は固くて肉が美味しくないですから」
このダンジョンの魔物を食べてるのか。
森と比べ、何となくまずそうで抵抗があるが。
「最下層って何階くらいですか?」
「100階です。すごいですよね。まあ、創造神からしたら、大した事ないかもしれませんけど」
「もしかして、魔物は下につれて強くなるパターンとか?」
「まぁ、そうですね」
終わった。
まだ一階で、この大惨事なのに。
さきほど水魔法を出したついでだと言いながら、物陰でセルフシャワーを浴び、服を浄化魔法で綺麗にしたフォンシルが戻ってきていた。
入れ違いに、汚れたガーゼルが物陰に行く。
「……そうか。じゃあ、少なくとも10日間はかかりそうだな」
フォンシルが、顎に指先をあて眉をひそめながら考え込む。
「では、食料などを買って戻ってきますか?」
「いや、グラン。アダマゼインは先に行っているのだろう?保存食と魔物食で何とかしよう」
うーん。
嫌だけど仕方ない。
あきらめて、出発するしかないか。
そう2人でいろんな可能性を考えつつ、ついに諦めて立ち上がると、自分の体と服を浄化させて戻ってきていたガーゼルにも意見を求めた。
やはり、有識者にも相談しなければ。
「過酷かもしれないけど、このまま進むで良いですか?それしか方法がないみたいで」
すると、ガーゼルは手のひらを上に向け魔法鍵を浮かび上がらせる。
「アルフが作った近道がありますけど、使いますか?」
「………え?」
近道があるのか。
なのに、何でもっと早く言わないのか。
「使います。早く教えて下さい。そういうのを待ってた!」
「会議中のようでしたので……」
「ケンカ?ケンカしたいの?やる?」
ついつい、グランは敬語も忘れて腕を掴む。
積もりに積もった怒りが、爆発しそうだ。
「うぅ、そんな、怒らなくても。ジャスキル石をたくさん集めていたようだったので、あえてかと……」
……ジャスキル石?
ゆっくりと、ガーゼルから手を離す。
それは、少し、いや、かなり魅力的だ。
「このダンジョンに名付けられてない石を持った魔物は、どれくらいいますか?」
「まぁ、上層部はアルフがたいてい手に入れてたようですが、最下層の方のは期待が持てるかと」
……そうか。
「じゃあ近道で一気に90層くらい下り、あとは戦闘をしながら下がりましょう。いかがですか?フォンシル様」
フォンシルは、グランの提案に急いだほうが良いのではないかと思いつつも、少し考えてからうなずく。
「……アダマゼインの話を聞いた限り、その石に何か秘密がある気もする。集めておいた方が良いかもしれないな」
その返事に、グランの目がキラキラと輝く。
「ありがとうございます。きっと、1日いただければ全て集められるかと」
よし。
一瞬だけ両親の事も、この世界の事も、すべてを忘れるくらい興奮してしまった。
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