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第32話
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秩父ミューズパークでのライブまで
残り3日
ルピナス
カランカラン
入り口のドアが開き、上質なスーツを着こなした男性が入ってきた。
隆太「いらっしゃいませ」
隆太「1名様で宜しいでしょうか?」
⁇「はい。」
隆太「それでは、お好きな席へどうぞ。」
隆太「ご注文お決まりになりましたらお呼びください」
男性は頷きながら奥の席に座った
⁇「コーヒーを一つ。それと、マスターオリジナルパフェを。」
隆太「えっ、マスターオリジナルパフェですか?」
⁇「今日マスターいるだろ?マスターに言えば分かるよ」
隆太「は、はぁ‥」
僕はとりあえずマスターに伝えた。
マスター「!!‥分かった。とりあえずコーヒーを出しておいてくれ。」
隆太「は、はい」
マスターはしばらく黙ってパフェを作り始めた。
出来上がっていくうちに見覚えのあるパフェになっていく。
まさか、このパフェって‥!
マスター「よう、またせたな。」
⁇「久しぶり。」
マスター「‥連絡も無しにいきなりくるのは変わらないな」
マスター「お帰り。勇(いさむ)」
勇「ただ今、父さん」
勇「相変わらず、このパフェはうまい。」
マスター「お前のために考えたパフェだからな。」
やっぱり、勇兄さんだ。僕が子どもの頃
泣いていた時によく勇さんに食べさせてもらっていたパフェだ。
全然、顔とか変わってて思い出せなかった
勇「君があの隆太君か。お互い大人になって変わってしまったな。」
隆太「は、はい。パフェをいただいていた記憶はあります。」
勇「‥そんな事もあったな。懐かしい」
マスター「ところで、何か用があって来たのか。正月でもないのに帰ってくるなんて。」
勇「あぁ、そうだった!今日は仕事の話できたんだった。パフェ食べたら気が抜けてしまった。」
勇さんは一旦仕切り直すために、コーヒーを一口、口に入れた
勇「それでは、いきなり本題に入らせてもらおうかな。父さん、あの曲使わせてるVtuberいるだろ?」
マスター「あぁ、『坂戸メイメイ』か。」
勇「うん、その子。うちの会社の専属にしたいんだ。『ALiSA』の次はこの子かなって思ってね」
ALiSAってあの有名な歌手じゃないか‥
音楽事務所って聞いてたけど、まさかあの『オリオン』だったとは‥
マスター「ふぅむ‥確かにあの子の唄は素晴らしいが‥」
隆太「あ、あの!」
勇「ん?なんだい?」
隆太「い、一応『坂戸メイメイ』のマネージャーをしている吉川隆太です!」
勇「マネージャー?‥これは失礼。まずは隆太君、いや、吉川さんに挨拶するべきだったね」
隆太「い、いえ‥ただ、今は大事な時期なのでそういった話はツアーが終わってからにして欲しいと思いまして」
勇「確かにそうだね。まだ本人には伝えないでおいてくれ。今度の秩父のライブ、楽しみにしているよ。」
隆太「は、はい!頑張ります!」
勇「君も優秀だったら、我が社への入社も考えておく。」
隆太「あ、ありがとうございます!」
勇「それじゃあ、またね。父さん」
マスター「おう!次は孫の顔を見させてくれ」
勇「ふっ、まだ結婚すらしてないよ。じゃあ、身体に気をつけて」
マスター「お前もな」
勇さんは颯爽と帰っていった
マスター「芽衣があいつの眼にとまったのか‥やはり芽衣は本物だな。」
隆太「勇さん‥凄い人だったんですね」
マスター「人を観る眼だけはな。音楽の才能は皆無。だが、音楽は愛してる」
隆太「なんだかかっこいいな」
マスター「芽衣の件‥前向きに考えた方がいいかもな。」
隆太「そうですね‥」
とにもかくにも3日後のライブを成功させなきゃ!
芽衣さん、そして他のみんなも頑張れ!
続く
残り3日
ルピナス
カランカラン
入り口のドアが開き、上質なスーツを着こなした男性が入ってきた。
隆太「いらっしゃいませ」
隆太「1名様で宜しいでしょうか?」
⁇「はい。」
隆太「それでは、お好きな席へどうぞ。」
隆太「ご注文お決まりになりましたらお呼びください」
男性は頷きながら奥の席に座った
⁇「コーヒーを一つ。それと、マスターオリジナルパフェを。」
隆太「えっ、マスターオリジナルパフェですか?」
⁇「今日マスターいるだろ?マスターに言えば分かるよ」
隆太「は、はぁ‥」
僕はとりあえずマスターに伝えた。
マスター「!!‥分かった。とりあえずコーヒーを出しておいてくれ。」
隆太「は、はい」
マスターはしばらく黙ってパフェを作り始めた。
出来上がっていくうちに見覚えのあるパフェになっていく。
まさか、このパフェって‥!
マスター「よう、またせたな。」
⁇「久しぶり。」
マスター「‥連絡も無しにいきなりくるのは変わらないな」
マスター「お帰り。勇(いさむ)」
勇「ただ今、父さん」
勇「相変わらず、このパフェはうまい。」
マスター「お前のために考えたパフェだからな。」
やっぱり、勇兄さんだ。僕が子どもの頃
泣いていた時によく勇さんに食べさせてもらっていたパフェだ。
全然、顔とか変わってて思い出せなかった
勇「君があの隆太君か。お互い大人になって変わってしまったな。」
隆太「は、はい。パフェをいただいていた記憶はあります。」
勇「‥そんな事もあったな。懐かしい」
マスター「ところで、何か用があって来たのか。正月でもないのに帰ってくるなんて。」
勇「あぁ、そうだった!今日は仕事の話できたんだった。パフェ食べたら気が抜けてしまった。」
勇さんは一旦仕切り直すために、コーヒーを一口、口に入れた
勇「それでは、いきなり本題に入らせてもらおうかな。父さん、あの曲使わせてるVtuberいるだろ?」
マスター「あぁ、『坂戸メイメイ』か。」
勇「うん、その子。うちの会社の専属にしたいんだ。『ALiSA』の次はこの子かなって思ってね」
ALiSAってあの有名な歌手じゃないか‥
音楽事務所って聞いてたけど、まさかあの『オリオン』だったとは‥
マスター「ふぅむ‥確かにあの子の唄は素晴らしいが‥」
隆太「あ、あの!」
勇「ん?なんだい?」
隆太「い、一応『坂戸メイメイ』のマネージャーをしている吉川隆太です!」
勇「マネージャー?‥これは失礼。まずは隆太君、いや、吉川さんに挨拶するべきだったね」
隆太「い、いえ‥ただ、今は大事な時期なのでそういった話はツアーが終わってからにして欲しいと思いまして」
勇「確かにそうだね。まだ本人には伝えないでおいてくれ。今度の秩父のライブ、楽しみにしているよ。」
隆太「は、はい!頑張ります!」
勇「君も優秀だったら、我が社への入社も考えておく。」
隆太「あ、ありがとうございます!」
勇「それじゃあ、またね。父さん」
マスター「おう!次は孫の顔を見させてくれ」
勇「ふっ、まだ結婚すらしてないよ。じゃあ、身体に気をつけて」
マスター「お前もな」
勇さんは颯爽と帰っていった
マスター「芽衣があいつの眼にとまったのか‥やはり芽衣は本物だな。」
隆太「勇さん‥凄い人だったんですね」
マスター「人を観る眼だけはな。音楽の才能は皆無。だが、音楽は愛してる」
隆太「なんだかかっこいいな」
マスター「芽衣の件‥前向きに考えた方がいいかもな。」
隆太「そうですね‥」
とにもかくにも3日後のライブを成功させなきゃ!
芽衣さん、そして他のみんなも頑張れ!
続く
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