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最終話

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光が世界を包み、この世界から争いが消えた

残された人々は種族に関わらず、これからは交流を持ち、共に繁栄する事を誓いあった

モビル「董卓様、カオル様‥何処にいらっしゃるのか‥」

リア達は必死に董卓とカオルを探したが見つかる事はなかった。

2人の功績を忘れない様にと、族長達は童話として残す事にした。

この世界を混沌から救い、平和に導いた者として。




?「‥ん、ここは?」
?「か、かおる!目を覚ましたんだね!」
?「あぁ、よかった‥」
かおる「と、父さん、母さん⁉︎それじゃあ、ここは‥?」

父「病院だよ、電車にはねられる寸前、男の人が助けてくれたんだ」
母「だけど、あなたはそのまま意識がなくなってたのよ‥」

かおる「そ、そうだったんだ‥、心配かけてごめん」
父「いいんだ、父さん、お医者様を呼んでくる」
父は病室を出て行った

母さんが神妙な面持ちで話しかけてきた

母「かおる‥ごめんね、あなたが男の人しか愛せないって母さん達に伝えてくれた時、何も言う事が出来なくて‥。」

かおる「いいよ、仕方ない‥」

母「でもね、かおるはかおるだって今更だけど気づいたの。だから、かおるは自由に生きて」
かおる「母さん‥ありがとう‥」

その後、僕は再検査などをして無事退院する事が出来た。

かおる「母さん、父さん、僕少し街を歩いて帰るよ」
父「わかった、気をつけてな」
母「今日は、かおるの好きなカレーにするね」
かおる「ありがとう!」

僕は父さんと母さんと別れて街を歩く事にした。
あの世界は僕の夢だったのだろうか‥
それにしてはリアルすぎだった‥
なんとなく僕はいつもの本屋に立ち寄った

ふと気がつくと三国志コーナーに立っていた

かおる「董卓さん‥」
董卓さんの事を考えると胸がぎゅっとなる‥

だが、不思議な事に三国志コーナーは、いつもの曹操や劉備が前面に出ていない。知らない武将が描かれている

かおる「だ、誰だろう‥」
僕は我慢できずに本を手に取り、会計を済まし、近くの喫茶店で読む事にした。

かおる「これが‥と、董卓⁉︎」
僕の知っている『董卓』ではない。僕の大好きな『董卓さん』そのものが描かれている

かおる「ど、どういう事なんだろう‥あれは夢ではなかったって事⁉︎」
この本には董卓さんの事がこう記されている

董卓

『知と武勇の将。
名君と後世まで語り継がれている人物。
この時代にあって、謀略、略奪などもせず、ひたすらに己の武で天下を統一した。
降伏する者には危害は加えず、共に国を豊かにする事を誓わせた。
天下統一後は身分制度を廃止し、誰もが自由に国を行き来し、商売なども自由にさせた。
民を愛する事を忘れず、領民には自ら話しかけ共に食事する事もしていたようだ。
董卓は物語を創作するのが趣味だったようで、妖精やエルフ、そしてロボットらしき者が登場する話を書き残している。
おとぎ話の原点と言われている。
また、董卓は生涯、妻を持たなかった。その為、子が生まれなかった為、惜しまれつつも一代で天下は終わった。
おとぎ話には最愛の男性との悲恋も描かれている事から、その男性を生涯愛し続けていたのかもしれない』

かおる「董卓さん‥元の世界に戻ったんだね‥良かった‥」
涙で景色が歪んでいく‥

?「大丈夫ですか?」
スッとハンカチを渡してくれた

かおる「あっ、すいません、ありがとうございます‥」

?「いきなり話しかけてすいません。あなたが無事だったのを見て、嬉しくなってしまいました!」
?「あなたも董卓さんが好きなんですか?」
かおる「は、はい!」
僕はその男性の顔をみてハッとした

かおる「あ、あなたが僕を助けてくれたんですね‥」
僕は胸のざわめきを抑えるのに必死だった

卓「私は卓と書いてすぐるっていいます。もし良かったら、連絡先交換しませんか?」
かおる「‥」

卓「あっ、ご、ごめんなさい!いきなりで失礼でしたよね!」
かおる「い、いえ、違います!あまりにも知り合いに似ていたので‥」

卓「そ、そうでしたか。あなたと会うのは2回目ですが、ずっと前から知っていてた気がします。三国志で董卓さんが好きっていうのもあるのかもしれませんが‥」

かおる「あの、これ、連絡先です。」
卓「嬉しい、ありがとうございます!」

卓「そうだ!今度董卓さんを主人公にした映画が始まるんです、一緒に見に行きませんか?」
かおる「えっ、そうなんですか⁉︎どんな内容なんですか?」
卓「董卓さんが書いたおとぎ話を題材にしているみたいです」
かおる「ぜひ、行きたいです!行きましょう!」
かおる「あっ!ご、ごめんなさい、うるさかったですね」
卓「いえいえ、そういえばお名前聞いてませんでしたね。お名前は?」
かおる「かおるです。」

卓「かおる‥!」
卓「あの、おとぎ話の男性は薫っていうんです。クンと読むらしいですが日本語ではカオルって読みますよね!すごい、運命みたいだ!」
かおる「ははは‥、ほんとだ」

僕はまた泣いてしまった
董卓さん‥あなたは僕にとって、最高で最愛の人でした‥


2週間後‥

とある映画館

董「薫殿!永遠にそなたのそばにいるぞ!もう、離さん!ガッハッハ!」
薫「私もあなたのそばにいます」
董「ガッハッハ、愛しておる、薫殿!」

僕達は手を握り、そっと唇をかさねた

心に光が灯るのを感じる‥

僕達はもう2度と離れる事はないだろう

たとえ、肉体が朽ちようとも、この世界が滅んだとしても‥

僕達はまた2人で生きていくんだ。


最終話 完
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