442 / 509
第九章
第四百四十一話 vs時の神々 前編
しおりを挟む
神々の世界において<時>の派閥を率いる時の篝火。
偉大なる時の男神なんて呼ばれると、いかにも時間を自在に操る強大無比な神様のように思える。同じように<時>の神々などと呼べば、それは人間には操ることのできない時間に関係する神々の集まりだと勘違いする。
そう勘違いされる<時>の神々の実体は、時に忘れ去られた神々の寄せ集まりだった。
別の言い方をすれば、信仰心エネルギーを集められなくなった神々。
神々が思うに、時間は人間に平等で、神々には不平等だ。
たとえば精霊や幽霊。生まれた時から一人一人にサポートAIが用意されるまで科学が進んだ世界で、誰がそれらを信じるだろうか。何万年も前は信仰され、神の領域まで至ったそれらは、今では忘れられた神である。
時が進むにつれて信仰を失った神々。中にはほんの数年で忘れられた神さえいる。
実のところ<時>の神々に、神としての力はもうほとんど残っていなかった。信仰心エネルギーが枯渇してしまえば、神は死さえも迎えることになる。
このままいけば忘れられ、自然と消えていく。
そんな<時>の神々が求めたのは、星の世界だった。
「星の世界を奪おう。星の世界は、それぞれが、それぞれの世界を構築して生きてる」
かつてAIフォルティシモが近衛姫桐に出会った際、『マリアステラの世界』について説明された通り、星の世界では様々な神々が自分の領域を区切っている。『マリアステラの世界』では『呼吸をしないと生きられない者』と『呼吸をしたら死ぬ者』が共存できる。
それは可能性の共存だ。存在の重ね合わせを次元の異なる視点から観測できるマリアステラにだけ許された世界。『マリアステラの世界』における猫箱の中は、生きている猫と死んでいる猫が共存する。
無限の可能性の中で、極小と極大は共に存在した。ならば時に忘れられた神々が、信仰された世界も創造できる。
「マリアは次の神戯、名称『ファーアース』に参加する。お前たちはファーアースオンラインで、充分な準備を整えておいて欲しい」
篝火は<時>の神々を『現代リアルワールド』へ召喚し、そこでの生活の仕方を教え、VRダイバーを配り準備を進めさせた。
篝火や近衛天翔王光が全力で彼らを支援すれば、彼らは圧倒的な強さを得ただろうけれど、それをしたらマリアステラがゲームから降りてしまい兼ねない。それだけは避けなければならなかった。
<時>の神々はそれぞれ『現代リアルワールド』に適応しながら、全力でVRMMOファーアースオンラインをプレイした。
彼らは己の存在が掛かっている。自分たちは<星>の神々を滅ぼして、世界を奪う覚悟をしている。
神々の戦争。それがどれほど罪深き所業だとしても、自分たちを助けるために戦うのだ。
なのに。
> ようこそ! ファーアースオンライン・バージョン・フォルティシモへ!
それが表示された時、大騒ぎになったのは異世界ファーアースのNPCだけではなく、<時>の神々も同じだった。
いやむしろ、<時>の神々こそが最も混乱したと言えるだろう。
だってこの世界創造の力は、特別な十二の神にしか使えない力のはずだった。
<時>の神々が自分たちが生きるために狙っている世界、それを創造してしまえる力。
オープンチャットに元凶からの音声が流れる。
『聞こえるか、有象無象。俺はフォルティシモだ。俺のことは分かるだろう? 俺は………お前らのことはほとんど覚えてない。名前なんか忘れたから、トッキーの金魚の糞共としか認識してない』
<時>の神々は多かれ少なかれ、VRMMOファーアースオンラインに関係していて、あの最強厨に思うところがある。何人かは、何度も何度も挑んだし、拠点攻防戦を仕掛けた。
だが最強厨は、忘れたらしい。信仰心エネルギーは、信仰されることで神が得られる力だ。神思うが故に神はある。
だがあの最強厨は、思いもしない。<時>の神々を忘れたと言い切った。時に忘れられ信仰を失った神々に対して、最大の侮辱を言い放った。
本人にその気はないだろう。あくまでも人の顔と名前を覚えるのが苦手な最強厨の癖でしかない。だがその行いを許せるかどうかは、受取手である<時>の神々の気持ち次第だ。
そして何よりも、そんな奴が<時>の神々が願ってやまない力を得てしまった。
『どいつもこいつも、最強のフォルティシモに手も足も出なかった癖に、ここまで来たのか? 無駄な努力ご苦労様だな。追い返してやるから、向かって来い』
ああ、奴こそVRMMOファーアースオンライン、最後にして最強のボスに相応しい。ベータテスト開始当初からずっとプレイヤーたちの邪魔をし続けた魔王。
時に忘れられた<時>の神々は、最強のフォルティシモへ挑む。
◇
キュウの耳はその状況を聞き取った。アクロシア大陸の各地から、主人を狙った神々が浮上して来る。つい先ほど降臨した神々が、こうして昇ってくるのは皮肉としか思えない。
「ご主人様!」
キュウは今の内に主人と合流しようと思った。その判断はキュウが戻って来た主人の傍に居たい、という気持ちが多分に含まれていたけれど、今のキュウの力なら主人の助けになれるという自負もあった。
多くの強敵と対峙する主人に対して、ただ助けられて守られるだけのキュウはもういない。
つうから受け継いだプレイヤーとしての能力、太陽神ケペルラーアトゥムの信仰心エネルギー、マリアステラと合体したことによる虹の瞳と知識、今なら主人を助けられる。
しかしキュウの身体は動かなかった。キュウとマリアステラは二人で一つの身体を操作していて、どちらかに主導権がある訳ではない。
それでも動かなかった理由は、とっくに分かっている。
「マリアステラ様? 邪魔しちゃ駄目だよ。魔王様も私たちに見て聞きいて欲しいはずだからね」
過去も未来も見通す全視たる虹の瞳は、もう現在しか映していない。
「最強の魔王様のお披露目だ。特等席で一緒に見よう」
そしてそれを、キュウも聞きたいと思った。
◇
フォルティシモは今すぐキュウの元へ駆けつけたい気持ちを抑えながら、向かってくるプレイヤーたちを待っていた。
彼らの名前や姿は、VRMMOファーアースオンラインの頃に見覚えがある。たしかにVRMMOファーアースオンラインは神戯の練習場のようなもので、<時>の神々はVRMMOファーアースオンラインのプレイヤーらしい。
フォルティシモは『現代リアルワールド』へ行って神戯やVRMMOファーアースオンラインのことを知り、世界の裏側まで知識として得た。
それは大いに役立ってくれた。感謝してやっても良い。フォルティシモはVRMMOファーアースオンラインで生まれ、最強の神へと至った。
奴らにはその御礼として、最強神の前に破れて貰う。
「恨むなら、この最強のフォルティシモの“前”に立ち塞がったことを恨め」
偉大なる時の男神なんて呼ばれると、いかにも時間を自在に操る強大無比な神様のように思える。同じように<時>の神々などと呼べば、それは人間には操ることのできない時間に関係する神々の集まりだと勘違いする。
そう勘違いされる<時>の神々の実体は、時に忘れ去られた神々の寄せ集まりだった。
別の言い方をすれば、信仰心エネルギーを集められなくなった神々。
神々が思うに、時間は人間に平等で、神々には不平等だ。
たとえば精霊や幽霊。生まれた時から一人一人にサポートAIが用意されるまで科学が進んだ世界で、誰がそれらを信じるだろうか。何万年も前は信仰され、神の領域まで至ったそれらは、今では忘れられた神である。
時が進むにつれて信仰を失った神々。中にはほんの数年で忘れられた神さえいる。
実のところ<時>の神々に、神としての力はもうほとんど残っていなかった。信仰心エネルギーが枯渇してしまえば、神は死さえも迎えることになる。
このままいけば忘れられ、自然と消えていく。
そんな<時>の神々が求めたのは、星の世界だった。
「星の世界を奪おう。星の世界は、それぞれが、それぞれの世界を構築して生きてる」
かつてAIフォルティシモが近衛姫桐に出会った際、『マリアステラの世界』について説明された通り、星の世界では様々な神々が自分の領域を区切っている。『マリアステラの世界』では『呼吸をしないと生きられない者』と『呼吸をしたら死ぬ者』が共存できる。
それは可能性の共存だ。存在の重ね合わせを次元の異なる視点から観測できるマリアステラにだけ許された世界。『マリアステラの世界』における猫箱の中は、生きている猫と死んでいる猫が共存する。
無限の可能性の中で、極小と極大は共に存在した。ならば時に忘れられた神々が、信仰された世界も創造できる。
「マリアは次の神戯、名称『ファーアース』に参加する。お前たちはファーアースオンラインで、充分な準備を整えておいて欲しい」
篝火は<時>の神々を『現代リアルワールド』へ召喚し、そこでの生活の仕方を教え、VRダイバーを配り準備を進めさせた。
篝火や近衛天翔王光が全力で彼らを支援すれば、彼らは圧倒的な強さを得ただろうけれど、それをしたらマリアステラがゲームから降りてしまい兼ねない。それだけは避けなければならなかった。
<時>の神々はそれぞれ『現代リアルワールド』に適応しながら、全力でVRMMOファーアースオンラインをプレイした。
彼らは己の存在が掛かっている。自分たちは<星>の神々を滅ぼして、世界を奪う覚悟をしている。
神々の戦争。それがどれほど罪深き所業だとしても、自分たちを助けるために戦うのだ。
なのに。
> ようこそ! ファーアースオンライン・バージョン・フォルティシモへ!
それが表示された時、大騒ぎになったのは異世界ファーアースのNPCだけではなく、<時>の神々も同じだった。
いやむしろ、<時>の神々こそが最も混乱したと言えるだろう。
だってこの世界創造の力は、特別な十二の神にしか使えない力のはずだった。
<時>の神々が自分たちが生きるために狙っている世界、それを創造してしまえる力。
オープンチャットに元凶からの音声が流れる。
『聞こえるか、有象無象。俺はフォルティシモだ。俺のことは分かるだろう? 俺は………お前らのことはほとんど覚えてない。名前なんか忘れたから、トッキーの金魚の糞共としか認識してない』
<時>の神々は多かれ少なかれ、VRMMOファーアースオンラインに関係していて、あの最強厨に思うところがある。何人かは、何度も何度も挑んだし、拠点攻防戦を仕掛けた。
だが最強厨は、忘れたらしい。信仰心エネルギーは、信仰されることで神が得られる力だ。神思うが故に神はある。
だがあの最強厨は、思いもしない。<時>の神々を忘れたと言い切った。時に忘れられ信仰を失った神々に対して、最大の侮辱を言い放った。
本人にその気はないだろう。あくまでも人の顔と名前を覚えるのが苦手な最強厨の癖でしかない。だがその行いを許せるかどうかは、受取手である<時>の神々の気持ち次第だ。
そして何よりも、そんな奴が<時>の神々が願ってやまない力を得てしまった。
『どいつもこいつも、最強のフォルティシモに手も足も出なかった癖に、ここまで来たのか? 無駄な努力ご苦労様だな。追い返してやるから、向かって来い』
ああ、奴こそVRMMOファーアースオンライン、最後にして最強のボスに相応しい。ベータテスト開始当初からずっとプレイヤーたちの邪魔をし続けた魔王。
時に忘れられた<時>の神々は、最強のフォルティシモへ挑む。
◇
キュウの耳はその状況を聞き取った。アクロシア大陸の各地から、主人を狙った神々が浮上して来る。つい先ほど降臨した神々が、こうして昇ってくるのは皮肉としか思えない。
「ご主人様!」
キュウは今の内に主人と合流しようと思った。その判断はキュウが戻って来た主人の傍に居たい、という気持ちが多分に含まれていたけれど、今のキュウの力なら主人の助けになれるという自負もあった。
多くの強敵と対峙する主人に対して、ただ助けられて守られるだけのキュウはもういない。
つうから受け継いだプレイヤーとしての能力、太陽神ケペルラーアトゥムの信仰心エネルギー、マリアステラと合体したことによる虹の瞳と知識、今なら主人を助けられる。
しかしキュウの身体は動かなかった。キュウとマリアステラは二人で一つの身体を操作していて、どちらかに主導権がある訳ではない。
それでも動かなかった理由は、とっくに分かっている。
「マリアステラ様? 邪魔しちゃ駄目だよ。魔王様も私たちに見て聞きいて欲しいはずだからね」
過去も未来も見通す全視たる虹の瞳は、もう現在しか映していない。
「最強の魔王様のお披露目だ。特等席で一緒に見よう」
そしてそれを、キュウも聞きたいと思った。
◇
フォルティシモは今すぐキュウの元へ駆けつけたい気持ちを抑えながら、向かってくるプレイヤーたちを待っていた。
彼らの名前や姿は、VRMMOファーアースオンラインの頃に見覚えがある。たしかにVRMMOファーアースオンラインは神戯の練習場のようなもので、<時>の神々はVRMMOファーアースオンラインのプレイヤーらしい。
フォルティシモは『現代リアルワールド』へ行って神戯やVRMMOファーアースオンラインのことを知り、世界の裏側まで知識として得た。
それは大いに役立ってくれた。感謝してやっても良い。フォルティシモはVRMMOファーアースオンラインで生まれ、最強の神へと至った。
奴らにはその御礼として、最強神の前に破れて貰う。
「恨むなら、この最強のフォルティシモの“前”に立ち塞がったことを恨め」
1
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる