424 / 509
第九章
第四百二十三話 時の篝火
しおりを挟む
キュウの放った新魔術神域・爆裂。それはキュウの耳で聞き取れる範囲の対象を、自由自在に爆撃するものだった。
それだけならば主人の十八番領域・爆裂と変わらないように見える。だがこの新魔術は根本的に違っていた。主人の魔術は目で見て対象を決定して爆破するのに対して、キュウの耳で聞き取れる対象は文字通り次元が違う。
オウコーが爆撃の効果範囲からチート【座標移動】を使って逃れようとする。キュウは耳で聞こえた範囲なので、移動先を爆破した。
「神域・爆裂」
「ごばっ!?」
オウコーが何らかの抵抗をしようとする。キュウは耳でそれを聞いていたので、起点となるはずだったオウコーの目と右手人差し指を爆破した。
「神域・爆裂」
「ぐおっ!?」
オウコーが反撃でキュウを攻撃する。キュウはオウコーの攻撃の出掛かりを相殺した後、さらにオウコーの腰、膝関節、耳へ次々と爆破を仕掛ける。
「神域・爆裂」
「げふっ!?」
キュウの黄金の耳は、オウコーを捉え続けていた。
もちろんこの攻撃はキュウだけの力ではない。AI主人の力が大いに関係している。
キュウが放っている魔術神域・爆裂は、すべて同じように見えて、一回一回、AI主人が最適なコード設定に書き換えてくれているのだ。
キュウが知覚し、その情報を元にAI主人が最適な魔術を作成し、それをキュウが使う。
キュウの耳がオウコーを捉え続ける限り、逃げることも、反撃することも許さない。魔術による一方的な蹂躙である。
「しかし、所詮はアプデ前の攻撃力じゃ。最新アップデートを適用した今、儂のHPを少し削ることしかできんな―――がほっ!?」
それでもオウコーに致命的なダメージを負わせるには至らなかった。
「神域・爆裂、神域・爆裂、神域・爆裂」
キュウは魔術を使い続ける。
『爺さん、良いことを教えてやる。どれだけアプデしたところで、ハメ技が一つあれば、何でも攻略できるんだよ。最近のアプデは、ヌルすぎるくらいだった』
「グリッチ利用じゃろ!」
『この程度がグリッチ? 何を言ってる? 仕様を限界まで理解し、それを利用した、奥義だ』
神域・爆裂は、因果の流れが逆転している無敵のハメ技だ。
ただし、これが無敵である状況は限定されている。それはキュウが観測する事象内に収まる存在であることで、早い話がキュウの黄金の耳が聞こえない事象が発生した場合は成立しなくなってしまう。
「むむむ、かくなる上は―――」
オウコーがキュウとAI主人の魔術から逃れるため、それを起こそうとした瞬間、キュウにも、AI主人にも、オウコーにも予想外の事態が発生した。
「ははは、ボコボコじゃーん、俺のオウさんをこんなにした奴を、許さないぜ!」
キュウはそんな戦場に似つかわしくない声を聞いて、ハメ技魔術の発動を止めてしまった。
止めなければ殺される、その恐怖はキュウの耳からすれば現実であり、近い未来の観測では、もし魔術を使い続ければキュウは間違いなく殺されただろう。
キュウは天烏に乗ったまま、声のした方向へ勢い良く顔を向ける。戦いの最中にオウコーから目を逸らすなんて愚かだとは思うけれど、この声を無視するのは無理だった。
そしてそれを見て息を呑む。
アクロシア大陸の上空に浮かぶキュウとオウコーを見下ろせる位置。
それはそこに居る。存る。在る。
それは見た目こそアロハシャツを着た男性で、真っ黒なズボンにビーチサンダルというラフな格好をしていた。ここがトーラスブルス海上王国ならその辺りを歩いていそうな出で立ちで、浜辺でダンスを踊っていた者たちのように笑顔を浮かべている。
それは作り物のような整った顔立ちをしていた。背丈は主人と同じくらいで一般的には高すぎない高身長であり、細身だが引き締まった体躯をしている。
キュウには分かってしまった。それが女神マリアステラと同等の、遠く巨大な存在であることが。
「時の男神か。邪魔をするなと言いたいところじゃが、正直助かったわ。余興で無駄な消費をするところじゃった。感謝しよう」
「おお、おおう! オウさんに感謝されたよ。前言撤回、そこの狐、もっとオウさんを追い詰めてくれない?」
オウコーに睨まれてアロハシャツ青年が肩を竦める。
「モフモフよ、それだけの才能を、闘争にだけ向かわせるとは愚かにも程がある。やはり儂の孫の半分は愚者でできているな」
「ご主人様の望みが私の望みです。そして、ご主人様は愚者ではありません」
キュウはオウコーに主人を否定され、思わず反論した。アロハシャツ男性の存在に押し潰されそうになっているのに、自然と言葉が漏れたのにはキュウ自身が驚く。
「うーむ、本気で気に入ったぞ。儂に屈服させた上で孕ませたい」
「絶対に嫌です」
『爺さんが好きな奴は、みんな爺さんを嫌うな。ちなみに俺の本体は、キュウにも母さんにも愛されてる。爺さんなら嫌がる願いも、俺なら喜んで聞いて貰える。羨ましいか?』
「羨ましい! クソAIがぁ! やはり貴様だけは消去してやるわぁ!」
オウコーとAI主人は再び罵倒の応酬を始めた。
キュウはAI主人の言っている内容を考えて、それはキュウが喜んで主人の子を妊娠するという意味だろうか、と思い浮かべて、………思い浮かべて、考えている場合ではないと必死に打ち消した。もちろんまったく嫌ではないし、主人が望んでくれたら、嬉しい。
「それよりオウさーん、もう準備できてるけど、どうする?」
「準備が遅いわ。すぐ行くぞ。だが少し待て」
「どっち!? 俺はどっちでもオウさんの好きな方で良いけどさ」
「こいつをぶち殺して、モフモフを儂のものにしたくて仕方がないが、前者だ! 儂は憎悪や性欲よりも娘への愛で生きる!」
オウコーは後ろ髪を引かれていそうな視線をキュウとAI主人へ送りながら、空の彼方へ上昇していった。
何をするのか分からないけれど、ここでオウコーを行かせたらマズイ、黄金の耳で聞き取らなくても分かるほどの危機感を覚える。
しかしオウコーと入れ替わりにアロハシャツ男性がゆっくりと降りてきて、キュウとオウコーの間に立ち塞がった。
「と、言うことだから、ここは引き分けにしようぜ」
「あなたは、何、なのでしょうか?」
「俺? 俺は」
『トッキーだ。ファーアースオンラインで、俺がピアノの次に交流があったプレイヤー。いや、あの頃で言えば、最も交流していたプレイヤーだろうな』
アロハシャツ男性トッキーは、その格好には不釣り合いな礼儀作法でキュウへ丁寧な挨拶をする。
「お初にお目に掛かる。俺は時の篝火。偉大なる時の男神なんて呼ばれている、マリアやオウさんと一緒に、神戯ファーアースを始めた主催者の一人だ」
「偉大なる時の男神………」
「まあ君には、フォルさんのフレでパートナーだったって言ったほうが、俺の立場が理解できるかな?」
『誰が誰のパートナーだ』
トッキーが指先を虚空へ掲げると、そこにいくつもの情報ウィンドウが開いた。
その情報ウィンドウの一つ一つには、キュウの知らない主人が映されている。カリオンドル皇国の初代皇帝の墓所で見た映像に似ている、誰かが主人を撮影した無数の映像だった。
『落ち着けキュウ。動画配信サイトを一斉に再生してるだけだ。トッキーたちは、俺の行動やVRMMOファーアースオンラインの攻略なんかを配信して稼いでた』
「とにかく、まあ、そういうこと。って、フォルさんのコピー、俺が神だってことに、全然驚いてなくね? もしかしてバレバレだった?」
『トッキー、キュウの反応を見るに、相当な位の神らしいな。それには驚いた。だが、お前が神戯に関係する神だってことは、この異世界に来たほとんど最初から気付いてたぞ』
トッキーは頬を人差し指でかりかりと掻いた。その行動がどんな感情によるものなのか、裏事情を知らないキュウには予想しかできないが、たぶん偉大なる時の男神トッキーは感心している。
「さすがフォルさん。AIになっても、その才能は変わらないか」
それなのにトッキーはAI主人が宿った刻限の懐中時計を睨み付けた。
「俺は、フォルさんのそういうところが、大嫌いだわ。俺の愛するオウさんの邪魔をしてるのも付け加えると、憎さ百倍だ」
『そうか。俺は、トッキーが好きだったけどな』
「………え? まじ?」
AI主人の言葉に対して、強大な神であるトッキーが本気で戸惑いを見せる。敵意をぶつけたのに好意が返って来たら戸惑うのは、人も神も共通らしい。
『そりゃそうだろ。俺を見れば悪態を吐くか、PKしに来るプレイヤーばかりだったが、トッキーやピアノはいつも普通に話してくれた。嬉しかったし、好きだったぞ。もしトッキーが神様たちの世界で冷遇されていて、最強のフォルティシモへ助けを求めていたんだったら、俺はトッキーを<フォルテピアノ>に誘って、一緒にマリアステラやら他の神々やらを攻略してやろうって言った』
これは主人が親友ピアノへ対して戸惑っていた時と同じだった。主人はVRMMOファーアースオンラインの時、友人だったトッキーに、思いがある。
「あー、そっかー、やりにくいな。けどこの通り、俺って偉大なる神って呼ばれるくらい高位な存在なんだ。それにオウさんへの愛には変えられないから、俺は、フォルさんの敵になるわ」
『そうか。トッキーにプレスティッシモくらいの慎重さがあれば、勝者の側に付けただろうな』
今のAI主人は肉体的な動作はできない。それでもAI主人がトッキーを指差すのを幻視した。
『最強はフォルティシモだ。つまり、お前らは負ける』
「フォルさんの言っている俺らって、どの俺らかな?」
トッキーが嗤ったのと同時に、キュウの情報ウィンドウにシステムメッセージが流れる。
> 【最後の審判】が開始されました
それだけならば主人の十八番領域・爆裂と変わらないように見える。だがこの新魔術は根本的に違っていた。主人の魔術は目で見て対象を決定して爆破するのに対して、キュウの耳で聞き取れる対象は文字通り次元が違う。
オウコーが爆撃の効果範囲からチート【座標移動】を使って逃れようとする。キュウは耳で聞こえた範囲なので、移動先を爆破した。
「神域・爆裂」
「ごばっ!?」
オウコーが何らかの抵抗をしようとする。キュウは耳でそれを聞いていたので、起点となるはずだったオウコーの目と右手人差し指を爆破した。
「神域・爆裂」
「ぐおっ!?」
オウコーが反撃でキュウを攻撃する。キュウはオウコーの攻撃の出掛かりを相殺した後、さらにオウコーの腰、膝関節、耳へ次々と爆破を仕掛ける。
「神域・爆裂」
「げふっ!?」
キュウの黄金の耳は、オウコーを捉え続けていた。
もちろんこの攻撃はキュウだけの力ではない。AI主人の力が大いに関係している。
キュウが放っている魔術神域・爆裂は、すべて同じように見えて、一回一回、AI主人が最適なコード設定に書き換えてくれているのだ。
キュウが知覚し、その情報を元にAI主人が最適な魔術を作成し、それをキュウが使う。
キュウの耳がオウコーを捉え続ける限り、逃げることも、反撃することも許さない。魔術による一方的な蹂躙である。
「しかし、所詮はアプデ前の攻撃力じゃ。最新アップデートを適用した今、儂のHPを少し削ることしかできんな―――がほっ!?」
それでもオウコーに致命的なダメージを負わせるには至らなかった。
「神域・爆裂、神域・爆裂、神域・爆裂」
キュウは魔術を使い続ける。
『爺さん、良いことを教えてやる。どれだけアプデしたところで、ハメ技が一つあれば、何でも攻略できるんだよ。最近のアプデは、ヌルすぎるくらいだった』
「グリッチ利用じゃろ!」
『この程度がグリッチ? 何を言ってる? 仕様を限界まで理解し、それを利用した、奥義だ』
神域・爆裂は、因果の流れが逆転している無敵のハメ技だ。
ただし、これが無敵である状況は限定されている。それはキュウが観測する事象内に収まる存在であることで、早い話がキュウの黄金の耳が聞こえない事象が発生した場合は成立しなくなってしまう。
「むむむ、かくなる上は―――」
オウコーがキュウとAI主人の魔術から逃れるため、それを起こそうとした瞬間、キュウにも、AI主人にも、オウコーにも予想外の事態が発生した。
「ははは、ボコボコじゃーん、俺のオウさんをこんなにした奴を、許さないぜ!」
キュウはそんな戦場に似つかわしくない声を聞いて、ハメ技魔術の発動を止めてしまった。
止めなければ殺される、その恐怖はキュウの耳からすれば現実であり、近い未来の観測では、もし魔術を使い続ければキュウは間違いなく殺されただろう。
キュウは天烏に乗ったまま、声のした方向へ勢い良く顔を向ける。戦いの最中にオウコーから目を逸らすなんて愚かだとは思うけれど、この声を無視するのは無理だった。
そしてそれを見て息を呑む。
アクロシア大陸の上空に浮かぶキュウとオウコーを見下ろせる位置。
それはそこに居る。存る。在る。
それは見た目こそアロハシャツを着た男性で、真っ黒なズボンにビーチサンダルというラフな格好をしていた。ここがトーラスブルス海上王国ならその辺りを歩いていそうな出で立ちで、浜辺でダンスを踊っていた者たちのように笑顔を浮かべている。
それは作り物のような整った顔立ちをしていた。背丈は主人と同じくらいで一般的には高すぎない高身長であり、細身だが引き締まった体躯をしている。
キュウには分かってしまった。それが女神マリアステラと同等の、遠く巨大な存在であることが。
「時の男神か。邪魔をするなと言いたいところじゃが、正直助かったわ。余興で無駄な消費をするところじゃった。感謝しよう」
「おお、おおう! オウさんに感謝されたよ。前言撤回、そこの狐、もっとオウさんを追い詰めてくれない?」
オウコーに睨まれてアロハシャツ青年が肩を竦める。
「モフモフよ、それだけの才能を、闘争にだけ向かわせるとは愚かにも程がある。やはり儂の孫の半分は愚者でできているな」
「ご主人様の望みが私の望みです。そして、ご主人様は愚者ではありません」
キュウはオウコーに主人を否定され、思わず反論した。アロハシャツ男性の存在に押し潰されそうになっているのに、自然と言葉が漏れたのにはキュウ自身が驚く。
「うーむ、本気で気に入ったぞ。儂に屈服させた上で孕ませたい」
「絶対に嫌です」
『爺さんが好きな奴は、みんな爺さんを嫌うな。ちなみに俺の本体は、キュウにも母さんにも愛されてる。爺さんなら嫌がる願いも、俺なら喜んで聞いて貰える。羨ましいか?』
「羨ましい! クソAIがぁ! やはり貴様だけは消去してやるわぁ!」
オウコーとAI主人は再び罵倒の応酬を始めた。
キュウはAI主人の言っている内容を考えて、それはキュウが喜んで主人の子を妊娠するという意味だろうか、と思い浮かべて、………思い浮かべて、考えている場合ではないと必死に打ち消した。もちろんまったく嫌ではないし、主人が望んでくれたら、嬉しい。
「それよりオウさーん、もう準備できてるけど、どうする?」
「準備が遅いわ。すぐ行くぞ。だが少し待て」
「どっち!? 俺はどっちでもオウさんの好きな方で良いけどさ」
「こいつをぶち殺して、モフモフを儂のものにしたくて仕方がないが、前者だ! 儂は憎悪や性欲よりも娘への愛で生きる!」
オウコーは後ろ髪を引かれていそうな視線をキュウとAI主人へ送りながら、空の彼方へ上昇していった。
何をするのか分からないけれど、ここでオウコーを行かせたらマズイ、黄金の耳で聞き取らなくても分かるほどの危機感を覚える。
しかしオウコーと入れ替わりにアロハシャツ男性がゆっくりと降りてきて、キュウとオウコーの間に立ち塞がった。
「と、言うことだから、ここは引き分けにしようぜ」
「あなたは、何、なのでしょうか?」
「俺? 俺は」
『トッキーだ。ファーアースオンラインで、俺がピアノの次に交流があったプレイヤー。いや、あの頃で言えば、最も交流していたプレイヤーだろうな』
アロハシャツ男性トッキーは、その格好には不釣り合いな礼儀作法でキュウへ丁寧な挨拶をする。
「お初にお目に掛かる。俺は時の篝火。偉大なる時の男神なんて呼ばれている、マリアやオウさんと一緒に、神戯ファーアースを始めた主催者の一人だ」
「偉大なる時の男神………」
「まあ君には、フォルさんのフレでパートナーだったって言ったほうが、俺の立場が理解できるかな?」
『誰が誰のパートナーだ』
トッキーが指先を虚空へ掲げると、そこにいくつもの情報ウィンドウが開いた。
その情報ウィンドウの一つ一つには、キュウの知らない主人が映されている。カリオンドル皇国の初代皇帝の墓所で見た映像に似ている、誰かが主人を撮影した無数の映像だった。
『落ち着けキュウ。動画配信サイトを一斉に再生してるだけだ。トッキーたちは、俺の行動やVRMMOファーアースオンラインの攻略なんかを配信して稼いでた』
「とにかく、まあ、そういうこと。って、フォルさんのコピー、俺が神だってことに、全然驚いてなくね? もしかしてバレバレだった?」
『トッキー、キュウの反応を見るに、相当な位の神らしいな。それには驚いた。だが、お前が神戯に関係する神だってことは、この異世界に来たほとんど最初から気付いてたぞ』
トッキーは頬を人差し指でかりかりと掻いた。その行動がどんな感情によるものなのか、裏事情を知らないキュウには予想しかできないが、たぶん偉大なる時の男神トッキーは感心している。
「さすがフォルさん。AIになっても、その才能は変わらないか」
それなのにトッキーはAI主人が宿った刻限の懐中時計を睨み付けた。
「俺は、フォルさんのそういうところが、大嫌いだわ。俺の愛するオウさんの邪魔をしてるのも付け加えると、憎さ百倍だ」
『そうか。俺は、トッキーが好きだったけどな』
「………え? まじ?」
AI主人の言葉に対して、強大な神であるトッキーが本気で戸惑いを見せる。敵意をぶつけたのに好意が返って来たら戸惑うのは、人も神も共通らしい。
『そりゃそうだろ。俺を見れば悪態を吐くか、PKしに来るプレイヤーばかりだったが、トッキーやピアノはいつも普通に話してくれた。嬉しかったし、好きだったぞ。もしトッキーが神様たちの世界で冷遇されていて、最強のフォルティシモへ助けを求めていたんだったら、俺はトッキーを<フォルテピアノ>に誘って、一緒にマリアステラやら他の神々やらを攻略してやろうって言った』
これは主人が親友ピアノへ対して戸惑っていた時と同じだった。主人はVRMMOファーアースオンラインの時、友人だったトッキーに、思いがある。
「あー、そっかー、やりにくいな。けどこの通り、俺って偉大なる神って呼ばれるくらい高位な存在なんだ。それにオウさんへの愛には変えられないから、俺は、フォルさんの敵になるわ」
『そうか。トッキーにプレスティッシモくらいの慎重さがあれば、勝者の側に付けただろうな』
今のAI主人は肉体的な動作はできない。それでもAI主人がトッキーを指差すのを幻視した。
『最強はフォルティシモだ。つまり、お前らは負ける』
「フォルさんの言っている俺らって、どの俺らかな?」
トッキーが嗤ったのと同時に、キュウの情報ウィンドウにシステムメッセージが流れる。
> 【最後の審判】が開始されました
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる