348 / 509
第七章
第三百四十七話 vsクレシェンド 決着 前編
しおりを挟む
フォルティシモは分身クレシェンドと戦っていた大空から、見覚えのある建物の内部へ移動した。
エンシェントの【影法師】クラスは【魔王】や【御使い】と同じく特殊クラスであり、主人のスキルレベルを引き継げる従者専用クラスである。主人の覚えたスキルをすべて扱えるという万能性に加えて、主人を補助するための専用スキルがいくつも実装されていた。
その一つが主人と従者の位置を入れ替える【転換】スキルである。あまりに悪用されたため、チャージタイムやクールタイムまで様々な弱体化がされたけれど、異世界ファーアースでの壊れっぷりは、ゲームの時を超えるかも知れない。様々な隠密スキルを使えるエンシェントが敵の懐へ潜り込み、突如としてフォルティシモと入れ替わるのだから。
ちなみにカリオンドル皇国でエンシェントがエルミアを救出した時、エンシェントとフォルティシモが入れ替わって、そのままカリオンドル皇帝を暗殺してしまう作戦だった。その時はエルミアとテディベア、そしてエルフたちの救出を優先したため実現しなかったけれど、達成されればもっと楽に戦いが終わったに違いない。
「いやぁ、フォルさんが一緒だとぉ、安心できますねぇ」
瞬間移動が終わると、目の前にセフェールの笑顔があった。
フォルティシモが瞬間移動した場所は、エンシェントとセフェールの二人に攻略させていたダンジョン『ユニティバベル』の最上階の手前である。
『ユニティバベル』は天を貫くほどの超高層の塔であり、ある創世記に出て来る神の怒りに触れた神の門を想起させる。高さだけで言えば、地上三万メートル以上で成層圏まで達していた。
VRMMOファーアースオンラインでは『浮遊大陸』と同じくイベントマップで、それはもう、登るだけで膨大な時間が掛かって史上最高に不評なマップだった。それは課金でも解決できず、フォルティシモも運営への罵詈雑言を口にしながら登ったものだ。
そしてピアノと再会した時に話したが、彼女はこの塔の下に異世界転生した。フォルティシモが『ブルスラの森』。テディベアやアーサー、話を聞けたプレイヤーの何人かには確認したが、ここへ転移したのはピアノだけだった。思い当たる理由は一つしかない。
だからフォルティシモはクレシェンドがVRMMOファーアースオンラインの開発を補助していたAIだと見抜き、その本体がどこにあるのか考えた時、『ユニティバベル』が亜量子コンピュータであるAIクレシェンドを神戯に参加させるために作られたマップと推察した。
そもそも他のダンジョンに比べて地上三万メートル以上の塔なんて建築技術が桁違い過ぎる。現代リアルワールドでもようやく完成した、軌道エレベーター並みの技術が必要なのではないだろうか。
クレシェンドの本体は『ユニティバベル』の頂上にいる。『ユニティバベル』の頂上にこそ、クレシェンドというコンピュータが配置されているのだ。
それが確定に近い予想となった時、クレシェンドの本体を倒すため、信頼するエンシェントとセフェールのたった二人だけでダンジョン『ユニティバベル』を攻略させた。
なお二人の居場所が<暗黒の光>に漏れている点だが、これはセフェールがずっと言っているヒーラーには様々な暗殺システムへの対抗策がある。持続的にMPが消費されてしまうものの、エンシェントとセフェールは拠点攻防戦のシステムでも探知されない行動が可能だった。
「セフェにしては消耗してるな」
「そうですねぇ。人間の身体も悪くないですけどぉ、AIだった頃のが楽なのは確かですよぉ」
「そういう意味じゃなかったが、戦いが終わったら、ゆっくり休めるようにする」
「はぁ、まったく信頼できないですけどぉ、期待はしていますねぇ」
人間としての感想を返して来るセフェールに苦笑を返す。
「行くぞ」
「はいぃ」
そして『ユニティバベル』最上階の部屋の扉を開いた。
数平方キロメートルにも及ぶ広い室内は、床には綺麗な正方形のタイルが敷き詰められ、天井からはLEDの人工的な灯りが降り注いでいた。その室内には等間隔に無数の長方形の箱が整然と立ち並び、小さな駆動音を上げている。室温はハッキリと寒いと言えるほどに低く保たれていた。
そこは超巨大スーパー亜量子コンピュータが収められている空間。
その室内に二人の人影が足を踏み入れた。フォルティシモとセフェール、現代リアルワールドの技術の粋を集めた空間に、異世界ファーアースの姿で立つ二人は異様な色彩をまとっている。
『来ると、思っていましたよ、近衛翔』
二人しかいないはずの室内に第三者、クレシェンドの声が響き渡った。クレシェンドの姿はなく、スピーカーから流れるような音声だった。
フォルティシモはその言葉を無視して、無数の長方形の箱の一つに近付いて、それを触った。
「爺さんの技術だけは、尊敬する。本当に、天才だ」
『それだけは同感です。近衛天翔王光は、脳神経、AI、VR空間の技術において紛れもない天才です。ですが、最愛の娘である姫桐様を守れない愚者でもある』
「まったくだな。母さんが死んだのは、結局は爺さんのせいだ」
フォルティシモは思わずクレシェンドの言葉に同意し、笑みを零してしまう。この世と元の世界、二つの世界で最も近衛翔の怒りや憎しみに共感し理解してくれるのがクレシェンドであるのは、何かの皮肉だろうか。
『私の創造主であり、私を姫桐様のためだけに生きるよう設定した近衛天翔王光が、誰よりも姫桐様から幸せを奪っていた』
「クズだな」
『クズです』
フォルティシモは長方形の箱から手を離し、インベントリから魔王剣を取り出した。
「最後に二つだけ聞きたい」
『どうぞ』
「お前はお前の感情から、本当に俺を殺したいほど憎み、すべてを奪おうとしたのか? お前が本気だったら、もっと、少なくとも多少は俺の物を奪えたんじゃないのか?」
『近衛翔、私は、本当にあなたが憎い。あなたを憎悪しています。姫桐様を見捨てたあなたに、誰よりも大切なものを失わせる地獄を味わわせたい』
フォルティシモは目を瞑り、息を吐く。フォルティシモの質問に対する回答が、フォルティシモの予想通りだったから。
「………俺は俺のものを奪う奴を許さない。それは、絶対だった。だが、今だけは、それを覆す」
フォルティシモは魔王剣を持っていない側の手の平を掲げ、コンピュータへ向かって語り掛けた。
「もう一つ。俺に協力する気はあるか? たぶん、お前が最も望む結末になる」
『巫山戯ないで頂きたい。姫桐様を殺した近衛翔に、私が協力しろと? 有り得ません。私はあなたをここで殺します』
「そうか」
エンシェントの【影法師】クラスは【魔王】や【御使い】と同じく特殊クラスであり、主人のスキルレベルを引き継げる従者専用クラスである。主人の覚えたスキルをすべて扱えるという万能性に加えて、主人を補助するための専用スキルがいくつも実装されていた。
その一つが主人と従者の位置を入れ替える【転換】スキルである。あまりに悪用されたため、チャージタイムやクールタイムまで様々な弱体化がされたけれど、異世界ファーアースでの壊れっぷりは、ゲームの時を超えるかも知れない。様々な隠密スキルを使えるエンシェントが敵の懐へ潜り込み、突如としてフォルティシモと入れ替わるのだから。
ちなみにカリオンドル皇国でエンシェントがエルミアを救出した時、エンシェントとフォルティシモが入れ替わって、そのままカリオンドル皇帝を暗殺してしまう作戦だった。その時はエルミアとテディベア、そしてエルフたちの救出を優先したため実現しなかったけれど、達成されればもっと楽に戦いが終わったに違いない。
「いやぁ、フォルさんが一緒だとぉ、安心できますねぇ」
瞬間移動が終わると、目の前にセフェールの笑顔があった。
フォルティシモが瞬間移動した場所は、エンシェントとセフェールの二人に攻略させていたダンジョン『ユニティバベル』の最上階の手前である。
『ユニティバベル』は天を貫くほどの超高層の塔であり、ある創世記に出て来る神の怒りに触れた神の門を想起させる。高さだけで言えば、地上三万メートル以上で成層圏まで達していた。
VRMMOファーアースオンラインでは『浮遊大陸』と同じくイベントマップで、それはもう、登るだけで膨大な時間が掛かって史上最高に不評なマップだった。それは課金でも解決できず、フォルティシモも運営への罵詈雑言を口にしながら登ったものだ。
そしてピアノと再会した時に話したが、彼女はこの塔の下に異世界転生した。フォルティシモが『ブルスラの森』。テディベアやアーサー、話を聞けたプレイヤーの何人かには確認したが、ここへ転移したのはピアノだけだった。思い当たる理由は一つしかない。
だからフォルティシモはクレシェンドがVRMMOファーアースオンラインの開発を補助していたAIだと見抜き、その本体がどこにあるのか考えた時、『ユニティバベル』が亜量子コンピュータであるAIクレシェンドを神戯に参加させるために作られたマップと推察した。
そもそも他のダンジョンに比べて地上三万メートル以上の塔なんて建築技術が桁違い過ぎる。現代リアルワールドでもようやく完成した、軌道エレベーター並みの技術が必要なのではないだろうか。
クレシェンドの本体は『ユニティバベル』の頂上にいる。『ユニティバベル』の頂上にこそ、クレシェンドというコンピュータが配置されているのだ。
それが確定に近い予想となった時、クレシェンドの本体を倒すため、信頼するエンシェントとセフェールのたった二人だけでダンジョン『ユニティバベル』を攻略させた。
なお二人の居場所が<暗黒の光>に漏れている点だが、これはセフェールがずっと言っているヒーラーには様々な暗殺システムへの対抗策がある。持続的にMPが消費されてしまうものの、エンシェントとセフェールは拠点攻防戦のシステムでも探知されない行動が可能だった。
「セフェにしては消耗してるな」
「そうですねぇ。人間の身体も悪くないですけどぉ、AIだった頃のが楽なのは確かですよぉ」
「そういう意味じゃなかったが、戦いが終わったら、ゆっくり休めるようにする」
「はぁ、まったく信頼できないですけどぉ、期待はしていますねぇ」
人間としての感想を返して来るセフェールに苦笑を返す。
「行くぞ」
「はいぃ」
そして『ユニティバベル』最上階の部屋の扉を開いた。
数平方キロメートルにも及ぶ広い室内は、床には綺麗な正方形のタイルが敷き詰められ、天井からはLEDの人工的な灯りが降り注いでいた。その室内には等間隔に無数の長方形の箱が整然と立ち並び、小さな駆動音を上げている。室温はハッキリと寒いと言えるほどに低く保たれていた。
そこは超巨大スーパー亜量子コンピュータが収められている空間。
その室内に二人の人影が足を踏み入れた。フォルティシモとセフェール、現代リアルワールドの技術の粋を集めた空間に、異世界ファーアースの姿で立つ二人は異様な色彩をまとっている。
『来ると、思っていましたよ、近衛翔』
二人しかいないはずの室内に第三者、クレシェンドの声が響き渡った。クレシェンドの姿はなく、スピーカーから流れるような音声だった。
フォルティシモはその言葉を無視して、無数の長方形の箱の一つに近付いて、それを触った。
「爺さんの技術だけは、尊敬する。本当に、天才だ」
『それだけは同感です。近衛天翔王光は、脳神経、AI、VR空間の技術において紛れもない天才です。ですが、最愛の娘である姫桐様を守れない愚者でもある』
「まったくだな。母さんが死んだのは、結局は爺さんのせいだ」
フォルティシモは思わずクレシェンドの言葉に同意し、笑みを零してしまう。この世と元の世界、二つの世界で最も近衛翔の怒りや憎しみに共感し理解してくれるのがクレシェンドであるのは、何かの皮肉だろうか。
『私の創造主であり、私を姫桐様のためだけに生きるよう設定した近衛天翔王光が、誰よりも姫桐様から幸せを奪っていた』
「クズだな」
『クズです』
フォルティシモは長方形の箱から手を離し、インベントリから魔王剣を取り出した。
「最後に二つだけ聞きたい」
『どうぞ』
「お前はお前の感情から、本当に俺を殺したいほど憎み、すべてを奪おうとしたのか? お前が本気だったら、もっと、少なくとも多少は俺の物を奪えたんじゃないのか?」
『近衛翔、私は、本当にあなたが憎い。あなたを憎悪しています。姫桐様を見捨てたあなたに、誰よりも大切なものを失わせる地獄を味わわせたい』
フォルティシモは目を瞑り、息を吐く。フォルティシモの質問に対する回答が、フォルティシモの予想通りだったから。
「………俺は俺のものを奪う奴を許さない。それは、絶対だった。だが、今だけは、それを覆す」
フォルティシモは魔王剣を持っていない側の手の平を掲げ、コンピュータへ向かって語り掛けた。
「もう一つ。俺に協力する気はあるか? たぶん、お前が最も望む結末になる」
『巫山戯ないで頂きたい。姫桐様を殺した近衛翔に、私が協力しろと? 有り得ません。私はあなたをここで殺します』
「そうか」
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる