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第六章
第二百五十五話 初代皇帝の墓所 前編
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初代皇帝の墓へ行くメンバーは、フォルティシモ、キュウ、エンシェント、セフェール、アルティマ、ラナリア、ピアノ、エルミアとテディベアにルナーリスを加えた九人である。人選は調査と実験を行うための者と、好奇心で付いて来た者が入り交じっていた。
ルナーリスがまず向かったのはカリオンドル皇城の地下への通路で、横幅が広くても全体的に薄暗い。石造りの階段は段差が不揃いで降り辛そうだった。
「かつてアクロシア大陸の亜人族はその個体数の少なさから、迫害の対象となっていました。それに心を痛められた初代皇帝陛下は、当時バラバラだった亜人族をまとめあげ―――」
それから墓へ歩く間、観光ガイドか教科書にでも載っていそうなルナーリスの歴史解説が始まった。淀みのない口調は、ルナーリスがそれらを完璧に暗記している証拠だろう。以前にアクロシア王国に訪れてからのやりとりを報告させた時のように、ルナーリスの記憶力はAI並みに優れている。
ほとんどが建国の理念やら、どんな種族から始まってどんな種族が交渉や戦争の末に合流していったのかというもので、フォルティシモに関係のない話であったけれど、止めるほどではない。
「到着いたしました」
初代皇帝の墓は、地下神殿という様相をした建造物だった。
地面から天井まで伸びるいくつもの柱は、侵入者を阻んでいるかのように太く飾り気のない無骨なものだ。通路は石畳になっていて歩きやすいが、通路の両脇には淡い光を放つ植物が群生しているようで、不気味な雰囲気を漂わせる。その先にある主殿となる建造物は地下だと言うのに二階建てで、五メートルはあるだろう巨大な門扉に守られていた。
「ボスでも出て来そうだな」
「随分と綺麗ですねぇ」
「はい。初代皇帝陛下の墳墓は、カリオンドル皇城と同じように建物すべてが一つの魔法道具になっており、世界最大の魔法道具の一つだと言われています」
ピアノとセフェールの言葉にルナーリスが応える。
彼女たちが魔法道具と言うのは魔力を持った道具であるらしい。しかし魔力が分からないフォルティシモからすると、ファーアースオンラインに存在したアイテムがイコール魔法道具だ。
まずはフォルティシモが中に入れるか試してみる。神殿の大きな扉の前に立ち力一杯開こうとするが、扉はフォルティシモのSTRでもビクともしなかった。
「「究極・打撃」」
念のため先代カリオンドル皇帝を打倒したスキルを放ってみる。ダイヤモンドでも軽々と砕けるフォルティシモの拳だったが、神殿の壁に変化はない。
「初めて見るスキル設定だが、お前って【拳術】の設定も用意してたんだな。武器が要らないから、無課金プレイヤー御用達スキルとか馬鹿にしてたのに」
「………あ、ああ、あれだ。必要になるかも知れないだろ?」
何となくバグ技を放ったとは言えず、言い訳をしていると、ラナリアに押されたルナーリスが神殿の扉へ手を掛ける。扉は指紋認証でもあったかのように、淡く光ったかと思うと自動的に道を開けた。
「開き、ました」
「中に入って、情報ウィンドウを起動しろ。【拠点】のタブが増えていたら、それを開いて、入場制限にフレンドを選べ」
フォルティシモはルナーリスとフレンド登録している。初代皇帝の遺産を手に入れたルナーリスは、ほとんどプレイヤーと変わらないことができる。また【拠点】の入場制限にフレンドを選ぶと、そのフレンドの従者たちも自動的に入場可能になるシステムだ。
ルナーリスが神殿の中に一歩入ると彼女の情報ウィンドウに何かが表示されたようで、虚空に手を掲げてログを確認していた。
『初代皇帝、ファーアースオンラインの開発者は、やっぱり僕らよりも事情に精通し、神戯のシステムまで利用できるようだね』
「予定通り進んでて、驚くような事態じゃないように思えるんだが。何でそう思った?」
テディベアの感想にフォルティシモはぬいぐるみを見つめる。愛らしい瞳が見返してきた。
『僕の【拠点】にはエルミアも入れないんだよ。プレイヤーの子孫だからって、【拠点】の所有権まで引き継ぐ訳じゃない。けれど、ここではその常識が通用しないらしい』
「そう言えば、テディベアの【拠点】は何処にあるんだ?」
『エルミアの家の二階に移住させたよ。フレンドは許可しているから、君なら入れる。何もないけどね』
テディベアの【拠点】が『浮遊大陸』内にあるのであれば、実験に使えないので興味もない。酷く狭い範囲なので、ほとんど施設も設置できていないだろう。
フォルティシモはテディベアを見た。
『どうしたんだい?』
「いや」
今更テディベアが裏切るとは思っていない。それどころか、短い間に色々あって、友達、だと言っても良いのではないだろうか。テディベアは性格は穏やかだし、頭も回り、エルフたちの始祖としてのカリスマと先見性を持ち、コミュニケーション能力はフォルティシモの遙か上を行く。
フォルティシモと付き合ったプレイヤーはすぐにフォルティシモを嫌うにも関わらず、彼はずっと変わらない態度で接している。
そんな彼を、チーム<フォルテピアノ>にテディベアを誘うのは、どうだろうか。親友ピアノをチームに誘うのに十年以上の歳月を要したフォルティシモは、どこまでが親友で、どこまでが友達で、どこまでが他人なのか悩み始める。
その悩みはルナーリスの言葉で中断された。
「フォルティシモ陛下、設定いたしました」
この場に居る誰もがフォルティシモを見つめている。エンシェントやセフェールだけでなく、アルティマまでも黙ってフォルティシモの行動を待っていた。
「フォルティシモ、私はお前のリアルは知らないが、私よりはマシだろ? 祖父に拒絶されたことくらい、気にすんな。私なんて、神様に嫌われてたぞ」
ピアノのリアルは難病で寝たきり、指一本自分の意思では動かせず、その最後は自らの意思で生命維持装置を外すというものだ。それは悲惨過ぎてフォルティシモがピアノの親友だと言って良いのか迷うくらいである。
ピアノがバンバンと乱暴にフォルティシモの背中を叩く。初代皇帝、近衛天翔王光が作った【拠点】にフォルティシモが拒否されたことを、気にしているのだと気遣ったらしい。
フォルティシモはそれだけは違うとムキになる。
「言っておくが、俺が入れなくて清々した。ここで俺だけ特別扱いしていたら、今すぐ殴りに行きたいくらいだ」
近衛天翔王光にとって、フォルティシモこと近衛翔は特別ではない。それはとっくに分かっている。近衛天翔王光は実の娘夫婦さえ見殺しにしたのだ。だから孫であるフォルティシモが、近衛天翔王光から特別視されているなど考えてもいない。
フォルティシモが扉の先に足を踏み入れると、情報ウィンドウのログが流れた。
> オウコーの拠点へ訪問しました
ルナーリスがまず向かったのはカリオンドル皇城の地下への通路で、横幅が広くても全体的に薄暗い。石造りの階段は段差が不揃いで降り辛そうだった。
「かつてアクロシア大陸の亜人族はその個体数の少なさから、迫害の対象となっていました。それに心を痛められた初代皇帝陛下は、当時バラバラだった亜人族をまとめあげ―――」
それから墓へ歩く間、観光ガイドか教科書にでも載っていそうなルナーリスの歴史解説が始まった。淀みのない口調は、ルナーリスがそれらを完璧に暗記している証拠だろう。以前にアクロシア王国に訪れてからのやりとりを報告させた時のように、ルナーリスの記憶力はAI並みに優れている。
ほとんどが建国の理念やら、どんな種族から始まってどんな種族が交渉や戦争の末に合流していったのかというもので、フォルティシモに関係のない話であったけれど、止めるほどではない。
「到着いたしました」
初代皇帝の墓は、地下神殿という様相をした建造物だった。
地面から天井まで伸びるいくつもの柱は、侵入者を阻んでいるかのように太く飾り気のない無骨なものだ。通路は石畳になっていて歩きやすいが、通路の両脇には淡い光を放つ植物が群生しているようで、不気味な雰囲気を漂わせる。その先にある主殿となる建造物は地下だと言うのに二階建てで、五メートルはあるだろう巨大な門扉に守られていた。
「ボスでも出て来そうだな」
「随分と綺麗ですねぇ」
「はい。初代皇帝陛下の墳墓は、カリオンドル皇城と同じように建物すべてが一つの魔法道具になっており、世界最大の魔法道具の一つだと言われています」
ピアノとセフェールの言葉にルナーリスが応える。
彼女たちが魔法道具と言うのは魔力を持った道具であるらしい。しかし魔力が分からないフォルティシモからすると、ファーアースオンラインに存在したアイテムがイコール魔法道具だ。
まずはフォルティシモが中に入れるか試してみる。神殿の大きな扉の前に立ち力一杯開こうとするが、扉はフォルティシモのSTRでもビクともしなかった。
「「究極・打撃」」
念のため先代カリオンドル皇帝を打倒したスキルを放ってみる。ダイヤモンドでも軽々と砕けるフォルティシモの拳だったが、神殿の壁に変化はない。
「初めて見るスキル設定だが、お前って【拳術】の設定も用意してたんだな。武器が要らないから、無課金プレイヤー御用達スキルとか馬鹿にしてたのに」
「………あ、ああ、あれだ。必要になるかも知れないだろ?」
何となくバグ技を放ったとは言えず、言い訳をしていると、ラナリアに押されたルナーリスが神殿の扉へ手を掛ける。扉は指紋認証でもあったかのように、淡く光ったかと思うと自動的に道を開けた。
「開き、ました」
「中に入って、情報ウィンドウを起動しろ。【拠点】のタブが増えていたら、それを開いて、入場制限にフレンドを選べ」
フォルティシモはルナーリスとフレンド登録している。初代皇帝の遺産を手に入れたルナーリスは、ほとんどプレイヤーと変わらないことができる。また【拠点】の入場制限にフレンドを選ぶと、そのフレンドの従者たちも自動的に入場可能になるシステムだ。
ルナーリスが神殿の中に一歩入ると彼女の情報ウィンドウに何かが表示されたようで、虚空に手を掲げてログを確認していた。
『初代皇帝、ファーアースオンラインの開発者は、やっぱり僕らよりも事情に精通し、神戯のシステムまで利用できるようだね』
「予定通り進んでて、驚くような事態じゃないように思えるんだが。何でそう思った?」
テディベアの感想にフォルティシモはぬいぐるみを見つめる。愛らしい瞳が見返してきた。
『僕の【拠点】にはエルミアも入れないんだよ。プレイヤーの子孫だからって、【拠点】の所有権まで引き継ぐ訳じゃない。けれど、ここではその常識が通用しないらしい』
「そう言えば、テディベアの【拠点】は何処にあるんだ?」
『エルミアの家の二階に移住させたよ。フレンドは許可しているから、君なら入れる。何もないけどね』
テディベアの【拠点】が『浮遊大陸』内にあるのであれば、実験に使えないので興味もない。酷く狭い範囲なので、ほとんど施設も設置できていないだろう。
フォルティシモはテディベアを見た。
『どうしたんだい?』
「いや」
今更テディベアが裏切るとは思っていない。それどころか、短い間に色々あって、友達、だと言っても良いのではないだろうか。テディベアは性格は穏やかだし、頭も回り、エルフたちの始祖としてのカリスマと先見性を持ち、コミュニケーション能力はフォルティシモの遙か上を行く。
フォルティシモと付き合ったプレイヤーはすぐにフォルティシモを嫌うにも関わらず、彼はずっと変わらない態度で接している。
そんな彼を、チーム<フォルテピアノ>にテディベアを誘うのは、どうだろうか。親友ピアノをチームに誘うのに十年以上の歳月を要したフォルティシモは、どこまでが親友で、どこまでが友達で、どこまでが他人なのか悩み始める。
その悩みはルナーリスの言葉で中断された。
「フォルティシモ陛下、設定いたしました」
この場に居る誰もがフォルティシモを見つめている。エンシェントやセフェールだけでなく、アルティマまでも黙ってフォルティシモの行動を待っていた。
「フォルティシモ、私はお前のリアルは知らないが、私よりはマシだろ? 祖父に拒絶されたことくらい、気にすんな。私なんて、神様に嫌われてたぞ」
ピアノのリアルは難病で寝たきり、指一本自分の意思では動かせず、その最後は自らの意思で生命維持装置を外すというものだ。それは悲惨過ぎてフォルティシモがピアノの親友だと言って良いのか迷うくらいである。
ピアノがバンバンと乱暴にフォルティシモの背中を叩く。初代皇帝、近衛天翔王光が作った【拠点】にフォルティシモが拒否されたことを、気にしているのだと気遣ったらしい。
フォルティシモはそれだけは違うとムキになる。
「言っておくが、俺が入れなくて清々した。ここで俺だけ特別扱いしていたら、今すぐ殴りに行きたいくらいだ」
近衛天翔王光にとって、フォルティシモこと近衛翔は特別ではない。それはとっくに分かっている。近衛天翔王光は実の娘夫婦さえ見殺しにしたのだ。だから孫であるフォルティシモが、近衛天翔王光から特別視されているなど考えてもいない。
フォルティシモが扉の先に足を踏み入れると、情報ウィンドウのログが流れた。
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