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第四章
第百五十六話 プレイヤーたちの覚悟
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そのプレイヤーは数年ぶりにチームメンバーと再会し、長い間彼らの中にあったわだかまりが溶けていくのを感じていた。
彼らは所謂エンジョイ勢と呼ばれるプレイヤーが集まったチームだった。レベル上げや課金に必死になることもなく、何となくゲームを楽しめれば良いというプレイヤーたち。
そんな彼らが廃人推奨ゲームファーアースオンラインをプレイしている理由は、他のゲームに比べて圧倒的なVR世界の作り込み、オープンワールドの広さを誇るからである。アクロシア王都という街一つ取っても、こんな馬鹿みたいな広さを持つゲームは他にない。
樹齢何千年もの木々が立ち並ぶエルディン、綺麗な海のリゾートトーラスブルス、現実世界にはない高い山脈など、ファーアースオンラインの世界を旅するのが楽しかった。
そして今でも鮮明に思い出せるあの日、異世界に来た日。
誰かが新しく実装されたダンジョン『冥府』を見に行こうと言い出した。新実装のダンジョンなのだから、そんなトッププレイヤーが挑むような最新コンテンツに行ったところで、みすみすデスペナの餌食になるだけである。
けれど彼らは気にしない。新しいものを見に行くのが大切なのであって、攻略しようなんて思ってもいない。デスペナでレベルが下がろうと、元々レベルを重要視していないから屁でも無い。笑いながら宝箱を見つけてレアアイテムをゲットするぜ、なんてワイワイ騒ぎながらダンジョンに向かって行った。
新実装のダンジョンだ。トッププレイヤーたちがこぞって大挙していて、我先にとモンスターに襲い掛かり、横殴りだなんだと喧嘩している光景もそこら中で見られる。彼らは『冥府』のモンスター一匹にさえ勝てないけれど、湧いた傍からトッププレイヤーたちに狩られる哀れなモンスターたちはこちらに襲い掛かってくる余裕はほとんどない。万が一途中で死んでも、すぐに誰かが通り掛かり、辻リザで起こしてくれる。
何の偶然か、彼らはダンジョンボスのエリアまで辿り着いた。ちなみにそのエリアでは、有名プレイヤーがボスの独占を始めたらしく、トッププレイヤーたちがその有名プレイヤーに立ち向かっていた。その光景はまるでダンジョンボスで、トッププレイヤーたちが斬殺されていく。どっちが新実装されたボスなのか分かったものではない。オープンチャットには罵詈雑言が流れていた。
悪意が渦巻くその空間で、誰かが口にした。
「なんかメールが来たんだけど」
チーム―――様方。
あなた方には新クラスと、新しい世界への挑戦権が与えられます。
新しい世界では、すべての制限が取り払われますが、クリアするまで元の世界へ戻ることはできません。
また、新しい世界で死亡した場合、すべてをロストします。
新しい世界へ挑戦しますか?
彼らは、目の前で暴れ回る有名プレイヤーやトッププレイヤーたちも知らない、ダンジョンのギミックを見つけたのだと大騒ぎになった。
みんなで「はい」を押せと大合唱をして、嫌な予感がすると言ったメールを受け取った本人に半ば無理矢理押させた。その先で出会った、神を名乗る存在によって、この神戯というゲームに参加させられている。当時のチームメンバーには責任を押し付け合うような雰囲気が漂っていた。
それが数年ぶりに出会って、皆それぞれが異世界で過ごしていると知ると、温かい気持ちになるのが止められない。
あの日にボタンを押してしまった責任をずっと感じていた。何としても天空のプレイヤーからチームメンバーを守りたいと思うのは、プレイヤーの贖罪だ。
どこかの国にある小さな酒場の一室で、二人のプレイヤーが向かい合っていた。
一人はヒューマン。異世界では純人族と言われる、ホモサピエンスの特徴をそのまま持つ種族で、年齢は三十代から四十代程度。中肉中背で目立った特徴のない男だった。彼は緊張した面持ちでテーブルを挟んだ相手を見つめている。
もう一人は、デーモンの男。
ファーアースオンラインにおいて、エルフやドワーフと並んで最初期から実装された種族だ。名前の通り悪魔のような種族で、黒い羽と様々な形の角を特徴としていた。種族的な特徴は情報ウィンドウからONOFFできるため、今の彼には羽も角も消えていて、ヒューマンと変わりがない。
実はVR空間において、自分のアバターとして悪魔を選ぶのはあまり好まれる風潮ではない。無宗教の国では分かり辛いが、どれだけテクノロジーが進化しても宗教を信じる者は数多く存在する。そんな彼らにとって、VRでもゲームでも己が神に背く悪魔になるなど我慢できないし、そんな姿をした者と会話するのも嫌だと思うのだ。
とは言えヒューマンの男は、その無宗教の国の出身であり何も思うことはない。せいぜい、中二病だなと思うくらいだ。
「お久しぶりです。メッセージに答えてくれて、ありがとうございます」
デーモンの男と挨拶を交わすと、すぐに天空のプレイヤーへの話になった。
「あなたも見ましたか? あの天空の大陸を。あれを見てからうちのチームメンバーは、その、色々とあるみたいで」
その酒場には、二人以外は店主と一つしか無い出入口の傍に立っている女性だけしか姿がない。出入口の女性は彼の従者で、従者なのに見たこともないような強力な装備に身を包んでいた。
「そうですよね!? あんな、出会ったプレイヤーをみんな殺し回ってるような奴!」
それから二人は話し合う。如何にしてあの天空のプレイヤーから生き残るか。彼はこの神戯というゲームに始めから参加しているだけあって、とても頼りになった。
彼は一つの策を授けてくれた。自分たちよりも強いプレイヤーが現れた際の策だ。
ヒューマンの男は嬉しくなって、これでチームメンバーを助けてあげられると、彼に感謝を伝えた。
彼らは所謂エンジョイ勢と呼ばれるプレイヤーが集まったチームだった。レベル上げや課金に必死になることもなく、何となくゲームを楽しめれば良いというプレイヤーたち。
そんな彼らが廃人推奨ゲームファーアースオンラインをプレイしている理由は、他のゲームに比べて圧倒的なVR世界の作り込み、オープンワールドの広さを誇るからである。アクロシア王都という街一つ取っても、こんな馬鹿みたいな広さを持つゲームは他にない。
樹齢何千年もの木々が立ち並ぶエルディン、綺麗な海のリゾートトーラスブルス、現実世界にはない高い山脈など、ファーアースオンラインの世界を旅するのが楽しかった。
そして今でも鮮明に思い出せるあの日、異世界に来た日。
誰かが新しく実装されたダンジョン『冥府』を見に行こうと言い出した。新実装のダンジョンなのだから、そんなトッププレイヤーが挑むような最新コンテンツに行ったところで、みすみすデスペナの餌食になるだけである。
けれど彼らは気にしない。新しいものを見に行くのが大切なのであって、攻略しようなんて思ってもいない。デスペナでレベルが下がろうと、元々レベルを重要視していないから屁でも無い。笑いながら宝箱を見つけてレアアイテムをゲットするぜ、なんてワイワイ騒ぎながらダンジョンに向かって行った。
新実装のダンジョンだ。トッププレイヤーたちがこぞって大挙していて、我先にとモンスターに襲い掛かり、横殴りだなんだと喧嘩している光景もそこら中で見られる。彼らは『冥府』のモンスター一匹にさえ勝てないけれど、湧いた傍からトッププレイヤーたちに狩られる哀れなモンスターたちはこちらに襲い掛かってくる余裕はほとんどない。万が一途中で死んでも、すぐに誰かが通り掛かり、辻リザで起こしてくれる。
何の偶然か、彼らはダンジョンボスのエリアまで辿り着いた。ちなみにそのエリアでは、有名プレイヤーがボスの独占を始めたらしく、トッププレイヤーたちがその有名プレイヤーに立ち向かっていた。その光景はまるでダンジョンボスで、トッププレイヤーたちが斬殺されていく。どっちが新実装されたボスなのか分かったものではない。オープンチャットには罵詈雑言が流れていた。
悪意が渦巻くその空間で、誰かが口にした。
「なんかメールが来たんだけど」
チーム―――様方。
あなた方には新クラスと、新しい世界への挑戦権が与えられます。
新しい世界では、すべての制限が取り払われますが、クリアするまで元の世界へ戻ることはできません。
また、新しい世界で死亡した場合、すべてをロストします。
新しい世界へ挑戦しますか?
彼らは、目の前で暴れ回る有名プレイヤーやトッププレイヤーたちも知らない、ダンジョンのギミックを見つけたのだと大騒ぎになった。
みんなで「はい」を押せと大合唱をして、嫌な予感がすると言ったメールを受け取った本人に半ば無理矢理押させた。その先で出会った、神を名乗る存在によって、この神戯というゲームに参加させられている。当時のチームメンバーには責任を押し付け合うような雰囲気が漂っていた。
それが数年ぶりに出会って、皆それぞれが異世界で過ごしていると知ると、温かい気持ちになるのが止められない。
あの日にボタンを押してしまった責任をずっと感じていた。何としても天空のプレイヤーからチームメンバーを守りたいと思うのは、プレイヤーの贖罪だ。
どこかの国にある小さな酒場の一室で、二人のプレイヤーが向かい合っていた。
一人はヒューマン。異世界では純人族と言われる、ホモサピエンスの特徴をそのまま持つ種族で、年齢は三十代から四十代程度。中肉中背で目立った特徴のない男だった。彼は緊張した面持ちでテーブルを挟んだ相手を見つめている。
もう一人は、デーモンの男。
ファーアースオンラインにおいて、エルフやドワーフと並んで最初期から実装された種族だ。名前の通り悪魔のような種族で、黒い羽と様々な形の角を特徴としていた。種族的な特徴は情報ウィンドウからONOFFできるため、今の彼には羽も角も消えていて、ヒューマンと変わりがない。
実はVR空間において、自分のアバターとして悪魔を選ぶのはあまり好まれる風潮ではない。無宗教の国では分かり辛いが、どれだけテクノロジーが進化しても宗教を信じる者は数多く存在する。そんな彼らにとって、VRでもゲームでも己が神に背く悪魔になるなど我慢できないし、そんな姿をした者と会話するのも嫌だと思うのだ。
とは言えヒューマンの男は、その無宗教の国の出身であり何も思うことはない。せいぜい、中二病だなと思うくらいだ。
「お久しぶりです。メッセージに答えてくれて、ありがとうございます」
デーモンの男と挨拶を交わすと、すぐに天空のプレイヤーへの話になった。
「あなたも見ましたか? あの天空の大陸を。あれを見てからうちのチームメンバーは、その、色々とあるみたいで」
その酒場には、二人以外は店主と一つしか無い出入口の傍に立っている女性だけしか姿がない。出入口の女性は彼の従者で、従者なのに見たこともないような強力な装備に身を包んでいた。
「そうですよね!? あんな、出会ったプレイヤーをみんな殺し回ってるような奴!」
それから二人は話し合う。如何にしてあの天空のプレイヤーから生き残るか。彼はこの神戯というゲームに始めから参加しているだけあって、とても頼りになった。
彼は一つの策を授けてくれた。自分たちよりも強いプレイヤーが現れた際の策だ。
ヒューマンの男は嬉しくなって、これでチームメンバーを助けてあげられると、彼に感謝を伝えた。
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