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第三章
第百九話 vs死神マウロ 前編
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その少年がファーアースオンラインをプレイし始めた切っ掛けは、本当に些細なものだった。
純国産VRMMOという、最近では珍しくもないネームバリューのゲームの動画。そこにたった一人で大勢を蹴散らしていくプレイヤーが映っていた。VRMMOに限らず、同時参加型のゲームで一人のプレイヤーがそこまで特出するなど、本来なら有り得ないゲームバランスで、動画のコメントも批判と低評価で埋め尽くされている。
運営への批判は当然で、バランス調整への罵詈雑言、そして件のプレイヤーへの嘲笑。
動画を撮影している人物は、件のプレイヤーにインタビューまで敢行した。飛び抜けた者への嫉妬と憎悪の嵐に晒されたプレイヤーが何を語るのかと、待ちきれなくてタイムラインを飛ばした。
「俺が最強だ」
自信に満ちあふれた言葉に、視聴者たちの攻撃先は件のプレイヤーへ集中する。
少年は自分がこのプレイヤーと同じだと思った。頭がよくて、顔がよくて、勉強ができて、家柄もよくて、だから皆に攻撃される。でもこのプレイヤーは少年のように家に閉じこもってはいない。多くの人にこれだけ罵倒され、動画まで撮られているのに、平然と視聴者を怒らせる発言をした。
少年とこのプレイヤー、違うとすれば、何か。
それが知りたくて、ファーアースオンラインを始めた。
少年はすぐに夢中になる。その世界では、きちんと少年を認めてくれたからだ。もうそこまでレベルが上がったのかと驚かれたり、プレイヤースキルを褒められたのも一度や二度ではない。格上のプレイヤーと戦って勝った時は、皆が少年を賞賛した。
しかしある地点から伸び悩む。装備とレベルでごり押ししてくる中層よりも上のプレイヤーたちに勝てなくなった。プレイヤースキルもない連中に負けるなんて我慢出来ない。
お年玉やお小遣いを使って装備を作り出し、それが足りなくなると少年は親のクレジットカードを盗み出し、強力な装備に身を固めるようになった。少年は誰にも負けなくなった。
今なら、あの動画のプレイヤーにも勝てる。
そう思った時、少年は親に呼び出された。クレジットカードを勝手に使ったことを咎められたのだ。こいつらも少年の強さに嫉妬と憎悪を燃やしているから、PKしてやった。
冷蔵庫に残っていた牛乳を飲んで腹を満たし、動画のプレイヤーを探しに行く。あいつを倒せば自分は誰にも認められる。多くの視聴者が、あいつを倒して欲しいと願っていた。それを自分が達成するのだ。
その事件はあらましはどこにでもあるもので、十三歳の少年が両親を殺害し一週間以上放置。少年はその間もゲームをし続けており、近隣住人から異臭のするという通報で発覚した。少年は様子を見に来た市の職員を包丁で刺し重傷を負わせ、警官に取り抑えられそうになり逃走、アパートの四階から「飛翔」と叫びながら自殺した。テレビで少し放送されて、ニュースサイトを少しだけ賑わせ、やがて忘れられる。
◇
マウロはファーアースオンラインの新しいバージョンを楽しんでいた。新しいバージョンはとてもよくできていて、触感や身体を動かす感覚がまるで違っている。その感触が何とも言えない。
多くのプレイヤーはこの新しいバージョンに対応できないようで、一気にトッププレイヤーの仲間入りを果たしたことも大きい。
プレイヤーたちが真剣なのも良い。マウロがPKしようとすると、皆が必死に抵抗してくる。全力の相手を華麗にPKする。マウロは自分の力を感じずには居られなかった。動画の彼と一緒だ。どんな怒りや恨みをぶつけられても、軽々といなして答えられる。
「僕が最強だ」
ヒヌマイトトンボやミヤマシジミなど、マウロと同等のプレイヤーとは同盟を組んだが、いつか彼らも越えていく自信がある。
それなのに、唐突に現れた雑魚プレイヤーカイルがマウロの邪魔をした。カイルは自分では戦わず、従者に戦わせるようなクズだ。そんな奴に馬鹿にされたようで、怒りが湧いてきた。
マウロは今度は装備を整えてから、カイルとその従者をPKするべく向かった。しかしここでもマウロの想定外が起きる。ミヤマシジミが邪魔した上に、逃げ出したのだ。
そのせいでマウロは気絶させられてしまった。最強のマウロが負けるはずがないから、ミヤマシジミの責任に決まっている。ヒヌマイトトンボの友人だと言うから丁寧に接してやっていたのに、足を引っ張るなんて許せない。ミヤマシジミも絶対にPKしてやると決めた。
次に目が覚めたら、マウロはベッドに寝かされていた。医者がヒヌマイトトンボたちが助けたのだと告げたので、気に食わなかったから医者をPKする。医者は嫌いだ。
「なんか夢を見てた。変な夢。あんな女の子、会ったことなんてないはずだけど」
医者の着ていた白衣を使って返り血を拭き取る。周囲を見ると見窄らしいテントの中で、とりあえず周囲の状況を確かめようと情報ウィンドウを立ち上げた。
そして夢で出会った女の子に言われた通り、レベルが上がっていることに気が付いた。
レベルが上がったのは【死神】。
> 【死神】のレベルがアップしました
> 権能【即死】を獲得しました
「へえ、新しいスキルか。スキルじゃない? なんて読むんだろ。まあいっか、使い方は分かるし。これ使えばヒヌマイトトンボさんたちにも、狐人族にも、カイルにも、そして、あいつにだって負けないじゃん。とりあえず、一回全員PKしようかな」
テントから出て様子を窺うと、周囲にも同じようなテントが張られている。
場所はアクロシア王都のすぐ傍の広い平原で、数万人くらいの大の男たちでひしめき合っていた。ヒヌマイトトンボやミヤマシジミが反乱軍がどうのと話していたから、彼らと彼らが利用している公爵の軍勢なのはすぐに分かる。
それにしてはおかしいのが、ほとんど全員が逃げているか座り込んでいるのだ。モンスターでも出たのかと、平原の中央付近に目をやると、ヒヌマイトトンボたちが集まっていた。
「僕に殺されるために待っててくれたのかな? いや、何あれ、負けてる。はー、なんだよ。ヒヌマイトトンボさん、強いと思ったのに、あの人数で戦って負けたの? 情けないなー」
マウロは文句を言いながら、唇を三日月の形にして嗤っていた。
インベントリからナイフを取り出して、投擲。【死神】の権能がヒヌマイトトンボへ襲い掛かる。
その力は、マウロとヒヌマイトトンボのレベル差を無視し、ヒヌマイトトンボのHPを一瞬にしてゼロにした。
純国産VRMMOという、最近では珍しくもないネームバリューのゲームの動画。そこにたった一人で大勢を蹴散らしていくプレイヤーが映っていた。VRMMOに限らず、同時参加型のゲームで一人のプレイヤーがそこまで特出するなど、本来なら有り得ないゲームバランスで、動画のコメントも批判と低評価で埋め尽くされている。
運営への批判は当然で、バランス調整への罵詈雑言、そして件のプレイヤーへの嘲笑。
動画を撮影している人物は、件のプレイヤーにインタビューまで敢行した。飛び抜けた者への嫉妬と憎悪の嵐に晒されたプレイヤーが何を語るのかと、待ちきれなくてタイムラインを飛ばした。
「俺が最強だ」
自信に満ちあふれた言葉に、視聴者たちの攻撃先は件のプレイヤーへ集中する。
少年は自分がこのプレイヤーと同じだと思った。頭がよくて、顔がよくて、勉強ができて、家柄もよくて、だから皆に攻撃される。でもこのプレイヤーは少年のように家に閉じこもってはいない。多くの人にこれだけ罵倒され、動画まで撮られているのに、平然と視聴者を怒らせる発言をした。
少年とこのプレイヤー、違うとすれば、何か。
それが知りたくて、ファーアースオンラインを始めた。
少年はすぐに夢中になる。その世界では、きちんと少年を認めてくれたからだ。もうそこまでレベルが上がったのかと驚かれたり、プレイヤースキルを褒められたのも一度や二度ではない。格上のプレイヤーと戦って勝った時は、皆が少年を賞賛した。
しかしある地点から伸び悩む。装備とレベルでごり押ししてくる中層よりも上のプレイヤーたちに勝てなくなった。プレイヤースキルもない連中に負けるなんて我慢出来ない。
お年玉やお小遣いを使って装備を作り出し、それが足りなくなると少年は親のクレジットカードを盗み出し、強力な装備に身を固めるようになった。少年は誰にも負けなくなった。
今なら、あの動画のプレイヤーにも勝てる。
そう思った時、少年は親に呼び出された。クレジットカードを勝手に使ったことを咎められたのだ。こいつらも少年の強さに嫉妬と憎悪を燃やしているから、PKしてやった。
冷蔵庫に残っていた牛乳を飲んで腹を満たし、動画のプレイヤーを探しに行く。あいつを倒せば自分は誰にも認められる。多くの視聴者が、あいつを倒して欲しいと願っていた。それを自分が達成するのだ。
その事件はあらましはどこにでもあるもので、十三歳の少年が両親を殺害し一週間以上放置。少年はその間もゲームをし続けており、近隣住人から異臭のするという通報で発覚した。少年は様子を見に来た市の職員を包丁で刺し重傷を負わせ、警官に取り抑えられそうになり逃走、アパートの四階から「飛翔」と叫びながら自殺した。テレビで少し放送されて、ニュースサイトを少しだけ賑わせ、やがて忘れられる。
◇
マウロはファーアースオンラインの新しいバージョンを楽しんでいた。新しいバージョンはとてもよくできていて、触感や身体を動かす感覚がまるで違っている。その感触が何とも言えない。
多くのプレイヤーはこの新しいバージョンに対応できないようで、一気にトッププレイヤーの仲間入りを果たしたことも大きい。
プレイヤーたちが真剣なのも良い。マウロがPKしようとすると、皆が必死に抵抗してくる。全力の相手を華麗にPKする。マウロは自分の力を感じずには居られなかった。動画の彼と一緒だ。どんな怒りや恨みをぶつけられても、軽々といなして答えられる。
「僕が最強だ」
ヒヌマイトトンボやミヤマシジミなど、マウロと同等のプレイヤーとは同盟を組んだが、いつか彼らも越えていく自信がある。
それなのに、唐突に現れた雑魚プレイヤーカイルがマウロの邪魔をした。カイルは自分では戦わず、従者に戦わせるようなクズだ。そんな奴に馬鹿にされたようで、怒りが湧いてきた。
マウロは今度は装備を整えてから、カイルとその従者をPKするべく向かった。しかしここでもマウロの想定外が起きる。ミヤマシジミが邪魔した上に、逃げ出したのだ。
そのせいでマウロは気絶させられてしまった。最強のマウロが負けるはずがないから、ミヤマシジミの責任に決まっている。ヒヌマイトトンボの友人だと言うから丁寧に接してやっていたのに、足を引っ張るなんて許せない。ミヤマシジミも絶対にPKしてやると決めた。
次に目が覚めたら、マウロはベッドに寝かされていた。医者がヒヌマイトトンボたちが助けたのだと告げたので、気に食わなかったから医者をPKする。医者は嫌いだ。
「なんか夢を見てた。変な夢。あんな女の子、会ったことなんてないはずだけど」
医者の着ていた白衣を使って返り血を拭き取る。周囲を見ると見窄らしいテントの中で、とりあえず周囲の状況を確かめようと情報ウィンドウを立ち上げた。
そして夢で出会った女の子に言われた通り、レベルが上がっていることに気が付いた。
レベルが上がったのは【死神】。
> 【死神】のレベルがアップしました
> 権能【即死】を獲得しました
「へえ、新しいスキルか。スキルじゃない? なんて読むんだろ。まあいっか、使い方は分かるし。これ使えばヒヌマイトトンボさんたちにも、狐人族にも、カイルにも、そして、あいつにだって負けないじゃん。とりあえず、一回全員PKしようかな」
テントから出て様子を窺うと、周囲にも同じようなテントが張られている。
場所はアクロシア王都のすぐ傍の広い平原で、数万人くらいの大の男たちでひしめき合っていた。ヒヌマイトトンボやミヤマシジミが反乱軍がどうのと話していたから、彼らと彼らが利用している公爵の軍勢なのはすぐに分かる。
それにしてはおかしいのが、ほとんど全員が逃げているか座り込んでいるのだ。モンスターでも出たのかと、平原の中央付近に目をやると、ヒヌマイトトンボたちが集まっていた。
「僕に殺されるために待っててくれたのかな? いや、何あれ、負けてる。はー、なんだよ。ヒヌマイトトンボさん、強いと思ったのに、あの人数で戦って負けたの? 情けないなー」
マウロは文句を言いながら、唇を三日月の形にして嗤っていた。
インベントリからナイフを取り出して、投擲。【死神】の権能がヒヌマイトトンボへ襲い掛かる。
その力は、マウロとヒヌマイトトンボのレベル差を無視し、ヒヌマイトトンボのHPを一瞬にしてゼロにした。
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