167 / 180
宣言と祭り(フィエスタ)
ヤクロウさんの告白はみんなを困惑させるのです
しおりを挟む
「お嬢、向こうはどうなっているんだ?」
「みんな頑張っています!」
「あ、いや、そう言う事じゃなくてだな⋯⋯ま、向こう着いたら確認するか⋯⋯」
荷台で寄りかかっていたヤクロウさんが、ぬっと御者台に顔を出して来ました。私は皆さんの頑張りを伝えるべく、元気に答えます。でも、ヤクロウさんは何故かすぐに荷台に引っ込んでしまいました。しかも、溜め息まじりですよ。どうしてですかね?
さぁ、あと一息。ヴィトリアはもう目の前です。
◇◇
夕方前には、【キルロメディシナ】に到着出来ました。いよいよ明日、全てを終わらせる日です。刻一刻と流れる時間にバタバタとしているかと思ったのですが、裏通りはいつも通りの姿を見せていました。
「ヤクロウさんを連れて来ました!」
「ご苦労さん。あんたがヤクロウか、初だな。宜しく頼むよ、マッシュだ。あそこにいる眼鏡のおさげ髪はフェイン、あっちのドワーフがユラだ」
「あの魔女っ娘、ドワーフか⋯⋯。すまんな、いろいろと迷惑かけちまって」
「造作無い。ま、何とかなるさ」
マッシュさんが、笑みを浮かべながら肩をすくめて見せても、ヤクロウさんの表情は硬いままでした。少し落ち着かない様子で待合に腰を下ろし、皆さんの様子を見つめています。
私もマッシュさんの言葉を信じて⋯⋯というか、何の根拠も無いのですが、大丈夫かなって思ってしまっています。なので、心持ちは意外にも落ち着いていました。緊張感の薄いキノと一緒にいるのもあるのかな? キノは何時もと変わらずマイペースです。
「キノ、明日は私と一緒にいてね。私と一緒にヤクロウさんを守るの、いい?」
「あいあーい? うん? エレナが守る?? それは無理よ」
「キノに出来るのだから、出来ますー」
「⋯⋯⋯⋯エレナ、無理ダメ。ハルヲに怒られるよ。キノが守る」
「ええ~。とにかく、明日は指示あるまで一緒だからね」
「⋯⋯うん」
気の無い返事に緊張感はやはりありません。表情の硬いヤクロウさんには、お茶を一杯手渡しました。少しでも硬さが取れてくれるといいのですが。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。なぁ、何でお前達はそんなに落ち着いている? 大事だ、普通なら浮ついてバタつくもんだ。何でだ?」
動き回る皆さんを見つめながら、ヤクロウさんは訥々と言葉を零されました。私も釣られて、皆さんを見つめて行きます。
「大丈夫だって、みんな思っているのです。キルロさんの言葉で、みんなやるべき事がはっきりして、前に進むだけと割り切れたからかも知れませんね」
「小僧の言葉?」
「はい。キルロさんはいつも凄いのですよ。いろんな人を救ってくれるのです。キルロさんはいつも良い方へと導いてくれます。だから、きっと今回も大丈夫。ヤクロウさんも心配ばかりせず、前を向いて下さい」
「前か⋯⋯。ニウダ達住人も、前を向いているのか?」
「もちろんです。住人のみなさんだけじゃありません。兎人の皆さんも、前を向いています」
「そうか⋯⋯後ろばかり気にしているのは、オレだけか⋯⋯」
溜め息まじりに零れた言葉。ヤクロウさんから少しばかり硬さが取れた感じがします。
「少し落ち着きましたか?」
「ああ。オレも出来る事があれば手伝おう。やれる事があれば何でも言ってくれ」
「ハッハァー! ヤクロウ、その言葉を待っていたんだ。おまえさんにしか出来ない事をひとつ頼みたい」
マッシュさんが笑顔で、ヤクロウさんの肩に手を置きます。その笑顔は獲物を見つけて、喜々とする姿とダブりますね。
マッシュさんの含みのある笑みでのお願いに、さすがのヤクロウさんも一瞬怯む姿を見せました。
「お、おう⋯⋯。そらぁ、出来る事なら何でもするぞ。あんたらだけに任すのは、さすがにしのびないからな」
「そうかい、そうかい。それじゃあひとつ。ヤクロウ、あんたにしか出来ない、いや、言えないだな。ここまでして、おまえさんを欲しがる理由は、何だ? さすがにここまで来て、知らないままヤツらと向き合うのは骨が折れる。国を動かしてまで、欲しがる理由。そいつを話して貰おうか」
ヤクロウさんは一瞬、躊躇いを見せましたが、すぐに何度も頷きます。そこから語られた言葉に、一同驚きを隠せませんでした。
私は良く分からなかったのですけどね。
「だよな。さて、どこから話せばいいのか⋯⋯少し長くなるぞ」
「構わんさ。時間はたっぷりある」
皆さんの手は止まり、ヤクロウさんに視線が集まって行きます。
「青いマントの男も、赤いマントの男も、ヒューマンでは無い」
その第一声をどう捉えればいいのか、みんな戸惑います。ヒューマンではないとしたら、何でしょう? ドワーフにも、エルフにも、それこそ獣人にも見えませんでしたよ。みんな顔を見合わせては首を傾げ、ヤクロウさんの言葉を処理出来ないでいました。
「ちょっと待ってくれ。なら、ヤツらは何だと言うんだ? どう見てもヒューマンだったぞ」
「なぁマッシュ、おかしくないか。なぜヒューマンが同族であるヒューマンを虐げる? ヒューマンで無い方が、辻褄が合うと思わねえか」
「辻褄は合うが⋯⋯じゃあ、何だと言うんだ?」
マッシュさんの言葉にみんな激しく頷きます。
「⋯⋯ヤツらは小人族だ。薬を使って、ヒューマンに化けている」
「はぁ? ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。小人族? とうの昔に絶滅した人種でしょう? 何言ってんのよ!?」
困惑するハルさんが声を上げます。
小人族。
みなさんの反応から、いるはずの無い人種だと伝わります。ユラさんでさえ、怪訝な表情をヤクロウさんに向けていました。
無知な私には事の重大さが分かりません。でも、マナルさんやカズナさんみたいに、いないと思われた人種が存在していたのですから、いたとしてもおかしくないのでは? なんて、思ってしまいます。だからきっと、ヤクロウさんの言葉に嘘は無いのでしょう。
驚きを見せていたマッシュさんは、すでに逡巡していました。何かに気が付いたのか、ヤクロウさんをジッと見つめます。ヤクロウさんは、ゆっくりとみんなの反応を噛み締め、予想通りだったのでしょう、また静かにそして強い意志を込めて語り始めました。
「小人族は滅んでなんかいない。この世界に存在している。偽りの無い事実だ」
「そうか⋯⋯。おまえさんがその化ける薬を作っていた⋯⋯いや、製法を知っている⋯⋯。そして、その薬が必要になった。それはすなわち、おまえさんが必要と言う事」
「ハルといい、あんたといい、何でこうも察しがいいんだか⋯⋯。あんたの言う通りだ。薬が必要、だからオレが必要。そういう事だ」
「でもさ、薬でしょう? ヤクロウじゃなくとも作れるんじゃないの?」
「ハル、言ったよな。オレはずっと地位の高いヤツらの側で薬の研究をしていたと。近い効能を見せる薬は作れるヤツはいるかも知れない。でも、オレの薬はオレしか作れない。それだけの話だ」
ハルさんは、ヤクロウさんの言葉を渋々と飲み込んでいました。ヤクロウさんしか作れない薬が欲しい。でも、それだけの為に国を動かすのですか? ヤクロウさんは、どうして作ってあげないのでしょう?
「おまえさんが、そいつを作ってやれば、ヤツらは引き下がるんじゃないのか?」
「かも知らん。でも、それをしたら虐げられている者達はいつまで経っても、そのままだ。それでいいと思うか? しかも、それはヒューマンだけでは無い」
「ヒューマンだけでは無い?」
「それってどういう事?」
マッシュさんも、ハルさんも、同じ言葉に引っ掛かりを覚えたようです。ヤクロウさんは、まるで遠くに思いを馳せるかのごとく、遠くを見つめました。憂いを見せるその瞳は、寂し気でもあり、優しくもありました。
「言ったはずだ。小人族はいると。彼らは、オーカの隅で隠されている。これこそ、同族が同族を虐げていると言ってもいいかも知らん。おかしな話と思わんか」
「それって、どういう事? 何で?」
ハルさんだけではありません。ヤクロウさんの言葉にみんな困惑するばかりです。
「そうだな⋯⋯オーカの話を少ししようか⋯⋯」
ヤクロウさんは、寂し気な笑みを見せます。自嘲気味にも見えるその表情が、なぜだか私の心を締め付けました。
「みんな頑張っています!」
「あ、いや、そう言う事じゃなくてだな⋯⋯ま、向こう着いたら確認するか⋯⋯」
荷台で寄りかかっていたヤクロウさんが、ぬっと御者台に顔を出して来ました。私は皆さんの頑張りを伝えるべく、元気に答えます。でも、ヤクロウさんは何故かすぐに荷台に引っ込んでしまいました。しかも、溜め息まじりですよ。どうしてですかね?
さぁ、あと一息。ヴィトリアはもう目の前です。
◇◇
夕方前には、【キルロメディシナ】に到着出来ました。いよいよ明日、全てを終わらせる日です。刻一刻と流れる時間にバタバタとしているかと思ったのですが、裏通りはいつも通りの姿を見せていました。
「ヤクロウさんを連れて来ました!」
「ご苦労さん。あんたがヤクロウか、初だな。宜しく頼むよ、マッシュだ。あそこにいる眼鏡のおさげ髪はフェイン、あっちのドワーフがユラだ」
「あの魔女っ娘、ドワーフか⋯⋯。すまんな、いろいろと迷惑かけちまって」
「造作無い。ま、何とかなるさ」
マッシュさんが、笑みを浮かべながら肩をすくめて見せても、ヤクロウさんの表情は硬いままでした。少し落ち着かない様子で待合に腰を下ろし、皆さんの様子を見つめています。
私もマッシュさんの言葉を信じて⋯⋯というか、何の根拠も無いのですが、大丈夫かなって思ってしまっています。なので、心持ちは意外にも落ち着いていました。緊張感の薄いキノと一緒にいるのもあるのかな? キノは何時もと変わらずマイペースです。
「キノ、明日は私と一緒にいてね。私と一緒にヤクロウさんを守るの、いい?」
「あいあーい? うん? エレナが守る?? それは無理よ」
「キノに出来るのだから、出来ますー」
「⋯⋯⋯⋯エレナ、無理ダメ。ハルヲに怒られるよ。キノが守る」
「ええ~。とにかく、明日は指示あるまで一緒だからね」
「⋯⋯うん」
気の無い返事に緊張感はやはりありません。表情の硬いヤクロウさんには、お茶を一杯手渡しました。少しでも硬さが取れてくれるといいのですが。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。なぁ、何でお前達はそんなに落ち着いている? 大事だ、普通なら浮ついてバタつくもんだ。何でだ?」
動き回る皆さんを見つめながら、ヤクロウさんは訥々と言葉を零されました。私も釣られて、皆さんを見つめて行きます。
「大丈夫だって、みんな思っているのです。キルロさんの言葉で、みんなやるべき事がはっきりして、前に進むだけと割り切れたからかも知れませんね」
「小僧の言葉?」
「はい。キルロさんはいつも凄いのですよ。いろんな人を救ってくれるのです。キルロさんはいつも良い方へと導いてくれます。だから、きっと今回も大丈夫。ヤクロウさんも心配ばかりせず、前を向いて下さい」
「前か⋯⋯。ニウダ達住人も、前を向いているのか?」
「もちろんです。住人のみなさんだけじゃありません。兎人の皆さんも、前を向いています」
「そうか⋯⋯後ろばかり気にしているのは、オレだけか⋯⋯」
溜め息まじりに零れた言葉。ヤクロウさんから少しばかり硬さが取れた感じがします。
「少し落ち着きましたか?」
「ああ。オレも出来る事があれば手伝おう。やれる事があれば何でも言ってくれ」
「ハッハァー! ヤクロウ、その言葉を待っていたんだ。おまえさんにしか出来ない事をひとつ頼みたい」
マッシュさんが笑顔で、ヤクロウさんの肩に手を置きます。その笑顔は獲物を見つけて、喜々とする姿とダブりますね。
マッシュさんの含みのある笑みでのお願いに、さすがのヤクロウさんも一瞬怯む姿を見せました。
「お、おう⋯⋯。そらぁ、出来る事なら何でもするぞ。あんたらだけに任すのは、さすがにしのびないからな」
「そうかい、そうかい。それじゃあひとつ。ヤクロウ、あんたにしか出来ない、いや、言えないだな。ここまでして、おまえさんを欲しがる理由は、何だ? さすがにここまで来て、知らないままヤツらと向き合うのは骨が折れる。国を動かしてまで、欲しがる理由。そいつを話して貰おうか」
ヤクロウさんは一瞬、躊躇いを見せましたが、すぐに何度も頷きます。そこから語られた言葉に、一同驚きを隠せませんでした。
私は良く分からなかったのですけどね。
「だよな。さて、どこから話せばいいのか⋯⋯少し長くなるぞ」
「構わんさ。時間はたっぷりある」
皆さんの手は止まり、ヤクロウさんに視線が集まって行きます。
「青いマントの男も、赤いマントの男も、ヒューマンでは無い」
その第一声をどう捉えればいいのか、みんな戸惑います。ヒューマンではないとしたら、何でしょう? ドワーフにも、エルフにも、それこそ獣人にも見えませんでしたよ。みんな顔を見合わせては首を傾げ、ヤクロウさんの言葉を処理出来ないでいました。
「ちょっと待ってくれ。なら、ヤツらは何だと言うんだ? どう見てもヒューマンだったぞ」
「なぁマッシュ、おかしくないか。なぜヒューマンが同族であるヒューマンを虐げる? ヒューマンで無い方が、辻褄が合うと思わねえか」
「辻褄は合うが⋯⋯じゃあ、何だと言うんだ?」
マッシュさんの言葉にみんな激しく頷きます。
「⋯⋯ヤツらは小人族だ。薬を使って、ヒューマンに化けている」
「はぁ? ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ。小人族? とうの昔に絶滅した人種でしょう? 何言ってんのよ!?」
困惑するハルさんが声を上げます。
小人族。
みなさんの反応から、いるはずの無い人種だと伝わります。ユラさんでさえ、怪訝な表情をヤクロウさんに向けていました。
無知な私には事の重大さが分かりません。でも、マナルさんやカズナさんみたいに、いないと思われた人種が存在していたのですから、いたとしてもおかしくないのでは? なんて、思ってしまいます。だからきっと、ヤクロウさんの言葉に嘘は無いのでしょう。
驚きを見せていたマッシュさんは、すでに逡巡していました。何かに気が付いたのか、ヤクロウさんをジッと見つめます。ヤクロウさんは、ゆっくりとみんなの反応を噛み締め、予想通りだったのでしょう、また静かにそして強い意志を込めて語り始めました。
「小人族は滅んでなんかいない。この世界に存在している。偽りの無い事実だ」
「そうか⋯⋯。おまえさんがその化ける薬を作っていた⋯⋯いや、製法を知っている⋯⋯。そして、その薬が必要になった。それはすなわち、おまえさんが必要と言う事」
「ハルといい、あんたといい、何でこうも察しがいいんだか⋯⋯。あんたの言う通りだ。薬が必要、だからオレが必要。そういう事だ」
「でもさ、薬でしょう? ヤクロウじゃなくとも作れるんじゃないの?」
「ハル、言ったよな。オレはずっと地位の高いヤツらの側で薬の研究をしていたと。近い効能を見せる薬は作れるヤツはいるかも知れない。でも、オレの薬はオレしか作れない。それだけの話だ」
ハルさんは、ヤクロウさんの言葉を渋々と飲み込んでいました。ヤクロウさんしか作れない薬が欲しい。でも、それだけの為に国を動かすのですか? ヤクロウさんは、どうして作ってあげないのでしょう?
「おまえさんが、そいつを作ってやれば、ヤツらは引き下がるんじゃないのか?」
「かも知らん。でも、それをしたら虐げられている者達はいつまで経っても、そのままだ。それでいいと思うか? しかも、それはヒューマンだけでは無い」
「ヒューマンだけでは無い?」
「それってどういう事?」
マッシュさんも、ハルさんも、同じ言葉に引っ掛かりを覚えたようです。ヤクロウさんは、まるで遠くに思いを馳せるかのごとく、遠くを見つめました。憂いを見せるその瞳は、寂し気でもあり、優しくもありました。
「言ったはずだ。小人族はいると。彼らは、オーカの隅で隠されている。これこそ、同族が同族を虐げていると言ってもいいかも知らん。おかしな話と思わんか」
「それって、どういう事? 何で?」
ハルさんだけではありません。ヤクロウさんの言葉にみんな困惑するばかりです。
「そうだな⋯⋯オーカの話を少ししようか⋯⋯」
ヤクロウさんは、寂し気な笑みを見せます。自嘲気味にも見えるその表情が、なぜだか私の心を締め付けました。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる