上 下
147 / 169
番外 ※ 時間軸はランダムです。結婚後の話もあります。

ホワイトデー SS ~ 後日談 ~ ※

しおりを挟む



~ ディーノ&サヴィン side ~ 





あの日は、“ホワイトデー”だったらしい。


後で聞いた処に由ると、あの日はイオリ曰く“バレンタインのお返事及び返礼の品”が贈られる日なのだそうだ。

へ~・・・んっ!?・・・あっっ!!あの日?!・・うわぁっ・・///・・・って思った。

だって、だってさ・・・お返事も返礼も・・・それ以上のモノディーノさんの想いを、俺はあの日に、たくさんたくさん貰ってて。



あの時のディーノさん、すごく・・・





「サヴィン、愛している。お前のこの目に映るものが・・・俺だけであれば、どれ程に・・・」

「俺も、愛してます。俺はずっと前から、ディーノさんしか・・・その・・・見てませんよ?・・・んっ・・ぅ・・」


今日は何だかディーノさん雰囲気が、俺を見る雪空が柔らかくて・・・甘い?って思っていたら。夜のリビングのソファーで、ぎゅって抱き締められて顎を掬い上げられた。雪空色の瞳に見つめられて、愛を告げられれば、もう照れる間もない程に幸せで。

唇が触れる瞬間に、切なげな囁きを吹き掛けられて、考える必要も躊躇なんて欠片もなく、俺の本心のままに想いに応えてた。
その言葉の終わりも待てないと云う様に、直ぐに塞がれた唇は、そのまま全てを奪い尽くす様なキスに変わって。舌を絡めて深く唇が重なって、どっちの唾液かも分からない位に溶け合った頃には、俺はもうディーノさんの事しか考えられなくなってた。



だから、いつベッドに移動したのかとか、何で張りのある肌と引き締まった筋肉を素肌で感じているのか分からないまま、その熱さに翻弄されていて。
躰の深い処に、溶けそうに熱い彼の屹立を感じて、快楽にうねるナカがおねだりするのも恥ずかしいなんて、欠片も無かった。


「・・・まぁ・・俺だけにする、させるが・・な」

「・・あっ・・やぁっ・・もっと、おくぅ・・」

さっきの、切ない声に艶と熱と・・・強引な程に強い響きが混じった、彼の本気想いを耳朶に囁かれながら、もっと彼が欲しくて奥まで、熱いモノで満たして欲しくて。
はぐらかす様に、意地悪く引かれる腰に無意識のままに脚を絡ませて、おねだりする事も厭わない位に淫らに昂って、自分から腰を押し付けて求める。

自分のナカに、ディーノさんを感じる時が本当に幸せで、躰も精神も最高の快楽に満たされて、気づかない内に閉じていた目を開けば大好きで尊敬している、ずっと欲しかった人の、俺を見つめる熱い雪空の瞳と視線まで絡み合える。

「っあ・・ディーノ、さんっ・・愛してます・・ずっと、ディーノさんだけ・・このまま・・・っっあぁっ!」

その雪空に、俺の想いを届けたくて懸命に言葉と紡げば、もうこれ以上は無いと思っていたナカのディーノさんがぐんってナカが押し広げられる位に大きくなった。

「ああ・・・っ、このまま・・・俺に愛されていればいい・・・っ!」

そう、耳朶に噛み付くように囁かれた瞬間、奥を突き上げて硬く張り出した切っ先で捏ね抉られたら、もう我慢なんて出来ないです・・・

「ぁあっ・・あっ、あぁっ・・・あんんっっ!!」

「っ・・・っく・・」

熱い杭に穿たれて愛される躰の奥に、熱い飛沫が放たれて、ディーノさんと俺の躰の間で挟まれて濡れた屹立から、絶頂の証が散る。

いつもなら、強すぎる快楽に目を閉じてしまうけど、その時は不思議とディーノさんの顔を見つめていて。
その雪空の瞳をすがめるように細めて、何かを堪えるみたいに頬を引き締めた、その男の色香をこれ以上無く漂わせる表情を、見てしまった俺がどうなったのか・・・なんて。

「あっ・・・やぁっ・・また、俺っ・・・だめっ・・イっ・・・んん~~・・・っっあ!!」

達した躰が、再び絶頂の高みに押し上げられて、抗うなんて不可能な愉悦に落とされた。
でも・・・確かに達しイったハズなのに、それでも、俺の屹立からはさっきの残滓がこぷりと零れただけで、イったのにその証が出ないんだ・・・これって・・・

・・・射精しイった直後に、そのままドライで極めたの・・・初めてだと、思う。

しかも、それの原因がディーノさんのイキ顔って・・・俺、ディーノさんにどんだけ惚れてるんだよ。
・・・すっごく、これ以上無く惚れてます、大好きです。


「はっ・・ぁ・はぁ・・・んぅ・・っ」

続けて達した躰のびくつく震えが止まらなくて、ディーノさんの背に回した腕でぎゅっと抱き付いて堪える俺の、喘ぐ呼吸を繰り返す唇がそっと同じそれで塞がれた。
唇が優しく食まれて、ちゅっちゅって軽く吸われて、しっとりと重なった後は舌を絡め合う深いキスが気持ち善くて、気だった躰の震えが治まる頃には、くったりと躰の力も抜けていた。


「落ち着いたか?・・・続けて極めただろう。・・・俺も持っていかれるかと思ったぞ・・・ドライでイった、のか?・・・ん?」

「っっ~~!!」

バレてるっ・・・当たり前って云ったら、そうなんだけど。
すごく、すっごく恥ずかしい。でも、それはディーノさんのせいだから・・・だから。

「俺は、当然好ましく嬉しいが。・・・ん?意外だったか?敏感な恋人が可愛いと思うのは至極当然だろう?こんなに艶やかに乱れるとは・・・男冥利に尽きるな」

俺は、ディーノさんの、ディーノさんに与えられるなら、何でも嬉しいですって思って。だって、本当にそうなんだから、仕方無い。
それを伝えたくて雪空を見上げると、視線が合ったその瞬間ナカの圧迫がぶわって増して、まだキモチイイままのそこに強い快楽が広がって、本能と反射でぎゅうって締め付けてしまったけど。

「っう・・・はぁ、イタズラが過ぎると、もっと苛めて可愛がってしまいたくなるが・・・分かっては・・いないのだろうな・・・まぁ、可愛いが」

「んぁっ・・・えっ・・?えっ・・あっ・・あぁっ、んっ、あんっ・・あぁっ!」

さっき、二人とも達したまま、くっついたままの・・・所謂、挿れっぱなしだった処で、ディーノさんのが始まれば。もう俺はそれに翻弄されるまま、快楽を与えられるままに享受して歓喜と快感に乱れるだけで。




たくさん愛されて、たくさん想いを囁かれて、しあわせで気持ち善くて幸せでいつ眠ったのか、意識を手放したのかも分からないままで、水面に浮かび上がるみたいにすうっと目が覚めた。
・・・何だろう・・・昨日(?)は、普段はちょっとイジワルで、あまりストレートに想い本心を言葉にしないディーノさんが、たくさん心の内を伝えてくれた。その、セックスも、いつもより、何かすごくすごかった、し。


すごく甘くて溶けそうだって、何回も思った。意識が無くなる直前なんて、もう蕩けてたと思う。あ、寝たんじゃなくて、そっちだった?なんて考える位に。

「ん、あれ・・・?」

そんな事をぼんやりと考えてた俺の目の前は何かに遮られてて、躰は温かくて硬い何かに包まれていた。
よく知っている、愛しくてこれ以上の無い安心感と・・・まだ躰の奥に沈む欲を掻き立てる感触。

ディーノさん、だった。

素肌に感じる熱い肌と滑らかなシーツに、俺も彼も何も身に付けないまま、抱き合って横たわっていると気付く。

いつもなら、俺がディーノさんの手を握って寝ているか、俺が寝ている横に座って仕事をしている彼が、優しく俺の頭を撫でてくれる・・・とか。
思い出しても、甘いって思う・・・目を開ければ、ふわって目元を和らげて“起きたのか?まだ寝ていていいぞ”って額にキスしてくれるんだ・・・甘い・・だろ?
いつもの彼を知っている人なら、こんなに甘いコトするなんて想像もしないんじゃないかって思う。

いつもそんな感じだから、こんな風に目覚めるのは初めてで。ぶわって顔が熱くなった。心拍も早くなって、これじゃあディーノさんに起きたのがバレてしまうって焦ったけど、俺の躰に回された腕は、逆に強くなって。えっ?って思って顔を上げたら、もう目の前には雪空色の瞳があって。唇には柔らかくて熱い唇が降ってきた。


それから、そのままディーノさんの事しか考えられなくなったんだけど。







あの時のディーノさん、すごく優しくて、すごく甘くて・・・すっごくエロかった・・・っ!



その次の日、出仕の為に着替えた時に見たことのないカフスボタンが付いてて。驚いてディーノさんを見たら、さらっと云われた。

「“バレンタインのお返し”だ・・・いつでも、仕事中であろうと、俺のモノだとマーキングを付けておくように」

「~~っっ!!・・・はい・・っ」


俺、嬉しくて幸せで恥ずかしくて、やっぱりすっごく幸せで、どうしたら良いか分からなくなったもんなぁ・・


その時はホワイトデーって知らなかったけど・・・何だがバレンタインデーよりも、すごい日なのでは?






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっと出来ましたっ(;^_^A





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。 「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」

ボクのことが嫌いな彼らは、10年後の僕を溺愛する

BL
母親の再婚により、幼いアンリの生活は一変した。 十年間、最悪を受け入れ、諦め、死んだように生きていたアンリの周りは最近なんだかおかしい。 !!  暴力表現は*   R18表現は**   という感じで作者判断で一応印をつけようと思いますが、印がなくても色々あると理解した上でご覧ください。 ※すべては見切り発車です。 ※R18は保険です。サラッと描写するかもしれないし、がっつりにするかもしれないし。いずれにしてもある程度話が進まないとそういうシーンは出てこないと思います。がっつりになったら印つけます。 ※女性との絡み、暴力、犯罪描写あります。 ※主人公重度のマザコン

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される

秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】 哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年 \ファイ!/ ■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ) ■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約 力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。 【詳しいあらすじ】 魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。 優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。 オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。 しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。

【完結】虐げられオメガ聖女なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました(異世界恋愛オメガバース)

美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました

海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。 しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。 偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。 御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。 これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。 【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】 【続編も8/17完結しました。】 「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785 ↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

処理中です...