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3章

103 つながる大陸③シシエド国のその後

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翌日一同はヨツクニ国に来た。

 ヨツクニ国は戦闘・武器を司るスサノオ神の加護を受けた土地で戦闘系や武器作成に長けた人物が生まれる事が多い。そのため様々な武器が生み出され、大陸中からたくさんの武人が訪れたり、護衛任務などで他の国々へ派遣されることも多いためこの大陸の防衛を支えている。

 街の風景は全体的にオオエド国に似ているが街を歩いている人は武器を持った冒険者が多い。正宗の案内でまず職人区画に来た。ヨツクニ国は城を中心に樹民や商店が連なる住民区画、鍛冶場や工場が連なる職人区画、各流派の道場が連なる道場区画に分かれていた。これには理由があり、はじめ区画は無かったが鍛冶屋や工場では新技術や新製品の開発のため異臭や爆発があり、道場の近くの民家では掛け声や人が飛んできたりとしたご近所トラブルが多かったためこのような区画が設置された。

 職人区域には音、においを遮断する結界が張られている。区画内には金属の叩く音が聞こえる煙突から煙が出た鍛冶屋や様々な武器を展示する武器屋、薬品の匂いが漂う薬屋などが建てられていた。よく見るとところどころに爆発の後もある。一同が興味を持ったのはヒノクニ大陸特有の武具である刀、鎖鎌、クナイ、鎧だった。一応刀などはレグルス大陸にも広まっているが完成度が段違いだった。また他の武器にもヒノクニ大陸特有の技術が使われていた。

 一同は続いて道場区画に来た。この区画には音を遮断する結界が張られていた。この区画は2mほどの高い塀で道場が区切られ様々な方向から掛け声や地面に衝突する音が聞こえる。ふと翔の方に人が飛んできた。翔は飛んで来る力を体術で流すと後方に飛んでいき、隣の道場の結界に阻まれた。その様子を見た正宗は顔をしからめ近くの兵士に伝えるとその兵士は幾人かの兵士を連れて人が飛んできた道場に入って行く。それを確認した正宗は何事もなかったように案内を進める。アルフレッドは気になり正宗に話しかける。

「正宗、今のは?」

「ああ、この道場区画の道場にはいくつか特殊な法律が課されていてその一つに『道場の壁には外に飛び出ないように結界を張ること』があって、あの道場はそれを破っていたから捕まえに行ったんだ」

ヨツクニ国の特殊な法律に驚きつつ午前中のヨツクニ国の観光は終わった。

午後はシシエド領に来た。

 シシエド国は資源・建築を司るエビス神の加護を受けた土地で生産系や採掘・建築に長けた人物が生まれる事が多い。そのため様々な生産物、建築素材が生み出され、この大陸の生活を支えている。またエビス神は魔族の信奉の対象のため、魔族がシシエド国に集まりやすい。

 シシエドは他の国に比べて道幅が広く馬車が頻繁に行き来しており、硫黄の香りが漂ってきた。

「シシエドは近くに金属が採れる鉱山や建築に向いている木がたくさんあるため、その資材を大陸全土に運ぶため馬車や魔獣便が多いんです。また地中から温泉が出るため温泉街も多いんです」

 シシエドについては一葉が案内してくれている。街中を観察するとピッケルや鉱石が入った箱を持つ男やウチワを片手に浴衣を着てゆったりしている人などがいた。

 更に一葉は最近の話をしてくれる。以前はこの街も前国王金成にわいろなど送っていた商店や宿屋は優遇され商品の独占や上客の優先的な接待、悪事を働いても言及されなく街を牛耳っていたため街の雰囲気は暗かった。

 しかし金成が捕まりオオエド国に合併される時飛龍は言った『恨みを持つ者がいるだろう。しかし金成の命令でしていた者や自分の意思でしていた者がいるだろうが今までの所業に付いて罰しはしない。そして私たちはこの街を制圧しようとは思わない。相談に乗るが皆は今まで通り街を作っていてほしい』と。その一言で街の様子は1変した。

 まず商人だが今まで金成の力を恐れて横流しやありえないほどの低価格での資材の調達をしていたがそれができなかったり、そもそもほとんどのまっとうな問屋は資材や商品をおろす事はしなくなった。その結果売れる商品がいなくなり、街では汚物を見るような目で見られたためこの街から逃げ出していった。それにより前商人の半分がいなくなった。

 次に宿屋だが一般の宿屋よりサービスが悪く値段が高いことから客が全く入らず閑古鳥が鳴きはじめ、しまいには売春まがいの客引きをはじめ軍に捕まり倒産。全宿屋のうち半分がいなくなった。

 これらの事で一時期領民の数が以前の半数を切るがそこに目を付けたのは全大陸の商人や宿屋。直ちにシシエド領に行き、もともといた領民と話し合い空いた土地を手に入れ商売を始めた。それにより以前以上の賑わいを取り戻したのだ。

こうしてヒノクニ大陸の観光は終え、翌日ヒノクニ大陸陣営によるメルトホルンの観光へと移る。




 儂の名は一鉄、オオエド国にある鍛冶屋「匠」で武器や包丁などの金物を作っている。ちなみに他に務まる人がいないためいやいやながら商会『琥珀』の副代表もしている。そんな中他の大陸との会談があるとかで来てほしいといわれた。詳しい話を聞くと以前店に来た妙に強そうな冒険者翔達が他の大陸から来た者達で自分たちが住んでいる国の王を連れてくれるらしい。商売は興味がないが他の大陸の技術は興味があったため了承した。

 当日他の奴らと待っているとき現れたのが聖とミーシャだった。以前あった時は軽装だったが今回は警護のため武器を持参していた。それを一目見た時儂は固まってしまった。彼女らが持っていた杖と銃からは音から見ただけでも驚きの技術が使われていることが確認できた。それにあの感じ、以前国にあった神器の感じと一緒だった。

 さらに会議室に入るとワシは一点を見ていた。それは翔の腰にある2振りの刀だった。その刀は白と黒の鞘に納められている。答申は見れないが外見だけでも相当なものだとわかった。そこでワシは会談の初日の夜翔に土下座して頼んだ。

「かける、すまんがその腰にある刀を見せてくれんか?」

 翔は快く腰の刀をわたしてくれ、名前も教えてくれた。そしてわしはまず白い鞘の刀、神刀・聖乱白夜を鞘から抜き放つ。儂はその刀身を見て思わず涙を流してしまった。刀身は謎の金属が用いられた峰と刃の部分が違う2色の白色で他には何もなかった。しかしその色が他の色はいらないと伝えるように調和していた。いままでこのような美しい刀身を見たことが無かった。

 続いて黒い鞘の刀、神刀:陰日向を鞘から抜き放つ。こちらは黒一色だった。刃も峰も同じ黒で見分けがつかなかった。黒と言っても普通の黒ではなく例えるなら夜の黒、すべてを飲み込み魅力する黒だった。儂もしばし見入ってしまった。

そして刀を返すとき儂は尋ねた、この刀は誰が作ったのか。そうすると翔はこう答えた。

神が作ったと

 最初聞いたときは驚いたがあの刀を見たから納得できた。そして儂には目標ができた。あの刀を超える刀を絶対に作ると
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