異世界デパート"コレクト・スター"へようこそ~異世界救ったので地球の商品売ってのんびり生活したいと思います~

２章

86 驚異の発展！星空ファーム

ある一室にそれぞれ1から７までの数字の書かれた黒いフードをかぶった7人が椅子に座っていた。そして1番のフード（以降ナンバー１）が話し始めた。



「さて例の計画の進捗状態はどうだ？」



　ナンバー1が他のメンバーに聞くとナンバー2とナンバー3は報告をしていく。



「計画1の食料の継続供給は団員の教育まですべて終了しました」



「計画２のアイテム供給についても十分な量を確保できました」



　その報告をききナンバー1はうなずくと



「よしご苦労、こちらも計画3の新兵器作成を協力者の鋭意努力によりストックはたくさん用意できた。これでとうとう本計画の最終段階が動ける・・・・」



「ってなんなの、この寸劇？フード渡されて被ちゃったけど」



　と黒いフードを脱いでレオナが突っ込みを入れる。



「いやー、一度やってみたくって悪い集団の作戦会議ごっこ」



　とフードを脱いだ翔が返事を返した。そう、ここはメルトホルンの翔達の家の居間である。



「じゃあ、普通に話そうかな。で黄昏の彗星（食堂）はどうなってるの？真保、ミーシャ？」



「内装、料理、接客、フロアと厨房のコンビネーション、緊急時の対応、お金の取り扱い一通り教えたわ」



「今はカナとマオにまかせてるわよ～。実際のお客さんが来ての動きを見たいわね～？」



　ミーシャの提案に翔はうなずいた。



「ああ、それは2日間ぐらい知り合いを呼んでプレオープンみたいのをしようと思ってるから大丈夫。星降る夜（商店）はどう、聖、レオナ？」



　翔は次に星降る商店担当の聖、レオナに状況を確認した



「ええ、翔が言ったように他のお店と値段に差が出ないように値段は調整したわ。商品はスポンジ、洗剤、おけ、メモ帳、ペンなどの日用雑貨、プラスチックで作ったお箸や皿などの食器類、ヌイグルミやゴムボール、クッションなどのおもちゃ類を用意したわ」



「イチカちゃんたちにある程度の作法は教えましたし大丈夫です」



「OK。次は流星の工房は？アリシア、ミゼル？」



　翔は次に流星の工房担当のアリシア、ミゼルに状況を確認した。



「こっちも大丈夫。トム達に接客の方法は教えたし毎日誰か一人ガルズさん達の職人が数人工房で作業するって言ってもらえたし」



「商品も包丁やハサミ、鍋、フライパン、スプーン、フォークなどの金物や椅子、テーブルなどの家具、ランプや小物入れなどのちょっとした雑貨を作ってもらってるわ」



「よし、じゃあ準備はOKだね。レオナ、アリシア、ミゼル、みんなに声を掛けて予定を合わせてくれる？その予定が決まり次第コレクト・スターのプレオープンをしよう」



　とうとうコレクト・スターが動き出す。



　翔はレオナ、アリシア、ミゼル以外の全員で星空ファームに来た。今朝トムから伝言で来てほしいと頼まれたからだ。ちなみに星空ファームについてはアースさん達神族に建物の増築から野菜の育成、家畜の選択まですべて任せており最初に見に行ってから一度も見に行っていない。ただ黄昏の彗星にはさまざま食材が届いていることから問題ないのだろう。



　翔達が自宅の【ゲート】から星空ファームに行移動すると、白い壁の家に繋がっていた。前回は山小屋みたいな場所だったが今は大きなログハウスになっていた。ログハウスの中では白いテーブルで紅茶を飲んでいる2人がいた。その光景を見た翔は呆れていた。



「なんでいるの？ネロ、ティーナ？」



　そう、そこにいたのは創造神ネロと運命神ティーナだった。



「見てわかるように紅茶を飲んでるんだよ」



「よく来てんですよ、ここには」



　まさかの最高神の休憩所となっていた。翔達はログハウスにネロ達を残して外に出た。すると様々な野菜が宿った畑が広がっていた。翔値が来たことに気づいたのかその畑の奥からいくつかの人影が出てきた。



「よく来たのう。翔達よ」



「いらっしゃい、みなさん」



「どうです。育ったでしょ、畑」



「え？ミスラさん、シーナさんまでいるの？」



　そう、いつの間にか天空神ミスラと海洋神シーナまでそれぞれ水色と青色のジャージを着て子供達と畑仕事をしているようだ。



「何故かってそれは手伝いにじゃ。ワシらほどの地位になると体を動かしたり、人界の子と接する機会が滅多にないからのう。それに羽を持つ生物は儂の領域じゃしな」



「ええ、久々に体が動かせて最近は気分がいいんです。子供達も純粋ですしね」



と子供達を見ながら答える2人の最高神。子供たちは首をかしげながら二人に質問する。



「ミスラお姉ちゃん、シーナお姉ちゃん、ちい？て何？」



「んっ？ああ、お主らは気にしなくていいんじゃ」



　と子供の頭を撫でながら答えた。どうやら最高神だと子供たちに気づかれないようにしてお姉ちゃんと慕われているようだ。早速畑について案内してくれるようだ。



　星空ファームの畑は人界、魔界、天界の春夏秋冬の12面用意されていた。それぞれの畑では季節ごとに気温が設定されており、その土地、その季節に合った野菜や果物が実るようになっていた。神族は関係ないが子供たちは気温の変化で体調が悪くなりそうだがいつの間にか付与されたツナギの【気温調整】【健康維持】が防いでくれていた。畑は見回っていた翔は畑のそばに必ず配置されていた大きな籠が気になりアースに尋ねるとあの籠には中に入った野菜や果物が自動的に倉庫内のそれぞれの野菜の保管場所に行くようにネロが時空間魔法をかけて作ったらしい。



　続いて牛や鶏などがいる畜産エリアに来た。ここでは牛や豚、鶏、ヒツジ、カルガモなど様々な動物がいた。話を聞くとアース達が各世界からそれぞれ捕獲してきたらしい。創造神であるネロに頼めばいいじゃないかと思う人がいるかもしれないが翔は手伝ってくれている神族の人達になるべく各世界かに住んでいる生物を使ってほしいと。



　続いて魚や海産物が採れる湖エリアに着いた。当初は湖ほどの広さだったが知らぬ間に海となっていた。詳しく話を聞くとシーナがこの星空ファームに来たとき海を作り出したらしい。さらにこの海は中央に魔法により透明な区切りがあり海水と淡水に分けられている。それぞれの湖では世界中の魚やうに、貝、蟹などの海産物が採れるらしい。えっ、どうやってとるかって？ここもつなぎに付与された【水中呼吸】【海洋神の結界】により解決される。



　そして最後に紹介されたのは加工施設。ここでは様々な魔道具が置かれており、自動的にお米が精米されたり、小麦から小麦粉が、各材料を加えると調味料ができたりする。ちなみにその魔道具はネロが作りだしたらしい。翔達の知らぬ間にすごいレベルで発展していた。ちなみに星空ファームの存在がばれた場合世界中の様々な貴族や商人がおしよせ大変なことが起こるだろう。