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2章

64 教会での食事メニュー試食会

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子供たちに仕事の内容について説明した翌日、翔達は自宅のキッチンに集まっていた。

翔は黒板を取り出し文字を書き始めた。『第1回黄昏の彗星メニュー決め会議』



「じゃ始めよう。まず食堂のメニューを考える上で大切なことは何か?それぞれ意見を言って!」

皆からそれぞれ意見が出た。翔はその内容を黒板に書いていく。まとめると

値段、美味しさ、珍しさ、食材の値段、料理の種類、料理ができるまでの時間など



「大体出たね。見た感じ俺達の世界の料理を出していった方がいいね。アリシア、ミゼル、ミーシャ、レオナ、ユーナ何がおいしかった?」

「てんぷらはよかったわね。山の幸や魚の新しい食べ方だったわ」

「ハンバーグはうまかった。あの一口食べたら肉汁が出る感じがたまらない」

「やっぱりスパゲティは外せないわね。あのミートソースがおいしいのよね」

「卵焼き。あのふわふわがおいしいの」

「ふむふむ、となると・・・」

翔、真保、聖は相談しながらメニューを書いていく。



・てんぷら・・・山菜、魚、海やエビなどの甲殻類などをてんぷらにして盛り合わせで

         味は塩とめんつゆを用意

・ハンバーグ・・・ニンジンやブロッコリーを付け合わせにする。ソースはケチャップ、トマトソ

          ース、キノコを含んだあんかけの4種類を用意。またハン

          バーグの中にも卵入りとチーズ入りを用意。

・スパゲティ・・・ミートソースの他にタマネギ、ピーマン、ニンジンをたっぶり入れたナポリタ

          ン、卵と生クリームを使ったカルボナーラ、たらこソースのたらこスパゲテ

          ィ、出汁と醤油味の和風スパゲティ

・卵焼き・・・味は塩、砂糖、具材はたらこ入り、ホウレンソウなどの野菜入り、海苔入りを用意



「へえ、初めて見る料理もある。どんな料理なの?」

「うーん、それは食べてからのお楽しみ。今から真保、聖と共に作るから。皆は教会に行ってジルさんや子供たちを集めて待っていて。1時間ぐらいで行くから」

「うん、わかったよ~」

ミーシャ達は協会に行き、翔達は料理を作り始めた。



1時間後

 翔、真保、聖は作った料理をマジックバッグに収納し、アリシア達が集めてくれたジルや子供達がいる教会のリビングに向かった。

「お待たせ」

「翔君、ありがとね、昼食を作ってくれて」

「気にしないで、ジルさん。黄昏の彗星で出す予定の料理の試食も含まれているから。それに」

翔はジルに返事しながら、子供たちに目を向けた。

「何が食べられるのかな?」

「きっとおいしいものだよ」

「うん、翔お兄ちゃんが作った物で美味しくなかったものは無かったもんね」

 子供たちはワクワク、ドキドキと期待に夢を膨らませた表情で椅子に座っていた。もちろん箸やフォーク、スプーンは完備である。



 翔達は先ほど収納した料理をマジックボックスから取り出しテーブルに並べた。

山菜、魚、貝類そして魚の切り身を練ったちくわのてんぷら。ハンバーグ、チーズ入りハンバーグ、ウズラの大きさぐらいの卵が入ったハンバーグ、ソースはケチャップ、トマト、あんかけを用意。ミートスパゲティ、ナス入りミートスパゲティ、ナポリタン、カルボナーラ、たらこスパゲティ、和風スパゲティ。さらに各種卵焼き、オムレツ、鶏のから揚げ、とんかつ、サラダ。味噌汁、パン、ごはん、おにぎりなどの主食を用意した。



「じゃあ、みんなでいただきます」

「「いただきます」」

 そして、みんなで食べ始めた。



「初めて見るスパゲティがある」

「これはいつも食べてるミートソースのスパゲティだよね。隣の似てるのは何?野菜がたくさん入って、においも違う」

 さっそく子供たちはスパゲティに興味を持った。スパゲティは翔がヴィジョンに来て初めて作った地球の料理だった。翔はそのレシピを商業ギルドを通して無料で配布し、べリオス商会と共に乾燥パスタやトマトソースの缶詰の販売も始めた。それによりベルトホルン共和国を中心に市民から貴族まですごい勢いで拡散した。そのため子供達にも身近な料理となった。



「それはナポリタンっていうんだ。フライパンで細くきざんだタマネギ、ピーマン、ニンジンを炒めて、ゆでたパスタをいれケチャップと砂糖で味付けした料理だよ」

 子供達やジル、アリシア達は翔の説明を聞きながら、一口食べてみた。するとミートソースの時のトマトとお肉の味とは違い、ケチャップ独特の甘みが口いっぱいに広がり、野菜とパスタの触感の違いがいいアクセントとなり非常においしかった。



「これはすごくおいしいですね。それも味のつけ方が子供が好きそうです」

「ジルさんの感想どうり、このナポリタンは子供が食べやすいように甘めに作ってますからね。次は隣の白いスパゲティも食べてみて?」



 翔の進める通り、隣の白いソースを絡めたスパゲティを食べてみると卵と生クリームの濃厚な味わいに時折感じる胡椒のピリッとした味が食欲を増大させた。

「こっちはすごい濃厚ね。それだけじゃなく、たまに来るピリッとする胡椒の味がいいアクセントになってるわ」

「アリシアの言う通り、この白いソースのスパゲティ、カルボナーラはどちらかというと大人向けの味が濃い料理になってて、卵と生クリーム、塩コショウでソースを作ってパスタを絡めて作ってるんだ」



「この少し茶色いスパゲティはすごくいい匂いがするし、この独特な塩辛さ、醤油ね」

「ミゼル、正解です。具材にキノコ、野菜を炒めてパスタを絡めた後、出汁と醤油で味付けしたわ」

「醤油ですか?それは何なんですか?」

「醤油はここから海を越えて東にある国の調味料で、これを炒め物で使うと香ばしいいい匂いがするんです。他の料理にも使ってるんで食べてみてください」

 ジルの質問に関して翔は説明した



「このスパゲティは触感が面白いわね。プチップチッて」

「レオナ、それはね、粒の小さい魚の卵を使ってるの。魚の卵にバター、醤油のソースを作って、パスタと絡めるの。子供用の甘いのと大人用のピリ辛味を用意してるわ」



「これはハンバーグだ。ソースもいろいろある。これはケチャップだよね、こっちはミートソースの肉がないやつみたい」

「こっちのはトロッとしてる。不思議~」

「こっちのハンバーグにはチーズ、こっちには卵が入ってる。面白~い」

「ハンバーグを食べた後、この白いご飯を食べてみて」

「ご飯?」

翔はハンバーグを食べている子供たちにご飯を勧めた。子供たちはにおいをかいだりしながらご飯を口に含むと目を見開いた。

「何これ。モチモチしてて、ハンバーグと一緒に食べるとすごい美味しい」

「これはご飯て言ってパンの代わりになる食べ物だよ。パンに合う料理なら大体合うから試してみてね」



「この四角い黄色いやつは?」

「これは卵焼きていうの。フワフワしてておいしいよ」

「え~、でも丸くないし、ぐちゃぐちゃじゃないよ」

 女の子とユーナが卵焼きについて話していた。翔はそこに四角いフライパンを持って近づいて会話に混ざった。

「それはねこの四角いフライパンを使って作ったんだよ」

「「翔お兄ちゃん」」

「マヨネーズやこの黒い液体、醤油をつけて食べてみて。おいしいから」

女の子はマヨネーズをつけて四角い卵焼きを食べてみた。

「ユーナちゃんの言う通りフワフワしておいしい」

「だよね。醤油をつけてもおいしいし、ごはんと食べてもおいしいんだよ」



「この白い揚げ物と茶色い揚げ物は初めてみますね」

「この白い揚げ物はてんぷらっていって衣がふわふわで、中身は野菜と魚、貝やエビ、魚のすり身で、こっちの茶色いのは唐揚げ、醤油で味付けした鶏肉を上げてるんです」

ジルは翔の説明を聞きながらそれぞれ食べてみた。

「このてんぷらは中身の具がしっとりしておいしいですね。唐揚げは味がしっかりしてごはんととても合いますね」

 その日の試食会は大成功に終わった。

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