白雪姫は森で元気に暮らしています！

16

どうにか納得してくれた小人たちに白雪姫はホッと息をつきました。正直、白雪姫は嘘は上手くないのです。
もし、お后様に生きていることがばれてこの小さなお家のことも知られてしまったら……。白雪姫にはどうしようも出来ないのです。白雪姫一人だったら逃げるのは簡単かも知れません。しかし、この優しい小人たちとの平穏な生活を楽しみたい、そう思っていました。

｢ごめんなさい｣

小さく呟いた言葉は誰にも届きませんでした。


それから、ご飯を食べ眠る準備を終えた小人たちは顔を突き合わせヒソヒソと話始めました。
白雪姫はルーにご飯をあげてくると言って馬小屋へと行きました。

「ねえねえ。スノウ、なんかおかしかったよね？」
「そうかぁ？  髪以外におかしいところなんてなかったぞ」
「うんうん。なんか変だった」

様々な意見が飛び交いますが、最終的に『スノウは僕たちになにか隠してる』ということになりました。その、なにか、は分かりませんが。
そうしているうちに、ルーのご飯を終えた白雪姫が戻ってきます。

「ただいま。あれ、どうしたの？」

家のすみっこで固まって話をしていた小人たちは慌てて答えました。

「ううん！  なんでもない！！」

白雪姫は首を傾げながらも寝る支度を始めるのでした。