悪役令嬢は最後に笑う

みさき

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本編

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 っと、話がズレた。


「ねぇ、王太子殿下。もう、分かったでしょう? あなた方がしたことは自らの首をしめるようなもの」


 ロゼ商会の魔道具が無くなり困るのは王国。

 高品質の魔道具はロゼ商会の専売特許だ。

 そして、後ろ盾が無くなり困るのは王太子殿下。

 侯爵家の後ろ盾が無くなったら陛下はすぐに王太子殿下を王太子の座から降ろすだろう。

 彼は、王太子いや国王の器ではなかった。

 勉強が出来るだけでは国は治められない。


「王太子殿下。何故、私が殿下の婚約者になったか知っていますか?」


 知らないよね。

 知ってたら、婚約破棄なんてしないもんね。


「私達が婚約したのは10歳の時。私は、その時初めて魔道具を作りました。それがこの腕輪です。けれど、私が作ろうとしたのはこの腕輪ではなく魔力を吸収する魔道具を作ろうとしていたんです」


 私は、魔力が強かった。

 それこそ、この王国の誰よりも。

 本来、魔力というものは体が成長するに従って強さを増していく。

 けれども、私は生まれた時から大人以上の魔力を持っていた。

 そこから、導き出されるのは私が成長した時、私のもつ魔力は今よりももっと強大になるということだ。

 両親は恐怖し、まだ生まれたばかりの私を離れに監禁した。必要最低限のメイドと魔力を抑える結界を施して。


「突然変異の様に大きな魔力を持ち、今までになかった画期的な魔道具を作る。それに、家格も問題ない。これ以上に優れたご令嬢はいるかしら? それに、この婚約は王家から打診されたもの。私が断れるわけないじゃない」

『嘘をいうな! お前如きが王族よりも強い魔力持ちなわけない! いつも、学園の試験でもおちこぼれているだろう!』


 だから、言ったじゃない。私は、魔力を吸収する魔道具を作ろうとしたって。


「そんなの、当たり前じゃない。私が何個の魔道具をつけてると思ってんの? 常に5個以上付けてるのを知ってる?」

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