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傲慢な愛
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龍一は、高瀬の言葉にふっと笑った。
「……なに、なんか文句ある?」
「いや?お前にとっての大切な人ってのは、どこまでの事を言うのかと思ってな」
「どこまでって…」
「あの恋人とやらに幼馴染に?あぁ、あの場にいたカスみたいな奴はいいのか」
「カス?……って、もしかして主任!?」
そういえば昨夜そんな事を言っていた記憶がある。
何故そんな風に呼ばれなければならないのかと主任も随分憤慨していたが…。
「カスだろ?お前から与えられた力をただ垂れ流す残すだけの残りカス」
「…それってもしかして、霊力のこと?」
「ほかに何がある。お前はあいつにも与えたんだろう?」
「………」
嫉妬するようなその目に違和感を覚えながら、高瀬は思わずハム太郎を見る。
最初に主任に霊力を分けたのは高瀬ではなくハム太郎だ。
その後で必要性に迫られ高瀬も少し力を貸したが……。
「別に欲しいって言われたわけじゃないし、なければなくてもいいじゃない」
「!?」
「何その意外って顔??別に霊感なんてなくたって生きてけるんだからさぁ。
それに主任だって今は喜んでるけど、元に戻るなら戻ったほうがいいとは思うし…」
人に見えないものが見えるということは、それだけトラブルに巻き込まれやすいということでもある。
部長などいい例だろう。とりつかれ放題で取り除くだけの力もなく、迷惑を被っていた。
――まぁ、生霊に関してはまた話は別だが。
「特異な能力に頼りすぎた人生なんて碌でもない」
持ってるものは使う。それは当然だが、その力に振り回されてはいけないというのが高瀬の結論だ。
だからこそ、幽体離脱はあくまで「趣味」なのだし。
出来ることはやるが、あくまでそれは自分が「やってもいい」と思ったことだけ。
人を助けるのも、「助けたい」そう思った人間だけだ。
「大切な人を守るために自分が持ってる力を使うのは、それが霊力じゃなくても当たり前。第一、恋人だのなんだのって名前なんてなくても、大切な人っていうのは、日々増えてくものだから。今日は他人でも、明日には大切な人になってるかもしれない。そんなの誰にもわからないでしょ」
少なくとも数ヶ月前までは、高瀬にとって部長や主任は「他人」だった。
大切な人と言われて思い出すのは、幼馴染二人と身内くらいだったろう。
だが、それが今では部長を始めとした秘書課メンバーに、ハム太郎やアレク君といった可愛い仲間まで増えている。
「あんただって」
そう口にして、思う。
最初の出会いがなければ、この男とも、もう少し友好的な関係を築けたのではなかろうかと。
「――――なら、どうすればいい」
「……え?」
突然の龍一の言葉に、高瀬が目を見張った。
言葉を失った高瀬に、龍一はなおも言い募る。
「お前にとって大切な存在になるためには、どうしたらいい」と。
何を急に言いだしたのか。
どこまで本気なのかさっぱり理解できず、高瀬は龍一を見返す。
「勿論、俺が望むのはお前にとって無二の存在となることだが。
なぁ教えてくれよ。――――どうすれば、お前に愛される」
「あ、愛!?」
似合わないその言葉に、吹き出すかと思った。
本気で言っているかと龍一を見れば、その瞳は真剣そのもの。
勢いに押され、少しだけたじろぐ。
「女神の愛を独り占めしたいと望むのは罪悪か」
「……私は神じゃないって…」
「――俺はおまえが欲しい。お前の愛も、お前自身も」
だから、と。
龍一はすっと視線を高瀬からそらすと、再び例の穴を指差す。
「力を貸してやろう。――――いや、力ではなく知識を、だな」
「どういうこと?」
「俺はあれを放置しても構わないと思っている。だが、お前はどうだ」
そう問いかけながらも、龍一はその答えを既に確信しているようだった。
「無関係な人間が死ぬ。お前はそれを許容できるか」
できっこないだろうと。
高瀬の内心を、見透かしているようなその言葉。
「それは―――――」
「それはお前には関係のないことだろうと、はっきり言ってあげなさい」
「え…はっ…??竜児!?」
音もなく。それこそ気配すらなく、突然背後から現れてセリフを攫っていった竜児に驚愕する高瀬。
「ちょ…!?どうやってここが!?…っていうか気配無かったよ!?」
「君の注意力が散漫なんです。隙がありすぎると以前にも注意したでしょう」
「いや、今の注意してわかるレベルだったかなぁ!?」
かすかな物音すらしなかったのだが。
お前は忍びか。
忍びの一族のものか。
確かに今日龍一と直接対決することは告げたが、場所までは連絡していなかったし、まさか本当に竜児が現れるとは…。
「君レベルが予測できることを僕が思いつかないとでも?」
「……あぁ、うん、そうね…」
確かに、この場所を選ぶであろうことは高瀬にも予想がついた位だ。
竜児が先回りをするのはたやすいことだったろう。
それにしても手が早い。
もしやGPSでも付けられているのだろうか?
だが流石の竜児も霊体にまでそんな事は…。
脱力半分戦き半分といった高瀬の膝をすくい上げ、あっという間に己の腕の中に抱き込む竜児。
そして改めて、突然の登場にもまるで動揺した様子のない龍一に対し、見せつけるように宣告する。
「随分好き勝手なことをおっしゃっていたようですが、これは僕のものですよ」
「―――――は。でたな、悪徳弁護士」
「…悪徳」
「こら、こっちを見るんじゃありません」
「いや、あいつにまでそう呼ばれるって相当…」
「クリーンで無能よりダークで有能な人間の方が必要とされるのが弁護士の世界です」
それ、言い切っちゃっていいのかな?
思いながら、まぁあながち間違ってもいないかと納得する。
そして改めて龍一をみれば、竜児へと突き刺さる敵愾心丸出しの視線。
「…そいつは、あんたのことを「幼馴染」だと言ってたな。恋人だとは一言も聞いていないが?」
要するにお前は愛されていないと、試すようなその口ぶりを、竜児は鼻で笑う。
「恋人?そんな関係にしがみつくことの方が哀れですね。恋人の代わりはいますが、「幼馴染」の代わりはいません。ましてや、「僕」という存在の代わりは、どこにも」
傲岸不遜なまでのその自信。
だが言われてみれば確かにその通り。
恋人が新しく変わることがあっても、「幼馴染」が途中で変わることはない。
さらに言えば。
「竜児に匹敵するインパクトの人間もそうそういないよね…」
「それは僕が至高の存在だと褒め称えているものと受け取っておきます」
まったくもって、物は言いようだ。
だが、それでも不満そうな表情を隠せない龍一に、竜児が追い打ちをかける。
自身の目線の位置にある高瀬の顔を覗き込み、一言。
「僕のことを愛しているでしょう?」
「うん。愛してるよ」
即答する高瀬に、満足そうな竜児。
「―――――やはり、敵はお前か」
「敵?あぁ、なんて愚かなんでしょうね。あなたは僕と同じ土俵に乗ってすらいないというのに。
――――少なくとも「彼」はそこにいますよ」
悔しげな龍一に対し、相変わらず挑発を続ける。
「彼」とは誰を指すのか。
首をかしげる高瀬とは裏腹に、龍一はそれをすぐに理解したのか、「あぁそうか」とつぶやきを漏らす。
「あんたにとっちゃ、あっちが敵ってわけか?」
「彼は大切にされていますからね。少なくとも女神の寵愛を受けるだけの資格がある」
言外に、お前は資格すらもないと言い放ち、竜児は不敵に笑う。
「古来より、人は神の寵愛を競って争い続けてきました。
ですが神は気まぐれで残酷なもの。たとえ、己の全てを投げ出したとしても、愛を得ることが出来るとは限らない。それでももし、神からの永劫の愛を勝ち取ったものがいたとしたら―――――」
「いたと、したら?」
そこで竜児はふっと視線を落とし、高瀬へと心底から愛しげな視線を向けてから、もう一度龍一へと向き直る。
「――――輪廻の果てまでも追いかけ、どこまでも永遠に、彼女を守り続ける事でしょう」
「……なに、なんか文句ある?」
「いや?お前にとっての大切な人ってのは、どこまでの事を言うのかと思ってな」
「どこまでって…」
「あの恋人とやらに幼馴染に?あぁ、あの場にいたカスみたいな奴はいいのか」
「カス?……って、もしかして主任!?」
そういえば昨夜そんな事を言っていた記憶がある。
何故そんな風に呼ばれなければならないのかと主任も随分憤慨していたが…。
「カスだろ?お前から与えられた力をただ垂れ流す残すだけの残りカス」
「…それってもしかして、霊力のこと?」
「ほかに何がある。お前はあいつにも与えたんだろう?」
「………」
嫉妬するようなその目に違和感を覚えながら、高瀬は思わずハム太郎を見る。
最初に主任に霊力を分けたのは高瀬ではなくハム太郎だ。
その後で必要性に迫られ高瀬も少し力を貸したが……。
「別に欲しいって言われたわけじゃないし、なければなくてもいいじゃない」
「!?」
「何その意外って顔??別に霊感なんてなくたって生きてけるんだからさぁ。
それに主任だって今は喜んでるけど、元に戻るなら戻ったほうがいいとは思うし…」
人に見えないものが見えるということは、それだけトラブルに巻き込まれやすいということでもある。
部長などいい例だろう。とりつかれ放題で取り除くだけの力もなく、迷惑を被っていた。
――まぁ、生霊に関してはまた話は別だが。
「特異な能力に頼りすぎた人生なんて碌でもない」
持ってるものは使う。それは当然だが、その力に振り回されてはいけないというのが高瀬の結論だ。
だからこそ、幽体離脱はあくまで「趣味」なのだし。
出来ることはやるが、あくまでそれは自分が「やってもいい」と思ったことだけ。
人を助けるのも、「助けたい」そう思った人間だけだ。
「大切な人を守るために自分が持ってる力を使うのは、それが霊力じゃなくても当たり前。第一、恋人だのなんだのって名前なんてなくても、大切な人っていうのは、日々増えてくものだから。今日は他人でも、明日には大切な人になってるかもしれない。そんなの誰にもわからないでしょ」
少なくとも数ヶ月前までは、高瀬にとって部長や主任は「他人」だった。
大切な人と言われて思い出すのは、幼馴染二人と身内くらいだったろう。
だが、それが今では部長を始めとした秘書課メンバーに、ハム太郎やアレク君といった可愛い仲間まで増えている。
「あんただって」
そう口にして、思う。
最初の出会いがなければ、この男とも、もう少し友好的な関係を築けたのではなかろうかと。
「――――なら、どうすればいい」
「……え?」
突然の龍一の言葉に、高瀬が目を見張った。
言葉を失った高瀬に、龍一はなおも言い募る。
「お前にとって大切な存在になるためには、どうしたらいい」と。
何を急に言いだしたのか。
どこまで本気なのかさっぱり理解できず、高瀬は龍一を見返す。
「勿論、俺が望むのはお前にとって無二の存在となることだが。
なぁ教えてくれよ。――――どうすれば、お前に愛される」
「あ、愛!?」
似合わないその言葉に、吹き出すかと思った。
本気で言っているかと龍一を見れば、その瞳は真剣そのもの。
勢いに押され、少しだけたじろぐ。
「女神の愛を独り占めしたいと望むのは罪悪か」
「……私は神じゃないって…」
「――俺はおまえが欲しい。お前の愛も、お前自身も」
だから、と。
龍一はすっと視線を高瀬からそらすと、再び例の穴を指差す。
「力を貸してやろう。――――いや、力ではなく知識を、だな」
「どういうこと?」
「俺はあれを放置しても構わないと思っている。だが、お前はどうだ」
そう問いかけながらも、龍一はその答えを既に確信しているようだった。
「無関係な人間が死ぬ。お前はそれを許容できるか」
できっこないだろうと。
高瀬の内心を、見透かしているようなその言葉。
「それは―――――」
「それはお前には関係のないことだろうと、はっきり言ってあげなさい」
「え…はっ…??竜児!?」
音もなく。それこそ気配すらなく、突然背後から現れてセリフを攫っていった竜児に驚愕する高瀬。
「ちょ…!?どうやってここが!?…っていうか気配無かったよ!?」
「君の注意力が散漫なんです。隙がありすぎると以前にも注意したでしょう」
「いや、今の注意してわかるレベルだったかなぁ!?」
かすかな物音すらしなかったのだが。
お前は忍びか。
忍びの一族のものか。
確かに今日龍一と直接対決することは告げたが、場所までは連絡していなかったし、まさか本当に竜児が現れるとは…。
「君レベルが予測できることを僕が思いつかないとでも?」
「……あぁ、うん、そうね…」
確かに、この場所を選ぶであろうことは高瀬にも予想がついた位だ。
竜児が先回りをするのはたやすいことだったろう。
それにしても手が早い。
もしやGPSでも付けられているのだろうか?
だが流石の竜児も霊体にまでそんな事は…。
脱力半分戦き半分といった高瀬の膝をすくい上げ、あっという間に己の腕の中に抱き込む竜児。
そして改めて、突然の登場にもまるで動揺した様子のない龍一に対し、見せつけるように宣告する。
「随分好き勝手なことをおっしゃっていたようですが、これは僕のものですよ」
「―――――は。でたな、悪徳弁護士」
「…悪徳」
「こら、こっちを見るんじゃありません」
「いや、あいつにまでそう呼ばれるって相当…」
「クリーンで無能よりダークで有能な人間の方が必要とされるのが弁護士の世界です」
それ、言い切っちゃっていいのかな?
思いながら、まぁあながち間違ってもいないかと納得する。
そして改めて龍一をみれば、竜児へと突き刺さる敵愾心丸出しの視線。
「…そいつは、あんたのことを「幼馴染」だと言ってたな。恋人だとは一言も聞いていないが?」
要するにお前は愛されていないと、試すようなその口ぶりを、竜児は鼻で笑う。
「恋人?そんな関係にしがみつくことの方が哀れですね。恋人の代わりはいますが、「幼馴染」の代わりはいません。ましてや、「僕」という存在の代わりは、どこにも」
傲岸不遜なまでのその自信。
だが言われてみれば確かにその通り。
恋人が新しく変わることがあっても、「幼馴染」が途中で変わることはない。
さらに言えば。
「竜児に匹敵するインパクトの人間もそうそういないよね…」
「それは僕が至高の存在だと褒め称えているものと受け取っておきます」
まったくもって、物は言いようだ。
だが、それでも不満そうな表情を隠せない龍一に、竜児が追い打ちをかける。
自身の目線の位置にある高瀬の顔を覗き込み、一言。
「僕のことを愛しているでしょう?」
「うん。愛してるよ」
即答する高瀬に、満足そうな竜児。
「―――――やはり、敵はお前か」
「敵?あぁ、なんて愚かなんでしょうね。あなたは僕と同じ土俵に乗ってすらいないというのに。
――――少なくとも「彼」はそこにいますよ」
悔しげな龍一に対し、相変わらず挑発を続ける。
「彼」とは誰を指すのか。
首をかしげる高瀬とは裏腹に、龍一はそれをすぐに理解したのか、「あぁそうか」とつぶやきを漏らす。
「あんたにとっちゃ、あっちが敵ってわけか?」
「彼は大切にされていますからね。少なくとも女神の寵愛を受けるだけの資格がある」
言外に、お前は資格すらもないと言い放ち、竜児は不敵に笑う。
「古来より、人は神の寵愛を競って争い続けてきました。
ですが神は気まぐれで残酷なもの。たとえ、己の全てを投げ出したとしても、愛を得ることが出来るとは限らない。それでももし、神からの永劫の愛を勝ち取ったものがいたとしたら―――――」
「いたと、したら?」
そこで竜児はふっと視線を落とし、高瀬へと心底から愛しげな視線を向けてから、もう一度龍一へと向き直る。
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