236 / 290
激変
しおりを挟む
「…まぁ、あの子のことだ。
こっちがどんだけ気合を入れて守ろうとしたところで、ケロっとした顔で『危ないですよ?』なんて言われそうだがな」
「………違いないな」
詰めていきた息を吐き、互いにふっと力を抜く。
その上で、相原は改めて問いかけた。
「ーーーーーーー行くのか、谷崎」
「あぁ」
迷いのないその答えに、もうそれ以上の言葉は何も必要なかった。
「……よっし!!んじゃ、早く全部済ませて、約束通りうまい中華でも食いに行こうぜ!」
「そうだな。それが彼女との約束だ」
「店選びは任せろよ。あの子が大喜びするような店、探しといてやる」
だから。
「ーーーーーあの子を連れて、早く戻って来いよ、谷崎」
「わかった。ーーーーー後は、頼んだぞ」
「バッチリ任せとけ」
大船に乗ったつもりでな、と冗談めかして語る相原。
しかし谷崎にとって、相原以上に信頼する相手はいない。
自他ともに認める女房役は、ただひとり。
「ったく、この歳になるとやだねぇ。
自分の出来ることできないことが、はっきりと理解できちまってさ」
努力させすれば何にでもなれると信じていたあの頃の万能感は、もうどこにもない。
自分は特別な人間なんかじゃない。
ただの、ほんの少し人よりずる賢いだけの男なのだと、誰より自分がよく知っている。
「ーーーーあ~ぁ。30すぎの中二病かよ。
力が欲しい、なんて本気で思うのは中坊の頃くらいだぜ」
俺に力を、なんてな、と口を歪めて冗談交じりに話す相原。
「……力、か」
何も持たない自らの手のひらを見つめ、谷崎がポツリとつぶやいた、その時。
ーーーー力が、欲しいか。
ドクッ……!!
「……ッ!!」
「おい、どうした谷崎!?」
急に胸を押さえ、ぐっと苦しみだした谷崎に慌てる相原。
「……声が」
「声?」
体をぐっと内側に織り込みながら、くぐもった声で伝える谷崎。
「一回どこかに車を止めるか!?」
「いや……大丈夫…だ」
「大丈夫ってツラかよそれが!!」
叫びながら、どこか車を停車できるスペースを探し、慌てて視線をさまよわせる相原。
「クソっ……!!」
「…相原、俺は大丈夫だ」
「生憎な、俺は病人の大丈夫は信じないことにしてるんだよ!!」
「……だが、後ろの二人をまず病院にーーーーー」
無駄な寄り道をしている時間などない、と。
苦しげな息のまま声を絞り出す谷崎に、「病院……そうだよ、病院だよ!!」と、今それを思い出したかのように叫ぶ相原。
目測で言えば、目的地である病院まで後5分ほど。
確かに寄り道をするくらいなら、まっすぐ病院まで車を走らせたほうが早いかも知れない。
ーーーーー覚悟を示せ。
「ぐっ……!」
「おい、谷崎……!!」
その声とともに、まるで心臓を握りつぶされるかのような痛みを感じ谷崎は呻く。
ーーーーー失ったものを取り戻そうというのなら、その覚悟を示せ。
「……失った……もの?」
なんだそれは。
意味がわからない。
だが、相原を様子を考えれば、この声が聞こえているのは自分ただひとり。
声は外から聞こえているのではない。
自身の内側から聞こえているのだ。
「……覚……悟」
それは、一体何を示せば認められるというのか。
脂汗の浮かぶ額。
慌てた顔の相原。
そこで、ふっと気づいた。
後部座席に寝かせていたはずの矢部が閉じていたはずの目を見開き、ミラー越しにじっとこちらを見ている。
なんだ、あの目は。
まるで、全てを見ているぞと言わんばかりの、冷たい瞳。
「矢部君…!目が覚めたのか!?」
相原もまたそれに気づき、驚いて声をあげる。
だが、矢部の様子は相変わらずどこか奇妙で。
隣に寝かされた中塚の様子にも、以前と変わったところは何もない。
つまり、呪いは解けてはいないのだ。
しかし矢部は虚ろな瞳を前に向けたまま、すっと指を持ち上げ、谷崎を指差す。
そして。
『「示せ」』
矢部の口から漏れ出たのは、男友女ともつかぬ、奇妙な音の重なり。
何者かに憑依されている。
直感的にそう感じた。
だが、今矢部の中には既にアレキサンダーが………。
『「示せ」』
再び同じ言葉が聞こえ、どこからか聞こえてきたのは低い犬の唸り声。
「………まさか、アレキサンダーなのか……?」
「…‥お前の犬がどうしたって!?」
「高瀬君が言っていた。矢部君には、アレクをつけた、と」
つまり今の矢部を支配しているのは、アレキサンダーでしかありえない。
だが、一体これが何を意味しているのか。
「アレキサンダー。お前は俺に何を求めている」
ーーーーーー力とは、何だ。
後ろを振り向き、矢部の内側に潜むであろう存在に向かって語りかける谷崎。
未だ消えることのない胸の痛み。
覚悟を示せとはまさか、己の心臓を差し出せと、そういう意味なのだろうか、と。
ちらりと脳裏に浮かんだその答えに「まさか」と首をふり、下を向いたその時。
「……谷崎……!!逃げろ!!」
「!?」
谷崎に向け、指を伸ばしていたはずの矢部。
その手がすっと前に伸びーーーーーーー。
谷崎の首筋を、いまぐっと背後につかみ寄せた。
「………っ!!!」
「やめろ矢部君っ!!正気に戻れ!!」
正気を失った青白い顔のまま、虚ろな瞳で谷崎の首を締め上げる矢部。
女の細腕だというのに、その力は正に万力のようで。
引き剥がそうとしても、指先一つびくとも動かない。
白く血管の浮き出た腕。
血の気の失せた唇は、『「示せ」』と、尚も谷崎を責め立てる。
ーーーーーー息が、詰まる。
すぐそこにコンビニを見つけた相原が慌ててそこの駐車場に飛び込んだ。
そしてすぐさま運転席を降りるなり、後部座席のドアをあけ、矢部を谷崎から引き剥がそうと背中から彼女の肩を掴んだ。
「谷崎から手を離せよ……!!」
そこにいたのは既に、矢部ではなかった。
「飼い犬に手をかまれるなんざ、洒落にならねぇぞ……!!」
ゆらりと、矢部の背後で陽炎のように揺らめく気配。
朦朧としてきた意識の中、かすかに見えたその姿は、真っ白な毛並みをした、巨大な四足の獣。
ーーーーーあれは、アレキサンダーじゃ、ない。
お前は一体何だ。
力とは、なんだ。
薄れていく意識の中、脳裏に浮かんだのはただ一つの顔。
『部長……!!』
いつもの通り彼を呼ぶ彼女の幻に、しかし谷崎は未だ首筋を圧迫されたまま、弱々しく口を開く。
「ち…が…う」
「違う!?なんのことだ谷崎!!くそっ……!離せよ矢部君っ!!」
「あの~、店の前で騒ぎを起こされちゃ困るんですけ……ど……ヒィッ!!」
騒ぎを聞きつけ、店の中から様子を伺うようにやってきた店員。
谷崎の首を一心不乱に締め上げる矢部の姿に驚き、「け、警察を…!!」と泡を食う。
「警察なんてどうでもいいんだよ!!出てきたんなら力をかしてくれ!」と叫ぶ相原に、慌ててこちらへ駆けつけてくる姿が見えた。
意識が、落ちる。
彼女が呼ぶ己の名に、違和感を覚えたのはなぜか。
違う。そうじゃない。
君が呼ぶべき、俺の名はーーーーーー。
「✖✖✖✖」
ーーーーーーあぁ。
そうだ、俺は彼女のーーーーーーーー。
「谷崎ーーーーーーーーーーーーー!!!」
こっちがどんだけ気合を入れて守ろうとしたところで、ケロっとした顔で『危ないですよ?』なんて言われそうだがな」
「………違いないな」
詰めていきた息を吐き、互いにふっと力を抜く。
その上で、相原は改めて問いかけた。
「ーーーーーーー行くのか、谷崎」
「あぁ」
迷いのないその答えに、もうそれ以上の言葉は何も必要なかった。
「……よっし!!んじゃ、早く全部済ませて、約束通りうまい中華でも食いに行こうぜ!」
「そうだな。それが彼女との約束だ」
「店選びは任せろよ。あの子が大喜びするような店、探しといてやる」
だから。
「ーーーーーあの子を連れて、早く戻って来いよ、谷崎」
「わかった。ーーーーー後は、頼んだぞ」
「バッチリ任せとけ」
大船に乗ったつもりでな、と冗談めかして語る相原。
しかし谷崎にとって、相原以上に信頼する相手はいない。
自他ともに認める女房役は、ただひとり。
「ったく、この歳になるとやだねぇ。
自分の出来ることできないことが、はっきりと理解できちまってさ」
努力させすれば何にでもなれると信じていたあの頃の万能感は、もうどこにもない。
自分は特別な人間なんかじゃない。
ただの、ほんの少し人よりずる賢いだけの男なのだと、誰より自分がよく知っている。
「ーーーーあ~ぁ。30すぎの中二病かよ。
力が欲しい、なんて本気で思うのは中坊の頃くらいだぜ」
俺に力を、なんてな、と口を歪めて冗談交じりに話す相原。
「……力、か」
何も持たない自らの手のひらを見つめ、谷崎がポツリとつぶやいた、その時。
ーーーー力が、欲しいか。
ドクッ……!!
「……ッ!!」
「おい、どうした谷崎!?」
急に胸を押さえ、ぐっと苦しみだした谷崎に慌てる相原。
「……声が」
「声?」
体をぐっと内側に織り込みながら、くぐもった声で伝える谷崎。
「一回どこかに車を止めるか!?」
「いや……大丈夫…だ」
「大丈夫ってツラかよそれが!!」
叫びながら、どこか車を停車できるスペースを探し、慌てて視線をさまよわせる相原。
「クソっ……!!」
「…相原、俺は大丈夫だ」
「生憎な、俺は病人の大丈夫は信じないことにしてるんだよ!!」
「……だが、後ろの二人をまず病院にーーーーー」
無駄な寄り道をしている時間などない、と。
苦しげな息のまま声を絞り出す谷崎に、「病院……そうだよ、病院だよ!!」と、今それを思い出したかのように叫ぶ相原。
目測で言えば、目的地である病院まで後5分ほど。
確かに寄り道をするくらいなら、まっすぐ病院まで車を走らせたほうが早いかも知れない。
ーーーーー覚悟を示せ。
「ぐっ……!」
「おい、谷崎……!!」
その声とともに、まるで心臓を握りつぶされるかのような痛みを感じ谷崎は呻く。
ーーーーー失ったものを取り戻そうというのなら、その覚悟を示せ。
「……失った……もの?」
なんだそれは。
意味がわからない。
だが、相原を様子を考えれば、この声が聞こえているのは自分ただひとり。
声は外から聞こえているのではない。
自身の内側から聞こえているのだ。
「……覚……悟」
それは、一体何を示せば認められるというのか。
脂汗の浮かぶ額。
慌てた顔の相原。
そこで、ふっと気づいた。
後部座席に寝かせていたはずの矢部が閉じていたはずの目を見開き、ミラー越しにじっとこちらを見ている。
なんだ、あの目は。
まるで、全てを見ているぞと言わんばかりの、冷たい瞳。
「矢部君…!目が覚めたのか!?」
相原もまたそれに気づき、驚いて声をあげる。
だが、矢部の様子は相変わらずどこか奇妙で。
隣に寝かされた中塚の様子にも、以前と変わったところは何もない。
つまり、呪いは解けてはいないのだ。
しかし矢部は虚ろな瞳を前に向けたまま、すっと指を持ち上げ、谷崎を指差す。
そして。
『「示せ」』
矢部の口から漏れ出たのは、男友女ともつかぬ、奇妙な音の重なり。
何者かに憑依されている。
直感的にそう感じた。
だが、今矢部の中には既にアレキサンダーが………。
『「示せ」』
再び同じ言葉が聞こえ、どこからか聞こえてきたのは低い犬の唸り声。
「………まさか、アレキサンダーなのか……?」
「…‥お前の犬がどうしたって!?」
「高瀬君が言っていた。矢部君には、アレクをつけた、と」
つまり今の矢部を支配しているのは、アレキサンダーでしかありえない。
だが、一体これが何を意味しているのか。
「アレキサンダー。お前は俺に何を求めている」
ーーーーーー力とは、何だ。
後ろを振り向き、矢部の内側に潜むであろう存在に向かって語りかける谷崎。
未だ消えることのない胸の痛み。
覚悟を示せとはまさか、己の心臓を差し出せと、そういう意味なのだろうか、と。
ちらりと脳裏に浮かんだその答えに「まさか」と首をふり、下を向いたその時。
「……谷崎……!!逃げろ!!」
「!?」
谷崎に向け、指を伸ばしていたはずの矢部。
その手がすっと前に伸びーーーーーーー。
谷崎の首筋を、いまぐっと背後につかみ寄せた。
「………っ!!!」
「やめろ矢部君っ!!正気に戻れ!!」
正気を失った青白い顔のまま、虚ろな瞳で谷崎の首を締め上げる矢部。
女の細腕だというのに、その力は正に万力のようで。
引き剥がそうとしても、指先一つびくとも動かない。
白く血管の浮き出た腕。
血の気の失せた唇は、『「示せ」』と、尚も谷崎を責め立てる。
ーーーーーー息が、詰まる。
すぐそこにコンビニを見つけた相原が慌ててそこの駐車場に飛び込んだ。
そしてすぐさま運転席を降りるなり、後部座席のドアをあけ、矢部を谷崎から引き剥がそうと背中から彼女の肩を掴んだ。
「谷崎から手を離せよ……!!」
そこにいたのは既に、矢部ではなかった。
「飼い犬に手をかまれるなんざ、洒落にならねぇぞ……!!」
ゆらりと、矢部の背後で陽炎のように揺らめく気配。
朦朧としてきた意識の中、かすかに見えたその姿は、真っ白な毛並みをした、巨大な四足の獣。
ーーーーーあれは、アレキサンダーじゃ、ない。
お前は一体何だ。
力とは、なんだ。
薄れていく意識の中、脳裏に浮かんだのはただ一つの顔。
『部長……!!』
いつもの通り彼を呼ぶ彼女の幻に、しかし谷崎は未だ首筋を圧迫されたまま、弱々しく口を開く。
「ち…が…う」
「違う!?なんのことだ谷崎!!くそっ……!離せよ矢部君っ!!」
「あの~、店の前で騒ぎを起こされちゃ困るんですけ……ど……ヒィッ!!」
騒ぎを聞きつけ、店の中から様子を伺うようにやってきた店員。
谷崎の首を一心不乱に締め上げる矢部の姿に驚き、「け、警察を…!!」と泡を食う。
「警察なんてどうでもいいんだよ!!出てきたんなら力をかしてくれ!」と叫ぶ相原に、慌ててこちらへ駆けつけてくる姿が見えた。
意識が、落ちる。
彼女が呼ぶ己の名に、違和感を覚えたのはなぜか。
違う。そうじゃない。
君が呼ぶべき、俺の名はーーーーーー。
「✖✖✖✖」
ーーーーーーあぁ。
そうだ、俺は彼女のーーーーーーーー。
「谷崎ーーーーーーーーーーーーー!!!」
0
お気に入りに追加
967
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる