211 / 290
あくまでブレない矢部先輩。
しおりを挟む
……猫を連れた若い男と、例の矢部先輩の兄が、一緒に?
それが本当であれば。
「状況的に真っ黒だな」
そうポツリとつぶやいたのは主任だ。
「……本当にそうなんですか?矢部先輩」
もしそうだとしたら、この猫は既に……。
どうか違っていて欲しいと願う気持ちとは裏腹に現実は残酷だ。
「――――あなたのご想像の通り、とでも言えば満足かしら」
皮肉げに口を歪みながら、中塚先輩を睨むように見つめる矢部先輩。
ってことはですよ、と。
「黒幕がいる、ってさっき言ってましたよね。
じゃあその黒幕っていうのが矢部先輩の見た若い男なんですか?
それに、例の人と別れたあと、矢部先輩通り魔にも襲われてましたけど……」
あれは、もしやただの偶然ではなく。
「黒幕かどうかはわからないけど、そっちは多分別人だったと思うわ。
ー――――ーむしろあの男の差金だったとしても驚かないけど」
「先輩……」
いくら義理とは言え、妹の命を狙うなんて……。
両親を殺害した疑惑がかかっている以上今更なのかもしれないが、人ごとながら胸が痛む。
「ケージに入れて猫を運んでた上、犯人と目される人物と接触があったってことは、その男が事件に関わっている可能性は高いな」
もう少し詳しく話をと乞われ、再び話し出す矢部先輩。
「………猫の入ったケージを持った男とぶつかった後のことです。
そのまましばらく歩いていたら、大通りを外れた路地でさっき見た男とアイツがこそこそ話しているのを見かけて。何を話しているのかわからないけど、きっとろくなことじゃないと思って……」
彼ら二人が別れ、その場から離れたのを見計らい、そのまま例の義兄の跡をつけたのだという。
猫を持った男も勿論気になったが、生憎追えるのは一人だけ。
矢部先輩にとっては当然の判断だった。
おそらくだが、中塚先輩が矢部先輩の姿を見つけたのは丁度その頃のことなのだろう。
そしてチャンスを狙い、矢部先輩は直接対決に打って出た。
「問いただしたのよ。どうなってるのかってね」
「じゃあ、お金っていうのは……」
「寺尾さんからだまし取ったお金の返済のことよ。
詐欺グループの主犯格が捕まった時、あの男を警察につき出すこともできたけど、あえてしなかったの。
少しずつでも、彼女に対する弁済を行うことを条件にね」
確かにそのまま牢屋に入ってしまったのでは、失ったお金は一円たりとも戻ってこない。
「最も全部口だけで、実際に返済したことは一度もないらしいわ。
それだけじゃなくこんな騒ぎを起こして自分の息子まで巻き込むなんて……」
つまり、お前のせいで実の息子が犯人扱いされて捕まったとぞ正面から非難していたわけだ。
一体何を考えているんだと問い詰めた矢部先輩は、相当頭にきていたんだろう。
それは、あの時見た様子からも十分に伺えた。
「詐欺グループが捕まったことでようやく悪い連中と手が切れたかと思ったのに、また妙な人間と手を組んで……」
はぁ、と深い溜息をつく矢部先輩。
「その、妙な人間ってのは?例の息子さんが見たってやつかい?」
「ええ。顔も見えない二人組だったそうです」
「……二人組……」
つまり、矢部さんのお兄さんを利用して何かをしようとしている人間が、二人?
矢部先輩のいっていることが本当なら、猫のケージを持っていた男と例の通り魔は別人。
だが今聞いた話では、矢部先輩の義兄を含め、その3人がつながっている可能性も捨てきれない。
「で、甥っ子くんは一体そいつらが何をしているところを目撃したのかな?」
「……それは……」
「……?何って……」
どういうことだろう。
怪しい奴らと話しているのを見かけた、というだけではなかったのか。
「ちょっと考えてみればわかるでしょ。
今時の若い子だよ?たかがその程度のことで遠縁を頼ってわざわざ相談しに行くと思うかい?」
「……確かに」
言われてみればその通りだ。
「なにか見ちゃいけないものを見た。そう思ったからわざわざ他の大人を巻き込んでまで父親を尾行してたんだろ」
「それって、つまり……」
ごくりと、喉が鳴るのがわかった。
「――――ー猫殺し。彼はその現場を直接見たんじゃないのか」
「!」
その瞬間矢部先輩の顔色が変わったのが、はっきりとわかった。
「ま、今までの君の言動を考えると、そう推測するのは簡単だよね。
つまり、実の父親がここ最近起きている事件の犯人であると考えた彼は、協力してくれる大人ーーーーつまり矢部君に協力を求めた。
その一方で自分も現場周辺をうろついて父親の姿を探してた……ってところじゃないの?」
その姿が近隣の住人に目撃され、今度の事件の最重要被疑者扱いにされてしまったわけだ。
「矢部先輩の言うとおり、息子さんはまったくの無罪、ってことですね」
彼が大人しく警察に捕まったのは、本当の犯人が自分の父親であると知っていたからなのかもしれない。
「え、でもちょっとまって。そうだとすればさっき言ってたその子が呪われてるかもしれない云々って話は……」
一体どうなったの?
はて?と首をかしげて矢部先輩を見る。
直後、ぎくりと肩を震わせたのを見逃さなかったのは主任だ。
「まさかと思うけど……。その子に取り付いてる幽霊が怖くて、電話で相談を受けたはいいものの、一度も実際に会ったことがなかった……とか?」
まさかだよね、と。
念を押すまでもなく、その瞬間矢部の顔を見た全員が、はっきりと確信した。
――――ーーーー図星か、と。
「それ、矢部先輩いくらなんでもひどくないですか!?」
そんな大事な相談を受けといて、幽霊が怖くて行けませんって!!
それはない、と思わず声をあげた高瀬に逆ギレする矢部。
「仕方ないでしょ!?初めて見たのよあんなにはっきりとした霊を!!しかも写真を見ただけでよ!?つまりそれだけ凶悪な霊だってことじゃない!!ヘタに関わって私まで祟られたらどうするのよ!!」
「!?」
ちょ、最後、最後本音出てますって!!
せめてその本音は隠しておきましょうよ!!
人のこと言えないけどっ!!
流石に部長が白い目を向けてますからっ。
「……あぁ~………。わかったわかった。
つまり、最近になって急に高瀬君に近づいてきたのは、彼に今回の事件の容疑がかけられて、流石にそんなこと言ってる場合じゃなくなりそうだったからってことか」
ということは、今回の件と直接どんな関係があるのかは、今のところ全くの不明。
「とにかく今はあの子が無実だってことだけわかれば十分でしょ!?」
「え~と、まぁ、その、はい……」
自己正当化を図るかのごとく息巻く矢部先輩の勢いに負け、仕方なく相槌を打ったものの、全体的に白けたムードが漂う。
せっかく話が繋がりそうになっていたのに、その糸口が一気に見えなくなってしまった。
「こっちにだっていろいろ事情はあるのよ!!」と、半分ヤケになって訴える矢部先輩。
うんうん、わかりますわかります。
いろいろ大変でしたよね。
でもひとつだけ言わせてください。
矢部先輩、あなた……。
「ほんっっとに、ブレない人ですね………」
それが本当であれば。
「状況的に真っ黒だな」
そうポツリとつぶやいたのは主任だ。
「……本当にそうなんですか?矢部先輩」
もしそうだとしたら、この猫は既に……。
どうか違っていて欲しいと願う気持ちとは裏腹に現実は残酷だ。
「――――あなたのご想像の通り、とでも言えば満足かしら」
皮肉げに口を歪みながら、中塚先輩を睨むように見つめる矢部先輩。
ってことはですよ、と。
「黒幕がいる、ってさっき言ってましたよね。
じゃあその黒幕っていうのが矢部先輩の見た若い男なんですか?
それに、例の人と別れたあと、矢部先輩通り魔にも襲われてましたけど……」
あれは、もしやただの偶然ではなく。
「黒幕かどうかはわからないけど、そっちは多分別人だったと思うわ。
ー――――ーむしろあの男の差金だったとしても驚かないけど」
「先輩……」
いくら義理とは言え、妹の命を狙うなんて……。
両親を殺害した疑惑がかかっている以上今更なのかもしれないが、人ごとながら胸が痛む。
「ケージに入れて猫を運んでた上、犯人と目される人物と接触があったってことは、その男が事件に関わっている可能性は高いな」
もう少し詳しく話をと乞われ、再び話し出す矢部先輩。
「………猫の入ったケージを持った男とぶつかった後のことです。
そのまましばらく歩いていたら、大通りを外れた路地でさっき見た男とアイツがこそこそ話しているのを見かけて。何を話しているのかわからないけど、きっとろくなことじゃないと思って……」
彼ら二人が別れ、その場から離れたのを見計らい、そのまま例の義兄の跡をつけたのだという。
猫を持った男も勿論気になったが、生憎追えるのは一人だけ。
矢部先輩にとっては当然の判断だった。
おそらくだが、中塚先輩が矢部先輩の姿を見つけたのは丁度その頃のことなのだろう。
そしてチャンスを狙い、矢部先輩は直接対決に打って出た。
「問いただしたのよ。どうなってるのかってね」
「じゃあ、お金っていうのは……」
「寺尾さんからだまし取ったお金の返済のことよ。
詐欺グループの主犯格が捕まった時、あの男を警察につき出すこともできたけど、あえてしなかったの。
少しずつでも、彼女に対する弁済を行うことを条件にね」
確かにそのまま牢屋に入ってしまったのでは、失ったお金は一円たりとも戻ってこない。
「最も全部口だけで、実際に返済したことは一度もないらしいわ。
それだけじゃなくこんな騒ぎを起こして自分の息子まで巻き込むなんて……」
つまり、お前のせいで実の息子が犯人扱いされて捕まったとぞ正面から非難していたわけだ。
一体何を考えているんだと問い詰めた矢部先輩は、相当頭にきていたんだろう。
それは、あの時見た様子からも十分に伺えた。
「詐欺グループが捕まったことでようやく悪い連中と手が切れたかと思ったのに、また妙な人間と手を組んで……」
はぁ、と深い溜息をつく矢部先輩。
「その、妙な人間ってのは?例の息子さんが見たってやつかい?」
「ええ。顔も見えない二人組だったそうです」
「……二人組……」
つまり、矢部さんのお兄さんを利用して何かをしようとしている人間が、二人?
矢部先輩のいっていることが本当なら、猫のケージを持っていた男と例の通り魔は別人。
だが今聞いた話では、矢部先輩の義兄を含め、その3人がつながっている可能性も捨てきれない。
「で、甥っ子くんは一体そいつらが何をしているところを目撃したのかな?」
「……それは……」
「……?何って……」
どういうことだろう。
怪しい奴らと話しているのを見かけた、というだけではなかったのか。
「ちょっと考えてみればわかるでしょ。
今時の若い子だよ?たかがその程度のことで遠縁を頼ってわざわざ相談しに行くと思うかい?」
「……確かに」
言われてみればその通りだ。
「なにか見ちゃいけないものを見た。そう思ったからわざわざ他の大人を巻き込んでまで父親を尾行してたんだろ」
「それって、つまり……」
ごくりと、喉が鳴るのがわかった。
「――――ー猫殺し。彼はその現場を直接見たんじゃないのか」
「!」
その瞬間矢部先輩の顔色が変わったのが、はっきりとわかった。
「ま、今までの君の言動を考えると、そう推測するのは簡単だよね。
つまり、実の父親がここ最近起きている事件の犯人であると考えた彼は、協力してくれる大人ーーーーつまり矢部君に協力を求めた。
その一方で自分も現場周辺をうろついて父親の姿を探してた……ってところじゃないの?」
その姿が近隣の住人に目撃され、今度の事件の最重要被疑者扱いにされてしまったわけだ。
「矢部先輩の言うとおり、息子さんはまったくの無罪、ってことですね」
彼が大人しく警察に捕まったのは、本当の犯人が自分の父親であると知っていたからなのかもしれない。
「え、でもちょっとまって。そうだとすればさっき言ってたその子が呪われてるかもしれない云々って話は……」
一体どうなったの?
はて?と首をかしげて矢部先輩を見る。
直後、ぎくりと肩を震わせたのを見逃さなかったのは主任だ。
「まさかと思うけど……。その子に取り付いてる幽霊が怖くて、電話で相談を受けたはいいものの、一度も実際に会ったことがなかった……とか?」
まさかだよね、と。
念を押すまでもなく、その瞬間矢部の顔を見た全員が、はっきりと確信した。
――――ーーーー図星か、と。
「それ、矢部先輩いくらなんでもひどくないですか!?」
そんな大事な相談を受けといて、幽霊が怖くて行けませんって!!
それはない、と思わず声をあげた高瀬に逆ギレする矢部。
「仕方ないでしょ!?初めて見たのよあんなにはっきりとした霊を!!しかも写真を見ただけでよ!?つまりそれだけ凶悪な霊だってことじゃない!!ヘタに関わって私まで祟られたらどうするのよ!!」
「!?」
ちょ、最後、最後本音出てますって!!
せめてその本音は隠しておきましょうよ!!
人のこと言えないけどっ!!
流石に部長が白い目を向けてますからっ。
「……あぁ~………。わかったわかった。
つまり、最近になって急に高瀬君に近づいてきたのは、彼に今回の事件の容疑がかけられて、流石にそんなこと言ってる場合じゃなくなりそうだったからってことか」
ということは、今回の件と直接どんな関係があるのかは、今のところ全くの不明。
「とにかく今はあの子が無実だってことだけわかれば十分でしょ!?」
「え~と、まぁ、その、はい……」
自己正当化を図るかのごとく息巻く矢部先輩の勢いに負け、仕方なく相槌を打ったものの、全体的に白けたムードが漂う。
せっかく話が繋がりそうになっていたのに、その糸口が一気に見えなくなってしまった。
「こっちにだっていろいろ事情はあるのよ!!」と、半分ヤケになって訴える矢部先輩。
うんうん、わかりますわかります。
いろいろ大変でしたよね。
でもひとつだけ言わせてください。
矢部先輩、あなた……。
「ほんっっとに、ブレない人ですね………」
0
お気に入りに追加
965
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
縦ロールをやめたら愛されました。
えんどう
恋愛
縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。
「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」
──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故?
これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。
追記:3.21
忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
喧嘩の後の塩彼氏
moco
恋愛
陽菜(ひな)の恋人の唯人(ゆいと)は普段から仕事一番の塩彼氏。でもそんな彼の持つ温かくて優しい一面をよく知る陽菜は幸せな毎日を送っていたはずなのに、友達の一言がきっかけで、小さな不満をぶつけてしまい唯人と些細なことで喧嘩をしてしまう。本当は想いあっている二人の小さなすれ違いから始まる甘い夜。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師としていざという時の為に自立を目指します〜
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
恋愛
政略結婚の夫との冷えきった関係。義母は私が気に入らないらしく、しきりに夫に私と別れて再婚するようほのめかしてくる。
それを否定もしない夫。伯爵夫人の地位を狙って夫をあからさまに誘惑するメイドたち。私の心は限界だった。
なんとか自立するために仕事を始めようとするけれど、夫は自分の仕事につながる社交以外を認めてくれない。
そんな時に出会った画材工房で、私は絵を描く喜びに目覚めた。
そして気付いたのだ。今貴族女性でもつくことの出来る数少ない仕事のひとつである、魔法絵師としての力が私にあることに。
このまま絵を描き続けて、いざという時の為に自立しよう!
そう思っていた矢先、高価な魔石の粉末入りの絵の具を夫に捨てられてしまう。
絶望した私は、初めて夫に反抗した。
私の態度に驚いた夫だったけれど、私が絵を描く姿を見てから、なんだか夫の様子が変わってきて……?
そして新たに私の前に現れた5人の男性。
宮廷に出入りする化粧師。
新進気鋭の若手魔法絵師。
王弟の子息の魔塔の賢者。
工房長の孫の絵の具職人。
引退した元第一騎士団長。
何故か彼らに口説かれだした私。
このまま自立?再構築?
どちらにしても私、一人でも生きていけるように変わりたい!
コメントの人気投票で、どのヒーローと結ばれるかが変わるかも?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる